鳥屋敷の一次創作   作:鳥屋敷

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私が小学6年生の時、「こんな こえが きこえてきました」という絵本を使って、お話を書いてみようということで書いたもの。先生に小説家みたいと褒められてその気になった記憶がある。変だと思うところもそのまま写した。
…我ながら上手。今よりも上手…?文章のつながりが変なところはあるけど、それでも情景表現とか、起承転結がちゃんとしている。なんか憑いていたのかもしれない。そしてこの頃から鳥屋敷を使ったいたらしい。


お世話するから!

「あーあ、面倒くさい」

すずは思わずため息をついた。すずは、最近ペットの犬のシロワンの世話が嫌になってきたのだ。もちろん、シロワンも毛を逆になでるすずが嫌になっていた。父、竜平に犬を飼いたいと言ったときは、

「すずが散歩も掃除もやるんだぞ。途中でいやにならずにやれるか?」

と聞かれたので、

「ちゃんとお世話できるよ!」

といったのに。

ある日、すずは竜平と、シロワンを連れて散歩に行った。よく晴れていて、シロワンの純白の毛がもう一つの太陽のようだった。

大きな交差点にきた。どこを向いても人、人、人。外なのに満員電車のようだった。やっと通り抜けたと思ったらシロワンが消えていた。人ごみの中を通っているときに、リードが手から離れたのだろう。

「父ちゃん、シロワンが消えちゃった…」

「大丈夫、シロワンはそんな遠くにはいかないよ。いっしょに探そう」

すずは、とぼとぼとついていった。

同じころ、下を向いて交差点をわたる男がいた。名前は領一。独身で日払いのバイトをしてくらしている。領一も犬が大好きで、『犬を飼う』という叶わない夢のためにコツコツとお金を貯めている。だが、ペットショップの犬は飼えないので、飼いたくても買えないのだ。

無心で歩いていると、目の端に真っ白いものが見えた。どうせ疲れで幻覚が見えるのさ、と無視する。と、また見えた。今度は違う、真っ白な犬だった。転んだのか、毛がボサボサだった。

「いったいどうしたんだ、ボロボロじゃないか。」

領一は優しく話しかけながら、自分のアパートに犬を連れて行った。

体をふき、餌を買ってきて食べさせた。領一は、一言では言えないほど幸せだった。

再びすず達。竜平がシロワンにつけていたGPSで探すと、知らないアパートの一室を指していた。竜平が心配そうな顔のすずに、

「きっと誰かがシロワンを見つけてくれたんだよ。ね、大丈夫」

部屋のチャイムを押すと、水色の服を着た男、領一が出てきた。竜平は、

「私の娘が白い毛の犬を逃がしてしまったのですが、知りませんか?」

と聞くと領一は、

「私も犬を拾ったのですが、お宅のでしょうか?」

と、白い犬を連れて、事情を話した。

「シロワン、こんないい人に見つけてもらってよかったね」

「シロワンという名前ですか、かわいい名前ですね。ではお返しします」

「シロワン、もうすぐおうちに帰れるよ」

すずがリードを引くが、シロワンは動かない。強く引っ張っても、動こうとしない。

「シロワン、どうしたの?おうちに帰れるんだよ」

シロワンは動かない。と、領一が

「シロワンが嫌がることをした覚えはないかい?変ななで方をしたり、お世話をしなかったり」

「・・・お世話してなかった。シロワン、ごめんね。明日からは、ちゃんとお世話するから!」

シロワンはゆっくり立ち上がった。

「君の犬は賢いね。また逃げないようにしっかりお世話するんだよ」

「うん!ちゃんとお世話する!シロワン、帰ろ」

すずはぴょんぴょん跳ねている。領ーがボソッとつぶやいた。

「また、一人バイト暮らしか」

「ん、一人バイト暮らしなんですか?」

「あ、聞いてしまったのですね。はい、そうです」

領一は自分のバイトのこと、犬が好きなことなどを話した。

「そうだったのですか、そういえば…」竜平は一枚の名刺を差し出した。

「私はMIMI(ミミ)の鳥屋敷です。今、社員募集しているのですが、どうですか」

「ああ、あのMIMIですか。課長とはすごいですねー。今度電話してみます」

「父ちゃん、早く帰ろ」

「そうだね、ではご連絡お待ちしております」

一週間後の朝、すずは元気よくシロワンのお世話をしている。

「はいシロワン、朝ごはんだよ」

「ワン!」

同じ頃。

「課長、おはようございます!」

「おはよう。相変わらず領一は元気だなあ」

「はい!今日は犬を飼うんです。茶色のトイプードルです」

「そうか、娘みたいに逃がさないようにな」

「あはははは」

今日は晴天。二人の犬好きの笑い声が高い空に響いた。

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