第1日記:魔物が住む街
KIA SIDE
赤いカーテンを開けた窓の日光が
クライアス社との戦いを終えた後に消滅する中、来世では悔いのない様な人生を送る
気付いたら異世界に居て、仲間が出来、そして街を
自室の窓際にスライム状態のリムルが体内の水を鳴らしながら寝そべっている。
日光浴のつもりだろうが、スライムにそんなのは全く意味を
定期的な日光浴を終えたリムルは机に大きく飛び移ると、体内から分厚い本を吐き出す。
後ろの椅子に転がりつつ人型形態になる。この本はとても貴重であった為、俺達のこれまでを振り返る為に日記で綴る事にした。
だが、リムルは長くなるからと云った理由で即刻辞めてしまい、代役として俺とイリュージョンズ達が執筆する事となった。
タイトルは『消滅したらネオだった件』。俺は羽ペンを手に取り、先端に水色のインクボトルに入れられたインクを付ける。
思い返せば、どれも思い出に残るものばかりだったなぁ...。
ヴェルドラ『フッハッハッハ。フッハッハッハッハ...!!』
リグル(名付け前)『強き者よ...』
フェリル(名付け前)『ウオォォォォン...!!』
シズ『悪いスライムじゃないよって』
ヴェルドラとの出会い、ゴブリン村での戦い、シズさんの救出。
紅丸(名付け前)『正体を現せ、邪悪な魔人共め!』
ヤシチ達(名付け前)『『『ガッビール!ガッビール!』』』
豚頭軍達『
大鬼族との戦い、蜥蜴人族からの勧誘、豚頭帝の討伐依頼と様々。
黄爛「キーア様。何書いてるの?」
キーア「今執筆中だ。俺とリムルのこれまでを書こうと思ってな」
黄爛「キーア様達のこれまでかぁ...後であたしにも見せて!」
キーア「ああ。ある程度埋まったらな」
黄爛に俺が執筆している本が出来る様に後押ししてくれたお陰で、より執筆が進めそうだ。
話を戻して、森を混沌の渦に陥れた
俺とリムル。ゴブリン達しか居なかった小さな村は、仲間が増えていく度に技術も発展。
後から来た他のゴブリン達七千人を加えて、人口は一万人を突破した。
だが、人口が増えた事で賑やかになったと同時に、様々な面倒事が俺とリムルに押し寄せて来る。
リグルド「納得しませんぞッ!!!!」
紫苑「これは秘書の
リグルド「それは
???「まぁまぁ。二人共落ち着いて...」
会議室でテーブルを大きく叩いたのはリグルド。紫苑は首を振りながら意見を押し通す。
そんな二人を宥めていたのは、チャイナ風の赤いドレスを着ているゴブリナの『リリナ』さん。
豚頭帝に関する会議で呼び出されたルグルド達と同じくゴブリン部族の族長の一人で、リグルドとは俺達と出会う前から昔
一万以上の魔物が住む街の意見。その一致に多々時間が掛かる事もあり、現在進行的にそうなっている。
リグルド「私に考えが...!!」
ゲルド「いや、しかし...!」
ガビル「ならばこの案は!?」
紫苑「待って下さい!」
リグルド「異議あり!!」
リムルと俺は
俺は争い事は嫌いな立場だが、これは飽く
喧嘩紛いな話し合いを耳に、主の補佐としてストレスを爆発させる訳にはいかないからな。
此処でキレ散らかせば、俺自身としての恥でもある。
カイジン「参ったなぁ。全然決まんねぇぜ...」
黄爛「このまま言い争っても、時間の無駄になる」
紅丸「やはり此処はリムル様とキーア様にご意見を!」
カイジンさんの苦悩な呟きに紅丸と黄爛が立ち上がり、多数決で決めるよりも俺とリムルが決断する結果となる。
ゲルド「うむ」
オルクス「異論はない」
キーア「お前ら。何方を選んでも恨みっこなしだぞ?」
リグルド「ええ。皆の士気に関わりますからな」
「「
紅丸と黄爛は会議室の前に居た朱菜に檄を飛ばす。
因みに黄爛達には『Are you Ready?』などの英語をある程度は教えておいた。
会議室の門が重い音を立てて開き、両手を隠しながら五歩くらい小刻みに歩く。
立ち止まってから暫くして、朱菜は両手にある物を見せる。
朱菜「はい。では...ちょっとおしゃまな此方のお洋服と、元気で可愛い此方のお洋服。リムル様には何方がお似合いでしょう?」
キーア「......」
両手に持っているのは青い半袖の服と、オレンジ色のセーラー風の服。
そう。この会議の議題はリムルに似合う服で揉めていた。
ったく、幾らリムルの顔が中性的だからって、会議の発展にまで至るか?
