先生の元カノになったTS転生者です。   作:秋月 ヒカリ

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 (作者が)好き放題する回。
 シキの格好はアビドス編が始まってからのフラグが回収された形になります!......異論は認める!!

 あと今回は長いです。


ブラックマーケット(最終回)

 ~闇銀行内~

 

 

 「お待たせいたしました、お客様」

 

 「何が「お待たせいたしました」よ!本当に待ったわよ!6時間も!ここで!!」

 

 

 銀行内にとあるアウトローの叫びが木霊する。

 

 

 「融資の審査に、なんで半日もかかるの!?別にうちより先に人もいなさそうだったのに!私の連れは待ちくたびれて、ソファーで寝ちゃってるし!」

 

 「私どもの内々の事情でして、ご了承ください。...ところで、アル様。あなたはそのような態度を取れる状況ではないと思うのですが?」

 

 「あ、うう...」

 

 「当行の助けが必要なら、辛抱強くお待ちいただくことも大事かと。...あ、それとお連れの方ですが、そちらでお休みになられては困ります。セキュリティ。あの浮浪者...いえ、お客様を起こして差し上げなさい」

 

 

 アウトロー...陸八魔アルは、銀行に融資を受けに来ていた。しかし、行員の態度は悪く、散々に待たされた挙げ句に痛いところを突かれて、文句も言えない状況だ。

 

 

 「ほら、起きた起きた!」

 

 「むにゃ...。うはっ!?なになに!?」

 

 「...!!」

 

 「ああっ...す、すみませんっ、居眠りしてすみません!!」

 

 「さて、お連れの方も起きたようなので、ご一緒にご確認をお願いします......」

 

 

 行員に促され、査定が行われていくが結果は......。

 

 

 「はぁ...。アル様。これでは、融資は難しいですね」

 

 「えっ、えーっ!?」

 

 「まずは、より堅実な職に就いてみるのはいかがです?」

 

 「なっ!?」

 

 

 アルは悔しかった。好き勝手言われ、それに満足に反論できないこと、足掻けば足掻くほどに理想から遠退く現実、いっそ大暴れして銀行の金を奪ってやろうかと思うも、それを実行に移す勇気もない自分...。

 

 

 (こんなの...全然、アウトローじゃない...。私は...何事にも恐れず、何事にも縛られない、ハードボイルドなアウトローに...そう、なりたかったのに......)

 

 

 ---ブツン!

 

 

 「な、何事ですか?停電!?い、一体誰が!?パソコンの電源も落ちてるじゃないか!」

 

 

 アルが思考の海に沈んでいると突然、銀行内が停電になり行員や客らが騒然となる。

 

 アルも例にもれず「何事っ!?」と白目を剥いていると、続いて銃声が鳴り響き、マーケットガードの慌てる声が聞こえてくる。

 

 

 「銃声っ!?」

 

 「うわっ!ああああっ!」

 

 「テメェ、なにも...ぐふっ!」

 

 「なっ、何が起きて...ぎゃんっ!」

 

 

 ---パッ!

 

 

 ほんの短い間、マーケットガードの悲鳴が聞こえたかと思うと、すぐに銀行内の電気が復旧する。

 

 すると銀行内には倒れ伏すマーケットガードと、見慣れぬ集団が視界に飛び込んでくる。

 

 

 「全員その場に伏せなさい!持っている武器は捨てて!」

 

 「言うこと聞かないと、痛い目にあいますよ☆」

 

 「あ、あはは...みなさん、ケガしちゃいけないので...伏せていてくださいね...。(ああー!!ついにヤってしまいましたーっ!?せめて正体がバレませんようにっ!!)」

 

 「ぎ、銀行強盗!?」

 

 「非常事態発生!非常事態発生!」

 

 「うへ~無駄無駄ー。外部に通報される警備システムの電源は落としちゃったからねー」

 

 「なっ!?」

 

 「ほら、そこ!!伏せてってば!下手に動くとあの世行きだよ!?」

 

 「みなさん、お願いだからジッとしててください...あうう...。でないと......」

 

 

 ---ゴゴゴゴゴゴ......。ドッ!!!!

