昨晩思いついて朝一気に書いた。漫画版も頭に浮かぶけど人の画力は漫画が描けるほどじゃない。誰か描いてくれないかな。
2025年2月7日 06:53
この作品は私の黒歴史の中でもペンタブラック歴史!でも投稿!
「引き受けます」
その言葉で私の心は軽くなる。今まで積み重ねたストレスも悩みも全て綺麗な水で洗い流したかのように流れていく。
「引き受けます」
その言葉で僕の心は重くなる。体験したこともない体の痛みとは違う心の痛みが胸を縛っていく。その代わりに目の前の女性のここに来た時の希望を無くした目は未来をしっかりと見据えていた。
今後、彼女が心の痛みを抱えることはない。彼が引き受けるから。
彼のこの力は生まれつきのものだ。いつだったか、スモックを着た幼いが転んで膝から血を出して泣いていた。その時に「その痛み引き受けるよ」というと途端にその子は元気になり、膝から血を滲ませたまま走り出したのだ。彼はその時の膝の痛みには気づかなかった。
また別の時は母親が疲れ人生を悲観した顔で、学校から帰ってきた彼を出迎えた。その時母に何があったんか彼にはわからなかったが、見るに耐えないほど酷い表情だった。また彼は母の痛みを少しでも自分が引き受ければ母が楽になると思って「引き受ける」と言ってしまったのだ。その夜の食事は普段冷凍食品を出す母手製のハンバーグだった。彼は反対に食欲がなくなるほど憔悴していたが母が気づくことはなかった。気づいていたのかもしれないが、気にもとめなかった。
彼は自分がその人の顔を認識して「引き受ける」というと人の痛みを引き受け、死ぬまで抱えることができる。もちろんその人が痛みを消すような行動、例えば嫌な上司から離れるなどすれば痛みも消える。しかし辛いことがあればその痛みはまた彼が引き受ける。その人は自分の傷んだ心に気付かず生活することができる。同様に、体の痛みも引き受けることもできた。他にも分かったことがある。同じ人の心の痛みと体の痛みは片方しか抱えることができない。変更もできない。
彼は自分を犠牲にしてでも他人を助ける優しい人間だった。一度ネットで有名になると多くの人が安直な気持ちで痛みを抱えてやってきた。遠くに住んでいる人は顔写真を送ってきた。素性もわからない人々の痛みを、彼は引き受けていった。まだ頼りない体に無数の人の痛みを抱えている。
何万人もの痛みを抱えた彼はもう通常の生活を送れなくなっていた。それでも彼は引き受け続ける。彼は今、病院が無償で管理している。多くの管から栄養も酸素も送られるのでいるので死ぬことはない。それでも麻酔で痛みを消すことはできない。目の前にはモニターがあり多くの痛みを抱えた人の写真が流れる。彼は全ての痛みを引き受ける。彼は世界の犠牲になった。
そうすればみんなが幸せになれると思いませんか。