「「なぁ...それって、そんなに大事な事(か)?」」
黄爛と橙矢以外『はいッ!!』
一旦気持ちを整理すべく、俺とリムルは無感情で紅茶を口にしながら問いを投げる。
黄爛「それとキーア様。あの件についての話に戻したいんだけど...」
キーア「分かっている。メイジドライバーの件についてだな?」
緑羽「ゲルミュッドが変身した際には力を
彩月「確かに...複製すれば、防衛の方にも更に対応出来ますね」
瞬時に黄爛が次の会議の話に持ち掛ける。
湿地帯での戦いでゲルミュッドから奪い取ったメイジドライバーを誰が使用するかだ。
確かに一旦複製するという手もありだが、多めに複製してしまえば敵の手に渡る
俺なりにこの選択に後悔が残るが、今後の敵の戦力に回られた事を想定した上でこの判断に徹した。
キーア「確かにメイジドライバーを複製すれば、今後の防衛対応にも大きく出れる。だが、逆に多めにドライバーを複製すれば、今後敵対する奴等に目を付けられる可能性だってある。奪われたら即座に利用され、敵の戦力を大幅に上げてしまう状況にもなりかねない...だからメイジドライバーの使用権を、シズさんに渡す予定でいた」
シズ「私に...?」
キーア「ああ。抗魔の仮面でイフリートの力を抑制していた時期があったとはいえど、俺やリムルを軽く
シズ「そっか...アキノリ君がそう言うなら、
シズさんは自分も仮面ライダーになれる事に
メイジドライバーは魔力を有する者が使える為、ゲルミュッドでも問題なく扱えていた。
黄爛「あのメイジが味方になるんだ...でも、シズお姉ちゃんがなるなら大歓迎だよ!」
オルクス「俺もその力の一部始終を見ていましたが、使い方次第では強大な戦力になる事も間違いないでしょう」
キーア「ああ。オルクスの記憶を見させて貰ったが、姫崎の
ガビル「成る程。だからゲルミュッド様...いえ、ゲルミュッドはリムル様達に圧倒されていたのですね」
キーア「そういう事だ。理解力が早くて助かる」
ガビルもゲルミュッドの力が俺達に及ばなかった要因に深く納得していた。
若しゲルミュッドが名付けをリグルの兄貴に留めていたら、
ガビルには新しくリムルに複製してもらった戦極ドライバーとゲネシスドライバーを既に渡しており、仮面ライダーデュークとしてヒポクテ草の栽培と両立して
こうしてメイジドライバーの新たな主導権はシズさんに決まったよ。
いやぁ、マジでシズさんに渡しておいて本当に良かった。
イフリートと分離して弱体化した影響もあるから、苦戦しそうな相手以外には必殺系のウィザードリングは使わない様に気を配っておこう。
それに、ゴブタに渡したら絶対何かやりかねないしな。悪いが、違うライダーになるまでは精々白老の修行を頑張ってもらいたい。
あいつは本気を出せば、
若しかしたら、音撃戦士に変身してもおかしくはないかもな。
話を戻してリムルが着る服に関してだが、自身の髪の色に合わせて青い半袖に決まった。
会議が終わって
此処には紙がないので、木の板で代用させてもらった。
リムル「ふぅっ...!」
キーア「街作りも進んで来てるみたいだし、今日は皆の仕事ぶりを視察して回るか?」
リムル「いいな、それ!」
黄爛「キーア様、リムル様。入るよ」
キーア「ああ。入れ」
俺とリムルがそう話していると、ドアが叩く音と共に黄爛の声が聞こえた。
紫苑「失礼します」
黄爛「え、ええっと。し、失礼します...資料用の木の板、持ってきたよ」
活気良く挨拶をしている紫苑に対し、黄爛は慣れない敬語に少しだけ
リムル「おお、紫苑。お疲れ〜」
紫苑「お疲れ様です」
キーア「黄爛もお疲れ。秘書の仕事は慣れてきたか?」
黄爛「...今のところはね。秘書の仕事はまだまだ未熟だけど、少しずつ慣れていくよ!」
キーア「そうか。期待しているぞ」
俺が黄爛から木の板を貰っていると、紫苑は机にどでかい木の塊を置く。
紫苑「さてと......」
キーア「ええっと、紫苑?腕
紫苑が机に置いた腕を捲る。
紫苑「決まっているじゃないですか。今日も、リムル様の為に!張り切り...」
黄爛「危ないっ!!」
キーア「うぉわあっ!?」
紫苑「ますよッ!!」
紫苑が剛力丸を抜いて、木の塊を豪快にぶった斬る。
命の危険性を感じた俺は黄爛に助けられる形で机の下に避難する。
紫苑「てやぁー!!おりゃあー!!はああー!!てやあー!!てりゃあー!!」