 

 

 「でないと、悪魔に食べられちゃいますよ...?」

 

 「ひっ!ひいぃーー!!??」

 

 

 ...アルの目に最初に飛び込んできたのは、5人の覆面を被った集団だった。その集団は鮮やかな手腕であっという間に、銀行内を支配した。

 しかし、それでも抵抗しようとする者を諌めるように、”5”と書かれた紙袋の人物が警告をすると共に地響きが聞こえ、床が爆ぜた。

 

 そして、その爆ぜた中から出てきたのは......。

 

 

 「あ、悪魔...?」

 

 

 機械的な鎧のようなものを全身に纏い、鋭利な角を持つその仮面の両目に、深紅の稲妻のような光を撒き散らしながら巨大な鉄塊を肩に担いで、異様な雰囲気と共に佇む存在がいた。

 

 その存在は重い足音を響かせながら、紙袋の人物の前に跪くと頭を垂れた。

 

 

 「見ての通り、我らがリーダー...”ファウスト”さんには、私たちなんか目じゃない程の強力な僕がいるよー。...ねえ、銀行員さん?まだ抵抗する?」

 

 「い、いえっ!抵抗などいたしませんです!はいっ!」

 

 「うんうん。ご協力、感謝するよー」

 

 

 一連の流れで事はスムーズに済みそうだが、内心穏やかではない者が一人いた。

 

 

 (ちょっとーっ!?ホシノさん!?何ですか”ファウスト”って!しかもリーダー?誰が?私がっ!?聞いてませんよ、そんなことっ!?...というか、シキさん!あなたも何、私の前に跪いてるんですか!?あー!もうっ!こんなのバレたら、退学どころかキヴォトスにだって居られませんよーっ!?)

 

 

 それは、ファウストことヒフミであった。そしてそんな葛藤を察したのか、目の前の人物...シキは跪いたままインカムを通してヒフミに話しかける。

 

 

 『初めての銀行強盗にテンションが上がって、ついやっちゃった☆てへぺろ♪』

 

 (あはは...キレそう)

 

 

 シキがヒフミにそう告げた瞬間、ヒフミの周囲には凄まじい圧力(プレッシャー)が漂い、銀行内の温度が下がったような錯覚をその場の全員が覚えた。が、そこは最近ではすっかりこういった雰囲気に慣れてしまったアビドスの面々だ。ヒフミの変化も軽く流して、軽口を叩く。

 

 

 「はい☆ファウストさんは、私たちのリーダーです!ボスです!あ、ちなみに私は...覆面水着団のクリスティーナだお☆」

 

 「ええ...?名前ダサくない...?」

 

 「...ダサくないお☆」

 

 「おっほん!えー、その辺はともかく...ファウストさんは、怒ると怖いんだよー?みんなそのまま大人しくしといてねー?」

 

 

 混沌としてきた銀行内でほとんどの者たちが恐怖に震えているなか、便利屋のムツキ・カヨコ・ハルカはその正体に気がついていた。

 

 

 「ねえ、あれってさ...」

 

 「うん...アビドス、だよね?」

 

 「だよね、知らない顔もいるけど何やってんだろ?」

 

 「ねっ、狙いは私たちでしょうかっ!?この間の報復に...!?」

 

 「いや、そうじゃないみたいだけど...あの子達、どういうつもり?まさか、ここを...?」

 

 「もー、てかアルちゃんは何してるのさ?」

 

 

 ---その頃、アルはというと...。

 

 

 「監視カメラの死角、警備員の動線、銀行内の構造、すべて頭に入ってる。無駄な抵抗はしないこと。さあ、そこのあなた、このバッグに入れて。少し前に到着した現金輸送車の...」

 

 「わっ、わかりました!何でも差し上げます!現金でも、債券でも、金塊でも、いくらでも持ってってくださいっ!!」

 

 「...ん?いや、そうじゃなくて、集金記録を...」

 

 「どっ、どうぞ!これでもかと詰めました!どうか命だけは!!」

 

 「(ど、どうしよう...)...ん。確かに受け取った」

 

 (や、ヤバーい!!この人たち何なの!?ブラックマーケットの銀行を襲い、悪魔?まで従えているなんて!!こ、こんなアウトローが、未だに存在するなんて!!超ッ!!クールだわッ!!)

 

 

 お目目キラキラで覆面水着団の手際を見守っていた。なんならその目には、もはや尊敬や畏怖の念まで滲んでいる。...アルちゃんはチョロ可愛いね!

 

 

 (この手際といい、超プロフェッショナルだわ。ものの5分でやってのけるなんて!!か、カッコいい...!シビれるっ!憧れるっ!これぞまさに真のアウトロー!うわあ...涙出そう!さ、サインとか貰えるかしら...!?)

