第1話 躓いたり、本気だったり
仮面ライダーレイ
操一朗が変身した白い戦士はゆっくりと歩を進め、スパイダーファンガイアに近付いた
「そうか…、貴様がかつて我々を退けたという仮面ライダーか!」
「そういうこと、だ!」
操一朗、レイは答え代わりに右のパンチをスパイダーファンガイアに繰り出した
「ぐぉっ…!」
堪らず後退したスパイダーファンガイア
「まだまだぁ~!」
レイは突進して肩の鎧によるショルダータックルを繰り出そうとした。が…、
「っ、と…」
ドシャッ
躓いて転んでしまった
「……」
「……」
スパイダーファンガイアもベルトのレイバットも呆れて声が出なかった
「ち、厄介な奴が邪魔に入ったな。あのお方に報告しなくては…」
スパイダーファンガイアは糸を使って某国の赤いヒーローよろしく去っていった
♪♪♪
「何をやっているのだ、この愚か者!」
「っせぇな、レイバット」
「つーか蹴っ躓くってダサ過ぎでしょ、ゲッゲッゲ」
変身を解いてレイバットに説教されている操一朗の周りを玄牙(ゲンガー)はふわふわ浮遊しながら笑っていた
「な~んか上手く動けねぇんだよな」
操一朗は肩をぐるぐる回しながらぼやいた
「システム自体は問題無く稼動している。あとは装着者である貴様の問題だな」
「ん~…」
レイバットの言葉に悩む操一朗
「じゃ、そろそろ幻術結界解くけど」
「おう」
「我らは戻っているぞ」
玄牙(ゲンガー)が消えると結界が解け、元の風景と時間が戻った。レイバットが飛んでいったのを確認すると、操一朗は5人が集まっている所に向かった
何やら皆が全員、一方通行で話しかけ、会話が成り立っていない状態だった
♪♪♪
「よぉ」
「あ、操一朗」
「ソウ!」
「げ、緒川」
「おぅ、操一」
「あ、ソーイチロー」
操一朗が片手を挙げて声をかけると、和奏、紗羽、来夏、大智、転校生が振り向いた
「何の集まりだ?つーか宮本、人の顔見て、げ、ってなんだ」
「わたしは郵便局の帰り。あ、ちょっと操一朗人のコロッケ勝手に食べないでよ」
操一朗は和奏が手に持っていた食べかけコロッケを一口で食べてしまった
「私は来夏の保護者として」
「ちょ…、保護者ってなによ」
「ウィーンと偶々会ってな」
「制服受け取った帰りに皆と会ったの。ねぇ、ソーイチローはどうしてここに」
「…だいたいわかった」
操一朗は口をもごもごさせながら呟いて、状況とコロッケを飲み込んだ
「そうだ、ソウと田中はウィーンに町案内してあげたら?」
「は、案内?つーかウィーンって転校生のことか?」
紗羽の提案に首を傾げる操一朗
「うん、私達は坂井さんとちょっとお話したいことあるし」
「え、私?」
「じゃあ女は女同士、紗羽ん家で」
紗羽と来夏に両手を掴まれた和奏は驚いた
「ん~じゃ、男は男同士、とりあえず昼飯でも食うか」
「おう」
「いいね」
飲食店が並ぶ商店街の方向に大智とウィーンと一緒に歩き出した操一朗に和奏が声をかけた
「ちょっと、ちゃんと野菜も摂りなさいよ!あと、今日はうちに来なさいよ、夕飯作ってるから」
「う~ぃ」
適当に手を振って操一朗は応えた
♪♪♪
「ねぇねぇ、坂井さんと緒川って付き合ってるの?転科して来た時から名前で呼び合ってるし」
「あ~、それ私も気になってたの」
「ち、違うよ宮本さんや沖田さんが思っているような仲じゃないってあいつとは」
「じゃあどんな関係?」
「私と操一朗は…」
♪♪♪
「こ、これがすき焼き」
全国展開されている丼とうどんのチェーン店に入って注文し運ばれてきた牛丼を目の前にウィーンは例の胡散臭い本を開いて驚愕した
「ちげーよ」
「あとでちゃんとした本買おうな」
操一朗と大智は最早突っ込みも慣れた感じに箸を取った
「つーか操一朗、さっき坂井に言われたのにそのメニューか…」
呆れる大智の目の前に座る操一朗が頼んだのは、
牛丼特盛り からあげ5個 豚汁
3大肉の主食主菜汁物だった
「おう、育ち盛りだからな」
「野菜なんてちょっとの玉ねぎ、レタス一枚、入ってはいるけど肉と比べたら微々たるニンジンとかの根菜類だけだな」
「ソーイチローみたいな人を“肉食系男子”って言うの?」
「それも違うぞ」
大智は隣に座って牛丼の肉を海苔のようにご飯を巻いて食べているウィーンに突っ込んだ
「でも操一朗って坂井と付き合ってたんだな」
「は?和奏と?付き合ってねーよ」