ぶった斬られた木の塊は板状となって両端に
だが、紫苑が豪快に剛力丸を振りまくった風圧で一気に崩れ落ち、辺りに砂
リムル「...なぁ、紫苑。俺を思ってくれるなら、良い方法がある。張り切らない事さ」
キーア「室内で剛力丸を振り回すな!俺の首が飛んじまう!!」
その後、紫苑と黄爛はお茶を持って来てくれることになった。
紫苑「リムル様!お茶をお持ちしま——あっ!」
黄爛「キーア様。お茶を淹れたよ。あっ...!?」
俺が黄爛が
キーア「...黄爛、持ってろ!」
黄爛「う、うんっ!」
お茶を板ごと受け取った黄爛が素早く数歩下がるのを確認すると、俺は即座にオーロラカーテンを発動。
本来リムルに掛かる筈であった劇物が、俺の頭に掛かった。
紫苑「すいません...」
キーア「俺は大丈夫だ。何も問題ない」
黄爛「いや、どう見ても全然大丈夫じゃないって!?」
リムル「失敗くらい誰にでもあるさ...毎日だけどな。そして、君が淹れたこのお茶も、お茶じゃなくて劇物だけどね!」
その後リムルは俺の為に持って来てくれたタオルで自分の体を拭いていると、リムルは皮肉のオンパレードと言わんばかりの発言が飛ぶ。
リムル「いやぁ、しかし本当に有能な秘書だよ紫苑君は。パーフェクトだ。動かなければ!見た目だけは!」
紫苑「はっ...!?リ、リムル様...そ、そんな...!」
キーア「おい...
黄爛「いや、キーア様。多分大丈夫だと思うよ?」
その言葉を聞いた紫苑はお盆を落とし、主の方へ向き直る。
流石に言い過ぎだと思った俺が非難しようとしたら、黄爛が冷静な表情で制止する。
紫苑「...お褒めに預かり、光栄です!」
キーア(通じねぇなクソッタレ...!)
今の言葉は紫苑からしたら、褒め言葉に聞こえているのだろうか...?
その後、俺とリムルはオーロラカーテンを通り抜けて紅丸達が居る建物に
警備員「何も紅丸様がお出にならずとも...!」
紅丸「いいのさ。まぁ、行ってくる」
警備員とたわいも会話をしながら、紅丸が外へ出る。
俺とリムルは紅丸に話し掛ける。
リムル「何だよ。総大将自ら見回りか?」
エース「音撃戦士になって数ヶ月は経つが、ちゃんと修行はしてるか?」
紅丸「無理はしない程度に、欠かさずしています。俺には、これしか能がないんで...」
そう言うと、紅丸は愛刀と閻魔に
紅丸「その代わり、誰にも負けませんよ。この街と、リムル様とキーア様の笑顔...必ず守ってみせます」
キーア「...そうか。今まで色々あったが、成長したな紅丸。既に自分の中にある憎しみを振り切った感じだな」
紅丸「お
紅丸は爽やかな笑顔で扉の方へと向き直り、街の見回りに出る。
リムル「あいつめ、殺し文句をナチュラルに。これだからイケメンは...!」
キーア「そう
そうリムルを
紅丸「すみません!今其処で女の子に渡されたんですが、これ、どうしたらいいでしょうか!?」
紅丸の手にあるのは自分と同じ
背後にはゴブリナの子供が三人...成る程な。
リムル「ほぉ...」
キーア「大体分かった...『今「そのまま貰っちゃえよ!」って、言いそうになったでしょ。リーダー?』C?」
その時、ネオディケイドライバーからCの声が聞こえた。
このネオディケイドライバーには、B達イリュージョンズが話し相手になれる様に少しだけ機能を加えておいた。
紅丸「ん?今、誰か声が聞こえた様な...?」
C『あ、まずい。紅丸にも聞こえちゃったか。二人共、そういう場合はこう言ってやるんだ』
紅丸が辺りを見渡す中、俺とリムルはCのアドバイスを受けて笑顔で言った。
「「そいつは難儀だなぁ!」」
紅丸「...すげぇ、良い笑顔ですね」
キーア「相談、いつでも乗るぞ?」
ゴブリナ「紅丸様〜!こっち向いて〜!」
その後、俺達はゴブタやリグル達の居る場所に瞬間移動した。
番の文字が丸く囲んでいる青い巻物が広げられている建物は俺達の元居た世界では迷子センターに値し、ゴブタやリグル達自警団が見張るところだ。
彫刻には迷い子二件、落とし物三件と白く書かれている。
ゴブチ「...何か人増えたよな」
ゴブト「ああ。森中の魔物が集まって来てんだよ?」
左目に眼帯を付けているウルフヘアーの『ゴブチ』と鬼太郎似の顔をしている
この魔物の国には様々な種族の魔物が多く住み着く様になり、
まぁ、色んな種族との交流が増える事は悪くはない。
