「じゃあ行ってくるわね あなた」
「あぁ、気をつけてな テレサ」
10月も終わり、11月に入った
レイラちゃんも最近はモデビルの仕事で忙しそうだけれど、毎日が楽しそうでこちらも嬉しくなる
「今日はあっちの方へ行ってみようかしら」
「かしこまりました」
私の趣味は森林浴だ、今の時期だと紅葉も綺麗な時期でもあるし丁度いい場所を知っている
SDのテラも付いてきてくれているので安全面もバッチリ
そんなものなくても結構強いんだから気にしなくてもいいんだけど、あの人の愛を感じられて悪い気はしていない
「楽しみねー、通称不思議の森 珍しい物が沢山あるって話だもの」
「ガヤガヤ森です奥様、私も奥様に付き合っているうちに私も随分と植物に詳しくなりましたので興味深いです」
「そうだわ!今度スージーちゃんに会いに行きましょう! レイラちゃんの学校で先生をしてるって言ってたもの、珍しい魔植物なんかも見られるかもしれないわ!」
「かしこまりました、では連絡をしておきます」
車があるとしても屋敷からガヤガヤ森は少し遠いので、一度街で休憩してから行くことにした
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「サンドイッチは用意したけれど他に何か買っていこうかしら?」
「飲み物やいざという時の医療品などはございます、必需品は揃っておりますね」
「あら、あれは?」
魔界の市場で珍しいものを見つけた、インスタントカメラだ
最近はス魔ホの普及で絶滅したと思っていたのだけれど、残り一つだがまだ残っているようだった
現像はレイラちゃんに頼めば大丈夫だと思うので買っていくのも良いかもしれない
「「じゃあ一つ買っていきましょうか……あら?」」
声が被った気がしたのでそちらの方を確認すると、すごい美人がそこにはいた
どこかで見たことある気がするがどこだっただろうか
「貴女もこれをお買いに?」
「そのつもりだったけれど、欲しいならあげるわよ?」
口調はフランクだがどこか上品な話し方をする
もしかしたらどこかの貴族の方なのかもしれない
カメラもかなり欲しいってほどでもないのでここは彼女に譲るとしよう
「いいのよ、私この後森にピクニックでもしようかと思ってまして、そのついで程度にたまにはこういうのも良いかと思っただけだから」
「あら! 貴女も森に?もしかしてガヤガヤ森かしら? 私もそこに行く予定だったのよ、仕事での視察だけれどやる事はそう変わらないわ、よかったらご一緒にいかが?」
「お仕事なの? お邪魔にならないかしら……」
「いいのよ! 一緒の方がきっと楽しいわ!」
そう言って可愛らしく笑っていた
「そういうなら、一緒に行きましょう 私はガイスト・テレサよ よろしくね」
「アスモデウス・アムリリス、アムちゃんって呼んでくれる?」
「アムちゃんいいわね! じゃあ私もテレちゃんでどうかしら?」
「テレちゃんね! よろしくね!」
「そして私がマミー!」
「わぁっ! ど、どなた?」
アムちゃんと意気投合したと思ったところに割り込みでもう一人別の方が来た
「ガヤガヤ森に行くのでしょう? 私あそこに住んでるから案内しましょうか?」
「ガヤガヤ森に住んでる……?」
これからその森に森林浴に行こうという所ではあるけど、住めるような場所ではなかったと思うのだけれど冗談だったり?