「でも坂井さんの家に夕飯食べに行くんだよね?それって恋人同士のイベントだって、本に書いてあったよ」
「…その本の筆者に会ってみてーな…」
「付き合ってないって、お前ら仲良すぎるだろ。転科して来た時から」
「俺と和奏は…」
「従兄妹だ」「従姉弟よ」
「い、従姉弟~!?」
「親戚だったの?!」
紗羽と来夏は驚いた
「私のお母さんが操一朗のお父さんの妹なの、ちなみに双子の」
「し、知らなかった…」
「は~、こりゃたまげた…。でもでも、兄妹とか親族って大抵別のクラスとかにならないの?」
「あ~…たぶん音楽科からこの時期の転科だから少しでもクラスに馴染めるように……」
「学校側も一緒にした、と」
そうこうしている内に3人は紗羽の自宅へ続く林道の階段まで着いた
「沖田さん家ってお寺なの?」
「紗羽でいいよ」
3人が階段を昇ってると、反対側の坂から声をかけられた
「お~い、紗羽~、こなっちゃ~ん!」
「あ、志保さ~ん」
紗羽にどことなく似ている年上の女性が手を振っていた。ウェットスーツを着て自転車にはサーフボードを載せていた
「お友達?」
「うん、同じクラスの坂井さん。あのねあのね、ソウの従姉弟なんだって!」
「あ、じゃあ貴女まひる先輩の娘さん!?」
「はい、えっと…、沖田さんのお姉さんですか?」
「あっはっは、ありがと、あたしゃ紗羽の母親だよ」
「え!?」
「あたし和奏ちゃんのお母さんのまひる先輩とソウ君のお父さんの音夜先輩の後輩なんだよ」
志保はそう言うと自転車を押して行ってしまった
「沖田さんって操一朗のこと知ってたの?」
「うん。でもそれなら私たちもっと早く仲良くなれたかも、だって…」
紗羽はトンットンと階段をジャンプしてくるっとターンした
「私はソウの幼馴染だもん」
♪♪♪
「イトコって、何?」
「親の兄弟の子供のことだ」
「俺と和奏で言えば、俺の父親が和奏の母親の兄なんだよ、ちなみに双子の」
「へぇ~」
ウィーンは手帳を取り出すとメモを取った
「つか、兄妹親戚とかってクラス別になるんじゃねぇの?」
「ん~、どうせ卒業1年もない時期での転科だし、それに智子…、高橋先生が便宜はかってくれたんだと思うぞ。クラスで最低でも一人は頼れる奴がいた方がいいってことで」
「教頭がよく許したよな~」
大智はうどんを啜りながら相槌を打った
その後、3人は商店街を適当にぶらつきながら、ウィーンの間違った日本知識を修正していった
♪♪♪
夕方
土産物屋こかげや
閉店した店の掃除をしていた和奏の父、坂井圭介は操一朗に気付くと振り返った
「おう、操一朗君おかえり」
「あぁ、叔父さん、ただいま」
ここでは挨拶は「おかえり」と「ただいま」というのが昔からの習慣だった。操一朗は物心つくまでずっとこの家で暮らしていたのだ
「ちょっと待ってな、ここの掃除終わったら戻るから」
「んー」
操一朗は店の横の自宅へと続く戸を開けて勝手知ったる感じでダイニングキッチン、と言えば格好はつくが、テーブルが置かれた台所に入ると、エプロン姿の和奏が料理を作っていた
「あ、操一朗。ちょっと待って今できるからドラにご飯あげといて」
「ん~」
操一朗は台所の隅、坂井家の飼い猫ドラの食餌スペースに置いてある餌皿にキャットフードを注いだ。太ったドラ猫は未だ散歩の途中の様だ
そしてダイニングキッチンの隣の和室に入った。そこには仏壇があった
「まひるちゃん、ただいま」
操一朗は仏壇の写真に挨拶すると手を合わせた
「報告は…、敵をちゃんと倒してからするから…」
操一朗はそう言うと襖を閉めた
いつもは娘と父2人だけの食卓だが、今日は操一朗も加わり賑やかだ
「つーかさ、和奏、これ野菜多くね?」
「どうせお昼肉ばっか食べたんでしょ、なら夜に野菜摂りなさい」
操一朗の目の前には、ほうれん草の白和え、かぼちゃの煮物、きんぴらごぼう、胡瓜とワカメの酢の物、焼き鮭に大根おろしとシラスが添えられていた。そしてじゃが芋と玉ねぎの味噌汁、雑穀ご飯が並んでいた
「…いただきます」
「はい、いただきます」
「いただきま~す」
操一朗、隣の和奏、二人の目の前の圭介は手を合わせて箸を取った
♪♪♪
食事が終わると茶の間で操一朗と和奏は食後のお茶と、紗羽の家から貰った(正確には檀家から貰って余った)ちょっと高級な店の和菓子の詰め合わせを食べていた。操一朗も和奏も髪をおろしていた
「そういえば、紗羽と宮本とはどうだった?友達にはなれそうか?」
