テテテUCを自分なりに書いてみました。

以下の点で、かなり事件の前提が変わってきているので、この後の展開も原作とはかなり違ったものになる可能性大です。ご了承くださいませ。

・袖付きは存在しない。代わりに(新生)ジオン共和国が存在する。
・第二次ネオ・ジオン抗争が発生しなかったので、シャア、アムロ、ギュネイは生存。

皆さんの好評価が多かったり、良い感想が多かったら、正式に連載を開始しようかな、と思っています。よろしくお願いします!

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宇宙世紀0096、元エゥーゴのエースパイロット、カレル・ファーレハイトは、かつての上官であるジオン共和国首相・シャアの依頼を受け、インダストリアル7に向かっていた。

そこで彼女を待ち受けていたのは……?


宇宙世紀世界を旅していたら、ガンダムUCの事件に巻き込まれました。あれ、でもちょっと違うぞ?(プレビュー版

 宇宙世紀0096———。宇宙の大海原を工業コロニー、インダストリアル7に向かって進む宇宙船の中に、『俺』はいた。

 

 窓から星空を見つめる俺……カレル・ファーレハイトに、『相棒』……カレル・ファーレハイト本来の人格が語りかけてくる。

 

———シャア首相からの依頼とはいえ、ジオン共和国がチャーターした特別な船で送ってくれるなんて、すごい待遇ですよね。私、こんな立派な船に乗るのはじめてです。

———そうだな。俺もはじめてだよ。でも、シャア首相がこんな船を用意してまで、俺たちを呼び出すってことは……。

———ことは?

———まだ確かなことは言えないが、覚悟しておけよ、『カレル』。多分今回も重大なことに関わることになると思うぞ。

 

 そう言ったところで、カレルが息を呑み、緊張する波動が感じられた。だがそれも仕方ないこと。宇宙世紀0096、そしてインダストリアル7といえば、そこから始まるのは……。とはいえ。

 

———おいおい、そう重く考えすぎるなよ。俺とお前が力を合わせれば、どんな難局だって乗り越えられる……だろ?

———そ、そうですね。『アクシズ襲撃事件』の時も、『アナベル・ガトーの亡霊事件』の時もそうでした。

今度もあなたと一緒なら……。

———あぁ。……って、あれ?

 

 そこで俺はあることに気づいて声をあげた。目的のコロニー……インダストリアル7が見えてきたのだが、そこに、原作ではあったものが見当たらないのだ。問題のブツを収めたコロニー修復建造船(ビルダー)……メガラニカが。どういうことだ?

 

———どうしましたか、……さん?

———おかしいな。俺の記憶では、インダストリアル7には、コロニービルダーも停泊していたと思ったんだが。

———到着が遅れているんじゃありませんか? それとも、予定が変わったか。

———そうかもな。ちょっと気になるところだが。

 

 そう俺たちが脳内会話を交わす中、船はインダストリアル7に到着した。

 

* * * * *

 

 インダストリアル7に到着した俺たちは、これまたジオン共和国が用意したらしい高級車で、超が付くんじゃないかと思えるほどの高級ホテルに連れてこられた。

 そして一室のドアを開ける。そこにいたのは見知った顔……ジオン共和国のシャア・アズナブル首相と、彼の補佐官であるフル・フロンタル氏の姿だった。

 

「久しぶりだな、カレル君。相変わらず元気そうで何よりだ」

「お久しぶりです、シャア首相。首相のほうこそ、ご活躍しているようで何よりです」

 

 そう言って握手をかわす。続いてフロンタルとも。

 

「そういえば、ミネバ様は来ていないんですか?」

 

 俺がそう聞くと、シャア首相は苦笑を浮かべて返した。

 

「本当はサイド3に置いておくつもりだったのだが、本人が『インダストリアル7のアニメショップに行ってみたい』と言い出してな。特別に連れてきている。今はそのアニメショップに行っているはずだ。まぁ、エルピー・プルをボディガードとしてつけているので大丈夫だとは思うが」

 

 そう言うシャアに、俺も苦笑を浮かべる。ミネバ様のオタクぶりも相変わらずのようで何より。

 そこでフロンタルが。

 

「首相、そろそろ」

「あぁ、そうだな。ここで立ち話をしてるわけにもいかんか。入りたまえ」

「はい、ありがとうございます」

 

 そういえば今まで、部屋の入口で話していたままだった。シャアに促され、フロンタルに案内され、部屋の中に入る。

 

