とある青年呪具屋の呪術記録《カースレコード》 作:サマーオイル悟
「もー、どうしたの? おにーちゃん、羅喜?」
目の前の少女は、そう言って笑う。春夏、そして茨木童子は、その少女に見覚えがあった。いや──見覚えどころか、それなりによく知っていた。
『ウソよ、ウソ。あなたは
「!」
────
春夏と秋冬にとっては
先程、丁度話題に上がっていた「死滅回游に参加している渡辺家の親戚3人」のうちの1人が、この再従兄妹である渡辺命であった。
どちらかと言えば男が生まれやすい渡辺の家には珍しく、実に可愛らしい大和撫子を体現したような和服が似合う黒髪ロングのお淑やかな女子である。
秋冬が己の性別を「女」と言うようになるまで、それなりに頻繁に渡辺道具店へと訪れては、店番を手伝ってくれていた。
しかし、秋冬の性自認が「女」となってからは、先代の意向により彼女、そしてその親兄弟は出入り禁止になっていた。秋冬が目指す理想の「女」像がまさに、渡辺命と酷く合致していたからである。
実際は、春夏への恋心が故に、身近な女子であり親戚である命を目標にしていただけであるが、何を勘違いしたのか、先代当主は、彼女のせいであると渡辺の分家そのものを出入り禁止にしたのだった。
それによって、春夏と秋冬はここ数年、分家との繋がりが全く無くなってしまっていたのだ。去年の百鬼夜行で先代が死んだ際、葬式に呼んだくらい。
秋冬がこの世を去った時の春夏は精神的に限界を迎えていたので、簡易的な家族葬で済ませており、その後に茨木童子に頼んで連絡を1本入れたくらいだった。
線香をあげに来てくれた彼女を、いつもいつも、春夏はやつれた顔で、言葉少なに追い返していた。そんな絶縁状態にも等しい荒れた関係だった。
年の頃は、恐らくは中学生くらいだろう。春夏と命は、5歳離れている。春夏が19歳なので、命は現在14歳、中学2年生か誕生日前の中学3年生。
秋冬は享年9歳。5歳ずつ離れているらしい。
「なんだー、バレちゃったか〜」
「……は。はは……そ、そーだよな、
「そーだよ、おにーちゃん。……久しぶりだね?」
ウソだ。ウソだ。そんなもの嘘に決まっている。春夏は目の前の現実を受け入れられず、頭を振る。見た目は再従兄妹の命そのもの、だが溢れる気配、呪力は、最愛の妹である────。
「
「あっ。あれ? そう、だっけ? 久しぶり過ぎて忘れちゃったかも……アハハ……」
『あと、命ちゃんは誰に対しても敬語を使うのよ』
「!!」
「お前……」
『あなた、まさか……』
「受肉したんじゃないだろうな……ッ!?」
吐き気がする。まさか秋冬が、親戚の肉体に宿り蘇っただなんて、そんなもの、信じたくなかった。折角、絶望的な時期さえ乗り越えたのに。それすら踏み躙るのか、羂索は。
春夏の心は、グチャグチャに荒れ果てていた。
「──違うよ、おにーちゃん。受肉体じゃないよ。絶命の縛りで私はおにーちゃんの呪具に成ったし、羂索って人とは、何にも契約してないもんね」
「じゃあ、どうしてその名を知ってる……!!」
「私を
「イタコ、だと……!?」
「オガミ婆って名乗ってた。本名なワケないよね。私に『じきに帳が上がるから家に帰りなさい』って命令した後、その人が居た所、斬られちゃってた。呪霊と宿儺の戦いに巻き込まれて。一つ目の呪霊、渋谷で見たよ。宿儺と戦ってたよね。あなた、何でおにーちゃんと居るのかな?」
『……ワケありだ』
「ふーん。羅喜以外も従えるなんて、おにーちゃんらしくないなぁ」
「お前こそ……降霊されて、そのまま
「命おねーちゃん、可愛いもん。私の理想だった。だから今度こそ女の子に成れて……私、幸せだよ」
「そういう問題か……?」
「わざわざ、誘拐までしてきたんだって。だから、自殺してまで解除するのは、勿体ないかなぁって。それに、またおにーちゃんと会えたしね……♪」
「ッ……解除、できないのかよ……?」
「無理だね! 術者は死んじゃってて、私の器──
