消滅したらネオだった件   作:ライノア

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~これまでの消ネオは...?~

「ヴェルドラが消えた後、魔物が活性化しているかもしれん...何でもいい、変化を見逃すな」

「リグルら警備班が、連絡がありました。森で不審な者を発見した様です」

「久し振りだな。名前は確か...カバル、ギド、エレンで合ってるな?」

「シズさんは、いつ頃召喚されたんだい?」

「ずっと昔。町が燃えて、炎に包まれて。空から爆弾が降って来て...」

「けど、無理はするな。先に戻ってるから、今日はゆっくり休め」


第七話前編:井沢静江

SHIZU SIDE

 

あれは今から七十年前くらいに(さかのぼ)る。その頃の私は当時四歳だった。

空から火の粉が降り注ぎ、爆弾が雨の様に降って来る。

頼るべき親戚も無かった私はお母さんと二人暮らし。お父さんは戦争へ駆り出され、顔も覚えていなかった。

幸せだとも不幸だとも感じない。それが日々日常的であり、そういう残酷な現実を受け止めるしかなかった。

爆弾が炸裂した事で辺りが火の海と化した街を私はお母さんと逃げている。

だけど掴んでいたお母さんの手は余りにも軽く、運悪く火柱の下敷きになってしまった。

 

シズ(幼少期)『お母さん!お母さんっ!!』

 

必死にお母さんに声を掛けた私はそのまま炎の渦に飲まれていった。

意識が戻り、うつ伏せに倒れていた私は朦朧(もうろう)とした視界を徐々に取り戻して行く。

地面に刻まれたのは赤い魔法陣。私の前に立っていたのは後に怨敵なるであろう美貌の男性。

金色の長髪に青い瞳。整った顔立ちに切れ長の眼。そして透き通るように白い肌。

それは女性と見紛うばかりに美しい美丈夫。

十大魔王の一人『レオン・クロムウェル』によって私は召喚者としてこの世界に呼び出された。

赤い魔法陣が消滅すると、レオンは火傷を負った私を見て金色の長髪を靡かせながら踵を返す。

 

レオン『...(また)失敗だ』

 

私に向かって『失敗』と呟くレオンは私に興味を無くした。だからこそ全身に大火傷を負い死にかけている私を殺す事はしなかった。

どうでもいい存在であったから事が当時の私はそれが悔しかった。

今でも思い出す。あの美貌な顔で興味無さげに見下された絶望を。

あの時の私には、彼に(すが)るしか生きる術は無かったというのに。

結局、助けたのは魔王の単なる気紛れに過ぎなかった。

召喚によって負った火傷を耐えながら縋る様に手を伸ばす。

 

シズ(幼少期)『た...助けて...!』

 

レオンは死んだかと思われていた私の(かす)かな声に向き直る。

 

レオン『...ゴミかと思ったが、これは炎への適性がありそうだ』

 

レオンの左端に大きな炎が人魂の様に燃え上がる。

その炎は徐々に大きくなり、渦巻いて私の方へと近付いて来る。

 

レオン『...イフリート、お前に新しい肉体を与える。使い(こな)せ』

 

レオンの命に従ったイフリートと呼ばれる炎は、渦巻く炎の中で発生した黒い(もや)によって人の様な形に変わった。

そしてそのまま獣の様な眼光を宿しながら私の肉体に憑依した。

イフリートの憑依が完了した私は佇みながら混濁(こんだく)とした意識の中で、体の異変を確認する。

炎に包まれた事で襤褸襤褸(ぼろぼろ)になった赤い着物と火傷の(あざ)が深い左半身。

朦朧とした意識で左手は火傷の痣によって左腕を侵食していたのが見えた。

体の異変の確認して一先ずは命拾いをしたと悟り、手を脱力させた私をレオンは冷徹な表情で期待の眼差(まなざ)しを向ける。

その藍色(あいいろ)の瞳は、私から何処からか舞い落ちる緑の羽へと視線を変えた。

緑の羽が完全に足元に着弾すると、小さな魔法陣を形成。

足元に着弾したのと同じであろう無数の緑の羽が混じった小さな竜巻が噴出され、朦朧していた私の意識を一気に吹き飛ばした。

 

???『グェアーッカッカッカァーーーッ!!魔人ケーニッヒ様が、挨拶(あいさつ)に来てやったぜェ〜!?』

 