ゴブチ「おっ!あれ、何て種族?」
ゴブト「あ?どれどれ......うぉおおおっ!!!?」
ゴブチが鮫の種族に興味を示すと、ゴブトが急いでその種族を見る直前に体に電撃が走る様な衝撃が走った。
自警団本部を通り過ぎる赤いドレスを来たゴブリナ。手には黄色いリボンで結んだピンクの花を持ち、おそらくは恋人に渡す物だろう。
ゴブチ「今度、可愛い子居たらさ...」
ゴブト「うん」
ゴブチ「街の案内するって言ってさ」
ゴブト「うんうん」
ゴブチの会話にゴブトは肯き、ゴブゾウは手に胸をそっと置く。
ゴブチ「ナンパ!」
ゴブト「出会い!」
「「それだ〜!!」」
リグル「おい、お前ら。自警団だって事、忘れるなよ?」
二人が盛り上がっている中、リグルが警備に戻る様に説得する。
すると、話を聞いていたゴブタが背中を引き戸に当てながら口を開く。
ゴブタ「そうっスよ。自分達の行動一つで、街の印象が決まるんすからね。浮ついていると、手痛いしっぺ返しを食らうっスよ?」
リムル「おっ!自覚が出て来たね、ゴブタ君」
キーア「顔付きも見えてきている様だな。流石はやる時はやる天才だ」
ゴブタ「へへへ。人は学び...成長するんっスよ!」
俺とリムルが感心しながら
だが、左
全く成長していないと思った俺達は呆然となって呟く。
キーア「あ、ああ...?」
リムル「成長...しような?」
次に向かったのは、黒兵衛の工房。
最近顔を見てないから、少しくらいは拝んでやらないとな。
リムル「おーい、黒兵衛」
キーア「顔を
黒兵衛「あ...おおっ!リムル様とキーア様じゃねぇべか!」
リムルを腕に抱えながら俺達に、作業中の黒兵衛が俺達に気付いて声を掛ける。
現在は音撃戦士を引退して
キーア「何作ってたんだ?」
黒兵衛「朱菜様から頼まれた包丁を鍛えてたんだべ」
リムル「おおっ〜!」
リムルが興味深そうに義手で作成中の包丁を持つ。
今度は俺が四面八方に見ると、指摘が要らない程の出来具合だった。
キーア「良い出来具合だ。見させてもらって有難う、返すよ」
黒兵衛「気に入ってくれて良かっただよ。丁度これから、仕上げだべよ」
リムル「そっか。悪い、邪魔しちゃったな」
キーア「
俺達は黒兵衛の工房を後にしながら、オーロラカーテンを潜る。
KUROBEE SIDE
リムル様とキーア様の背中を見届けたオラはこれまでの事を振り返る。
あの雨の惨劇の日。
今までの努力が全て滝の様に
里を滅ぼした
オラには凄え力も頭もねぇ。だけんど、まだ鉄を打てる。
黒兵衛「リムル様とエース様の為、街の皆の為、オラ自身の為...!」
炭を入れた高炉から火が噴き出す中、オラは熱した鉄の
黒兵衛「目の前の、何でもない鉄の塊に、何でもないオラの全てを...込めるだけだべ!」
黒兵衛は自分の決意を呟きながら朱菜様の包丁を鍛えた。
そして作業を終えて、春菜さんと彩月さんに出来上がった包丁を渡しただ。
黒兵衛「ふぅっ...包丁、気に入ってくれたべか?」
朱菜様の所を後にして外の空気を吸っていたオラは、タオルで汗を拭きながらそう呟いた。
SOUKA SIDE
蒼影「今日の
緑羽「皆持ち場に戻るといいねぇ」
部下達『はっ!』
木に
蒼影様が鍛錬終了を告げると、部下達は持ち場に戻った。
紅華達も緑羽様に一礼してから一服入れるべく足を運ぼうとした矢先に、蒼影様を木の影から見ていた私を紅華と紫盾が見掛ける。
私はそれに気付いたのにも構わず、蒼影様の思いに
蒼華「蒼影様...」
紅華「あれ?お姉ちゃん、こんな所で何してるんだろう...?」
紫盾「...ああ、そう云う事か」
蒼影様が緑羽様と
緑羽「部下達の育成は順調の様だねぇ、蒼影」
蒼影「...お前もな。今後の育成方針について、話がある」
緑羽「ほう?是非とも聞こうかねぇ...」
普段、氷の様に冷たくて、鬼の様に厳しくて、
その時、お二人の前に二匹の猫が現れる。
緑羽「おや?こんな所に猫が現れたねぇ」
蒼影「...緑羽。少しいいか?」
ほら。今だってあんなに楽しげに、小動物と
緑羽「...成る程。それは面白そうだねぇ」
蒼影様は猫達の目を合わせて優しく笑みを浮かべると、緑羽様に耳打ちながら黒猫のおでこを優しく
蒼影「...お前は今死んだ。ふっ、馬鹿め」
緑羽「君は今死んだねぇ。ふん、馬鹿だねぇ」
蒼華「...やだ。素敵...!」