 

 「アル、全然気づいてないみたいだけど...」

 

 「むしろ目なんか輝かせちゃって、ウケるー!」

 

 「わ、私たちは待機でしょうか?」

 

 「あの子達を手助けする理由も、銀行に助太刀する理由もない。それに今はアル...社長があんな状態だから、とりあえず隠れていよう」

 

 「は、はい...」

 

 

 そう言って便利屋(アルを除く)は、物陰に隠れたまま様子見に徹することにした。

 

 

 「あの、シロ...じゃない、ブルー先輩!ブツは手に入った?」

 

 「あ、う、うん。確保したよ。あと、私のことは孤高の狼、”デザートウルフ”と呼んで」

 

 「集団でいる段階で全然「孤高」じゃないじゃんっ!いいから、行くよ!」

 

 「それじゃ逃げるよー!全員撤収!」

 

 「アディオ~ス☆」

 

 「け、ケガ人はいないようですし...すみませんでした、さようならっ!!」

 

 「や、やつらを捕えろ!!道路を封鎖!マーケットガードに通報だ!一人も逃すな!!」

 

 

 今しがたまでガタガタと震えていた銀行員は自分への脅威が無くなると立ち上がり、周囲へと怒号を飛ばす。なにせ、いいようにヤられっぱなしだったのだ。銀行員のプライドはズタズタである。

 

 一方、銀行を後にして逃亡を図る覆面水着団は銀行員の通報により駆けつけた、マーケットガードに包囲されつつあった。

 

 

 「ああっ!もうっ!もうちょいで逃げられそうなのに!いい加減しつこいったら!」

 

 「だから言ったじゃないですかー!マーケットガードに目をつけられるような事は、しちゃダメだってー!!」

 

 「ん、そう言いつつも的確に奴らの嫌がる攻撃を続けてる。...ヒフミ、実は本当に裏社会の人間だったりしない?」

 

 「わたしはっ!きわめて普通のっ!一般人ですっ!!」

 

 「じゃあ、ヒフミちゃんは才能があったんだねー。よっ!キヴォトスでアウトローナンバー1っ!」

 

 「全然嬉しくありませんっ!」

 

 『みんな、冗談はその辺にして。こちらでモニターしている限りでは、包囲されつつある...。何とかして、ここを突破しないと...!』

 

 「...それについては、ワシが殿を務めよう」

 

 『シキさん...』

 

 

 冗談を言いあって誤魔化していたが、現状がジリ貧なのは明らかだった。

 

 

 「...心配するな、コウ。ワシは戻ってくるさ、お主のもとに...」

 

 『うん...。気を付けて』

 

 「ああ」

 

 「「お母さん/お姉さま...」」

 

 「まったく...お主らもか。ワシの強さは知っているだろう?心配するな。お主らの母は、姉は必ず帰ってくる。先に行って待っていなさい」

 

 

 ワカモとホシノの頭を優しく撫でると、シキはマーケットガードたちに向き合い、巨大メイスを構える。

 

 

 「さあ、深紅の悪魔がいざ...参る!!」

 

 

 ホシノたちは背後で繰り広げられる戦闘の音に、後ろ髪を引かれながらその場を離脱した。

 

 

 

 

 

 ~ブラックマーケット 某所~

 

 

 「こ、ここまで来れば、もう安全よね?」

 

 「...のんびりはしてられないよー。シキお母さんがいつでも離脱できるように、私たちはもっと遠くに逃げないと...」

 

 「そうですね...。できるだけ早く離れないと、間もなく道路が封鎖されるはずです。そうなったら、シキさんの頑張りも無駄になります...!」

 

 「そこはご心配無く!準備は万全です☆」

 

 「ん!こっち、急いで!」

 

 

 シキにより離脱に成功した一行はその後、シロコの誘導により安全圏へと逃げ出した。

 

 

 『封鎖地点を突破。この先は安全です』

 

 「やった!大成功!」

 

 『今更ですが、本当にブラックマーケットの闇銀行を襲っちゃうなんて...少し前の自分からは考えられません...』

 

 「...」

 

 「ホシノちゃん、気持ちは分かりますが...今は信じて待ちましょう?」

 

 「ワカモお姉ちゃん...。うん、そうだね。...よし!シロコちゃん、集金記録の書類はちゃんと持ってるよね?」

 

