ゼンレスゾーンクウガ   作:アルティメットルパン三世

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あみあみで予約してたクレタとグレースのポッパレフィギュア近々発送されそう。(登録してたクレカの引き落としが来てたから)

それでは本編どうぞ


姉貴

 

 一難去りクウガとパエトーン、白祇重工は再びプロトタイプ捜索を開始する。

 

「うん!捜索データは充分集まったよ!プロトタイプの位置特定に取り掛かろう!」

【アルゴリズムを最適化中………捜索対象の位置を確認!】

 

 グレースが死守したおかげで満足な捜索データが取れていた。そしてソレをFairyが解析する。

 

『リン、ここが信号を増幅させるのに一番適している場所だ。少し待っててくれ、僕とFairyが今すぐプロトタイプの位置を割り出す。』

【座標計算中…プロトタイプの位置を取得。現場の見取り図を生成しました。追伸。ホロウ内部に作動中のカメラや録画機器がない為、この見取り図は座標位置と過去の街道カメラの画像を基に作成しました。】

『リン、Fairyが出力した見取り図も一緒に転送したよ。』

 

 するとグレースのタブレットにFairyからプロトタイプが

現在いる場所の見取り図が送られてきた。

 

「おっ、早速届いたよ!どれどれ…うっ、解像度が低いなぁ。せいぜい、変な形のタワーがぼんやりと見えるくらいで…」

「グレース、俺にも見せてくれないか?」

 

 タブレットの画面には解像度の低い見取り図が写されている。辛うじて見えるのは奇妙な形をしたタワーだけである。

 

「なっ、これは──」

 

 ベンがタブレットを覗いて画像を見ると、彼は驚愕した。

 

「どうしたベン?プロトタイプの位置になんか問題でもあんのか?」

「社長。当時…先代が失踪する前に、白祇重工は新しい地区開発プロジェクトを請け負っていた……それが、「パイオニア記念広場」の施工だ。この見取り図にある建造物はタワーなんかじゃない…まさに、あの記念広場の中央にあったモニュメントなんだ!」

 

 その言葉を聞いてクレタは衝撃を受けた。

 

「何だって!?プロトタイプは…アイツが途中で工事を投げた広場にいるだと!?一体どういうことだ?」

「そ、それは…俺にも分からない。いまコレを見て…急に鳥肌が立ったんだ。プロトタイプがそこにいるのは、先代が何か伝えようとしてるからだと思って…」

 

 ベンの言葉にアンドーがなにかを思い出したかのように声を出した。

 

「そうだ!フライデーの野郎も言ってた。『我が師、ホルスの声が聞こえた』と!」

「ベン、アンドー…お前ら考えすぎだっての。パイルドライバーがアイツの名前を口にしたから何だ?「明星の断罪者」とか、「封印を固める」だとかほざいてたようなヤツだぞ。まぁ、なんだってプロトタイプがそんな所にいるのかは、気になるな。とりあえず現場に行ってみようぜ。」

 

 皆は、プロトタイプが居るであろう記念広場へと向かった。

 

「・・・ギギッ」

 

 陰に潜んでいた奇妙なヤドカリは笑い声のような奇声を発しながら彼らを追跡していた。

 

────────────────

 

「ッ!やっと見つけた…!」

「モニュメントはすぐ目の前だ!ったく、この辺りは歩きづれったらねぇぜ。足元気をつけろよ!」

 記念広場に辿り着いた一行。しかし足場が悪くて歩くのに一苦労だ。

 

「アンドー、プロキシを機械に乗っけてやれ。…グレース、ちゃっちゃと歩けよ。どうかしたのか?」

 

 様子のおかしいグレースにクレタが尋ねる。

 

「ん?い、いや〜少し考え事してただけだよ…痛っ!」 

 

 突然、グレースは痛みに耐えられず膝をついた。

 

「おいグレース!どうした……ってお前、ケガしてんじゃねぇか!!」

 

 クレタが近づくとグレースの足に青アザが出来ていた。

 

「もしかしてさっきの未確認がやったのか?」

「あはは、迷惑かけたくなかったからコレだけはバレたくなかったんだけど…」

「ああもう!なんでお前はそうやって一人で背負い込むんだよ!」

 

 グレースはヤリドの攻撃をくらった時の落下で足を捻挫していた。プロトタイプの捜索に支障が出ると思った彼女は皆に隠していたのだ。

 

「落ち着いてクレタ、グレースさんもきっとこの捜索に支障が出るから言いづらかったんだと思う」

「……わかったよ。なら悠介、お前がグレースを担げ。」

「ええっ!?なんで!」

「お前がグレースを庇うんならその位容易い事だろ?ほらサッサとやんねぇと日が暮れちまうぞ!」

「はぁ、仕方ない…それじゃあグレースさん失礼します。」

 

 クレタに押され、クウガはグレースをお姫様抱っこで持ち上げる。

 

「ちょっ!?お、おい悠介!なんでお、おお、お姫様抱っこしてんだよ!!///」

「えっ?俺、こっちの方が持ちやすいから。」

「おんぶとかあるだろうが!///」

「うーん、それはちょっと…ね?」

 

 お姫様抱っこしたクウガにクレタは茹でダコみたいに顔を真っ赤にしながら叫ぶ。

 おんぶにしない理由、それはグレースの豊かな双丘が背中にダイレクトタッチするからだ。

 