「ッッッ……」
春夏に、
しかしそれでも、春夏を「お兄さん」と呼んで、慕ってくれていた命を──そして最愛の妹などは、絶対に殺せない。
それは、茨木童子とて同じだった。同じ釜の飯を食べた家族だ、どうして殺せるのだろうか。
『……殺せないのであれば、儂が殺すか?』
「待て漏瑚!」
『殺さないで!』
「ならば、そうウダウダと悩む必要は無いだろう。話を聞くに、奴を降霊した降霊術は永続ではなく、終わりがある。殺せないのなら、大人しくその時を待とうではないか」
「……あぁ」
『そう、ね……』
「そーだよー。命おねーちゃんの身体、いつかは、返さなくちゃね。……
「は?」
「その辺の事は中でゆっくり話そ? 知ってる事は全部、話してあげる。とりあえず入って入って!」
命──秋冬に導かれ、春夏と茨木童子は再建工事途中の渡辺道具店に入る。漏瑚もつられて入ろうとするも、五条家専属大工団の結界に阻まれてしまい仕方なく店の前で待機する事に……。
◆
「んー……何から話そっか……?」
「受肉、じゃなくて、降霊した経緯だけは何となく分かった。よく分からんが羂索の差し金だろうな。そんで──
「こっちに帰ってきて暫くしてなんだけどね。辺り一帯が結界に囲まれて、死滅回游が始まってから、1回だけ健おにーちゃんに会ったのね。だけどさ? なんか武士みたいなちょっと古い喋り方がちょっと混ざってて、なんか変だな〜って思ったの」
「気配はどうだった?」
「変だった。私の知る健おにーちゃんより、呪力も少なかったハズだよ。私に『武具は無いか?』って聞いてきたから、分店の方を教えてあげたよ。私、その時、まだここに入ってなかったからさ」
『そういえばどうして、あなたはここに入れたの? 漏瑚が入れなかったように本来ならあなたも……』
「私も羅喜にそれ聞きたかったんだよね、どうして入れるの? 霊装呪法……使えるの?」
『先に質問したのは私。先に答えなさい?』
「私が
「それを飲んだのかよ!?」
「う、うん、藁にもすがる思いっていうかさ……?? で、でも、そのお陰で霊装呪法、使えるしさっ!」
「〜〜〜〜〜〜ッッ……」
『確か、健も倭も、分家の人間だったわね?』
「あー。羅喜、分家の人間が来る時は基本的に表に出てこなかったもんな……」
────渡辺
結構なシスコンで、命がよく揶揄って遊ぶ春夏を敵視しており、なんなら、殺意すらも抱いていた。秋冬を「女だと自称するキモイ男」扱いしており、春夏もまた、そんな健が死ぬほど嫌いであった。
命より年上、春夏より年下の16歳。高校生だ。他にも、様々な理由から春夏・秋冬とは折り合いが悪く、渡辺家のドブカス枠であると言える。
そして、今回話題に上がった渡辺
命と健の父親であり、渡辺道具店の分家ならぬ、分店を担当している。忌庫は無く規模は小さめだがそこそこ繁盛はしていた。
呪具の他に武具も置いてあることから、秋冬は、健──と思しき存在にそちらの店を教えたらしい。そう遠くない所にある。こちらも、ギリギリ結界の範囲内だと思われる。
「────十中八九、受肉体だよなぁ……」
『そうねぇ、話を聞くにその可能性が高そうだわ。受肉体だって、器となった人間の全ての記憶を認識できるとは限らないだろうし……。秋冬くんに武具の在処を聞いた健ってのも、そうなのかもね』
「健はともかく、倭おじさんもか〜。会った感じ、秋冬的には『中の人』は誰だと思う?」
「分かんない。でも、渡辺家の誰かじゃないかな。家から出てきた所を見るに、霊装呪法の術者だし、命おねーちゃんの中の私が、渡辺の本家の人間って勘づいたんだと思う。最初は敵意が凄かったけど、どうしてだか『家に帰れぬのはさぞ辛かろう』って言われたし……」
「それで、その呪物を受け取るに至る、と」
「そゆこと〜。さ、次は羅喜が答える番だよ?」
『────先代はね、あなたが成人すると同時に、ある呪物をあなたに食わせる気だったのよ。春夏と2人でこの店を切り盛りできるように──ってね。それがあなたが食べたのと同じ「霊装呪法が宿った呪物」なのだけど……』