龍人族の角が出た私は口を手で抑えながら、そう呟いた。
リムル「君も大概だね」
紅華「お姉ちゃん...」
紫盾「あははは...」
KIA SIDE
次に向かったのは、俺達がヴェルドラと出会った封印の
其処は現在、水辺を好む
頂槍は緑羽の訓練を受けているが、同時にヒポクテ草の栽培も両立して行っている。
落ちた
そう。
ガビル「ぬぁあああんだ!その動きは!?そんな様をリムル様とエース様にお見せする気かッ!!!?」
スケロウ「...申し訳ありません!ガビル様!!」
ガビルの取り巻き三人組とその部下達に紛れる様に頂槍が
ガビル「大恩あるリムル様とエース様に認めて頂く為、我々は立ち止まらぬのだァアアアアアッ!!!!」
頂槍達『ガビル様!もう一度!もう一度挑戦させて下さい!!』
リムル「...あいつら、意外と生真面目な連中なんだな」
キーア「いや、あいつらの事だ。絶対やな予感しかしないぞ...」
リムルが無感情な表情で感心してはいるが、あいつらの事だ。
すると、俺の予想が当たったかの様にガビルが声を上げる。
ガビル「良かろう!基本から行くぞッ!!」
「「「「さんはい!ジュラの森の!」」」」
カクシン、頂槍「「奥深く...」」
ヤシチ「あ、よいしょ!」
ヤシチ、スケロウ「「みんなが焦がれる、その姿〜!」」
カクシンと頂槍がヒポクテ草に
カクシン「
スケロウ「強く!」
頂槍「清しく!」
ヤシチ「美しい!」
「「「「光り輝く、一番星!」」」」
四人がヒポクテ草を植えた鉢を
ガビル「男の子なら!恥を
『
予想通りにこんな馬鹿げた事を懸命に練習してるって云うのか?
俺は呆れるどころか怒りが頂点に達しそうになった際にガビルが叫ぶ。
ガビル「んんっストォォォォーーーップ!!愚か者ッ!其処は『嗚呼リムル様キーア様!大同盟の希望〜!』に変えろと言ったではないか!全く!貴様らはまだまだ愛が足らん!愛を持って、ヒポクテ草を育てるのだ!!」
頂槍達『はいッ!ガビル様!!』
B「...お前ら。
キーア「ちょちょちょちょっ!?待てってB!」
B「離せリーダー!このバカ共の
実体化したBがネオディケイドライバーを取り出し、変身しようとした矢先に俺と蒼華達が取り押さえる。
C「落ち着いてってB!」
D「そうだぞ!?
紅華「キービ様、お気を確かに!!」
蒼華「すいません!すいません!すいません!」
紫盾「あんなのですが、悪い人じゃないんですよ〜!!」
その後、Bは何とか正気を取り戻し、仕事を再開すべくオーロラカーテンで議事堂に戻った。
キーア「ふぃ〜っ...ま、こんなところか?」
リムル「ところで、新区画の建設状況ってどうだっけ?」
紫苑「先程、資料を頂きました」
黄爛「これだよ」
紫苑と黄爛が資料の木の板を俺達に提出する。
リムル「どうした!?黄爛は兎も角、急に本物の秘書っぽいぞ紫苑!」
紫苑「え〜!?そんな〜!」
エース「有難う。凄く助かってる」
黄爛「この調子で、頑張っていくよ!」
四人で会話をしている中、突然に紫電を帯びた竜巻が俺達を襲う。
これは恐らく嵐牙の黒稲妻を応用して放出したんだろうな。
張り切る気持ちは分からなくもないが、程々にしてほしい。
単なる思い違いだったのか、嵐牙はリムルに褒めてもらおうと木の影から出て来ると尻尾を左右に振る。
嵐牙『
影の中から出て見た光景に嵐牙の言葉が一瞬にして制止する。
突風によって崩壊した議事堂の木材が複雑に重なっていた。
「「し、知ってる......」」
暫くして、俺とリムルはゴブタと同行して白老の自宅に向かう。
庭には鹿
リムル「う〜ん。良いねぇ...」
ゴブタ「何スか?このちっちゃい木?」
エース「盆栽って言うんだ」
白老「リムル様とエース様より教えて頂いた物じゃ」
ゴブタが興味深そうに盆栽の一つを持つと、試しに片手や足裏で置いてみる。
ゴブタ「よっ。ほっ、そっ、すっ」
リムル「ああっ、落とすなよ〜?」
リムルが落とさない様に忠告すると、白老が剣士としての生き
白老「...剣士として生まれ、剣と共に生きて数百年。しかし、こうして剣を忘れる事で新たな世界が見えてくるとは...まさに目から
ゴブタ「そうしてると、ただの
剣とは違う事を体感した白老に対して、ゴブタが愚痴を
刹那、白老は瞬時に抜刀した刀で盆栽とゴブタの髪の先端を薄く切り飛ばす。
ゴブタ「あっ......!」
白老「...
