消滅したらネオだった件   作:ライノア

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第八話後編:出会いと別れ、終わりと始まり

KIA SIDE

 

《...告。構築者とリジェネレートフレイムの同時使用により、個体名シズエ・イザワは、肉体が新たに再構築されました。魔王レオン・クロムウェルに掛けられた呪いは既に消滅している為、命に別状はありません》

リムル「...シズさん。体の具合は大丈夫なのか?」

 

フェニックスロボのフレイムエリミネーターによる炎『リジェネレートフレイム』を浴びたシズさんに体の様子を(たず)ねる。

 

シズ「...うん、まるで全盛期の頃に戻ったみたい。有難(ありがと)うアキノリ君...いや、キーア君」

キーア「別にアキノリで構わないよ...けど、よかった。成功して、本当によかったっ...!!」

 

緊張が(ほぐ)れた俺は未だに(にご)った声が収まらず、安堵(あんど)すると同時に(すす)り泣きながらシズさんを抱き締める。

 

リムル「俺もシズさんが助かって本当に良かったよ。そのビルドってライダーの不死鳥フォームがなかったら、俺がシズさんを食ってたからな」

キーア「人がせっかく嬉し泣きしてるってのに急な毒吐くなよお前ぇっ!!」

シズ「ふふっ。スライムさん...リムルさんとアキノリ君は本当に仲が良いんだね」

 

俺とリムルのやり取りを見ていたシズさんは、優しく微笑む。

声は以前と違って若々しくなっており、まるでイフリートが憑依されなかった世界線を俺の脳内でシミュレーションさせていた。

少し気持ちを落ち着かせた俺は、リムルにある提案を持ち掛ける。

 

キーア「...なぁリムル。せっかくだから、シズさんの体をコピーしてもらったらどうだ?」

リムル「ええっ!?いや、流石にそんな事は...!」

シズ「ううん。リムルさんも若しかしたら人間の街に行く事になるかもしれないから、その時に便利だよ」

 

俺の提案にリムルは自分の運命の人にそんな事は出来ないと躊躇(ちゅうちょ)するが、シズさんの説得を受けて実行に移った。

捕食者で一時的に取り込んだシズさんは、雑に吐き出されたので俺がお姫様抱っこで受け止める。

すると、リムルの体に変化が起こる。水色のミディアムヘアーに黄色い瞳を持ち、シズさんに類似した中性顔の子供こそが、リムルの人間としての姿だ。

 

キーア「これがリムルの人間の姿...って、流石に素っ裸を他の皆に見せる訳にも行かないか」

 

シズさんが顔を紅潮(こうちょう)させていたので、俺は素早く布の掛け布団を肩から着させる。

そのタイミングでカバル達がシズさんの見舞いに来てやろうと俺達のところへ向かっていた。

 

リグルド「おや、これは!皆さんもお見舞いですかな?」

カバル「リグルドさんもっすか?」

リグルド「はい、シズ殿の着替えをお持ちしたところです。リムル様、キーア様。失礼します————!!!?」

「「「えっ...!?」」」

 

先頭バッターでリグルドが目を見開く。

後ろから見ていたカバル達は驚愕(きょうがく)し、嵐牙とフェリルは即座にリムルだと気付いた。

 

彩月「あの子供、まさか...!!」

嵐牙『我が主...!?』

フェリル『キーア様、これは一体...!?』

キーア「ああ。見ての通り、その子供がリムルだ」

「「「ええぇぇぇぇぇぇっ!!!?」」」

 

俺の予想通り、カバル達三人が驚愕の声を上げる。

 

カバル「そ、そ、その子が...リムルの旦那ぁ!!!?」

 

空は夕暮れ時となる中、ギドは本当にその少年がリムルなのかと疑ってしまう。

 

ギド「本当に、リムルの旦那でやんすか...!?」

リグルド「間違いありませんッ!!」

彩月「髪の色の時点で丸分かりですよ!?」

嵐牙『見縊(みくび)るな!姿形が変わったぐらいで、分からなくなるとでも思うのか!?』

フェリル『我が息子の言う通りだ!!』

 

リグルド達は髪の色でリムルだと気付いていた様だ。

 

カバル「い、いや。そんな訳じゃなくて...通りのその...何か、ちっこいシズさんっぽいっていうか...」

キーア「本当の本当にリムルだ。何なら証拠を見せてやる。リムル」

リムル「ああ、ほれっ」

 

リムルは腕を振り上げると、全身を液状化させて元のスライムに戻る。

やはり元の姿に戻ると同時に服は収納出来ないが、擬態を駆使すればスライムになると同時に服ごと収納する事も可能になるだろう。

 

カバル「ふへぇ...!」

ギド「見事なものでやんすねぇ...!」

 

人間に擬態出来る様になったリムルにカバルとギドが呟く中、エレンがシズさんの元に駆け寄る。

 

エレン「良かったよ!シズさんが助かってっ...!私、どれだけ心配した事かっ...!!」

シズ「心配掛けて御免ね。でも、もう大丈夫。アキノリ君の...キーア君のお陰で助かったよ」

 