初めて見る異形。その姿を見て私は恐怖で後ろに下がる。

小さな竜巻を振り払いながら現れた異形は緑を基調とした羽が全身を覆い、宛ら人間の体に鳥の頭をくっ付けた様な外見だった。

左肩には装甲を備え、腰には赤い前垂れが付いている銀色の防具を(まと)っていた。

ケーニッヒと名乗る魔人は手に持つ銀の四本槍を向けながらレオンに宣戦布告を言い渡す。

 

ケーニッヒ『レオン!貴様を倒し、俺様が魔王になる。安心して死ね!!』

 

自分の力に余程自信のあるケーニッヒに対して、レオンは自分が出る幕ではないと吐き捨てる。

 

レオン『...小物が。誰の差し金やら?だが丁度良い。出番だぞ、イフリート...どうした?』

 

自分の晴れ舞台だと声掛けられた私は突然にして戸惑う。

 

シズ『うぐあがっ!?』

 

けれど、今更戸惑う暇も与えなかったレオンは目を赤く光らせると、それに呼応する様に私の右目が発光。

体が思う様に動かず、そのまま蚊帳(かや)の外となって(いら)立っていたケーニッヒの方へと向き直る。

 

ケーニッヒ『きいぃぃぃっ〜!舐めやがって!俺様を無視するとは...!!』

 

一人の人間が魔人に勝てる筈がないと確信したケーニッヒは、対峙した私を自殺懇願者と認識する。

 

ケーニッヒ『先に死にたいのかぁ?いいだろう...!そんなに死にたいなら、望み通りに死なせてやるッ!!』

 

槍を横()ぎに振るうと、無数の羽が私に迫る。

その時、頭に赤い(たてがみ)が宿った私は手を(かざ)す。(てのひら)から噴出した炎が無数の羽を焼き尽くし、(やが)てはケーニッヒをも飲み込んだ。

 

ケーニッヒ『なっ...!?うぎぃぃぃやあああああああッ......!!!!』

 

最期の断末魔をも掻き消された、ケーニッヒは消し(ずみ)となった。

これが私にとっては人性初の殺人であった。

私がケーニッヒを倒した一部始終を見届けたレオンは、意外と使えるなと微笑を浮かべる。

 

レオン『ふ、はは...これは面白い。お前の名前は、何だったかな?』

シズ(幼少期)『しず...え...』

 

名前を問われた私は、顔を(うつも)かせて小声で答えた。

 

レオン『しず...え?うむ...今日より、お前は''シズ''と名乗るがいい』

シズ(幼少期)『シズ...?』

 

人間である私に新たな名前を与えられてから数日が経った。

行く宛てもなく森を散策していると、何処からか生き物の鳴き声が聞こえた。

 

???『ふふっ。沢山食べてね』

シズ(幼少期)『...あっ!』

 

其処(そこ)に居たのは、緑の半袖を来た茶色の結び髪の少女。彼女はどうやら狐の様な生物に餌を与えている最中だった。

私は興味本位に顔を近付けると、咄嗟(とっさ)に木の枝を踏んでいた。

 

???『こっ、この子、親と(はぐ)れたみたいで...お、お願い!見逃して!』

シズ(幼少期)『誰にも言わないよ!私も一緒にお世話していい?』

 

私の声に気付いた少女は反射的に視線を向けて命乞いをする。

親と逸れてしまった生物に優しく接している少女の気持ちを汲んだ。

 

???『...うん!勿論(もちろん)っ!』

 

最初は警戒していたけど、敵ではないと確信した少女は(うなず)いて私を受け入れた。

 

シズ(幼少期)『食べた食べた!ねぇ、この子の名前は?』

???『魔物に名前はないんだよ?』

シズ(幼少期)『でも、名前がないのは流石に可哀想だよ』

 

水気が入っている葉っぱを黙々と(かじ)る狐の生物の様子に、私と少女ピリノは笑い合う。

少女に狐の様な生物の名前を(たず)ねると、どうやら名前はなかったらしい。

 

フェネックの魔物『キュ〜』

シズ(幼少期)『ほら。この子もそう言ってる!''ピズ''ってどうかな?』

 

狐の魔物は自分にも名前が欲しいと訴え出る様に小さく鳴く。

 

ピリノ『ピズ...いいかも!ねぇ、ピズ?』

 

ピリノに呼ばれると、発した光がピズを包み込む。

光が収まると、名付けの影響でピズは前より少し大きくなっていた。

 