「ふふっ、二度と君にお姫様抱っこされるとは思わなかったよ。でも君にされるのは嫌じゃない。」

「グ、グレース!余裕な顔してんだよ!///」

「おやおや、ひょっとしてお姫様抱っこされてる私が羨ましいのかな?」

「なっ!?そ、そんなわけねぇだろ!!///」

 

 お姫様抱っこされてるグレース本人は満更でも無い顔をしていた。

 その光景にクレタが噛みつくもグレースはフフンとした顔で揶揄うのであった。

 

「それにしてもおチビちゃん、仮にも「姉貴」にそんな口を利いてもいいの?」

「なっ…///」

「さっき、私のピンチだって時…叫んでたよね?「姉貴」って。」

 

 ヤリドに絞殺されそうになった時、クレタが姉貴と叫んでた事をグレースは聞いていたのだ。

 

「懐かしいなぁ…君が我社のトップになってからというもの、すっかり読んでくれなくなっちゃったもんね。」

「ハン!別に意識したことはねぇが…あん時は、咄嗟に出せる言葉がそれしかなったのかもな…」

 

 照れくさそうな顔をし、指で頬をかくクレタ。

 

「お前んとこに、厄介なエーテリアスが迫ってると聞いた時あたしは一瞬頭が真っ白になって、一つの事しか考えられなくなった……これ以上、家族を失ってたまるかって。未確認の野郎が姉貴を殺そうとした時なんか余計にな…」

 

 あの光景を思い出し、クレタは顔を腑く。

 

「お前は白祇重工の将来の為に、一人で危険に立ち向かった。それなのに、社長のあたしは何も出来なくて…やっぱり、あたしは社長失格だ。」

 

 弱音を吐くクレタにグレースはムッとした表情になる。

 

「次にそんな事言ったら怒るよ、おチビちゃん。君はこれまで必死で頑張ってきた。私はそれを誰よりも知ってる。」

「大体、君はまだ育ち盛りだってのに、朝から晩まで働きすぎなのさ!人間の体は機械じゃないんだよ。この私が言うんだから、よっぽどの事だと思って欲しいな。」

 

 まだ10代前半の少女でありながらも1会社の社長として頑張ってるクレタを見てきたグレース。話はまだ続く。

 

「技術には興味無いってフリをしときながらら引き出しが何度も読み返してボロボロの論文で溢れてるのも知ってるよ…確かに私の論文は傑作だけど…普通、君くらいの女の子はまだ漫画とか、そういうものを読む年頃だろう?」

「そんな君にくらべたら、私の方こそ幹部失格さ。白祇重工の為だと口にしながら、本当は、ホルスさんの遺産を見つけたいだけなのかもしれない。」

 

 自分のエゴを押しつけていると感じ、グレースは悲しげな顔をする。

 

「プロトタイプをその目で見れば、ホルスさんがどんなに素晴らしい人かきっと分かってくれると思い込んでたんだ。あんなに素晴らしい人が、実の娘に認めてもらえないままだなんてそんなの、悲しすぎるからね…」

「姉貴…」

 

 お互いに話し合い、本心を知った2人。

 因みにその輪にはグレースをお姫様抱っこしているクウガも居るのだが、本人は会話に入らず黙って聞いていた。

 

「でも、分かってないのはお前の方だって言われた時、遅まきながら気がついたんだ。クレタ、ホルスさんについて、今までずっと隠してきた事があるんだね?」

 

 グレースにそう言われクレタはホルスが失踪した日の事を話す。

 

「……実は親父が飛んだ夜、アイツが家を出てくのをこの目で見たんだ。夜中にリビングから電話する声がして、あたしは目が覚めた。何だろうと思って部屋から出てみると、アイツが何かでパンパンのカバンを手に、何も言わず家を出ようとしてた所だったんだ。」

「嫌な予感がした。あたしはアイツにしがみついてこんな夜中にどこへ行くのか、大声で問い詰めた。その時、偶然カバンの中身が見えたんだ……大量の札束がな。後から知った事だがあれこそ正に、白祇重工の帳簿から消えた金だったってわけだ。」

 

「そんな事が…」

「ふん、これが事実だ。そんなものを見たうえに、治安局の報告まで聞いちまったら…お前らみたいに、アイツを信じ続けらんねぇのも無理ないだろ。」

「クレタ…君は、ずっと一人でその事を抱え込んでいたんだね。どうしてもっと早く言ってくれなかったんだい?皆に話せば、少しは楽になっただろうに。」

 

 失踪事件の真実を聞いたグレースは何故黙っていたのか問いかける。

 

「さぁな…皆に話したら、親父が本当に悪者になっちまう…そんな気がしたんだろうな。…ハッ、けどお前の言う通り、いくらか気持ちがマシになったみてぇだぜ。」

 

 溜め込んでたものを吐いたクレタは気持ちが楽になった気がした。

 

「おチビちゃん、一つだけ約束してくれない?これからは何があっても、皆と一緒に乗り越えるって。白祇重工は君の家なんだ。ホルスさんがいなくなっても、君には私や、アンドーにベン…家族がいるんだ。」

「わかった…約束する。」

「それに、「真実は時として、真実を曇らせる。」…ホルスさんには、そうせざるを得ない理由があったのかもしれない。私の我儘かもしれないけど…ホルスさんの残した謎が、白祇重工に影を落とし続ける限り私は答えを追い求めたいんだ。だけど今は、プロトタイプを見つけるのが最優先だね。そろそろ先を急ごう。」

 

 こうして、クレタとグレースの間に出来た壁は壊され仲直りした。

 プロトタイプはもう少し先、一行は記念広場へ向かった。

 




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それではまた次回

治安局からのヒロイン

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