泣きつくエレンの頭を()でながらシズさんは(なだ)める。

やはりこいつらが善人で良かった。

 

キーア「シズさんったら、お前らの事を良い奴だが危なっかしいって語ってたぜ?」

カバル「あっ!おいこら!何だよその目は!?」

エレン「だってねぇ...!」

ギド「ああ!」

 

シズさんの遺言になる筈だった言葉を俺が代弁すると、ギドとエレンは視線をカバルの方に移す。

 

カバル「お前だって、この前落とし穴に(はま)ってたじゃねーか!?」

ギド「あれは、姉さんが勝手に押すからでやす!」

エレン「ちょっと!?私のせいにしないでよ!あの時は突然蜘蛛が落ちて来て...でも、シズさんに蜘蛛 取ってくれたのよね」

ギド「あれはシズさんが(わら)探し手伝ってくれやして...」

カバル「おいおい!俺だけ頼りないっての!?ていうか、やっぱ俺がリーダー!」

 

それから翌朝。荷物の準備を整えたカバル達は国に帰る事となった。

 

カバル「ホントに世話になったな。そろそろお暇するよ」

リムル「国に帰るのか?」

カバル「ああ。ギルドマスターに調査結果とシズさんの事も報告しなきゃあならんしな。此処のところは悪い様に言わないぜ」

 

カッコ付けながらウインクをするカバルに続いて、ギドとエレンも何かあれば自分達を頼る様に助言する。

 

エレン「リムルさんとキーアさんの事も伝えとくね」

ギド「旦那方も、何か困った事があったら頼るでやすよ。それと、キーアの旦那。シズさんを助けてくれて、有難う御座いやす!」

キーア「礼なんて要らねぇさ、俺が助けたいと思って助けた事だからな。何かあったらいつでも呼ぶぜ」

シズ「皆、元気でね」

エレン「シズさんも!」

 

カバルはギドとエレンに目線を合わせると、同時に(うなず)く。

 

カバル「...最後に一つ、シズさんに話があるんだけど...」

シズ「どうしたの...?」

 

首を(かし)げるシズさんの前で佇むカバル達は、謝礼の言葉と共に頭を下げる。

 

「「「シズさん、有難う御座(ござ)いました!!」」」

シズ「三人共...」

カバル「俺、貴女(あなた)に心配されない様なリーダーになります!」

ギド「貴女と冒険出来た事、生涯の宝にしやす!」

 

抱き締めながら泣くエレンをシズさんは頭を()でる。

 

エレン「有難うっ!お姉ちゃんみたいって思ってましたっ...!」

シズ「...三人も、元気でやってね。それと、いつでも遊びに来ていいよ」

 

そんな(なご)やかな空気をぶち壊すかの様に、リムルが毒舌を言い放たれる。

 

リムル「...ところでお前らの装備、ボロッボロだな」

「「「酷(ぇなおい)っ!?」」」

シズ「あははは...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...と言う訳で、カバル達が決意の旅立ちをする前に寄り道としてカバル達に回復薬二十個と食料一週間分を渡してやった。

そして肝心の装備品はカイジンさんに依頼した出来立てホヤホヤなばかりな為、そのロマンさにカバル達の心を打った。

 

カバル「うおお〜っ。憧れのスケイルメイル...!」

エレン「ちょっ、こんなローブ何なんですか!?軽い故に頑丈...っていうかめっちゃ綺麗(きれい)!」

ギド「良いんでやすか!?あっしには勿体(もったい)無い作品...牙狼の毛皮まで仕様されてやっせ...!?」

キーア「うちの嵐牙とフェリルに許可を貰って仕様させてもらったんだ。中々良いだろ?」

 

童心に返った上で大(はしゃ)ぎだった。

そりゃあ炎で装備が破損しまくった上で、報酬で買い替え出来ないと喚いていたからな。

 

リムル「俺達からの餞別(せんべつ)だよ。うちの職人の力作だ」

ギド「職人...?」

キーア「おーい、カイジンさーん!」

 

俺が声を掛けると、カイジンさんやガルムさん達三兄弟が前に出る。

 

カイジン「へへへ...力作つっても、まだ試作品だけどな」

ガルム「着心地はどうだい?」

ドルド「細工は流流ってもんだ」

ミルド「うん、うん」

リムル「喋れよ!?「それもう聞き飽きた!!」ぺぶしっ!!?」

 

ミルドに対する突っ込みに俺はリムルの頭頂部にソードモードにしたライドブッカーのグリップを入れながら、気を取り直してカイジンさん達を紹介する。

 

キーア「冒険者だから知ってるとは思うが、紹介する。右からカイジンさん。後の三人はガルムさん、ミルドさん、ドルドのドワーフ三兄弟だ」

カバル「かっ、カイジン!?マジで!!?」

キーア「マジだ」

エレン「腕()きで超有名な鍛冶(かじ)職人の...!?」

ギド「ガルム、ミルド、ドルドって...あのドワーフ三兄弟!?」

 

カバル達も知っていた様で、新たな装備品を物凄く気に入ってくれた様だ。

 