シズ(幼少期)『何か、大きくなった!はははっ!大きくなった!』

 

少し時間が経ち、私はピリノと共に魔王レオンの城の前に(おもむ)いていた。

 

シズ(幼少期)『ピリノ、駄目だよ。勝手にお城に連れてきちゃ...』

ピリノ『大丈夫だよ。この子賢いし!』

シズ(幼少期)『でも...』

ピリノ『こんなに懐いてるんだよ?使い魔として認めてくれるよ!』

シズ(幼少期)『そうかなぁ...?』

 

緊張と不安が一杯な私に対し、ピリノは私の友人として自ら積極的に魔王レオンとの交渉に出る。

だが、魔王レオンとの邂逅(かいこう)でピノは突然に唸り始めた。

 

ピリノ『うああっ!?どうしたのピズ?大丈夫だよ。大丈夫だから...落ち着いて。良い子だから...ピズ!』

 

この後に悲劇は起こった。ピノを(なだ)めるピリノの様子を見ていた私の体の主導権はイフリートに乗っ取られていた。

主導権を乗っ取られた私は咄嗟にピリノの前に出る。

 

ピリノ『大丈夫。大丈夫だよ?...シズ?』

シズ(イフリート)『...敵』

 

周囲に火の玉が現れ、それがイフリートの鬣を連想させる赤いオーラを纏う。

 

ピリノ『きゃああああああああああッ...!!!!』

レオン『...ふん』

 

敵と判断したイフリートは、私を召喚した時と同じ炎の渦でピリノを抱き抱えていたピズごと焼き殺した。

その光景を見ていたレオンは、何処かへと去って行った。

体の主導権が戻った私は脱力したまま膝を突く。私の人生にとってこれが二、三度目の殺人となる。

 

シズ(幼少期)『今、何を...?か、体...体が勝手に...!』

 

仲良くなったばかりの友人を焼き殺してしまった事実。

目の前にはピリノとピズの焼死体が残っていた。

 

シズ(幼少期)『炎で...私は...!私はっ...!!』

 

その時、お母さんが死んだ光景が一気に脳裏に蘇る。

母親を目の前で失った自分の無力さと友人を殺めてしまった罪悪感が同時に混み上がり、涙が一気に(あふ)れ出た私はその場で(すす)り泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シズ「...はっ!!」

 

あの日の出来事が夢としてフラッシュバックし、起き上がった私は荒くなった息を(ととの)える。

右側に視線を移すと、其処にはエレンが熟睡していた。

仲間の無事を安堵(あんど)した私に、再度重圧が掛かる。

後ろ髪から赤いオーラが昇り立ち、うつ伏せになった私は踏ん張って何とか力を抑制した。

その時私は悟った。もう自分の命は残り火になっているという事を。

 

 

 

 

 

 

 

 

リムル「俺達の町、気に入ってもらえたかな?」

 

村の様子を眺めていた私は背後に向き直ると、其処には嵐牙とフェリルに乗っていたスライムさんとキーア君が居た。

 

シズ「...ええ。とっても!」

リムル「シズさんさえ良かったら、いつまでだって居ていいんだぞ!」

 

私は外した仮面を左側にずらして偽りの笑顔を見せながら即答すると、スライムさんが私を村に歓迎したい程だと呟く。

 

シズ「...有難(ありがと)う。でも、行かなきゃ。此処に居たら迷惑を掛けちゃうかもしれないし...」

リムル「?」

 

首を(かし)げる様に体を斜めにするスライムさんに対して、キーア君は私が村を出る理由を察した様に(まゆ)(しか)める。

 

シズ「私の旅の目的は...「あんたを召喚した者を探す事、そうなんだろ?」!...やっぱりバレちゃったか。キーア君には敵わないなぁ、そうだよ。私の旅の目的は、私を召喚した男を探す事なの」

 

スライムさんは旅の目的について尋ねる。

何も言えない静寂が続く中、横から微風が私の長い黒髪を(なびか)かせる。

 

リムル「...分かった。残念だけど、いつでも遊びに来てくれ!歓迎するよ。な、嵐牙?」

嵐牙『勿論です!』

キーア「フェリルも」

フェリル『息子と同じく』

 

私の気持ちを尊重したのかキーア君は黙然とし、スライムさんはいつでも歓迎すると伝える。

 

シズ「うん、有難う。嵐牙とフェリルも有難う」

 

