A ネット環境の都合故。実はマルチに参加できない環境のため、購入当時は「クリアできないかも……」と覚悟してました。
Q ソロはきついの?
A 必ずしもそうとは限らないそうです。ソロ限定のバフや敵挙動などで調整されていますので、キャラや戦法の相性こそあるものの、最終的な難易度はソロもマルチも大差ないようです。
ソロはソロでちゃんと調整されています。
Q ソロナイトレインの感想
A 最初の大ボス倒すまではかなり苦痛でした。でもだからこそはじめて倒したときは脳汁ドバドバでした。その後も、最初の大ボス倒すまでにルールが体に叩き込まれたのか勝ちやすくなりましたぜ。
ネット環境がなくてもナイトレインはおすすめです。ソウルシリーズ特有の達成感が欲しい方は是非お試しくだされ。
辺境の村の朝は、とてものどかなものだ。
小鳥が囀り、穏やかな風が吹いてくるものだ。
そこに人の営みの気配が漂う、独特の牧歌的な空気が入り混じっている。
こんなにも、穏やかな時を過ごせるとは思わなかった。
「ブレンタ、あがったぞ」
「……すみません。私が料理できないばっかりに」
「何度も言わせるな。俺は武具の手入れで助けられている。……それに、パンを焼くのはいい気分転換になるんだ」
今日はピタパンを焼いた。
香ばしい匂いのする、故郷のパンだ。
母がよく焼いてくれたものを、俺なりに再現したものだ。
保存が利いて、腹持ちもいい。
「……おいしい」
「母譲りの味だ。忘れないように、こうしてたまに作るようにしていた。……好きなだけ食べるといい」
円卓でも、たまに焼いた。
あの時は、妹と並んで駆けることができるかけがえのない時間だったな。
今となっては記憶も曖昧だが、追憶の果てに、今のブレンタのように二人で食べたこともあったかもしれない。
最後の夜にも焼いてやればよかったと、今でも思う。
「アドリアさん、どうかしました?」
「……いや、なんでもない。少し、昔を思い出しただけだ」
情けないが、時計の針は戻らない。
今は、"今"を見据えて動く番だ。
アドリアとは、ブレンタから貰った俺の名だ。
"追跡者"という呼び名は、この村には馴染まない。
だから、仮の名としてブレンタから貰った。
……すでに亡くなった、兄の名だそうだ。
◆
冷たい谷のボルドを退けてから数日。
"夜の残党"との戦いは平衡状態のままだ。
ここの戦いは、リムベルドの時とは勝手が異なる。
夜が訪れてもあの"雨"はないが、代わりに"王"も現れない。
こちらから探さなければならないのだ。
現状は夜に現れる怪物から村を護り、安全な昼間のうちに村周辺を探索・調査している状態だ。
時折召使人形や村人に仕事を任せる形で、順番に休む時もある。
それを数日繰り返したおかげで、ある程度村には馴染んだ。
ブレンタにも、色々世話になった。
少しは、人間らしさというものを思い出せたのかもしれないな。
あの時は復讐と戦いばかりで、とにもかくにも生き急いでいた。
だが、あまり時間は残されていない。
にもかかわらず、戦いの終わりは未だ見えない。
今日はいつもより長めに休みをもらった。
その分、これから深い調査をはじめるつもりだ。
今度こそ、何か進展させたいところだ。
「英雄サマ、進展がありました。村近くの地下墓に、怪物が潜んでいるとのことです」
召使人形から知らせを受けたのは、いつもの武具やボルドの大槌を装備して、これから出かけようと思ったその瞬間だった。
南の川を越えた先は、普段は馬車のための道が続いている。
さらに南に行けば大きな街に続く街道にたどり着き、その交差点には"辺境の村"が運営する宿もぽつんと建っている。
だがその道の途中で、東への分かれ道に曲がっていくと、地下墓にたどり着く。
辺境の村が使っているものではなく、そのために由縁はわかっていない。
すでに失われた村か集落のものだろう。
だが現在、その地下墓には"地変"が起きている。
"夜の残党"が齎した、夜の時空の歪みによるものだ。
現在の地下墓は、大きな穴のようなものが開いていて、その周りをぐるりと回るように降りていく螺旋構造だ。
螺旋から伸びる分かれ道が、墓となっている。
"地下墓地"だ。
「スケルトン……リムベルドの奴らとは、何か違うな」
内部に入ると、スケルトンが屯している。
近くにいた"墓の屍術師"が操るようで、倒しても倒しても復活してくる。
だが"墓の屍術師"を先に倒しても、スケルトンの復活は止まらない。
偶然"墓の屍術師"が落とした"アストラの直剣"を使うことで、ようやくスケルトンを退けることができた。