……冗談を言っているようには感じない、という事は本気のようだ
「あなたは?」
「マミーと呼んでくれるかしら? いや、ここは合わせてマミちゃんで!」
「マミちゃん!」
「はい!」
アムちゃんと勢いだけで意気投合したようだ
まぁ悪い
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
マミちゃんの案内でガヤガヤ森を進んでいく、魔界の森は色んな生き物がいて楽しいがその中でもこの森は特に楽しそう
まだ入って十数分程度なのに既に知らない生物がちらほらと見えて来た
魔植物には多少詳しいつもりだったけれど、どうやらまだまだのようだ
「あら、ピクニックに来たの? 珍しいわね」
「えぇ、元々色んな森で森林浴をするのが好きでその一環なのよ」
「いいわね♡ アムちゃんも今度アリスちゃんを連れてピクニックに行こうかしら?」
「アリスちゃん?」
「うちの息子よ♡ とってもかわいくて賢いの!」
「へぇ! うちも娘がいるのよ! レイラって言うのよ」
「私もよ! クララにウララ、コンちー、キー坊そしてシンシンとランラン! みんな元気で可愛いわよ!」
「たくさんいるのね! ん?レイラちゃんにクララちゃん……? あ!そういう事ね!」
アムちゃんはぺちっ、と手を合わせて何かに思い至ったらしい
「あなた達の子供って今年バビルスに入ったばかりでしょう?」
「そうよ、レイラちゃんは今もバビルスにいる筈ね」
「……ごめんなさい!今思い出したわ! アムちゃんと私って
「こちらこそごめんなさいね、さっきまで違和感はあったのだけれど思い至るのに時間がかかったわ」
「そうだったの? そういえばクララって名前はよく聞くわね、アリスちゃんっていうのは聞かないけれど……あっ、ごめんなさい!アスモデウス君の事かしら!?」
「えぇそうよ」
レイラちゃんは彼の事をアスモデウスと呼んでいたからそこにたどり着かなかった
最初にアムちゃんがアスモデウスと自己紹介していたのにその時に気づくべきだった、反省だ
「アスモデウス君……アリス君の事はレイラちゃんからも良く聞いてるわよ、勉強でも実技でも勝てなくて悔しいってよく言ってるもの」
「青春ねー、アリスちゃんは家ではずっと入間君の事ばかりですもの 他の子の事はたまにしか聞けないのよね」
「クララは色んなことを教えてくれるわ、何を見て何が良かったとか何が楽しかったとかね? あ、でも最近は勉強も良くしているのよね、ウララに感化されたのかしら?」
「いい事じゃない、勉強はやる気がある時にするのが一番いいわよ」
「それもそうね、あ、そろそろ着くわよ おすすめなのよここ」
「結構広い丘ねー」
「奥様お気をつけて、至る所に魔獣が潜んでいるようです」
「あら」
綺麗な丘だと思うのだけれど、危険な場所なのだろうか
わざわざそういう場所に案内する方とは思わないのだけれど
「確かに魔獣もいるけど、ここはスーパーマーケットなのよ! 色んな食材が天然から採れるの!」
「なるほどそういう事なのね」
周りに幾つか見える茂みになっている木の実とかもきっと食べられるものなのだろう、幾つかは食用として聞いたことがある植物もあるので嘘とも思えない
「じゃあいっぱい収穫して持って帰りましょう!」
「アムちゃんもやるわよ!」
「「「おー!」」」
そうして突然開始されたママ友収穫祭、マミちゃんの案内でガヤガヤ森の食材収穫ツアーと相成った。
樹が肉になったり、草原に直にサラダが生えているなど普段では想像もしていなかったような不思議生物たちがそこには居た
とくにまちょむぺけぽん……あれは、まだレイラちゃんには速すぎるかもしれないわね
「じゃあ最後に究極の食材を採りに行きましょう!」
そういって向かったのはみかえり洞という場所の前
「この辺りに多く生息する生物がお鍋にいいのよ~」
そうマミちゃんが言った瞬間だった
大きな影が、一つ……二つ、三つと現れた
「「「シャアアアアアアアアアアク!!」」」
「随分と大きいのが出たわね」
「結構可愛くない? 色々出来そうだし」
「シャブシャブよ!とってもいい食材になるんだから!」
サイズはかなり大きく、見た目は鮫に様々な野菜が付いていて良い匂いもする
視るだけでも食欲をそそられる辺りそういう魔力を持った魔獣なのだろう
「じゃあ」
「そうね」
「やりましょうか」
丁度相手は三匹、こちらも三人 テラもいるが、彼は後ろに下がって貰った
「えいっ!」
ドゴォ!!!
「ギャアアアアッ!!」
マミちゃんはその拳で一撃で沈めていた、身体強化が得意なようだ
「眠りなさい」
「シャ……」
アムちゃんは精神に干渉しての意識混濁と言ったところだろう、手を触れずに鮫は眠ってしまった
そして私の番だ
やる事は単純で、指差し確認、それだけ
「【
極小の光線がシャブシャブを貫いた、傷口は小さく小指ほども無いがそれだけで充分
ズズンッ!!
光線が命中したシャブシャブはたったそれだけで力を失ってその場に倒れた。
これを為したのが私の家系能力である【
この能力は、生物に限り肉体的情報を得ることが出来る能力で、主に医療に使われる
マルバス家の【
その発展形によって、生物の弱点を把握することが出来るので、極小の力だけで相手を倒すことが出来るってこと
「じゃあ解体して回収しましょうか」
「その後に休憩しましょう? サンドイッチ作ってきたのよ」
「あらいいわね! じゃあうちに案内するわ! それとも外がいいかしら?」
「外のつもりだったけれど、折角だしお邪魔しようかしら?」
そんな感じでマミちゃんの家へと行くことになり、その後もウァラク家の子供たちと交流したりと愉しい時間を過ごせた
途中クララちゃんの家にお邪魔しにレイラちゃんが来て驚くなんてこともあったけれど、それを含めてとってもいいお休みの日になった
【スキ魔】
写真現像中のレイラ「野菜貼り付けたでかいサメが三匹ってどういう状況……?」