数歩くらい前に出てしゃがんだ私は、嵐牙とフェリルを首を優しく包む様に撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレン「シズさん。一緒にブルムンドに戻りません?」

シズ「えっ...?」

 

調査の帰還に備えて髪をブラシで溶かしていたエレンは、私をブルムンドに勧誘してきた。

 

エレン「此処でさよならなんて(さみ)しいです...」

シズ「貴女達は良い冒険者だよ。一緒に冒険出来たら、どんなに楽しいだろうと思う...」

エレン「だったら...!」

 

嬉々とした表情でエレンは言うが、私は首を横に振った。

ピリノと出会ったあの日の様に、私のせいであの三人まで失う訳にはいかない。

 

シズ「...此処まで旅が出来て、やっぱり仲間って良いと思えた。最後の旅が、貴女(あなた)達で本当に良かったと思っている」

エレン「シズさん?最後って...?」

シズ「もう(いく)十年くらいは生きててね。見た目程若くないから」

エレン「...何だ冗談か〜。驚かさないでよ〜!」

 

その話の一部始終を偶然にもキーア君に聞かれていた事を知らずに、支度を終えたエレンと共に私はカバル達の元へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

KIA SIDE

俺達はリグル、リグルド、カバル、ギドと共にエレンとシズさんが合流するのを待っていた。

 

エレン「お待たせ〜!」

ギド「待ったもくたびれたでやんすよ...」

カバル「ったく、女は支度がおせぇよな」

 

待ちくたびれていたギドとカバル。

その刹那、一瞬にして足を止めたシズさんに違和感を感じた俺は目を見開く。

エレンが後方へ向き直ると、シズさんがその場で(たたず)んでいた。

 

シズ「...シズさん?」

キーア「待てエレン!シズさんの様子がおかしいぞ!!」

エレン「えっ?様子がおかしいって、どういう...?」

 

エレンが俺の呼び止めに疑問に思う間もなく、シズさんの苦鳴を上げた。

 

シズ「...うぐっ!ぎあっ!?うっ、ぐぅっ...!!そんなっ...!もう...!!」

ギド「シズさん...?」

カバル「おい、どうした?」

 

突然にふらつき、膝から崩れたシズさんは天に向かって叫んだ直後、仮面に(ひび)が割れた。

 

シズ「...あああああああああああああああああああッ!!!!」

 

火柱がシズさんを覆う様に天へと昇る。

()を描く黒雲が村全体を覆い尽くす。空中に浮遊したシズさんに炎の球体が纏われる。

 

リムル「おい、大丈夫か?」

カバル「何だよこれ。危険手当て上乗せしてもらうぜ...!」

ギド「だから、それはフューズの旦那に言うでやんすよ!」

キーア「そんな事言ってる場合じゃないだろう!?構えろ!!」

 

爆発が発生した影響で舞った土煙が徐々に晴れ行くと、シズさんの髪には青い炎の様なオーラが纏われていた。

 

エレン「シズさん!シズさぁんっ!!」

カバル「シズ...まさか、『シズエ・イザワ』!?」

エレン「えっ...!?」

涙目で必死に名前を叫ぶエレンに、カバルはふと疑問を呟く。

 

ギド「シズエ・イザワって...爆炎の支配者か!?」

エレン「それって、五十年くらい前に活躍したっていうギルドの英雄よね!?シズさんが...!」

ギド「爆炎の...!」

カバル「くっ!もう引退したんじゃなかったのか...!!」

 

シズさんの正体に気付いたカバル達は歯(ぎし)りをする。

 

リムル「リグルド、リグル。皆を避難させろ」

リグルド「しかし...!」

リグル「リムル様、キーア様...!」

キーア「これは訓練でもない、緊急命令だ。シズさんは俺達が何とかする」

リグル「...ははっ!承知致しました!」

 

リグルドとリグルをこの戦いに巻き込む訳には行かないからな。

二人は直ぐに住民の避難に専念した。

俺達は影の中に居た嵐牙とフェリルに話し掛ける。

 

リムル「...居るな嵐牙?」

キーア「フェリルも聞いているな?」

嵐牙『我が主人よ。我と親父殿は此処に』

キーア「戦闘が開始したら、いつでも出て来る様にしろ」

フェリル『はっ!!』

 

