先生の元カノになったTS転生者です。   作:秋月 ヒカリ

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 早速お気に入り登録と評価していただいた方々に感謝を…!

 作者の特性上、重い感じになり勝ちなのでなるべくライトな物語になるよう努めます…!(確約は出来ない)


恋ばなと狐とお姉様

 「シキさんは、先生とお付き合いしていらしたんですね」

 

 「うん。半年前までコウとは付き合ってたね」

 

 「その情報も驚きではあるのですが...。先程までとは随分とその、雰囲気が違うといいますか......」

 

 「別人みたい?」

 

 「...失礼かとは思いますが、そう感じています」

 

 「まあ、そう思うのも無理ないよねぇ...」

 

 

 スズミちゃんの言葉に同調しながら、自らも感じた疑問を口にするハスミちゃんに、私は苦笑しながら返す。

 

 

 「昔から感情が昂るとどうしてもね...。口調や態度が変わるだけで、別に私自身はちゃんと周りを認識できてるからさ。仲良くしてくれると、嬉しいかな?」

 

 

 シキの言葉にユウカ達は一度目を合わせた後、クスリと笑い合い、シキの前へ一歩踏み出して笑顔を向ける。

 

 

 「おほん。改めまして、ミレニアムのセミナー所属、早瀬ユウカです!これから宜しくお願いしますね?シキさん」

 

 「ゲヘナ学園、風紀委員会所属の火宮チナツです。こちらこそ、宜しくお願いします」

 

 「トリニティ総合学園、正義実現委員会所属の羽川ハスミです。先程の戦闘はお見事でした。これからご指導ご鞭撻を、宜しくお願いします」

 

 「同じくトリニティ総合学園の自警団所属、守月スズミです。宜しくお願いします」

 

 「みんな...。うんっ!これから、よろしくね!」

 

 

 生徒達から受け入れられ安心し、輝かんばかりの笑顔で挨拶を返すシキ。

 

 そしてその笑顔を向けられた生徒達はというと...。

 

 

 (...ちょっと!シキさんの笑顔、スッゴく可愛いんだけど!?)

 

 (ええ...。戦闘中は凛々しく、美しいという言葉しか浮かばなかったというのに、これは...)

 

 (いわゆる”ギャップ萌え”というものでしょうか?)

 

 (...成る程。戦闘中だけでなく、普段から緩急をつけることにより、あの様に流麗な動きが出来るのですね。勉強になります)

 

 「?」

 

 

 生徒達が小声で何かを話している様子を、首を傾げて眺めるシキ。その姿も生徒達には可愛らしく見えてしまう。

 

 

 「そ、そう言えば!シキさんは、先生とお付き合いしていたんですよね!その話を聞かせて下さいよ!」

 

 「あ、それ、私も興味があります。先生が戻られるまでまだ掛かりそうですし、馴れ初めなど聞いてみたいですね」

 

 「う~ん...そんなに気になる?」

 

 「センシティブな事ではあるでしょうし、無理にとは言えませんがその...すみません、興味が勝ります......」

 

 「普段からそういった事に、興味の薄そうなハスミさんが...。意外です」

 

 「スズミさん!?貴女は私をなんだとっ...!?」

 

 

 さて、遅くなったけど私たちの現状を説明しよう。

 

 つい先程まで暴れていた狐っ娘こと「狐坂ワカモ」ちゃん。彼女を(一方的に)倒した後、簀巻きにし、安全を確保した。

 

 その後、合流したリンちゃん(バリキャリOL風巨乳美人)と共に、”連邦生徒会長”が失踪前に先生(コウ)へ残したという物を受け取りにここ”シャーレ”へと入っていったので、ユウカちゃん達と共に外で出入り口を守っていた。

 

 

 「それにしたって、みんな恋バナが好きだねー?」

 

 「それはそうですよ。私たちだって、そういった事には興味はありますし」

 

 「ですね。...と、いうわけで馴れ初めをお聞かせ願えればと!」

 

 「馴れ初めねぇ...。じゃあ、コウとの出会いを話そうかな?」

 

 

 ---コウとの出会いは、幼稚園に入園してしばらくしてからのことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「やーいっ!変人女ー!これでもくらえー!」

 

 「はぁ...。また君か...いい加減にしてよね?」

 

 

 この頃の私は、感情が昂った際の変化の事をよくからかわれていた。

 

 今、突っかかってきている男の子はその筆頭だ。彼が掛け声と共に繰り出してきた、万が一にも怪我をしないように安全対策のしっかりと施された、スポンジ製の見た目釘バットで殴り掛かってくる。

 