「……えっ……」
『でも、あなたは死んでしまった。それによって、無用の長物となったその呪物を、私が食べたのよ。そして私には霊装呪法が刻まれた。──とまぁ一応こんな感じの流れになるわね』
「じゃあ、倭おじさんが私にくれたのは……?」
『新しく作ったのでしょうね。だけど、消費呪力の観点から、量産したとは考えにくい。多くても2つでしょう。春夏より呪力が多い渡辺の人間なんて、それこそ、秋冬だけだものね』
そこまで話して、茨木童子、そして春夏は同時に気付いた。これまでの渡辺家の歴史において、この行為──
「まさか、倭おじさんの『中の人』は……!」
『4代前の当主の──えぇと、誰だったかしらね。侘助、輪丸、梅治郎……あぁそうだ、
「「ん??」」
『紛らわしいけどね。
「やまと」と読ませて、4代前当主の「やまと」は割と見掛ける「
「「へ、へー……そーなんだ……」」
「因みに──渡辺家が禪院家の分家の分家みたいな扱いになり始めたのは彼がキッカケよ。彼が禪院の血を引く女と結婚したから、渡辺家に禪院家の血が合流して今に至るの」
「ああッ! 4代前と言えばソイツか!!」
「おっ、おにーちゃんっ、ご先祖様に『ソイツ』は失礼だよっ……!」
「お、と……そ、そーだな、すまん……」
ややこしいが、要は、器となった
「問題は、健の中の人……だよなぁ」
『この流れからして、多分コッチも渡辺家関係だと思うわよ。きっと全くの赤の他人ではないと思う。命に降霊させられた秋冬、倭に受肉した大和──。そして、健に受肉した、
「呪具じゃなくて
『ねぇ春夏……私、嫌な予感がしてるのだけど』
「奇遇だな羅喜、俺もだ」
「?」
最悪の可能性が茨木童子と春夏の脳裏に浮かぶ。
茨木童子にとっては、人間相手という意味でなら初恋の人で、春夏にとっては、渡辺家の始祖である例の人物。
────渡辺綱。頼光四天王の筆頭であり、例の酒呑童子討伐のMVP。呪術師として見るのならば春夏や秋冬にも劣るとされるが、武芸者として見るならば、恐らく大きく上回っているであろう先祖。
それが子孫の身体に受肉している可能性がある。
「いや待て、どうして羅喜も『嫌な予感』なんだ? 寧ろ、好きだったんだから喜ぶべきでは?」
『喜んでほしいの?』
「いやそれは死ぬほど腹立つけど」
『じゃあ言わないでよね。──あなたが、この家に秋冬が居ると勘づいて様子がおかしくなったのと、理屈は同じなの。折角、その人を失った辛い期間を乗り越えたのに、また目の前に突き付けられてさ。信じたくないけど信じるしかない、そんな状態で。ましてや今の私には春夏が居るし、昔の好きな人が出てくるのは解釈違いというか何というか……そう、ハッキリ言って困る!!!』
「言い切ったなオイ……」
『だってしょうがないじゃない! 春夏からしてもイヤでしょう!? 綱、言わば私の元カレよ!?』
「殺したい。金〇の『元カレ殺ス』が俺の
『春夏なら言うと思った! 確かに好きだったけど生き返ってまで──ってのは違うの! 鬼滅の刃の煉獄さんじゃないけどさ、老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさなのッ! だから、堪らなく愛おしいし尊いのよっ!』
「つまり、渡辺綱が受肉なり何なりで生き返るのは羅喜としても解釈違いってこった」
『そうよ! もう綱本人は死んだ!! 私はそれを乗り越えた! そして春夏に出会った! この話はこれでおしまいよ!!』
「──なのに、無理矢理にその『話』を続けに来たドグサレ脳ミソ野郎……」
『羂索……』
「『マジで許さん……!!』」
怒りに震える春夏と茨木童子。ズズズ、とお茶を飲んで喉を潤すと、ポソリと秋冬が呟く。
「……私が生き返ったのも、迷惑だったかな……?」
「『ッ!!』」
「ちがっ……だ、だって、会えた事は嬉しいし……」