攻撃力は俺の大剣やボルドの大槌ほどではないが、強力な祝福が施された上質の武器のため、スケルトンにはよく効く。
いい拾い物だった。
「……暗いな」
アストラの直剣を使って、スケルトンと"墓の屍術師"を退けて大穴の底につくと、"三人羽織"なる怪物がいた。
炎を飛ばすうえ、分身も駆使する厄介な敵だが、強力な冷気の力を持つボルドの大槌の敵ではなかった。
が、その先はひどく暗い。
夜目が利くと自負していたが、それでもどうにもならない暗さで"墓の屍術師"が落とした"頭蓋ランタン"に頼ることとなった。
ありがたい限りだが、他方で左手がふさがるため少々身動きが取りづらい探索となった。
が、この辺りの詳細は割愛する。
せいぜいが巨人のスケルトンが現れるようになったとか、"闇霊"なる者が立ちふさがったとか、その程度だ。
「……やはりいるな、類稀な強者が」
地変"地下墓地"の最奥。
そこに、三人羽織を超える怪物がいた。
リムベルドでは見かけなかったものの、偶然円卓の書物に記されている怪物であったため、情報は頭の中にある。
墓王ニト。
黒い瘴気のマントを纏う、幾重もの骸骨が集まる巨大スケルトン。
時空の歪みの先の別世界に住まう、巨大な曲剣を持つ強者。
こいつが、辺境の村周辺で戦う二体目の"類稀な強者"だった。
◆
墓王ニト。
奴は、その手に持つ禍々しい大曲剣を地面に突き刺す。
それがある種の祈祷であると気づいたのは、次の瞬間だ。
「地面から剣を……!」
墓王の剣舞。
周囲に何本もの墓王の赤い剣を突き立てる"奇跡"。
その速度は目にもとまらぬもので、俺に命中しなかったのはまさしく奇跡というほかない。
万一当たれば、串刺しだ。
「ならば速攻で決める!」
剣舞の合間を縫ってクローショットを飛ばし、墓王の大きな体躯に突き刺して素早く近づく。
その慣性を利用して、構えたボルドの大槌を力強くニトの肉体に叩き込む!
『……っ』
ニトが怯む。
ボルドの大槌に宿る冷気の力で、凍傷を患ったようだ。
凍傷を患った敵は、大きく生命力を削られる。
そして凍傷の状態では、攻撃に耐える力が弱まる。
畳み掛けるチャンスだ。
「食らえ!」
襲撃の楔。
左腕の鉄杭を構え、凍傷に苦しむニトの肉体へ強くたたき込む。
爆発を伴うその衝撃は炎を舞い上げ、ニトの体を飲み込む。
それは即ちニトが食らった凍傷を解消することにもなるのだが、関係ない。
襲撃の楔で大きく怯んだニトの急所へ、容赦なくボルドの大槌を叩きこむ。
冷気を纏う致命の一撃は、爆発の熱に苦しむニトを再び冷たい凍傷に沈めるだろう。
炎と冷気の組み合わせは、場合によっては短時間のうちに絶大な効果を発揮する。
利用しない手はない。
『ッ……アァアァアアアァアアアア!!!』
「なっ……?!」
だが、墓王ニトはそれだけで御せるほど甘い相手ではなかった。
奴はその場を中心とした広範囲に、死の瘴気をまき散らす。
悍ましい熱を伴うその瘴気は熱く、そして踏ん張れないほどに強い。
情けなくも壁に叩きつけられてしまった。
「っ……油断、した……!」
一瞬だけ、幻覚が見えた。
おそらく墓王の瘴気を浴びたことで、奴の記憶が流れ込んだのだろう。
火が見えた。
とある世界における、差異を齎した最初の火が。
この怪物は、この火から"何か"を見出した。
それが、この悍ましい熱を伴う瘴気だ。
「……っ……」
幻覚が晴れたかと思うと、俺はその場で這っていた。
目の前でニトが俺を見下ろしているのに、体のどこにも力が入らない。
"瀕死"に追い込まれてしまった。
こうなると、自力では立ち上がれない。
「……!」
眼前に墓王が剣を振るいあげているのに、避けることもままならない。
誰かの助けがあれば……。
◆
「は」
その次の刹那、俺は目を疑った。
墓王ニトが、頭上から"何者か"に襲われて地面に沈み込んだ。
その"何者か"の力が強いのか、ニトがその場から動き出す気配はない。
「白い、衣……?」
"何者か"は、白い衣を身に纏っていた。
その白い衣からは、馴染み深い冷気が放たれている。
その夜の気配が物語っている。
この白い衣を纏う"何者か"こそが、夜の残党だ。
俺の、倒すべき敵だ。
「……嘘だ」
だというのに、動けなかった。
ニトの反撃で瀕死に追い込まれた、というのもある。
だがそれ以上に、気づいてはいけないことに気づいてしまったのが大きい。
「なぜ、お前が……"夜"に……?!」
後から思えば、酷い飛躍だ。
だがそれでも、理屈ではないところで理解できた。
理解できてしまった。
白い衣と冷気を纏う"夜の残党"。
俺が倒すべきこの敵は、俺の妹だ……!