 それをヒラリと回避してから、釘バット(スポンジ)を見ながらボヤく。

 

 

 「...てか、普通いじめっ子なら安全性に留意とかしなくない?」

 

 「いや、いくら気に入らない相手であっても最低限、人として守るべき常識はあるだろ」

 

 「お前辞めちまえよ、いじめっ子なんか」

 

 

 変に常識を語るいじめっ子にそう返す。

 

 

 「今度こそくらえっ!おりゃぁっ!」

 

 「はぁ...。...ふんっ!!」

 

 「あぁんっ!♡」

 

 

 パアァンッ!!と良い音を響かせる彼の尻。

 

 私が彼の攻撃を回避しつつ背後に回り込み、回避ついでに奪った彼の得物でケツを全力フルスイングしたのだ。

 

 

 「はぁ...はぁ...!気持ち良いぃ...じゃないっ!痛いじゃないか!」

 

 「今、気持ち良いって言った?」

 

 「言ってない」

 

 「いや、絶対今...」

 

 「言ってないし、イってない」

 

 「...まぁ、程々にね?」

 

 

 お尻を押さえて若干、身体を小さく痙攣させながら涙目で私を睨んでくる男の子。

 

 ...ナニがとは言わないけど、君の将来が心配だよ。

 

 そうしていると、こちらへ誰かが走ってくる音が聞こえてくる。

 

 

 「や、やめなよー!」

 

 「「ん?」」

 

 「いじめなんて、よくないよ!仲良くしようよ!」

 

 

 そう言って現れたのは、大人しそうな見た目の男の子だった。

 

 

 「大丈夫?なんでこんなことを...!」

 

 「え、いや、あの...」

 

 「話し合えばきっと、分かり合えるはずだよ!だから、仲直りしよう?」

 

 「おう、状況的に誤解するのは分かるけどさ?いじめっ子はそっちの方なんだわ」

 

 「...へ?」

 

 

 そう。駆けつけた男の子は、涙目で震えているいじめっ子の前に手を広げて立って、彼を庇っていた。

 

 ...うん。そうだよね。釘バット(スポンジ)持ってる女と、涙目で震えている男の子なら、普通はそういう反応になるよね。

 

 気不味そうにいじめっ子に彼が視線を向けると...。

 

 

 「ああ、そいつの言ってることは本当だぞ。俺の魂に誓って本当だ」

 

 「「君/お前、何でいじめっ子なんかしてんの?」」

 

 

 この後も連日、同じようなやり取りを繰り返しているうちに彼...コウとの付き合いも増えていき、いつの間にかお互いに側にいるのが当たり前になっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「---とまぁ、こんな感じの出会い方でコウとは絆を深めて...」

 

 「「「「いや、いじめっ子どうなったの!?というか、誰なの!?」」」」

 

 「えぇー...?そっち?大して面白い情報ないから、巻きで話すよ?...彼は実は女の子で、その後は小中高大と一緒で、ドMで、大学では起業して成功し、今や結婚して2児の母と社長業をこなすバリキャリウーマンになりましたとさ。ね?大した事ないでしょ?」

 

 「「「「...恋バナより、むしろそっちが気になりますよっ!」」」」

 

 「えぇー...?」

 

 

 「あれれー?おっかしいなぁー?」とすっ惚けた事をぬかしながら、ユウカ達の言葉をのらりくらりとかわしていると...。

 

 

 「おーい、みんなー!お待たせー!」

 

 「お、帰ってきたみたいだね」

 

 

 コウが合流して、ユウカ達はコウにも改めて挨拶をしてから、それぞれの学園へと戻っていった。

 

 

 「...さて。いい加減に、気絶したふりは止めたら?狐っ娘ちゃん?」

 

 「...気付いておられましたか」

 

 「シキさん。そういえばその子、なんで矯正局に引き渡さなかったの?」

 

 「んー?そりゃ、話しは簡単!私がこの娘を気に入ったからさ!」

 

 「あー...。まあ、確かにさっきは凄くテンション上がってたもんね...。と、いうことはもしかして?」

 

 「ふふんっ!狐っ娘...もとい、ワカモちゃん?」

 

 「は、はい?」

 

 「君に素晴らしい提案をしよう...。君、私の弟子にならないか?」

 

 「...へ?」

 

 

 そう、私はこのワカモちゃんを気に入ってしまった。

 

 彼女は確かに強く、強者の部類に入るだろう。しかし、私から言わせればその力には無駄が多く、何というか...己の力を持て余した結果、破壊衝動に変換されているように見えた。

 

 な・の・で!...この才能の原石を私が、至高の領域へと正しく導こうと考えたわけですね!