 「(びくっ!)う、うん...バッグの中に」

 

 「?」

 

 

 ホシノがそう声をかけると肩を少しビクつかせてから、バッグを広げるシロコに疑問符を浮かべながらバッグを覗き込む。

 

 

 「...へ?なんじゃこりゃ!?カバンの中に...札束が!?」

 

 「し、シロコ先輩、現金を盗んじゃったの!?」

 

 「ち、違う...目当ての書類はちゃんとある。このお金は、銀行の人が勝手に勘違いして入れただけで...」

 

 「これは...軽く1億はありますね。5分で1億稼いでしまいましたね...。どういたしましょうか、先生?」

 

 「どうしようか...」

 

 「どうするって、そんなの決まってるわ」

 

 『セリカちゃん...?』

 

 

 降って湧いた大金に驚愕していると、セリカが声を上げて前に出る。

 

 

 「私たちに必要なのは集金記録だけ。大金(これ)は置いていくわよ」

 

 「...セリカちゃんは、このお金で借金を返そうとは思わないんですか?」

 

 「...まぁ、ぶっちゃけそう思わないこともないけどさ。腹立つし。私たちの稼いだお金が、犯罪に使われてたわけだし」

 

 「なら、どうして...」

 

 「うまくは言えないけどさ、ノノミ先輩。...これを使っちゃったら、私たちは多分もう今までみたいに笑えなくなると思う」

 

 

 そう言ってセリカは一度目を瞑る。思い起こされるのは、苦しくても力を合わせて笑顔で乗りきってきた日々と...初めて自分達に手を差し伸べてくれた大人たちの笑顔。

 

 

 「だからね、先輩。これは使っちゃダメなの」

 

 「...そうですね。ありがとうございます、セリカちゃん。お陰で、大切なことに気づかされました☆」

 

 「あはは...。いやまあ、ちょっと前までの私なら絶対に使っちゃおうとしてたから、あんまり気にしないでほしいかなって...」

 

 「私はアビドスのみなさんの事情をよく知りませんが...このお金を持っておくことで、他のトラブルに巻き込まれるかもしれません。災いの種、みたいなものでしょうから」

 

 「そうですね。では、このお金は処分するということで......」

 

 『...!!待ってください!何者かがそちらに急接近しています!!』

 

 

 話がまとまり、行動を起こそうとしたその時、周囲をモニターしていたアヤネから緊急通信が入り緊張が走る。

 

 

 「まさか...追っ手のマーケットガード!?」

 

 『...今、反応を特定しました!これは...!』

 

 「ふっふっふ...私が来た!!」

 

 『シキ/シキさん/お母さん/お姉さま!!』

 

 「ご無事だったんですね...!」

 

 「わあーん!心配したよー!」

 

 「シキさん、おかえり」

 

 「うん、ただいま!みんな!」

 

 『本当に...ご無事で何よりです...。て、あれ?』

 

 「ん?どうしたの、アヤネ?」

 

 『ええっと...こちらに近づく反応がもう一つあって...。これは...便利屋のアルさんです!?み、みなさん!早く覆面を!』

 

 

 アヤネの言葉に焦りながらも覆面で顔を隠す一行。隠し終えると同時に、アルが姿を現す。なぜ追ってきたのかは分からないが、とりあえず警戒し、それぞれ獲物を構える。

 

 

 「はあ、ふう...ま、待って!落ち着いて、私は敵じゃないから...」

 

 (何であいつが...?)

 

 (ん、処す?処す?)

 

 (んー...。戦う気がないって相手を叩くのもねえ)

 

 (お知り合いですか?)

 

 (まあ、そこそこ?)

 

 「あ、あの...た、大したことじゃないんだけど...。銀行の襲撃、見せてもらったわ...。ブラックマーケットの銀行をものの5分で攻略して見事に撤収...あなたたち、稀に見るアウトローっぷりだったわ!」

 

 「そんなに褒められると...ん、照れる...」

 

 「正直、すごく衝撃的だったというか、このご時世にあんな大胆なことができるなんて...!感動的というか...わ、私も頑張るわ!法律や規律に縛られない、本当の意味での自由な魂!そんなアウトローになりたいから!」

 

 (え、スッゴい綺麗な笑顔で何か言ってるけど...何の話?)

