ゼンレスゾーンクウガ   作:アルティメットルパン三世

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英雄(ゲローイ)

 

AM4:00 黒雁街跡地

 

 クウガとクレタ達がプロトタイプを運んでいる最中、ドック内に居るゴウラムに変化が起きていた。

 背中の霊石アマダムが激しい光を放ち、ゴウラムを包む。

 

 するとゴウラムが一回り大きくなり、大アゴはギラファノコギリクワガタの様な長さと形に変わっていた。

 

『………アー、アー、あめんぼあかいなあいうえお。』

 

 そして、目を開けたゴウラムが人の言葉を喋った。

 

『……ゴシュジン、イマ、マイリマス』

 

 ゴウラムが背中の羽を広げ、飛行音を立てながら空を飛び始めた。

 

───────────────

 

 3台の重機と謎の怪物と融合し、巨大な無機物と有機物の融合体となったヤリド(以降、融合体ヤリド)。

 その姿にクウガと白祇重工の一行は驚愕した。

 

「このチカラさえあれば…ゲゲルなど速攻でクリア出来る…!」

 

 そう言ってヤリドはホロウの出口に向かう。

 

「ホロウから出るつもりか!?」

「あんなのが外に出て暴れられたら旧都陥落の再来だ!なんとしててもココで倒すぞ!」

 

 こんな化け物がホロウの外に出たら新エリー都全域に壊滅的な被害が出る。それは嘗て起こった旧都陥落より酷いものとなるだろう。

 五人は阻止すべく、融合体ヤリドに立ち向かった。

「それにしてもなんて圧だ…こんな相手は初めてだぜ!」

 

 融合体ヤリドから放たれるプレッシャーにアンドーが冷や汗をかきながら言った。

 

「それもそうだが…モニュメントの中に、あんなモンが居たなんて…まさか、親父はコイツを見つけたせいで!?」

 

 先程のモニュメントに封じ込められていた怪物、それを目撃したホルスは第三者に殺されたのかとクレタはそう思った。

 

「ムシケラ共が…先ずお前らから血祭りにあげてやる!!」

 

 目障りだと感じた融合体ヤリドは振り返り、五人を相手にする。

 

「皆、足を狙うんだ!アソコをショートさせれば動きを封じられる筈!」

 

 融合体ヤリドの下半身にある4本の足に皆は集中放火をくらわせる。

 

「地の底にぶち込んでやる!」

「回れ回れ回れええっっ!!」

「熱あるところに光あり!」

「突っ立ってるだけで止められるかぁ!」

「おりゃあああっっ!!」

 

「ギヤアアアアアアッッッ!!?」

 

 クレタ、アンドー、グレース、ベンの最大の一撃*1…そしてクウガのマイティキックが4本の足を破壊した。

 

「このまま畳み掛けるぞ!ベン!」

「よしっ…任せたぞ社長!」

「くらいやがれぇ!!」

 

 助走をつけるクレタがベンに声をかける。合図を聞いたベンはタンピングランマーを構えるとクレタはそれを踏み台にして加速ジェットの勢いでハンマーを融合体ヤリドにくらわせる。

 

「調子に乗るなぁぁぁぁ!」

 

「うわあっ!?」

「クレタ!」

 

 しかし、融合体ヤリドはチェーンソーでガードしクレタを押し返す。

 

「クタバレェェェ!!」

 

「うわああああああっ!!!?」

 

 追い討ちに融合体ヤリドは尻尾を振り回した。尻尾をくらったクレタは吹っ飛び、エーテル結晶の方へ突っ込んだ。

 

「社長!!」「おチビちゃん!」

「ッ!まずい、皆離れろ!!」

 

 二人が吹き飛ばされアンドーとグレースが叫ぶ。

 融合体ヤリドの尻尾に光が溜まるのを見たベンが警告した。

 

「死ねえええええ!!!」

 

チュドオオオオオン!!