あり得ない。
そう言えたなら、どれほどよかったのか。
だが、"夜"が齎す時空の歪みは別世界の可能性を呼び込む。
ならば、違う選択をした"誰か"がやってくることを、どうして否定できようか。
どういう経緯で、妹が夜の王になったかはわからない。
そもそも、あれが"俺の知る"妹と同一人物かもわからない。
だが、わかることは一つある。
"夜の残党"は、俺の妹であること。
どういう理屈であれ、どういう経緯であれ、それだけは確実だ。
「やれ、セバスチャン」
"夜の残党"を飲み込む、青白い光線が俺の眼前で輝いた。
光線の出所を見やると、見覚えのある大きな骸骨の霊体が見えた。
あれは、リムベルドで何度も共闘したセバスチャンだ。
「起きろ、戯け者が」
そして、聞き覚えのある少女の声が聞こえた。
少女は、どこかの学院の制服を身に纏っていて、だが俺の傍に駆け寄るや否や容赦なく引っ搔いてきた。
実に荒々しい"気付け"だ。
いやに懐かしい。
おかげで、ようやく立ち上がることができた。
「復讐者……」
「随分と懐かしい名を出してくれたな、"追跡者"」
復讐者。
かつて円卓で共に夜の王を屠るために活動していた、俺の仲間の一人。
あの時は白いドレスを身に纏う、可憐な人形の体を持つ少女であった。
だがその本質は存外荒々しいもので、不気味な呪爪で敵を引き裂いたりするのは序の口で、酷い時には特大剣や大槌を振り回して敵を圧倒していた。
本来は祈祷にこそ適性のある戦士なのだが、それだけでは収まらない"強さ"を備えた少女だった。
可憐な人形の姿も、その荒々しい気性も、どうやら相変わらずのようだ。
「退くぞ。直に夜が訪れる」
「待て。そこにいるあれは"夜"だ。ここで決着を……」
「その腑抜けた顔でできるというのか?」
「…………」
「それに、だ。……あの村がお前を待っている。ここで何もかも済ませようと逸るのは、筋が違う」
状況を俯瞰する。
俺は"瀕死"から立ち直り、意外ながらも"復讐者"という仲間にも恵まれた。
なぜここにいるのか、今はどうしているのか、聞きたいことは少なくないが今は抑える。
一方で、敵についてだが。
白い衣を纏う"夜の残党"は、俺と復讐者の姿を一瞥すると、そのまま姿を消してしまった。
何をしに来たのかまるでわからないが、どうやらここで戦うつもりはないらしい。
だがその代わり、奴が押さえつけていた"墓王ニト"が解き放たれてしまった。
ニトはまだ戦えるようだ。
「……まずはあのスケルトンの王を討つ。撤退するにしても、野放しにする手はない」
「いいだろう。奴ぐらいならどうにかなる。さっさと済ませて戻るぞ」
再び、墓王ニトとの戦いだ。
まず機先を制して、クローショットによる肉薄で大槌を勢いよく叩きつける。
それだけでも、ニトにいいダメージが入った。
だが今回はそれ以上の追撃はしない。
ヒットアンドアウェイの精神で、すぐニトから距離を取って奴からの反撃を回避する。
もう、あんな死の瘴気を喰らうことはない。
「やれ、フレデリック」
それでもニトは俺を追いかけようとするが、その横っ面を殴られたようだ。
復讐者が特別なリラを奏でて呼び出した霊体「フレデリック」が、大槌を振るってニトに叩きつけたのだろう。
俺が再び体勢を立て直す時間を、作ってくれた。
「そして、もうひとつおまけだ」
それは同時に、復讐者自身が安全に攻撃する時間を作ることを意味する。
どこかで手に入れたのか「呪霊喚びの鈴」を鳴らして、複数の呪霊を展開してニトへ送り込んだ。
その威力は俺の大剣とそう変わらない痛いもので、ニトからすればたまったものではない。
先の攻防に、夜の残党による乱入。
いくら生命力にあふれる怪物と言えど、ここまでダメージが重なればもう後がない筈だ。
「これで終わりだ!」