『そうよ、寧ろ「女の子になりたい」っていう夢を一応叶えられたワケだし、私は嬉しく思うわ?』
「でも死人が生き返るのは解釈違いなんでしょ?」
『あ、う……』
「秋冬は────その、別にいいんだよ!」
「へ?」
「秋冬は、その、生き返ったワケじゃねーんだよ。降霊術によって、一時的に命に乗り移ってるだけ。そう、言わば『お盆だから帰ってくる』ようなものだろうよ。ちと遅せぇお盆休みだけどよ……」
「おにーちゃんが迎え火も炊かないからじゃん」
「あぐッ……」
「でも大丈夫? 一応、生きてた頃の記憶とかも、しっかり残ってるよ? 私本人としては生き返った認識だけど、生き返りにならないのかな?」
「ならないね、断言してやる。お盆なら死んだ人の霊が帰ってくるのは自然だ。受肉とは違うんだよ。だから生き返りになんか当てはまらないさ」
「おにーちゃん……」
何とも、苦しい言い訳である。それは春夏本人も茨木童子も、秋冬も、よく感じていた。
話している感じではまさに生き返っているとしか思えないこの状況。しかし、受肉ではなく降霊だと聞かされた事で、この言い訳の道が開拓された。
────というより。
お盆のように、一時的に帰ってきているだけだと認識していなければ、降霊術が終了して秋冬が再びあの世に逝ってしまうのが辛いからかもしれない。
もはや単なる自己暗示だ。生き返りなんて大層な現象ではなく、あくまでも、一時的な帰還である。そう強く思っていないと、再び秋冬と別れることになるのが、死ぬほど、いや死ぬよりも辛いから。
「そうさ、秋冬は生き返ってなんかいないんだよ。降霊は生き返りじゃない。恐山のイタコが平将門を降霊したとして、誰が『平将門が生き返った』って認識するんだ? いいや、その降霊を見ても、誰も平将門の生き返りだとは認識しないだろう。だから秋冬も生き返ってなんかいない。
「ん……」
「だから敢えて言ってやる。……おかえり、秋冬」
『……おかえりなさい、秋冬』
「──うんっ。ただいま、おにーちゃん、羅喜!」
こうして、多少歪ではあるが、再従兄妹の肉体に乗り移った妹との久しぶりの生活が始まった……。
8月23日!大阪インテックス!来てね!!
マコラとマコのR-18本です。加筆修正済み。
表紙デザインは、NC731様(@NC731_R18)!
アクスタも持っていく予定です。
ポストカード的なんもある方がええのんか……?
オリジナルキャラプロフィール⑧〜⑪
氏名:
性別:女
年齢:満14歳
術式:無し→霊装呪法
等級:特別準2級術師
本業:学生、渡辺道具店(分家)の店員
得点:0点
お淑やか。大和撫子を体現したような和服美人。
艶やかな黒髪ロングヘアー、けれどもちょっとだけ小悪魔系であり、割とよく春夏を困らせていた。
春夏と秋冬の事を「お兄さん」や「秋冬ちゃん」と呼び、親戚らしさが無い普通の友達として、かなり仲良くしていた。
トランスジェンダーにも理解があるらしく、秋冬をしっかりと女の子扱いしていた稀有な存在。
女の子として求められる所作などを教えていた。
それによって秋冬が女を自称するようになったと、渡辺道具店先代当主から恨まれるようになったが、因果関係がまるで逆であり、彼女は無実である。
羂索からの依頼を受けたオガミ婆(&孫)によって誘拐されており、京都から渋谷に連れてこられた。
オガミ婆は、禪院甚爾(伏黒甚爾)を「孫」に降霊するより前に羂索たっての依頼であるコチラを優先していた。そのお陰で命(秋冬)は甚爾とギリギリエンカウントしていない。
羂索の計算では、降霊秋冬を餌に春夏を釣ることで渋谷事変における春夏対策にするつもりだった。
オガミ婆が動くのが遅かったせい&獄門疆の気配を感じ取るとかいうイカれた呪力感知能力のせいで、羂索の計算は外れて、春夏と出会う事になった。
羂索「この娘に、この子を受肉させてね」
オガミ婆「あいわかった」
(渋谷事変にて)
オガミ婆(五条悟の封印まだか……?)