 

「「「「ぐ(う)あああああっ!!?」」」」

 

 融合体ヤリドが叫ぶと同時に、尻尾から高出力のプロトンビーム、背中の殻の突起部からはエーテルミサイルが発射される。

 当たったら死ぬと感じた四人は走り出し、融合体ヤリドの弾幕から逃げる。

 しかし、ビームが当たった地面が爆発。四人は爆風に吹き飛ばされ転がりながら倒れる。

 

「近づけばチェーンソーとパイルドライバー、離れればプロトンビームにミサイルの弾幕、なんて奴だ…!」

「社長ッ!社長ッ!クソッ、煙で見えねぇ!」

「落ちついて、おチビちゃんがこの程度でやられたりしないさ!だから今は目の前の化け物に集中するんだ!」

 

 ボロボロになりながらも四人は融合体ヤリドに攻撃の手を緩めなかった。

 苦戦したものの、融合体ヤリドのチェーンソーやパイルドライバー、背中の殻を部位破壊に成功した。

 

「よし!ここまで来れば…」

『ちょっと待って!アイツの生体反応が…』

 

 あと一息という所でイアス(リン)から待ったをかけられる。

 すると、融合体ヤリドの様子に変化があった。 

 

「ウオオオオオオッッ!!」

 

 叫びと共に、部位破壊された箇所が復元され融合体ヤリドは完治した状態になった。

 

「オレは不死身だァァァァ!!」

 

「くそっ!このままじゃ全員オダブツだぞ!」

【警告。異常に活発な目標を検知。】

『えぇっ!?今度はなにが来るの…?』

 

 融合体ヤリドに追い詰められた四人、絶体絶命の危機に突如Fairyからの通知が入る。

 

ゴゴゴゴゴ……ドガアアアアン!!

 

 突然、なにかが掘り進む音が響く。

 そして地中から巨大なナニカが飛び出してきたそれはプロトタイプだった!

 

「プロトタイプ!?」

 

「ガアッ!?」

 

 プロトタイプは落下しながら両方のショベルで融合体ヤリドに攻撃し融合体ヤリドは後退する。

 何故プロトタイプが動いてるのか…それは言うまでもない。

 

「社長!!」

 

 クレタがプロトタイプのコックピットに乗り込み操縦席に乗って動かしていた。

 彼女が吹き飛ばされた場所に、プロトタイプだけ残されていたのだ。

 

「クレタ、無事だったんだ!」

「あぁ。動かすのに手間取ったが…あたしに任せろ!来いバケモン!」

「旧型のオンボロ機械が!俺様に勝てると思ってんのカ!!」

 

 融合体ヤリドがチェーンソーを振りかざすとプロトタイプは右手のショベルで受け止める。

 

「ファイトっす社長!!」

 

 白祇重工の初代重機VS最新重機を取り込んだ未確認生物によるバトルが始まった。

 融合体ヤリドはパイルドライバーからのチェーンソーで攻撃を繰り出しプロトタイプは2つの攻撃を左右のショベルで受け流す。

 

「ハアアアッ!」

 

 プロトタイプがジャンプし、2本の足で融合体ヤリドを蹴り後退させる。

 力なら融合体ヤリドが上だが、クレタの操縦テクがあってのおかげか旧型であるプロトタイプは互角の戦いが出来ていた。

 

「クソッ!こうなれば操縦してる奴を殺せば!」

 

 融合体ヤリドはパイルドライバーでコックピットを突こうとするがプロトタイプは右のショベルで防ぐ。

 

「くっ…!あぁっ!」

 

 攻撃を防がれた融合体ヤリドは手を緩めず尻尾の先端に再び光を集め始める。

 

「ラァッ!!」

 

 プロトンビームが来るのを見てクレタは左ショベルで尻尾を掴んだ。

 尻尾を掴まれ発射されたビームの標準がズレる、そのままアームハンドを動かしてビームのを空へ向かせる。

 

「死に損ないが!!」

 

 融合体ヤリドはもう一度パイルドライバーで突こうとする。

 

「ハアアアッ!!」

 

「グアアッ!?」

 

 だがクレタは左ショベルを動かしてビームの発射口である尻尾の先端部分をパイルドライバーに突き刺した。

 

「おチビちゃん!そのまま押すんだ!モニュメントに向けて!」

「よぉし!」

 

 グレースの言葉を聞いたクレタはアクセルを最大まで出す。プロトタイプが融合体ヤリドの両腕を掴み、モニュメントの尖ってる部分に向かって押し始める。

「うおおおおおおっっ!!」

 

