勇者なのだが、いつもの仲間がいないのだが?   作:むーんしゃいん

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勇者なのだが、師匠が瀕死なのだが?

 早急に魔物維持保護法が制定され、生態系が戻るまで勇者は、最初の宮殿で素振りをしていた。

 

「…くそっ、なんでこうなった!」

 

最初に聖剣で切れ味を試すことになるものが案山子になるとは悲しい。

 

「勇者様…。実は聞いていただきたいことが…」

 

そこに現れる自称出来る女の皇族騎士が、汗だくの勇者に耳打ちをする。

 

「なんだ…?また、ボスを倒せというのなら無理だぞ」

 

「その点は我々は深く反省いたしました」

 

 皇族騎士は、しょぼんとしたリアクションを取るが、どこかふてぶてしい。

たぶん、自分たちがやった偉業は消えないからだ。

 

「実は城下町の近くで剣豪が住んでいるそうです。弟子入りするチャンスです!」

 

「おお。それはそうだな…っ よし、行ってくる!」

 

 一人で行きたいのに、なぜか、パーティー総出で剣豪へと会いに行く。

 

世捨て人となった剣豪はさびれた山小屋に一人暮らし、手刀で薪割をしていた。

 

その動き、無駄がない。まさに剣豪である。

勇者は、この人に活路を見出した。

俺は未熟だ。好敵手(スライム)がいない以上。

良き師匠が必要なのである。

強くなるための必勝法の基礎中の基礎である。勇者は、心に難く決めた。

 

「なんだあんたら?」

 

「剣豪さん。勇者といいます!お願いします!俺をあなたの弟子にしてください!」

 

「いやだ!」

 

剣豪にあっさり断られた。

そうか、ここで諦めるか。

どうかを試しているのか。俺はあきらめ…。

勇者が思考をめぐらす刹那。

 

 倒れた剣豪を白銀騎士と皇族騎士が蹴りながら、

大魔導士が頭をぐりぐりとなじり、聖女が死なない程度に回復をしていた。

 

軍隊式の大群でヤル方法を実践していた。

 

「弟子になってください。勇者様だろうがあっ!」

 

勇者の何がこいつらをここまで、狂暴にしているのか。

かなり怯えた剣豪はその後快諾した。

 

 滝行、筋力トレーニング。瞑想。なんでもやった。

 師匠の修行は手取り足取り親切指導である。

 

とても、優しい師匠であり、尊敬するべき師匠であった。

 

 さくっと修行も終わり、強くなったのを実感した勇者を、剣豪はがしっと肩を持った。

お褒めの言葉を預かるのだろう。そう期待した。現実は違った。

 

「勇者君、君、才能ないよ。あきらめなよ…」

 

 ぼそっとつぶやくように言われた。

とっさに反応した。

 

 倒れた剣豪を白銀騎士と皇族騎士が蹴りながら、

大魔導士が頭をぐりぐりとなじり、聖女が死なない程度に回復をしていた。

 

「勇者様。お強いですねだろうがあっ!」

 

 勇者は怖さと不甲斐なさで泣いた。

 

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