カバル「家宝にします!有難う御座います!」

エレン「嬉しいです〜!!」

ギド「夢の様でやんす〜!!」

 

三人は今までの事を吹き飛ばすかの様にテントで燥いだ後、ゴブリンの村を後にした。

俺達は村の様子を見渡しながら決意した。シズさんを召喚させた上で見放し、過酷な日々を募らせた魔王レオン・クロムウェルの横面をぶん殴る為にも情報収集しなければならないと。

 

リムル「...やっぱり、こっちの方が落ち着くな!」

キーア「ああ」

シズ「うん」

 

だが、この先俺とリムルを中心としてこの世界は激動の時代に変わり果ててしまう事を知る(ゆえ)もなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NO SIDE

 

(ひび)が割れている(かわ)いた大地にて、皮製のフードが頭を(おお)っている2m程の巨体の男がふらつきながらも彷徨(さまよ)う。

今でも(のど)(かわ)きそうなくらいに荒げた声が(かす)かになっていき、(やが)ては力尽きうつ伏せに倒れる。

褐色(かちいろ)の肌を持つ男の正体はジュラの大森林南一帯を(また)ぎ、三つの魔王領にも接した豚頭族の王国『オービック』の王。

種族名の通り、頭は猪豚(いのぶた)に類似している。

 

???「お前に名前と食事をやろう」

 

干上がった荒野で倒れ伏した彼の前に、怪しげな男が現れる。

赤いリボンを付けた白いスーツを(まと)い、頭には金色のペストマスクとシルクハットを付けている。

 

オービッグの王「...貴方は?」

ゲルミュッド「俺はゲルミュッド。俺の事は父と思うがいい...このまま死ぬか?」

 

倒れ伏した自分にゲルミュッドの選択肢を与えられる。

生きるか死ぬかの二択。オービッグの王は(いぶか)しみながらも生きる事を選択した。

 

オービッグの王「名前を...そして、食事を...!」

ゲルミュッド「...お前の名はゲルド」

ゲルド「...ゲルド」

 

生に(すが)り付き、頭に手を乗せられたゲルミュッドに名を与えられたオービッグの王は名前を復唱すると同時に体が発光。名持ちの魔物となる。

 

ゲルミュッド「(やが)てジュラの大森林を手中(しゅちゅう)に収め、豚頭魔王(オークディザスター)になれ。その為には、世界の破壊者『ディケイド』を始末しろ。奴は(いず)れ、お前の国を滅ぼさんとする''災厄(さいやく)''の悪魔だ」

 

ゲルドはゲルミュッドに血の着いた生肉を差し出されると、まるで生き返ったかの様に喰らい付くと同時に自らの使命を与えられる。

ディケイドと呼ばれる災厄の悪魔によって、自分の国を滅ぼされてしまう。

国の危機に迫る事を知り焦燥感に()られるゲルドであったが、今は自分の空腹感を満たすのに最優先して血肉に喰らい付く。

そしてこの出来事が、新たな戦いの火蓋(ひぶた)が切られる事を意味していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第二章、突入...。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~次回、消滅したらネオだった件~

 

リムル「ふははははははっ!へ〜んしんっ!!」

 

嵐牙『遠慮は要らぬ、我と親父殿を連れて行け。リグル殿!』

 

シズ「私とイフリートは、馬が合わなかったんだと思う」

 

黄色いオーガ「お前だな!あたし達の村を滅ぼした''悪魔''というのは!!」

 

赤いオーガ「同胞の無念。その億分の一でも、貴様らの首で(あがな)ってもらおう!」

 

ディケイドA、リムル「「少し、本気を見せてやろう()」」

 

第九話:大鬼族(オーガ)の襲撃

 

全てを破壊し、全てを繋げ!




名前:吉木アキノリ
種族:人間
称号:世界の破壊者
魔法:なし
技能:ユニークスキル『放浪者』、ユニークスキル『撮影者』、ユニークスキル『生還者』、ユニークスキル 『命名者』、ユニークスキル 『渇望者』、ユニークスキル 『構築者』
スキル:『銀極光窓簾』、『機器十年器』
エクストラスキル:『不老』、『魔力感知』、『力量操作』
耐性:毒耐性、電気耐性、麻痺耐性、熱耐性

~使用(召喚)したカメンライド~

なし

未使用カメンライド一覧
-昭和-
1号、2号、V3、ライダーマン、X、アマゾン、ストロンガー、スカイライダー、スーパー1、ZX、BLACK、BLACK RX
-昭和(ネオライダー)-
真、ZO
-平成1期-
ファイズ、ブレイド、カブト、電王
-平成2期-
鎧武、ドライブ、ジオウ←New!(ただし、まだ使用不可能)
-TVシリーズ外-
仮面ノリダー、ホッパー1号(The First版1号)、ホッパー2号(The First版2号)、ホッパーVersion3(The Next版V3)、G、アマゾンズ(オメガ、アルファ、ネオ)

コンプリートフォーム(平成1期)の解禁は...

  • オークロード戦
  • カリュブディス戦
  • 精霊の棲家での攻略
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