ゼンレスゾーンクウガ   作:アルティメットルパン三世

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ゼッツの後半OP『PLAYBACK』がリリースされましたね。
YouTubeMusicにも配信あったので鬼リピしながら書いてますw

それでは本編をどうぞ。


重機

 

「よう、パエトーンにクウガ。みっともねぇとこを見せちまったな。ウチへの信頼が揺らいでねぇといいが…」

「アンドーから連絡は来てる。お前程のプロキシが力を貸してくれると聞いて、みんな内心ホッとしてたとこだ。」

 頬を掻きながらクレタがそう言うと変身を解いた悠介の方に顔を向ける。

 

「しかしアンタがあのクウガだったとはな、まさかパエトーンと共に居るとは驚いた…けどまぁ、アンタも居てくれるならウチも大助かりってもんだ。よろしく頼むぜ!」

「はい!」

 

 そう言いながらクレタは悠介に手を差し出す、悠介も笑顔でクレタの手を握り握手をする。

 

「それで、御宅らもアンドーから聞いてるかもしれねぇが…ウチは最近、地下鉄工事の請負を勝ち取ったんだ。だけど『敵』の執拗い妨害のせいでらなかなか手こずっててな…」

 

 敵という言葉を強調しながらクレタがそう話しているとベンが手を挙げる。

 

「あー、社長…お二人の前で、アイツらを『敵』呼ばわりするのはどうなんだ…?」

「おいベン…甘えた事抜かしてんじゃねーぞ!あのクソ野郎どもはこれまで散々汚ぇマネをしてきただろ!あんなヤツらに気ぃ使うこたねぇぜ!それにな。依頼を受けた瞬間から、プロキシとクウガはオレらの兄弟になったんだ!兄弟に隠し事はしねぇもんだ!」

 

 敵の存在に怒りの炎を燃やしながらベンに怒鳴りつけるアンドー。

 

「その『敵』について詳しく教えてくれない?今回の依頼の役に立つかも。」

「その、だ…我社は機械製造と建設業をやっている。いわゆる新興企業だがら近頃は業界でもある程度業績をあげていて、それが地下鉄改修プロジェクトの請負に繋がったワケだが…」

「それ以来、俺たちは財力のある大手競合他社にとって、目の上のコブになった。ヤツらはら未だにプロジェクトの請負を虎視眈々と狙っている…俺たちがヴィジョンの様に、スキャンダルで失脚するのを待ってるんだ。」

 

 敵というのは他の大手建設企業の事らしく、ベンは話を続けた。

 

「ヤツらは手始めに銀行を買収し、我社に低金利で融資するのを止めさせた。次にチンピラを送り込んで、工事現場をめちゃくちゃにした。その後、建築確認済証と消防同意の審査をあの手この手で妨害したり、テレビ番組で小細工を仕掛けたりだな…」

「その番組って、もしかして…」

「ああ、俺がゲスト出演してたヤツだ。あのライオン野郎…俺らの邪魔をしてくる連中の回し者だったのが解ったんだ。」

 

 様々な妨害行為をする他社の連中にそれ程その地下鉄改修プロジェクトが自分達に利益のある物なんだと感じる悠介。

 

「そして、よりにもよってそんな時期に、ウチの工事現場で『事故が』起こったんだ…」

「先週、子供たちが3台も…ホロウの中で行方不明になったんだ!」

「待てグレース、その言い方だとお客さんに誤解されるぞ!」

 

 グレースの「子供たち」という言葉に悠介とリンは驚くもベンが訂正する。

 

「ゴホン…お二人さん。ウチの会社が独自開発した『ホロウ用知能重工業機械』は知ってるよな?」

「テレビで言ってた気がする!…じゃあ子供って、もしかして重機の事?」

「そう。ホロウの中でも長時間安全に作業の出来る知能ある重機__あの子たちこそが、白祇重工のコア・コンピタンスなのさ。」

 