 はえー……。

 本当にすごい部屋だ。豪華というわけではないが、それでもかなりの高級さが伝わってくる。さすが、一国の首相が泊まっているだけあるな。

 ソファーに座らせてもらう。ここもほどよいふかふか具合で、とても心地よい。向かいのソファーにシャアが座り、そして口を開く。

 

「実はこのインダストリアル7で、ビスト財団からあるものを受け取ることになっている。それについて君の意見を聞きたいのだ」

「あるもの……『ラプラスの箱』ですか」

「やはり知っていたか。さすが、この宇宙世紀を先まで見通すことができるだけあるな」

「勘弁してください。私は、他とはちょっと変わった女性ってだけですよ」

 

 本当に俺は、原作を知ってるだけの普通の人だと思ってるんだから、そんなに持ち上げないでほしい。

 

 さて、ラプラスの箱。世には『連邦政府が瓦解するほどの秘密が秘められた箱』と言われているブツだ。もっとも、一年戦争やグリプス戦役の時に開かれたら大変だったが、今となってはせいぜいワイドショーのネタになるぐらいの影響力しかない。どうということはない。時勢が変わったのだ。

 とはいえ、使いようによっては十分な脅威になり得るものではあるのだが。原作での袖付きがそうしようとしたように。

 

 だけど、まさか袖付きにではなく、ジオン共和国に譲渡されることになるとは。まぁ、この世界線には袖付きは存在しないからかな。まぁ、受け渡す相手がジオン共和国というれっきとした国家だから、あのアナハイムのオバサンが介入することはないとは思うが……。そう思いたい。

 

 とりあえず俺は、ラプラスの箱についての真実……箱に収められた宇宙世紀憲章の石碑のオリジナル、そしてそこに刻まれた一文のことを全て話した。

 

———いいんですか、……さん? そんなに全て話して。

———大丈夫じゃないか? シャアは箱を誤った目的で使うような人じゃないし、フロンタルもこちら側の人間だしな。

 

「なるほど。だが、それだけのものとして片付けるのは愚かかもしれんな、フロンタル」

「そうですな。例え、影響力を失ったものであっても、悪用しようと思えば、いくらでも悪用することができましょう。例えば、それを旗印として、スペースノイドを結束させ、地球を締め出すというようなことも」

 

 ん? と俺は思った。今フロンタルが語ったことは、原作UCでフロンタルがやろうとしたサイド共栄圏の話じゃないか? もしかしたら彼の中には、(別次元のかもしれないが)原作UCの知識があったりするんだろうか。

 

 何はともあれ、その後もシャアやフロンタルとの意見交換は進んだが、幸いながらに、二人のどちらからも悪意は感じられずに終わった。『フロンタルが箱についての記憶を持っているのではないか?』という疑問は残ったが。

 

 そして。

 

「ありがとうカレル君。とても参考になった、感謝する」

「いえ、こちらこそ。首相の助けになってよかったです」

 

 シャアと握手をかわす。そして、フロンタルに案内されて部屋を出た。

 ……一応、確認してみるか。

 

「あの、フロンタル」

「何か?」

「もしかしてあなたには、ラプラスの箱についての記憶が……」

 

 俺がそう聞くと、フロンタルは真摯な表情でうなずいた。

 

「えぇ、そのとおりです。私の中には確かに、ラプラスの箱と、それに関わる戦いの記憶が宿っています。断片的にですが」

「やはり……」

「ですが」

「?」

 

 フロンタルは遠くを見るような目をして続けた。その記憶に思いを馳せているのだろうか。

 

「私にはそれを悪用する気はありません。その記憶の中で私は見たのです。一人の少年が、『それでも!』と、箱に関わる事件に立ち向かい、そして奇跡を起こした様を」

 

 UCの主人公、バナージのことか……。

 

「その彼の道程、そして奇跡は私に、人類への希望を感じさせるものでした。別世界の私に、『人類はまだまだ捨てたものじゃない』と言えるほどに。それが覆されない限り、私が箱を悪用することはありませんよ。それが、彼への感謝の証です」

 

 そう言い終えた彼からは、やはり悪意は一切感じなかった。それほど、バナージのしたことが彼にとって大きかったのだろう。

 俺も微笑んで口を開いた。

 

「そうですか。いつか、こちらの世界でも彼に会えたらいいですね」

「はい」

 

 まぁ、それがないことを祈りたいが。それはすなわち、この世界でもラプラス事変が起こるってことだから。

 そして俺は、彼と別れてホテルを出た。

 


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