「うん、合唱部の手伝いすることになったの。宮本さん声楽部辞めて新しく作るんだって。当面の目標は今度の発表会」
「ふ~ん」
「そういえば操一朗、沖田さんと知り合いだったんだね」
「あぁ、五嶋さん家があそこの檀家さんでな。その縁で小学時代からちょこちょこ。サブレのついでにな」
「そういえば、馬好きだったもんね」
「おう、将来は北大獣医学部で勉強して大型動物専門の獣医になるんだ」
「そっか…、いいね自分のやりたいこと決まってて」
「……」
操一朗は食べかけの饅頭を口に放り込むとお茶を流し込んだ
「俺はたまたま近場で好きなことがあってそれを仕事にしてみたいって思っただけだよ」
「私は…、」
和奏は湯のみを両手で持ったままうつむいた
「ま、普通科に来たけど、お前、音楽が嫌いになったわけじゃないんだろ?」
「…うん」
「なら、さ。音楽科だけが音楽じゃないだろ」
「え…?」
「たしかに、音楽で将来食べてこうとしてる奴が回りにいて、お前自身気付かないうちにその空気に、というか音に浸って周りがつまらない音にしか聴こえていなかったんじゃないか?」
「…!」
「あいつが本気なのは、俺が見ていても分かる」
「…本気」
「本当の気持ちってことだ」
「音楽科の生徒や教頭からすりゃ“お遊び”って軽視されてる、てか、されてたあいつの音楽はよぉ、だけどたしかに本気ではあるぞ。」
操一朗は和奏の胸を右の人差指と中指を立てた形でトンと小突いた
「あいつの本気の音楽、聴いてみな。耳じゃなく、ここでよ」
「音…」
「あぁ、なんかこれ親父の口癖だったらしい。まひるちゃんが言ってた」
操一朗は自分が言ったこととやったことが急に恥ずかしくなって誤魔化した
「そっか…」
「とりあえず、紗羽はちゃんと話聞いてくれるし相談にも乗ってくれる。宮本の方はよくは知らんけど、悪い奴ではないぞ」
「うん、それは今日わかったかも…」
「さて、それじゃ俺はもう帰るわ」
「あ、待って」
和奏は台所から大き目のタッパーを紙袋に入れて持って来た。中身は、夕飯とは別に作っていた肉じゃがだった
「これ、ちゃんと食べなさいよ。お肉も入ってるから」
「うぇ~…」
「まったく、操一朗のことはお母さんから頼まれてるんだよ、お姉さんとして面倒みるようにって」
「…、そうかい…」
誕生日的には操一朗の方が上なのだが、敢えて口にはしなかった
♪♪♪
帰り道、バイクを走らせながらヘルメットの中で操一朗は呟いた
「…俺だってまひるちゃんから頼まれてんだよ、和奏を、守ってくれってな」
♪♪♪
それから、合唱部はなんとか人数を集め新設の申請も受理された。急場で集めたメンバーだが、取りあえずの体裁を保ち、発表会の日を迎えた
この日は雨が降っていたので体育館でバドミントンをしていた。張り切りまくる大智を眺めながら、操一朗は床に座っていた
「ん?」
女子のコートを見ると和奏が携帯片手に外に出て行くのが見えた。水を飲みに行く体を装って操一朗も外へ出た
「…え?……うん、うん…、わたし!?…うん、……でも………わかった」
「和奏」
「!?操一朗…」
「今のは宮本か?」
「よくわかったわね…。顧問の校長先生が時間になっても来ないから部長としてここで待つって。でもそれだと会場での音合わせができなくて…」
「もしかして教頭か…?」
「うん…、私が合唱部として会場で音合わせしなさいって、でなきゃ合唱部は出場辞退させるって…」
「紗羽は?」
「沖田さんは産休中だけど副顧問の高橋先生呼びに行くって。だけど携帯繋がらないんだって」
「…っし、だいたい分かった。ちょっと紗羽にかけろ」
操一朗は和奏の携帯を借りた
「…、あ、紗羽か俺だ。事情は和奏から聞いた。たぶん智子さん~…、高橋先生今日は定期検診で市立病院の産科に行ってるはずだ。そっちに直接行け」
操一朗は携帯を切ると和奏に返した
「体育の綾部先生には俺から説明しとくから、お前は着替えて行ってこい」
「…うん、ありがと」
和奏の表情が心做(ココロナ)しか、こないだより良い意味で変わっているように感じた
♪♪♪
弓道部顧問で体育担当の綾部先生に和奏の事情を説明した操一朗は体育の授業に戻った。大智相手にわりと善戦して、2人は火照った身体を冷まそうと開けてある窓へ近付いた
「そろそろ合唱部の発表か?」
「たぶんな…」
大智の問いに応えた操一朗は、小雨が降る空を見上げ、
「…しっかりな…、和奏」
小さく和奏を想い呟いた
瞬間!