 グレースは続けて言う。

 

「エーテル侵食に耐えうる性能は勿論、あの子たちはその知能も特別だ。ホロウ内の環境に合わせて自律的に作業が出来るうえ、さらに特製の言語モジュールを搭載してるから、音声対話も何のその!」

「あの子たちはずっと私が世話をしてきた。メンテナンスやアップグレード…そもそも『プロトタイプ』の技術を土台に、各機種の需要に応じた改良をしてあの子たちを造り出したのも私さ。私にとっては、我が子も同然なんだ!」

 

 重機を我が子のように思っているグレースの熱意に悠介とリンはひしひしと伝わった。

 

「それが数日前、論理コアを更新してあげた直後の事さ…ホロウの中で作業をしていた3台の子供たちが指令を無視して、自分の意志でホロウの深部に入っていってしまった。以来、戻って来ないんだ…」

「まさか…論理コアが故障したとか?」

「原因は分からない…実際、ホロウ内作業に携わる企業にとって、チップの故障やエーテルの侵食なんて日常茶飯事なのさ。」

「コレがもしバレたら、揚げ足取りにしては格好のエサになるってワケですね…」

 

 そりゃあ道理でバレるわけにはいかないよな…と悠介がそう思ってる中、クレタは腕を組んで唸る。

 

「…知能重機の性能は充分だったと思うけどな。わざわざ更新する必要あったのかよ?」

アイツ(・・・)の残したコードを論理コアに組み込みさえしなきゃ、今頃こんな事には…」

 

(アイツ?)

 

 憎しみの籠ったクレタの言葉にグレースが遮る。

 

「待って、おチビちゃん。まだチップの不具合だと決まったワケじゃないよ。それに美しく逞しい機械には、そのボディに相応しい魂が必要なんだ!知能機械の開発に携わる会社の社長として、そうは思わない?」

「魂がどうのなんつーのは、あたしの知ったことか。社長だからこそ、機械をただの資産として見なきゃいけねぇんだろうが。あんなバカ高ぇ知能機械を失くしたら大損だ。『敵』の問題があろうがなかろうが、見つけるに越したことはねぇんだよ。」

 

 同意を求めるグレースにクレタは冷たく返す。

 

「そういうワケだ、プロキシ。行方不明の重機3台を捜索するためにらホロウの奥までガイドが要る。これがウチらの依頼だ。うち2台の位置は、ザックリだがアタリがついてる。他に知りたい事があればグレースやアンドーに聞いてくれ。」

 

「わかった!それじゃあよろしくね!」

「ああ!悠介も頼りにしてるからな!」

 「もちろん!」

 

 悠介とリンとクレタは互いに握手をする。

 こうして、重機2台の捜索が行われる事になった。

 

 

 

 

「ところで悠介、お前がクウガになった時に着いてるベルトの文字なんだけどよ…」

「ん?それがどうかした。」

「いや…説明するのもあれだ。取り敢えずアレを見てくれねぇか。」

 

 そう言いクレタの後をついて行く悠介達。辿り着いた場所は白祇重工の倉庫だ。

 

「そんじゃ開けてくれ」

「はいよ! 」

 

 アンドーが倉庫の引き戸を開く。そこで悠介が目にしたもの……それは、この世界に居るはずの無いゴウラムであった。

 体色変化して動かないゴウラムをその目で確認した悠介は真っ直ぐ走る。

 

「ッ!?…こ、これは!なんでこの世界に…?」

「このデカくてメカメカしいクワガタを知ってるの悠介さん?」

「うん、ゴウラムって言ってまぁ簡単に言えばクウガのサポートするメカで…」

 

「なんだって!?」

 

 悠介がゴウラムの事を話してるとある人物が『メカ』という言葉に反応して大きな声を出し、悠介に体が密着する程に近づく。

 その人物はもちろん、グレースだ。

 