ゴブタ「全然、剣忘れてないっス!!」
ゴブタが汗を全身に垂れ流す中、俺達はこっそりとオーロラカーテンで瞬間移動する。
次に向かったのは寺子屋。此処は街の子ども達が通っていて、俺達の元の世界で云う学校に
廊下を歩いている中で教室を
すると、後ろからリグルドと彩月が木箱を持って俺達に話し掛ける。
リグルド「リムル様、エース様」
キーア「リグルドと彩月じゃないか。その木箱は...?」
リグルド「ええ、見て下さい。生徒の描いた尊敬する人の顔がリムル様ばかりですぞ」
リムル「え?俺を?」
リグルド「ハッハッハッハッハ、
リムル「何だよ〜。照れ
リムルが受け取った木の板を見てみると、「リムルさま」の字がリムルのスライム姿と同時に描かれていた。
リムルはスライムの状態ならば、ただ丸描いて
キーア「え、ちょっと待て。俺のは...?」
彩月「あ、勿論キーア様のもありますよ?」
彩月が差し出した木箱から木の板を取ると、「キーアさま」と字と共にディケイドの顔が描かれていた。
顔に刺さっているライドプレートの長さが数本違うのもあるが、子供の描いた絵には愛情が込められてる様なものだから良しとしよう。
俺達が木の板を全て見てみたがリムルの割合が多く、その逆に俺が極少数だ。
リグルド「やっははは。この子など、リムル様の威厳をよく表現していて...!」
リムル「力作
エース「いや、単にスライムの方で描くのが楽だからだろうが」
子供A「あっ!リムル様!キーア様!」
俺達の声に気付いたのか、子供達が引き戸を開けて顔を出す。
リムル「またなー」
子供B「帰っちゃうの?」
子供C「もっと遊ぼうよ〜!」
キーア「ちゃんと勉強しろよ?」
子供達が引き止める中、俺達は声を描けて寺子屋を後にした。
リグルドと彩月が子供達の絵を持って移動する中、とある疑問を持っていたリムルが
リムル「うーん...」
キーア「どうした、リムル?」
リムル「なぁ、この
リグルド「今時分は、余り見掛けませんな」
リムル「今時分ねぇ...」
確かに俺もリムル以外のスライムは余り見掛けていない。
すると、目の前に居た朱菜達に話しかける。
リムル「おーい、お前ら。俺以外のスライムって、見た事ある〜?」
白老「ふむ。暑くなると見るかのう?」
黒兵衛「夏が近いって感じるべ!」
朱菜「透き通った姿が涼しげで、ジュラの夏の風物詩ですね」
シズ「私は旅をしていた頃はよく見たけど、この森に入ってから見てないわ」
透き通ってる夏の風物詩か。シズさんも数十年も旅をしていたから納得は行く。
瞬時にゴブタがリムルにとって聞き捨てならない事を言い出した。
ゴブタ「そうそう。冷やして食うと、美味いんっスよ!こう...ツルっと!」
リムル「へぇ...」
キーア「は?」
シズ「えっ...!?」
流石に初耳であったのか、シズさんも驚愕していた。
唐突な言い草で後ろから辺りを照射した太陽が雲に覆われ、ゴブタに続いてリグルド達は不気味な笑みを浮かべる。
朱菜「あらぁ、良いですわねぇ...!」
リグルド「いやぁ。珍味、珍味」
シズ以外『フフフフフフフ...!』
笑い出す一同にリムルが不安そうに俺を見る。
視線を合わせた俺は危険を感じると、リムルとシズさんの手を掴んでその場から逃走した。
朱菜「キーア様!