 ドンドン押される融合体ヤリド。モニュメントまでもう少しだ。

 

「ググググ…マダダァ!!」

 

 融合体ヤリドは尻尾の先端部分を引き抜き、パイルドライバーを地面に突き刺して抵抗するが、尖った部分までギリギリの距離まで押される。

 

「あと少し…もう一丁!!」

 もう一度、操縦桿を前に倒しモニュメントへ押し出そうとしたその時警告音が鳴り出した。

 それと同時にプロトタイプのパワーが段々弱まりだしていた。

 

「拮抗している!」

「様子がヘンだ!」

「おチビちゃん…無理しないで!」

 

 なんとか踏ん張るが、等々プロトタイプは機能停止してしまう。

 

「プロトタイプに侵食が!」

 

「ハハハハ!ついにオシャカになったか!ポンコツ機械と共にお前も侵食して化け物ニナレ!!」

 

 「クソッ!もうちょいなんだ!とっとと動けぇ!」

 

 画面に映る警告をガムシャラに操縦桿を動かすクレタ。モニュメントまであと一歩という所で動かないプロトタイプ。

 

「オルルァ!!」

 

ドゴォッ!!

 

「うあああっ!?」

 

 融合体ヤリドの尻尾攻撃がプロトタイプに当たった。

 その反動でコックピットに激しい揺れが発生。クレタは操縦桿を離しはしなかったが後ろへのけぞる…

 

(ッ!)

 

 前に置いていたバインダーが宙を舞う、その時クレタはバインダーから散らばった複数の書類の中にある物を見た。

 それは幼い頃の自分、そして自分の父であるホルスとの写真だった。

 

『クレタ!さぁ、名前を付けてくれ!』

(親父…!)

『名前を呼べばきっとクレタの願いに応えてくれる!』

 

 気がつけばクレタはその写真を掴み取っていた。

 その写真を見つめ、クレタは前を向く。

 

(親父、もっかい…信じていいか?)

 

「今度こそ終わりだぁぁぁぁ!!」

 

 融合体ヤリドはトドメを刺そうとプロトタイプにチェーンソーを振りかざした。

 

「頼む…動け!

 

ゲロォォォォイ!!! 」

 

 ゲローイ……英雄の意味を持つ言葉を叫ぶクレタ。

 それに応えるかのようにプロトタイプは再起動、フルパワーを発揮した左ショベルでチェーンソーを受け止める。

 

「ば、バカな!?さっきまでくたばってたハズなのに!?」

 

「ナメんなよ!これが白祇重工の誇る…ホロウ用知能重機だぁぁぁぁぁ!!!」

 

 操縦桿を握りしめ叫ぶクレタ。

 プロトタイプは再び融合体ヤリドの動きを封じてモニュメントの方へ押し出す。

 

「離れろぉぉぉ!!」

 

 融合体ヤリドは尻尾で操縦席を攻撃し、最後の抵抗をする。

 コックピット内にエーテル結晶で侵食されていくがクレタは一歩も下がる気もなく踏ん張る。

 

「侵食がなんだ!白祇重工のモンはな……ぜってぇ負けねぇんだぁぁ!!

 

 クレタは引いた操縦桿を勢いよく押し、トドメの一撃であるプロトタイプの頭突きをくらわした。

 

ドスッッ!!

 

「ギャアアアアアアアア!!?!?!?!!???」

 

 頭突きをくらった融合体ヤリドはその反動で後退し、コア部分がモニュメントに突き刺さり悲鳴をあげる。

 

「まだ…だ…まだ、オデハ…」

 

 そう言い残し、融合体ヤリドは沈黙した。

 

「ハァ…ハァ…」

 

 息を切らしながらクレタは操縦席にもたれかかった。

 

「……なぁ親父、今の白祇重工は悪かねぇだろ…?」

 

 コックピットの外で手を振るグレース達を見下げるクレタはここに居ない親父にそう言った。

 

*1
各自の終結スキル





はい、融合体ヤリドとのバトルでした。
ん?ゴウラムが来る前に決着が着いちゃって出番ないじゃーんwって?

二度あることは三度ある…ですよ。詳しくは次回で。

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ゴウラム『フジャケルナァ!!(0言0#)‪』

治安局からのヒロイン

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