「悠介君!その子が機械(メカ)だってのは本当かい!?」

「あっ…は、はい。ゴウラムは超古代の科学技術で造られたメカらしいです。(ち、近い!…てゆうかむ、胸が当たってる!!)」

 

 ムフーッと鼻息を荒らげ目を輝かせるグレースにそう説明する悠介。

 

「やっぱり私の考えてた通りだ!このボディから伝わる金属感…そして私の知らない技術で造られているだなんて!ああ神様!私は今、猛烈に喜びが溢れている!!」

 

 悠介から離れたグレースはミュージカルの様な動きで喜びを表していた。

 

「…グレースが悪かったな。」

「いや、気にしなくていいよ…それよりもクレタ。どうしてゴウラムがこの場所に…?」

「それがな…」

 

──────────

 

 アレは重機3台がまだおかしくなる前の事だった…

 俺たちはいつも通りに作業をやっていたんだが突然、空中にホロウの裂け目が発生したんだ。

 

 けどまぁ、共生ホロウがいつ発生してもおかしくないのは知ってるんだが問題はこの後だ。

 

「お、おい!裂け目からなんか出てくるぞ!」

 

 従業員の一人が指を指しながらそう言った。ソイツの言う通り、裂け目からクワガタの様な形をしたナニカが落下した。

 

「社長…なんなんすかコレ?」

「あたしが知るわけないだろ…此処に放ったらかしにすると作業の邪魔になるし一旦倉庫にでもしまっとくか。」

 

 此処に置いたままだと作業の邪魔になるから仕方なく倉庫に保管しておく事にしたんだ……

 

──────────

 

「それじゃあこのゴウラムは俺のいた世界の…」

 

 そう口にしながら、悠介はゴウラムに触れる…

 

ピカーーッ!!

 

 突然、ゴウラムの背中に埋め込まれている霊石アマダムが強く発光を始める。

 

「な、なんだぁ!?」

「突然光出したぞ!」

 

 その輝きにアンドーとベンが驚きの声を出す。

 発光と共に、錆びていた様なゴウラムの体色が本来の色に戻っていく。

 

 光が消え、皆は目を開く。

 そこには黒と金を主にした体色の本来の姿のゴウラムにへと戻っていた。

 

「色が変わった…けど」

「動かないな…」

 

 ゴウラムの変化に皆が戸惑っていた。

 

「もしかしたら…クレタ。要らない金属とか無い?」

「金属?なにに使うんだよ?」

「俺のいた世界でゴウラムは金属を取り込んで体を再生させたって聞かされたんだ。もう一度金属を与えたら復活すると思う。」

「なるほどな…よし、それじゃあ余った材料があるからそれを使ってくれていいぞ!」

「ありがとう。」

 

 クレタにお礼を言う悠介…そこへグレースが走って来た。

 

「悠介くん!」(ガシッ!)

「っ!は、はい…」

「もし良かったらこの子の面倒を私に任せてくれないか!」

 

 グレースは、悠介の肩を掴みながらゴウラムを任せて欲しいと志願する。

 

「待てよグレース!お前、正気か!?」

「それはウチの重機とは違う代物だ!異世界の…ましてや古代の科学技術なんて…」

「だからだよ!未知の科学技術で造られたものなんてエンジニアの血が騒ぐじゃないか!」

 

 アンドーとベンが彼女を止めようとするが、目を輝かせるグレースはやる気満々である。

 

「うーん…それじゃあ任せようかな?」

「お、おい悠介!それでいいのかよ…!?」

「グレースさんは白祇重工で一流のエンジニアなんでしょ?だったら俺は信じるよ。」

「……お前がそう決めたんならあたしは何も言わねぇ。おいグレース!やるからには絶対壊すなよ!…って聞いてんのか!」

 

 色々あったがゴウラムはそのまま白祇重工に預けてもらう事にした。何も無ければいいのだが…(フラグ)

 




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それではまた次回 

ヴィクトリア家政からのヒロイン

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