羂索「獄門疆、開門」
春夏「呪物の気配か? 行ってみよ!」
羂索「キッショ、なんでここに来るんだよ」
虎杖「五条先生が封印されたんだけどー!」
オガミ婆「羂索の依頼は達成したけど予定より随分遅くなってしもうた……。もう、家に帰りなさい」
降霊秋冬「? はーい」
オガミ婆「禪院甚爾、孫に降霊っと。術師鏖殺ね」
降霊甚爾「誰に命令してんだよババア」
オガミ婆「」
イノタク「」
宿儺「伏魔御廚子」
漏瑚「ぎゃあああああああああ!!!」
オ/ガ/ミ/婆「」
降霊秋冬「宿儺と一つ目が戦ってる……こわ……」
オガミ婆は「肉体の情報」と「魂の情報」の両方を降霊する事ができる。普段は、不測の事態を未然に防ぐ為に前者「肉体の情報」だけ降霊しているが、今回に関しては羂索が「魂の情報」を降霊するよう指示を出していたので、命の肉体に秋冬の魂が宿るという事態になった。
オガミ婆が渋谷事変で「伏魔御廚子」に巻き込まれ死亡している為、秋冬が死なない限り、強制終了は不可能。本来の仕様通りなら、降霊術の器となった命の呪力が尽きると同時に降霊は終了するが……。
氏名:
性別:男
年齢:満16歳→年齢不詳
術式:無し
等級:特別3級術師
本業:学生、渡辺道具店(分家)の店員
得点:19点
命の実兄。極度のシスコンであり、最愛の妹である命に好かれている(と健が勝手に勘違いしている)春夏を殺したいと思っている。
しかし徒手格闘でも呪具を用いた戦闘でも、春夏に一撃すら入れた事は無く、渡辺道具店の先代当主に
「秋冬くんがおかしくなったのは命のせいだ」など吹き込んだ事により、分家丸ごと出禁に指定させた渡辺家最強最悪のドブカス精神の持ち主。
実際は、秋冬の性自認が「女」なのは兄の春夏への恋心を自覚して以降であり、命は年上の青年である春夏の反応を見て楽しむのが趣味なだけで、別に、春夏に恋愛感情は1ミリも抱いていなかった。
寧ろ命は、春夏と茨木童子の障害ばかりの恋路を、春夏と秋冬の決して結ばれぬ恋路を見守っていた。健と違い、命は掛け値なしの「良い子」である。
全ての元凶は、思い込みが激しい健だった。
命のパンツをスーハーするくらいは普通にしてる。
そんな折、平安時代の遠い祖先である「渡辺綱」の器として強制的に受肉体にさせられた。
子孫だからか、良い具合に馴染む。by羂索
完全受肉はしていない。
天使のように「共生」している。
氏名:
性別:男
等級:特別準1級術師
年齢:49歳→年齢不詳
術式:無し→霊装呪法
本業:渡辺道具店(分家)店主
得点:15点
命、健の父親。秋冬の父、春夏の父の従兄弟。
分家ならぬ、分店の店主を務めている。本来ならば健が分家を継ぐ事になるが、生意気だからか客足も増えないので、看板娘のような立ち位置である妹の命に店(家)を継がせようと考えている。
そんな折、羂索により曾祖父である「渡辺
しっかり自我も沈んでいる。
倭、健、命。親子3人揃って「
氏名:
性別:男
等級:特別1級術師
年齢:不明(少なくとも110歳以上)
術式:霊装呪法
春夏、秋冬から見て高祖父(祖父の祖父)にあたる先祖で、渡辺家に禪院家の血を呼び込んだ本人。
秋冬の父(先代当主)が生まれ、術式を発現して、極ノ番が扱えるようになる頃までは存命だった。
数代、霊装呪法を持つ子供が生まれなかった事で、店の存続についてはかなりの危機感を覚えており、先代が極ノ番を扱えるようになったのをいい事に、それを利用して彼も極ノ番を使う事で「霊装呪法が込められた呪物」を生成。それを先代当主に託す。
その後、羂索と契約し、死後に呪物と成った。
そして今回、曾孫である渡辺倭に受肉している。
血が繋がっており、しかも同名だからなのか相性はハチャメチャに良いらしく、誰も手を加えていない天然で生まれ得る器としては最高レベル。by羂索
命に降霊した秋冬と出会い、倭の記憶から「娘」と気付いたが、命の言動が妙である事から、降霊術で何者かが乗り移ったor何者かが受肉したと察知。
その「中身」が渡辺家の本家の人間と察知すると、せめて家に入れるように──と新たに作った「霊装呪法が宿った呪物」を秋冬にあげた。
その後、何故か完全受肉。かなり老年のヨボヨボの姿になっており、直接的な戦闘は不可能になった。
見た目は「這いよれ!ニャル子さん」シリーズにて登場する「ノーデンス星人」を想像して頂きたい。アレが更に老けて車椅子に乗ってる感じ。
春夏と近いレベルで霊装呪法を扱える唯一の術師。
極ノ番、拡張術式、領域、彌虚葛籠は会得済み。
そのハイレベルさによって、分家とはいえ禪院家の血を引く女との結婚を禪院家に認めさせた?らしい。
春夏と同じく「望んだ物は力尽くで手に入れる」を信条とするが、春夏とは全く違い、呪霊である茨木童子には絶対に頼らないスタイルであった。
羂索が「大正頃の当主(大和)は、茨木童子を使役していなかった」と認識していたのは、単に大和が自分の能力のみで戦いたいタイプだったから。