私たち3人、スカーレットルビー、コバルトアクアマリン、カナリートパーズは怪人を前に苦戦を敷いていた。
「強い、でも私たちで時間を稼げない程じゃない!」
「そうだね。先輩が来るまでの時間くらいは作れそうだ。」
「このままいけばだけど、ね!」
「お前ら、今回の負けについてはアタシは何か言うつもりはねぇよ。だが、お前らに一つ教えとくことはある。まず、お前らに聞こう。魔法少女が優先すべき事はなんだ?」
怪人に負け、先輩が来なければ街や周りの人たちもどうなっていたかわからない程の完膚なきまでにやられた私たちに先輩が問いかけた。それにアクアマリン、
「怪人を倒すことじゃないんですか?」
そうだ。私たちは怪人を倒すために戦ってるんじゃないの?と私も思ったが先輩の表情を見るに違うようだ。その返答に先輩は呆れたように答えた。
「バカが、それは過程であって目的じゃねぇ。アタシたちにとって優先すべきことは人命と被害の減少だ。街の被害を少なくするために怪人を倒すのであって倒すこと自体が目的じゃない。」
「せんぱーい、その言い方だと怪人を倒さなくてもいいように聞こえるんだけど合ってる?」
トパーズ、
先輩は笑って
「いい質問だな。極論はそうだ。怪人を倒せなくとも人や街の被害を抑えることが出来ればそれでいい。それに、時間を稼げば応援が来るから叩くならその時の方が確実だ。」
「でも、時間を稼ぐことってそんな難しいとは思えないんですけど…。」
つい私はそう口にしてしまった。
「あぁ、まぁ星宮の言うこともわからんわけではないが水嶋は分かってるだろうがお前にも分かるように説明してやる。仮にバスケをするとして相手チームに全国大会で得点王になってますって程の奴が居たとする。そいつを止めるのは無理だろ。でも止めるのではなく時間を稼ぐことなら出来るとどうなる?」
「えっと、その分疲れるってことですか?」
「まぁ、そうだ。それに仲間も自由に動くことが出来る。単純に弱い駒が強い駒を抑えてるってことが偉いんだよ。わかったか。」
「はい!」
「そろそろ、交代、なんだけど!」
「分かってるよ!咲、スイッチ!」
「うん!こっからは私の番。先輩が来るまでは私たち3人と代わりばんこで遊んでもらうよ!」
そうして5分はたっただろう頃に
「吹き飛べ、バカ怪人が!」
「「「先輩!」」」
先輩が飛んで来た。
「おーし、お前らアタシが来るまでよく時間を稼いだ。アクアマリン、相手の能力わかるか。」
「はい。おそらくですが、あの怪人を中心として縦横9メートルの中に3メートル×3メートルの正方形を一つのブロックとして、その領域のモノを入れ替える能力と思われます。」
「クールタイムは分かるか?」
「約15〜20秒かと。」
「そこまで分かってるなら上出来だ。だったら対策は簡単だ。ゼロ距離でブン殴る。」
「先輩、気をつけてください。あの怪人。今まで戦った中で一番強いです。」
後輩たちへ振り向き笑顔で答える。
「安心しとけ、アタシは最強の魔法少女ホワイトローズだぞ。」
アタシは吹き飛ばした相手に向かって飛んでいった。
「さーて、黒フード鎖野郎。その素顔を見せてもらおうかなっと。」
完全に取ったと思ったアタシのパンチを怪人は近くの電柱に巻きつけた鎖で手首を縛り、止めてくる。
「へぇ、ちょっとの時間でよく仕込むじゃねえか。確かに今までで一番強そうだ。」
「でも、小細工ばかりじゃアタシを止められねぇぞ!」
こいつ、何かがおかしい。もう5分は戦っているはずなのにこっち向けて一切攻撃してこねぇ。あえて攻撃する隙を晒した時ですら何もしてこないなんておかしすぎる。それにこいつの鎖からは敵意が感じ取れない。なんなんだこいつは!?
そう考えながら戦いを進めていき、チャンスが来た。
見えた!このタイミングなら顔面に一発キメれる!
「こ こ だぁぁぁぁ!!!」
怪人にほぼゼロ距離に近づき、初めて顔を見た。いや、初めての顔じゃない。いつも、いつも見ている顔。誰よりもアタシが知っている顔。手は止まらなかったが驚きとともに勢いは格段に落ちていた。黒フードが、あいつが闇のゲートと共に去っていく。
「どう…して。」
アタシはそう言うしかなかった。
しばらくして後輩たちが様子を見に来た。怪我ひとつないアタシとほぼ被害のない街を見て喜んでいたが、アタシは作り笑いしかできなかった。
「ま、アタシにかかりゃこんなもんだ!」
後輩たちに背を向け帰路を進む。いや、帰路ではない。
アタシはあいつに連絡する。
『この後、お前ん家いくから。』
スカーレットルビー
所謂主人公枠、頭はちょい悪。3人組のリーダーで精神的支柱。
多分きっと強くなる。
コバルトアクアマリン
チームのブレイン。クラス委員とかやってるタイプ。頭は良い、秀才タイプ。3人組の中では保護者的ポジションになってしまうツッコミ役兼苦労人。
カナリートパーズ
チームの元気枠担当。天才タイプでテストでは勉強しなくても高得点取ったりするし地頭もいい。運動神経抜群だけど自分の中で明確な基準があり周りとの隔たりがある。そんな中でも一緒にいてくれる咲と泉に感謝してるしこれからもずっと一緒にいたいと思っている。