 

 

 「私は...」

 

 「許可できません」

 

 「出たな!リンちゃん!」

 

 「誰がリンちゃんですか。...そこにいる”狐坂ワカモ”は、七囚人の一人であり”災厄の狐”という二つ名を付けられる程の問題児です。失礼かとは思いますが、到底貴女に御せるとは......」

 

 「---口を慎めよ?小娘」

 

 「なっ!?」

 

 

 リンに対して、意識して(・・・・)己のスイッチを切り替え、圧を飛ばす。

 

 すると、リンはサッと顔色を青くさせ驚きの声を上げる。

 

 

 「ふむ。リンよ、お主の言う事も理解はできる。が、お主は連邦生徒会という、キヴォトスを統括する組織の代表なのであろう?であれば、もっとどっしりと構えぬか」

 

 「私は、貴女と先生の安全を考えて---」

 

 「口を慎めと言ったぞ、リン。お主もワシとワカモの戦闘は視ていただろう?ならば少なくとも、ワシの実力は実証済みであろう。それにだ......」

 

 「?」

 

 「そこの男も、その成りからは想像できんだろうがな?ワシには及ばぬが、少なくとも先程の四人が束になってかかってきても、撃退できるくらいの実力はあるぞ?」

 

 「本当ですか...?」

 

 

 疑念が多分に含まれた視線でもって、コウへ尋ねるリン。

 

 それに対してコウは「あはは...」と、曖昧な表情で返す。

 

 シキは、そんな二人の様子を横目にワカモの拘束を解いて自分の前へ立たせ、その瞳を真っ直ぐに見つめて告げる。

 

 

 「まぁ、色々語ったがようはだ...私たちは君達子供を導くためにここに居る。だから...今はただ、この手を取りなさい」

 

 「あ...」

 

 

 ワカモはシキの言葉を受け、何とも言えない気持ちになり、大きく見開いた瞳からポロポロと涙を流し、思う。

 

 

 (この方は、信じられる...いえ、信じたいと私の”心”が訴えかけている...!)

 

 

 シキの眼には何の打算もなく、ただただ(ワカモ)を映し出し、その言葉を...信じたいと思った。

 

 

 「...七神行政官」

 

 「なんでしょうか?」

 

 「過去の行いから、到底信じてもらえるとは思いませんが、お願いします。二度と人様に迷惑はお掛けしません!なので、私を...私を、お姉さま(・・・・)の元で働かせてください!」

 

 「ちょっ、ちょっと!?」

 

 「...ん?お姉さま?」

 

 

 リンの前で土下座し、思いの丈を叫ぶワカモにリンは気圧される。

 

 そしてシキはワカモの言葉に、頭に疑問符を大量に浮かべていた。

 

 このカオス空間を、今まで空気だったコウがなんとか納める事に成功。

 

 なんやかんや無事にワカモは、シャーレ預かりとなった。

 

 

 「...念押ししますが、ワカモさんに関しては何かあれば、お二人の責任問題となります。いいですね?」

 

 「おっけー!」

 

 「うん。任せてよ、リンちゃん」

 

 「だから誰がリンちゃんですか...。ふぅ...では、私はこれで」

 

 「まったねー!」

 

 

 リンを見送り、遂にシャーレに残されたのは三人だけとなる。

 

 

 「さて!先ずはシャーレの中を探検しますかー!」

 

 「お供致します、お姉さま!」

 

 

 ワカモのお姉さま呼びにシキはピシッ!と、笑顔で片手を突き上げたままの状態で動きが止まる。

 

 そのまま、ギギギ...。とシキは首を動かしてワカモに問う。

 

 

 「あの、ワカモちゃん?」

 

 「なんでしょう?お姉さま」

 

 「その、お姉さまって何...?」

 

 

 その問いにワカモは笑顔で両手をポンと打ち、満面の笑みで答える。

 

 

 「はい!不肖このワカモ、先程のシキさんにいたく感銘を受けました。ですので、これからはシキさんを”お姉さま”とお慕いしたいと思いまして!...ダメ、でしょうか?」

 

 

 不安げに潤んだ瞳で私を見つめるワカモちゃんを視た瞬間、私の脳内では存在しない記憶(・・・・・・・)が再生された...!!

 

 

 ---閑話休題(カット)---

 

 

 「...私たちは、どうやら姉妹だったみたいだね」

 

 「ごめんね?普段はもう少し、控えめなんだけど...」

 

 「そんなお姉さまも、しゅてきです!」

 

 「...うん。大丈夫そうだね!」

 

 

 こうして、シャーレという組織は幕を開けるのであった。




 うーん、迷走感。
 これからにご期待ください...!
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