ゴブタ「キーア様〜!?」
黒兵衛「何処行くだべさ!」
リグルド「冗談でありますよ〜!」
鳶の鳴き声が空から響き、朱菜達は俺達を探している。
リムルからしたら冗談では済まされず、隠れていた俺は荒くなった息を整えながら呟く。
キーア「いや、今のは流石にお前らが悪いだろ...」
シズ「私もアキノリ君の言う通りだとはっきり言えるよ」
その後はシズさんが誤解を解き、朱菜達の作業場へと向かう。
青かった空は夕暮れに染まり、今でも日が暮れそうになっている。
ガルム「朱菜ちゃん!これは何処に運ぶ?」
朱菜「有難う御座います。裁断するので、机の方にお願いします」
カイジン「朱菜ちゃん、ちょっと良いかな?」
朱菜「あっ、はい。直ぐ伺いますね!...ゴブイチ、御免なさい。今日の夕食の仕込み、お願い出来る?」
作業場内では朱菜はカイジンさん達に頼られていた。
リムルは人間態になると、紅丸が俺達に話し掛ける。
リムル「皆、朱菜を頼りにしてる」
キーア「随分頼もしくなったよな」
紅丸「役職を貰って、張り切ってるんですよ。自慢の妹なんですが、何だかんだ遠い存在になっていく気がします...」
リムル「おいおい。無敵の侍大将が何言ってんだ?」
キーア「いや、それは一理あるかもな」
俺は修行していた時の事を振り返る。
紅丸『良いか。集団での戦闘は、相手との距離が——「お兄様〜!お兄様はいらっしゃるの〜!?」グッ...!?』
紅丸がリグル達に集団戦闘の訓練中に、朱菜がゴブチとゴブトの顔を退かしながら箒と赤いパンツを持ちながら
朱菜『お兄様。何度言えば分かるんです!?脱いだら脱ぎっぱなしにしない事!それから、部屋も散らかしっぱなしでしたよ。寝床の下の物はきちんと片付けておきました。後、ほら〜!
そう言って朱菜は濡れたタオルで紅丸の目脂を取り除きながら立ち去る。
紅丸「遠い存在っていうか、母ちゃん的存在になっていく気が...」
リムル「あ〜。母ちゃんには敵わないな、侍大将」
朱菜「お兄様。男前な服が!」
朱菜は完成した紅丸の服を見せる。
リムル「アッハハハ...」
朱菜「黒もありますよ!」
夕暮れ時に
紅丸は視線を
朱菜「もう夕暮れですね」
夕暮れ時の草原に俺達の人影が伸び、リムルはオルクス達の事を心配そうに呟く。
リムル「あいつら、働きすぎてないかなぁ...?」
エース「まぁ、そりゃ心配するよな」
紅丸「ああ。あの二人、真面目ですからね」
リムル「俺達、ちょっと見に行ってから帰るよ。行くぞ、キーア!」
エース「おう!」
俺達はゲルド達の所に向かう。
ゲルド「
ミルド「ええ」
オルクス「今日は、此処までだな」
ミルド「うんうん」
ゲルドとオルクスに建設予定を相談していたミルドは
ゲルド「夕方までに仕上げるぞ!」
猪人族「おう!」
オルクス「今日中には基礎工事は完成させたい。そっちは頼めるか?」
猪人族「お任せを!」
ゴブリン達「仕上げてみせます!」
二人が周囲の者達に的確な指示を出す。
屋根上に
ゲルド「準備が
嵐牙狼族「ワフ!」
ボア「此処は大丈夫そうだから、隣の区画のフォローに行くぞ!」
猪人族「おう!」
ゲルドとオルクスも移動しようとした途端、ゲルドの視線に折れたたんぽぽが目に入る。
ゲルド「うん?...父王。先に行っててもらえませんか?」
オルクス「分かった」
オルクスが先に行くと、ゲルドは折れてしまった
今日の作業を終えると日が段々暗くなり、一部始終を見ていた俺とリムルはゲルド達に話し掛ける。
リムル「だからさぁ、働きすぎだって...」
キーア「偶には、仕事以外にも目を向けたらどうだ?」
オルクス「我等一族を受け入れて下さった、リムル様とキーア様の為にも...」
リムル「俺達の事は良いからさぁ...」
ゲルド「...出来る限り、善処します」
少し唸って前言を撤回したゲルドは、成る可く無理はしないと宣言した。
日は完全に暗くなり、工場現場を後にした俺達は『
トレイニー「まぁ。皆さんがそんなに頑張っているなら、街の完成ももう
シズ「そうだね」
リムル「まぁね。でもまぁ、もっと皆には自由に生きて欲しいんだよな。俺達自身がそうだし、なのに二言目には、リムル様とキーア様の為。リムル様とキーア様の為って...」
トレイニー「あらあら、
トレイニーさんはグラスに飲み物を注ぐ。
俺達の横に座っているシズさんが穏やかな表情で口を開く。
シズ「皆、恩返しがしたいんじゃないかな?リムルさんとアキノリ君に」
リムル「俺達に?」