キィィィィィン
操一朗の頭に直接氷の結晶が震える音が響いた
「っ!」
操一朗の表情が険しくなった
「大智、スマン!和奏に忘れ物届けてくるから、体育とこの後の授業特欠扱いにしてくれるように先生に説明しといてくれ!」
「はぁ!?ちょ操一朗…!」
言うと同時に操一朗はダッシュで体育館から出て行った
ジャージのまま駐輪場に行くと空からレイバットが降りて来た
「操一朗、こないだ逃がしたファンガイアだ」
「おう、どこだ」
「…どうやら、和奏嬢が今居る市民ホールらしい。玄牙(ゲンガー)が先行しているから間違いない…」
「…っくそ!」
操一朗はヘルメット被るとバイクを発進させた
♪♪♪
町は平日の午前中だというのに休日以上に混雑していた
「どうなってんだ…、くそっ」
ヘルメットの中で舌打ちする操一朗
「どうやらあのファンガイア、ライフエナジーを獲り損ねた腹いせ、というか手当たり次第に建物とかを破壊しながら移動しているらしい」
「……」
「操一朗、ここで奴を倒さねば被害はこれの何倍にもなるぞ」
「…あぁ」
「この街一つではすまないかもしれない」
「…あぁ」
「戦えるのか?」
レイバットの問いに、操一朗は応えた
「この街は確かに気に入っている、が、はっきり言ってそれだけじゃ戦う理由には足りなかった」
「ほぅ」
「俺の中の戦う理由、そんなの、最初から一つだけだ」
操一朗は片手でベルトを装着した
「和奏(あいつ)を守る!」
「(音夜、お前の息子はやはりお前の子だぞ…)」
レイバットはバイクに噛み付いた
「ギャブリ!」
バイクは通常モードから白緑青(ビャクロクショウ)色のマシンレイダーへと覚醒した
一般人には不可視となった状態でさらに速度を上げた操一朗は、バスや車をあっという間に追い越して行った
ザシャッァ!