フレデリックと復讐者。
そちらに意識を向けた墓王ニトの横っ面を、今度は俺がボルドの大槌でひっぱたいた。
手ごたえがあった。
「その馬鹿げた筋力と技量は変わらぬようだ。安心したよ」
後ろで安堵したような復讐者の声が聞こえた。
何か返事をしようと思ったが、うまい返しを思いつかず、そのままニトが落としたもの拾い上げる。
ニトが落としたのは武器ではない。
何らかのアイテムというわけでもない。
その代わり"潜在する力"として俺の内に一時的に宿った。
力の名は"最初の火"。
効果は"武器により強力な炎攻撃力を付加する"ものだ。
俺に適合した力のようで、クローショットを用いた攻撃時に発動するようだ。
冷気を操る"夜の残党"では、大きな力となるだろう。
奴はここから姿を消したが、しかしその冷気の残照は未だに残っている。
この力は、それを押しつぶすことができるのだ。
「…………」
だがそれは、あの白い衣を纏うあの"妹"を消すことだ。
次に対峙した時、俺は"夜"と向かい合えるのか。
まるで、自信がなかった。
追跡者/アドリア
本作の主人公。円卓の時の仲間からは"追跡者"と呼ばれていたが、ブレンタからは「アドリア」と呼ばれるようになる。
アドリアとは、既に亡くなったブレンタの兄の名前が由来。
今回の戦いでは、地変"地下墓地"を探索し、最奥にいる"墓王ニト"を討伐するに至る。
だが戦いの途中で出会った"夜の残党"の正体に気づき、打ちのめされる。
追跡者が今回倒さなければならない"夜の残党"とは、彼の妹。……彼女が至るかもしれない可能性が、夜による時空の歪みで具現化したものである。
ブレンタ
追跡者を支える、村娘。彼の"追跡者"という呼び名は村に馴染まないと考え、兄の名である「アドリア」を渡した。
武具の手入れに関しては完璧だが、何故か料理がだめ。そのため追跡者が料理を担当した。彼の作るピタパンは、とても香ばしく美味しいものだった。
なお追跡者が回復して尚も同じ家で生活を続けているのは、単に彼を手助けする人手が不足しているため。
"夜の残党"が齎す冷気は、村の多くの人手を凍傷に追いやる、深刻なものである。
復讐者
原作ナイトレインにも登場した、夜渡りの一人。可憐な人形に宿る少女。祈祷に適性があり、三体の霊体を使役する力も併せ持つ。
霊体の名はそれぞれ「ヘレン」「フレデリック」「セバスチャン」。このうちの二体が、今回の戦闘で活躍した。
今回の彼女は"竜の学院"の制服を身に纏い、世界を旅しているようだ。
旅の途中で追跡者のことに気づき、彼を助ける。
墓王ニト
地変"地下墓地"の最奥に潜む大ボス。もともとはダークソウル1の大ボスの一人。
出自の世界の都合上、火の概念と一定以上縁深いため、彼が落とす潜在する力も火にまつわるものとなった。ちなみにこの潜在する力も本作オリジナルの筈。
原作ナイトレインで例えるなら、地変ボス枠であると同時に二日目ボス枠でもある。
つまり次話は"三日目ボス前の準備"枠のお話になる。
余談だが、二日目ボス枠の没案としては、深淵歩きアルトリウスやマヌス辺りが候補。
夜の残党
本作の大ボス。その正体は、なんと追跡者の妹。即ち、夜渡りの一人"レディ"。
厳密には並行世界の彼女であり、何らかの理由で新たな夜の王になる世界のレディが、夜による時空の歪みでこの世界にやってきた形となる。
つまりゲーム本編の彼女とは、厳密には別人。だが、本作のテーマにおいてその事実は重要ではなく、故に追跡者の試練として機能する。
今話の彼女は、原作ナイトレイン的には襲撃イベントボス枠。
※本当は追跡者には"第六感"というアビリティがあるのでそう簡単には"瀕死"になりません。
→が、うじうじしている都合か、村で目覚めてからは"調子が出ない"様子です。