 

 「そ、そういうわけだから...な、名前を教えて!!」

 

 「名前...!?」

 

 「その、組織名っていうか、チーム名とかあるでしょ?正式な名称でなくてもいいの!お願いっ!」

 

 (うへ...盛大に勘違いしていらっしゃる......)

 

 「...はいっ!おっしゃることは、よーくわかりましたっ!」

 

 (のっ、ノノミ先輩!?)

 

 「(ここは私にお任せを☆)私たちは、人呼んで...覆面水着団!」

 

 「...覆面水着団!?や、ヤバい...!!超クール!!カッコ良すぎるわ!!」

 

 (嘘でしょ...?)

 

 

 自分達を追いかけてきた理由も理由だが、何やら盛大な勘違いを起こしている陸八魔アル。こちらが何を言っても、テンションが上がる彼女を見て、次第にホシノも悪ノリし始める。

 

 

 「うへ~本来スクール水着に覆面が正装なんだけどね、ちょっと緊急だったもんで、今日は覆面だけなんだー」

 

 (なんか妙な設定を付け足してる!?)

 

 「そうなんです!普段はアイドルとして活動してて、夜になると悪人を倒す正義の怪盗に変身するんです!そして私はクリスティーナだお♣」

 

 「だお♣...!?きゃ、キャラも立ってる...!?」

 

 「うへ、目には目を、歯には歯を。無慈悲に、孤高に、我が道の如く魔境を行く。これが私らのモットーだよ!!」

 

 「な、なんですってー!!」

 

 

 どんどんと混沌としていく場を見守る大人二人は、微笑ましいものを見るように子供たちの戯れあいを眺めていた。...片方は全身鎧姿ではあるが。

 

 

 「...何してるの、あの子たち......」

 

 「わー、アルちゃんドはまりしちゃってんじゃん。特撮モノのイベントに連れてってもらった子供みたいな顔してる!」

 

 「ホント、あの子は...」

 

 「お母さんは苦労するねー?カヨコ母さん?」

 

 「...あんなに大きな子を産んだ覚えはないっての」

 

 

 隠れて様子を伺う便利屋の面々も、反応は様々だがアルの様子に苦笑を隠せていなかった。

 

 

 (もういいでしょ?早く行きましょうよ!)

 

 「(そうですね)それじゃあこの辺で、アディオス~☆」

 

 「行こう!夕日に向かって!」

 

 「夕日、まだですけど...」

 

 

 覆面水着団の去った方向を眺めながら、アルは決意を新たにするように呟く。

 

 

 「よし!我が道の如く魔境を...その言葉、魂に刻むわ!私も頑張る!」

 

 (事実を伝えるべきなんだろうけど...いつ言おうか?)

 

 (面白いからしばらく放置で♪)

 

 「あ、あの...。このバッグ、どうしましょう?あの人たちが置いて行ったみたいなんですけど...」

 

 「ん?これはまさか...覆面水着団が私のために...?」

 

 「いや、それはないわ...ただの忘れ物じゃない?」

 

 「結構重いよ?何が入ってるんだろ」

 

 

 一同はバッグを開け、中を確認して固まる。

 

 その頃、アビドスでは...。

 

 

 「あ、そういえばバッグを忘れてきちゃいました...」

 

 「ま、いいんじゃない?どうせ処分しようとしてたんだし。手間が省けたと思えば」

 

 「うん。誰かに拾われるでしょ、きっと。多分。メイビー」

 

 「ですよね☆お金に困ってる人が拾ってくれるといいですね」

 

 「あはは...最後に良いことをしたと思いましょう。そうでも思わないと、私はやりきれません...」

 

 「ヒフミちゃん......ドンマイ!」

 

 「いい加減怒ってもいいですよね?」

 

 

 相変わらずヒフミが弄られていた。

 

 ところ変わって便利屋事務所では...。

 

 

 「覆面水着団がアビドスだったですってえええ!!??」

 

 「あっはははは!アルちゃんショック受けてるー!超ウケる!」

 

 「ホント、この子は...」

 

 

 結局アルには真相を教えて上げたし、アルは絶叫を上げた。




 シキの格好は身体と魂がキヴォトスへ馴染んできた結果、ついに武器だけでなく身に付ける装備まで神秘で編むことが出来るようになりました!!
 彼女はどこに向かっているんでしょうね?これには先生とシキを観察している黒服もニッコリ。

 その内シリアス回をぶっ込みます。
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