操一朗はバイクをドリフトさせ、今まさに市民ホールへ魔の手をかけようとしていたスパイダーファンガイア目掛けバイクから跳躍、素手で殴り飛ばした
「ぐ、貴様らは」
「ゲン!」
「OっK~!」
市民ホールの影に潜んでいた玄牙(ゲンガー)が浮かび上がり幻術結界を張った
「レイバット!行くぞ」
「うむ!」
操一朗はレイバットを右手で掴んだ
「ギャブリ!」
レイバットを垂直に構えた左前腕に噛ませた
ピキピキピキ
操一朗の周囲に氷の結晶が浮かび上がり六本の六角柱となり操一朗の姿を隠した
「変身っ!」
ガシャン
レイバットをベルトの中央に逆さまに取り付けた
「華激(カゲキ)に行こうか!!」
パキィィン
氷の六角柱を砕きながら仮面ライダーレイが突進し、スパイダーファンガイアを弾き飛ばした
♪♪♪
ホールでは街でスパイダーファンガイアが暴れまわった影響で交通障害が発生したため、他の部員を乗せたバスが来られず、しかし、来夏と紗羽は2人だけでもステージに立った。来夏は明らかに足が震えているし、紗羽も頬に冷汗を浮かべていた
「…」
和奏は今まではただ勉強とかカリキュラムとかそういう音楽しかしてこなかった。それもある意味では正しい“音学”かもしれないし、それを否定する気もない
ただ、自分が好きだった、大好きな母と操一朗と一緒に“楽しんでいた音”は…
「操一朗…、私、やってみるね」
和奏は意を決してピアノの前に座り、鍵盤を叩いた
♪~挿入歌~♪
心の旋律(♯2Ver.):宮本来夏・沖田紗羽
「おぉぉぉ!」
レイはダッシュから跳躍、全体重を乗せた右パンチ(日本拳法における直突き)をスパイダーファンガイアに喰らわせた
「ぐぅ…、はぁっ!」
バッ
スパイダーファンガイアは口から糸を網のように吐き出した
「そうはさせん!」
ヒュゴォ
ベルトからレイバットが飛び出し、口から冷気を吐いて糸を凍らせた
「サンキューレイバット!」
レイは一足一刀の間合いから跳躍すると左拳を握り鎖が巻かれた前腕を、スパイダーファンガイアの頭上目掛け振り下ろした
「っ、らぁっ!」
ゴッ、ゥン
強靭な握力と堅い鎖が巻かれた腕を鉄槌と化した攻撃はスパイダーファンガイアを一撃でダウンさせるほどの威力だった
「決めるぞ!」
「うむ!」
レイは右腰の色取り取りの笛の中から白い笛、ウェイクアップフエッスルを取り出し、ベルトに戻ったレイバットに咥えさせた
「ウェイカップッ!」
周囲に冷気が立ち込め、スパイダーファンガイアは全身が凍り始めた
「はぁぁあ!」
レイは前方へとダッシュ、跳躍し、全身を巡る人工魔皇力とその運動エネルギーを右足一本に集中させ、スパイダーファンガイア目掛け放った
パキャァーン
仮面ライダーレイの必殺技『アイスミストブレイク』を喰らい、スパイダーファンガイアの身体は氷の破片となって砕け散った
♪♪♪
「あれ?操一朗」
「よぉ」
和奏が市民ホールから出てくると操一朗がジャージ姿で立っていた
「…その顔、昔みたいになってきたな」
「…そうかな?」
操一朗の言葉に照れる和奏
「よし、今度の休み2人でどっか行くか。お前の好きなもん奢ってやるぞ」
操一朗はもたれていた壁から背筋を使って反作用で勢いよく離れるとデート(とは厳密には違うが)に誘った
「ごめん。今回の報酬として沖田さんと宮本さんにケーキ3つ奢ってもらうから無理」
「………そうか」
そんな操一朗を雨も上がって日光が差し込んできた空でレイバットと玄牙(ゲンガー)が2人して笑っていた
登場したスパイダーファンガイアはただの雑魚キャラです
テレビのとは異なります
『緒川操一朗』
◆イメージボイス:保志総一朗
◆名前の由来:緒→弦楽器の弦 +バイオリンの弦をイメージした川 + 操→弦を操る + 一朗
◆容姿:大門大(デジモンセイバーズ)に眼鏡
◆性格:普段はクールだが好きなことには熱い
◆身長:180m
◆体重:70kg
◆髪色:茶色(肩まで伸ばし一部を結んだショートポニーテール)
◆瞳色:紫
◆眼鏡 縁:暗紅色
◆右眼:0.5(裸眼)→1.3(眼鏡)
◆左眼:0.5(裸眼)→1.3(眼鏡)
◆好物:馬 風呂
◆苦手:汗でべたついた服
『仮面ライダーレイ』
◆身長:200cm
◆体重:100kg
◆パンチ力:19t
◆キック力:11t
◆走力:100mを6秒
◆ジャンプ力:ひと跳び20m
WMCが開発した対レジェンドルガ用戦士、そのシステムの総称にして固体名称
ギガント族を基に開発されており、見た目はイエティを彷彿とさせる
スピードはあまりない
カテナで封印しているので本来の半分程度とはいえ圧倒的な腕力と防御力で相手を責める
『レイバット』:若本規夫
キバット族を基に人工的に作り出された白い蝙蝠のモンスター
変身時の台詞は「華激(カゲキ)に行こうか」
声や口調に迫力はある
性格は冷静沈着
戦闘時の指令を出したり策を出したりする
変身アクション
①腰にベルトを装着する
②レイバットを右手で掴む
操一朗「変身!」
③垂直に構えた左前腕に噛み付かせる
レイバット「ガブッ!」
④ベルトにレイバットを装着する
レイバット「華激(カゲキ)に行こうか」