キーア「ああ。道を示してくれる居場所を作ってくれたから、あいつらも無邪気に...不器用に今を過ごせてるんじゃないのか?」
リムル「居場所、ねぇ...」
リムル葡萄ワインを注いだグラスを回しながら考えに
俺達はこれからもあいつらの居場所で居続けられるのか。
俺がこの世界の役目を終えて次の世界に行く際に、街の皆は悲しみに明け暮れてしまうのか。
そんな思考が頭を巡らせていると、俺は森の管理をしていた筈のトレイニーに
キーア「...それで、トレイニーさんは此処で何を?森の管理はどうしたんですか?」
トレイニー「ウフフフフフ。はい、
キーア「いや、話を勝手に逸らさないで下さいよ」
シズ「アハハハ...」
俺の質問にトレイニーさんが
次の日の早朝。怪鳥の鳴き声が夜明けを合図し、俺達は近くの
リムル「行くか!」
エース「...だな」
嵐牙『はい。我が主達よ!』
フェリル『うむ!』
俺達は嵐牙とフェリルの背中に乗って街に戻る。
フェリルは普段ガルルに近い二足歩行の姿をしているが、俺が背中に乗って疾走する際は四足歩行で移動している。
ゴブリン達「あっ、リムル様!キーア様!(リムル様!エース様!)(あ、リムル様とキーア様だ!)(お
リムル「おはよう!」
キーア「おはようさん!」
俺達は
リムル「とうとう完成だな!」
エース「すっげぇデカさだなぁ...!」
嵐牙『ええ』
フェリル『我らの...新しき議事堂です!』
嵐牙に破壊されて新しく建設された議事堂が完成したのだ。
白をベースに水色の屋根が付けられている。
リグルド「お早う御座います!」
彩月「リムル様、キーア様。今度の
リムル「宴?」
キーア「ああ、アレか。確かお前らと出会ってどれだけ経ったか計算してたんだっけな?」
俺達が嵐牙とフェリルから降りると、リグルドと彩月がとある宴に関する話を持ち掛けてきた。
そう。あれは俺とリムルがゴブリン達と出会ってから、どれだけ日にちが経過していたかを計算していた。
其処で、Dの提案で五百日目記念の宴を開く事を
リグルド「其処まで覚えていらっしゃいましたとは...我々ゴブリンとの出会い、五百日目記念ですよ〜!」
嵐牙『ならば、我らとの出会いの記念も!』
カイジン「旦那方。
リグルドが
ホントに面倒い彼女かよ。けどまぁ、此処まで計算した上で計画を立てるなんて大したもんだ。
その三日後は
ゴブタ「宴なら何でもありっス!」
紫苑「大鬼族の名付け記念も...」
黄爛「忘れないでね!」
ガビル「我輩達も是非お仲間にッ!」
皆自分達との出会いの記念を祝ってくれる事に歓迎する。
朱菜「宴ですね!」
朱菜の掛け声に俺はリムルを腕に抱えながら胴上げされる。
一同「うーたーげ!フォー!(あ、それ!)うーたーげ!フォー!(はぁどっこい!)うーたーげ!フォー!(あらよいしょ!)うーたーげ!フォー!(あどっこい!)うーたーげ!フォー!(はぁよいしょ!)うーたーげ!フォー!(あ、そうれ!)うーたーげ!フォー!(あどっこい!)うーたーげ!(あ、それぇい!)ウォオオンッ!」
リムル「分かった、分かった!やるから!全部やるから!」
出会いの数だけ賑やかになる。今日はどんな日になるのやら。
OP主題歌『Poppin'Party/キミがはじまる!』
NO SIDE
泥だらけになった半袖のTシャツを着た紫髪の少年は、ジュラの森付近にて右側にスロットがある赤いドライバーとアタッシュケースの持ち手を握っている。
???「助けを、求めないと...誰、かに......!」
その反動で気を失った少年。ズボンのポケットから同じくスロットの付いた黒いコンバットナイフとUSBメモリの様な何かが転げ落ちた。
それはUSBメモリを模したアイテム『ガイアメモリ』で、コネクタ部分が青みがかっている。
『T2メモリ』と呼ばれる白いガイアメモリのディスプレイマークには、無限回廊を横倒しにした様なEの英文字が黄色く刻まれていた。
第2日記:Eの実り/石田
武命のエターナルは...?
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レッドフレア
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ブルーフレア
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パープルフレア(オリジナルフォーム)