暗闇の中、僕は無数のいしに埋もれていた。そのいしに押しつぶされて死んでしまいそうなのに、苦しいばかりで意識を失うことはない。僕の知識の範囲では、この重量が乗ったら、人間の体なんて簡単に壊れてしまうはずなのに。とても長い間、この中に、苦しみながら埋まっている。
僕の下にもいしがある。小さなものから大きなものまで。砂つぶみたいないしはみんな、いしの隙間をすり抜けてどんどん深くへ埋まっていってしまう。でもその一粒が僕の目に入ると、僕の苦しみを倍増させた。
僕の上にもいしがある。小さなものから大きなものまで。僕の真上には漬け物石みたいないしがある。そのいしが、その上にあるたくさんのいしの重みを背負って、ずっと僕を押さえつけている。このいしのおかげで、僕はずっと身動きが取れないのだ。
僕の中にもいしがある。他人には、ほかのいしから見つけ出すことはできないだろう、いし。人によっては何か違うように見えるかもしれないけれど、きっとすぐに他のいしと見間違えてしまうだろう、いし。でも、僕には、そのいしは輝いて見える。僕のいしだもの。灰色の重たいいしとは違う。まあるいけれど、とげのある、赤くて燃えるように輝くいし。熱くて、抱きしめているのが苦しくても、それを手放したくないと思うくらい、情熱的ないし。
僕は、俳優になりたい。そんな僕のいし。
熱くて、重くて、それを抱きしめて抑えるのが苦しくて。でもこれを失ってしまったらきっと、僕は燃えかすみたいになって、砂つぶよりも深く深くに沈んでしまう。
もっと上に浮き上がれば。体を伸ばして、このいしを高く掲げて、その輝きを広く、彼方まで届かせたい。でも、僕の上の漬け物石が、その上のいし達が、邪魔をする。僕を深くへ押し込んで、真っ当な生き方をしろと圧力をかけてくる。こんなに僕のいしは熱いのに。
いっそのこともう手放してしまおうか、そう思った時、漬け物石は一段と重くなり、僕のいしはそれに抵抗するように熱く輝く。それが苦しくて、僕はもがいた。誰かの燃えかすが目に入って痛い。それでももがいた。熱いいしが、僕を突き動かした。
と。漬け物石が僕の上からずれた。僕はいしを握りしめて、もう一度体を強くくねらせた。漬け物石は完全に僕の背中から落ち、ずむずむと深く潜っていなくなった。体の上のおもりは随分と軽くなったように感じた。深い海中から浮上するようにいしをかくと、今までよりもずっと、体を動かすことができた。
上がっているのか、今どこにいるのか、新鮮な息を吸うまでどこまでこのいしの海が続くのかわからない。
しかし、僕の熱い石は輝いて、それでも上に上に浮上していこうと僕を励ましているように感じた。