鳥屋敷の一次創作   作:鳥屋敷

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星新一風になってると嬉しい。


生物時間

宇宙人が来た。人類だって宇宙の生物だが、地球人から見たら地球に住んでいない生物はなんだって宇宙人だ。それが来たのだ。

最初その存在を確認したのはA国の航空宇宙局だ。何ヶ月も地球に周りを公転している不審な物体があると。いつものように陰謀論が疑われたが、一般の望遠鏡でも宇宙船の姿がわかるようになると、世界中が一時的なパニックに陥った。それでも賢明な人々は集い、宇宙人達を歓迎する準備を整えた。同時に国連軍が最高峰の装備で警戒する。不安は治らなかったが、宇宙人の乗り物は光で指示した場所に静かに着陸した。

中から出てきたのは人間によく似た形状の生物だった。一般的な人間の倍ほどの大きさで先が風に逆らってうねる緑色の髪を持つこと以外は、どこの国籍ともいえそうな人間の見た目をしていた。

最初に近づいたのは立候補から話し合いと厳正なる投票によって選ばれた、K国の大臣だった。その後ろ姿を各国の様々なメディアのカメラが見つめた。息をするのも忘れそうな静寂だった。

大臣が英語で話しかけようとすると、宇宙人が先にK国の言葉で話し始めた。

「こんにちは。突然すいません」

大臣は面食らった。まさか自国の言葉で話しかけられるとは思わなかったからだ。

「私この銀河団のさらに遠く、ここではパンドラ銀河団呼ばれている場所の星から参ったものです」

テレビの視聴率は今までにない数値を叩き出しているだろう。大臣はなんとか平静を保ち、何度も頭の中で繰り返した言葉を言う。

「ここは地球と言う星です。遠いところから、はるばるきてくださりありがとうございます。お疲れでしょう、まずはこちらでお食事でも致しましょう。最高級のものをご用意しております」

「いえいえ、ご心配には及びません。私はただ、この星の調査に来たのです。ここ最近急速に発展していることを感知したので、発展の具合によっては貿易も検討しようと。まさかここまでだとは。しかし、大変申し訳ございませんが他の星の調査もあるのです。他の星を調査して本部に連絡した後、再び参ります。それまでお待ちいただけますか?」

また世界中から招集された要人による大会議が行われた。ほとんどの場合はいと答えるだろうし何のため会議を開いているかは謎だが、そうでないと気が済まないのが今の人間だ。

数日後、大臣の返事を聞いた宇宙人は笑顔で去っていった。

それから人類は宇宙人が帰ってくるのを待ち続けた。しかし、何年経っても、何十年経っても、戻ってこなかった。長い年月が経った。あれは一時的な集団幻覚だったのではと言う者もいた。しかし多くのカメラが捉えた映像がそれを否定した。その映像さえも作り物だと言う者も現れた。それでも人類は待ち続けた。それでも宇宙人は来なかった。

 

「いやー、いい人たちだったな。調査を終えてまた会うのが楽しみだな。ああ、でもまた行ける年を言うのを忘れていた。後で戻ろう。500年以内には帰れるはずだ。

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