炎の渦に飲まれたシズさんに付けていた仮面が地に落ちる。

感情のない赤い目に(だいだい)色の瞳。その目は明らかに主導権を奪われてかけていた。

目に浮かべた涙をも蒸発させ、シズさんの姿は大きく変化した。

両手首と両足首に付けられた金色の腕輪に炎が纏われ、尻尾が生えた(かち)色の肌を持つ均等が取れた裸足(はだし)の男。

白いラインが走る黒い長袖の下着の上に燃え盛る炎を彷彿(ほうふつ)とさせる前()れを締める様に両(はし)湾曲(わんきょく)した牙、その間を挟む様にオパールの様な装飾(そうしょく)が繋がれていた。

紺色の宝玉が埋め込まれた金色の(かぶと)を被っており、湾曲した二対の黒い角から靡かせる鬣は(もっぱ)らライオンを連想させていた。

 

イフリート『ヌゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!』

 

雄叫びを上げた褐色の男は怒りの表情を剥き出しながら俺達を睥睨(へいげい)する。

 

カバル「炎の精霊、イフリート...!」

ギド「間違いないでやす。シズさんは...!」

エレン「伝説の英雄、爆炎の支配者...!!」

 

カバル達はイフリートと呼ばれる精霊を見て、シズさんの正体に言葉を繋ぐ。

エレンとギドは精霊を相手に勝てる気がしないと諦めの言葉を吐く。

 

エレン「あ、あんなのどうやっても勝てないんですけど!?」

ギド「無理でやす。あっしらは此処で死ぬんでやんす...!短い人生だったでやんすねぇ...!」

キーア「馬鹿野郎が!例え勝ち目はなくても、戦わなければならない時があるだろ!?」

エレン「でもっ...!」

イフリート『ガァァァァァァァァァッ!!!!』

 

雄叫びを上げたイフリートは突風を発生。

カバルは身を徹して六角形のバリアを展開してエレンとギドを守る。

俺はネオディケイドライバーを腰に巻きながら身を屈め、吹き飛ばされない様にリムルを両脇に挟み込む。そしてソードモードにしたライドブッカーのブッカーソードを地面に突き刺す。

突風が収まると、地面から突き出た火柱から両肩に炎を纏う赤茶色の翼竜が十七体現れる。

赤茶色の翼竜達は別々に飛び()って羽から火の粉を撒き散らすと、建設に置いてあった木材を点火。

目の前で建設の素材が燃やされる光景を見たリムルは怒りマークを表示させる。

 

リムル「畜生!せっかく作ったばかりだってのに...!!おい、お前達も逃げろ!」

カバル「...そんな訳には行かねぇよ」

 

リムルはカバル達に逃げる様に促すが、ゆっくりと立ち上がったカバルは肩に納刀した剣を構える。

その姿を見たギドとエレンも戦闘態勢に入る。

 

カバル「あの人が何で殺意を剥き出しにしてんのか知らねぇが...!」

ギド「俺達の仲間でやんすよ!」

エレン「()っとけないわ!」

キーア「...そうか。確かに一人では無理かもしれないが、だからこそ助け合う。例え(にら)み合っていても、同じ旅を続けていればその道はいつか(まじ)わる。 時に傷付け、時に裏切り、何度も打つかり合って…だが、だからこそ相手の心が分かるようになる。そしていつか、それが掛け替えのない絆に変わる。人はそれを『仲間』というのかもな」

エレン「...キーアさん。貴方は一体...?」

 

エレンの問い掛けに、口角を上げた俺はライドブッカーからディケイドのライダーカードを印籠(いんろう)の様に突き出して構える。

 

キーア「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!変身!」

【カメンライド ディケイド!】

 

ディケイドに変身した俺を見て、カバル達は驚愕(きょうがく)する。

 

エレン「ディケイド!?キーアさんがあの、ディケイド!?」

ディケイド「話は後だ。今は目の前の敵に集中しろ」

カバル「へへっ。まさか、過去の英雄と戦う日が来ようとはねぇ...!あの魔人ディケイドの力を貸りれば百人力だぜ!」

ディケイド「人の実力を奪う様な言い方しないでくれないかなぁ?気に入らねぇ...力は貸したり、与えたりするものじゃない。力は...合わせるものだ」

ギド「どっちも同じ様なものでやすよ。けどまぁ、今は反論してる場合じゃありやせんね。人生、何が起こるか分かりやせんね...!!」

 

戦う覚悟を決めた俺達は一斉に構える。

 

「「...行くぞ!!」」

 

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  • オークロード戦
  • カリュブディス戦
  • 精霊の棲家での攻略
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