『プレゼントは私♡ 捕めその手に!アクドル大騎羽戦!』
マチャラが宣言して、実質最後の競技が始まった
騎羽戦とは、かつて魔界で戦争があった時に倒した悪魔の羽を戦果として誇示していたところからある、故に騎"羽"戦ということである
まぁつまるところ他の人間界っぽいスポーツと同じというわけだ
ルールもほぼ同じで、鉢巻やらリボンを奪い合うものなのだが、特徴としては騎馬……騎羽にもリボンがついており、そちらは20P、上の大将は100Pとなっている、因みに全員のリボンが奪われれば即時脱落となり、0P扱いになるので自分のリボンに気をつける必要もある
ちなみにPとはなんなんだという話なのだが、こちらは実は今までの競技でもそれぞれの方法で得点が稼げている、的当てなら的自体に得点、レースなら順位だったりだ
そして上位4位までのチームが最後にライブを行う権利がある
因みに俺が追加した的は0Pとして扱われているので、入間だけで1位を取るなんて事はない
というかこの種目が得点高すぎてこれだけで上位が狙えるほどで、まさしくテレビと言った感じだ
『飛行や魔術は禁止です!身体のみのガチンコ勝負!』
『当然ですが、魔具などの道具も禁止となってます』
つまり俺が参加すると最弱となる、多少は鍛えているが今の俺の筋力は低めだし体質的に力が出ない、重力補正なしじゃいくら強く押してもこちらが吹き飛ばされてしまうのだ
『さあさ! 位置についた!観客の皆さんは推しコールをお願いします! ネネちゃーん!!』
『ネネット推しだったんですね、え?私? あー、じゃあリンディ頑張れー』
リンディはちょっと目立ててないし、ここらで一つ目立って欲しいものだ
トップアクドルのくろむはともかく他もメリーとイルミだから仕方ないのだが
『大量得点が狙える大合戦! それでは! よーい! スタート!!』
ドッ!
開始と同時にメリーが駆け出して次々と噛み獲っていく、ちょっとナベリウスのとこのケルベロスを思い出す様相だ
なんか形相を見るにも本気だが、何かあったのか……いや、何かあったか
くろむの結婚宣言は入間に対して好意を持っているアメリさん的には受け入れがたいものなのだろうし、くろむ自身も終わったら誤解を解くつもりだろうから、その辺りを持って早めに終わらせるつもりなのかもしれない
まぁ、いくら頑張ってもこの大運動会は月越しイベントなので終わる時間は変わらないのだけども
『ギャリー側もガチ編成ですね、ギャリーはともかく他のメンバーは私以上に顔を隠して肉体派で揃ってますね、アクドルなのにいいんでしょうか』
『彼女らはギャリー様の親衛隊みたいなものですからね、あれでいいそうです』
『へぇ、なんかすごいですね』
なんか筋骨隆々のペストマスクの子や、犬のような子やガーコとは違って顔だけワニっぽいマスクの子がいる
その彼女らが大きなソファだかベッドだかに乗ったギャリーを持ち上げている
騎馬戦とは違って3人が土台になるのは同じなのだが、ある程度の自由度が効くのがこの競技である、とはいえ普通に弱いのでギャリーみたいなことをする事はそうないのだが
この二組が圧倒的に強く他のチームは次々とやられていった
『ネネットチームは意外と避けるのが上手いですね、取るのはちょっと苦手そうですが』
『私個人としては頑張って欲しいですがこれは……おっとここで!両雄相まみえた! チームデビムスとチームキラーチューン! 一騎打ちの形となりました!』
『結婚騒動組との声も聞こえてきますが、ある意味これは痴情のもつれというべきなんでしょうか』
『ゴンテツさんは黙っててください』
ギャリーとの思い出を少し思い出す
実は俺はくろむのライブよりも先にギャリーのライブに行っているのだ
とはいえくろむの方のライブのようにノリノリでオタ芸はしていないし、どちらかと言うとゼラさんのようにロックスター系のライブなのもあるが、単純に俺が楽しみ方を知る前だからというのもあった
「レイラー、ギャリー様のライブチケット貰ったんだけど行かない?」
「良く手に入ったねエイコ」
「ファンの子が偶々予定が被っちゃって外せない用らしいんだよね」
という感じにエイコからチケットを貰ったからとりあえずという感じで言ったのが最初なのだ、その頃はモデビルも本当に読書モデルレベルの事しかしてなかったのでほぼ一般人としての参加でもある。
「GYARRRY!! ROCKNROOOOLL!! DEVIWATCHER!!」
「なんかすごい勢いの曲だねぇ」
「この曲しかないんだってさ」
「へぇ」
そうだ、その時も目が会ってこう言われたんだった
「お前、あたし様とアクドルをやれ」
「はい?」
「くろむ程の魅力は無いが、お前が居ればくろむにだって勝てる、そしてあたし様はくろむも手に入れられる」
「いや、わたしモデビルなんで」
と断ったんだったっけ
しかもこれライブ中に言われたことなのだから尚更驚きだ。
ギャリーのライブはこういう事が多く、俺も何度か友人としてライブに参加しているが
その後も連絡が何度か来て遊んだりはしている、俺に対してはそれで満足らしくくろむへのそれとは違ってそこまで欲しいとは思われていないようだ
くろむに対しては執着が相当に強く、アスモデウスが入間に対する感情にも近い程に愛しているのだと傍から見てもそう理解出来るのだ。
「くろむ!お前は好きなだけ逃げろ! 必ず捕まえてやる!!あたし様は主人公だからな!!」
騎羽戦の会場でギャリーがそう叫んだ
彼女はやはり誰よりも強欲で、だれよりも一途な悪魔なのだ
それを受けたくろむもまた、その思いに対して誰よりも真摯に向き合っていると言える。
手に入った宝物には意味がない、そういうタイプのギャリーに対して絶対的に手に入らない宝物で居続けるくろむであり続けるのは至難の業ではなく、それでいて最大最高の返し方と言える。
息をのむほどの攻防で、両チームがリボンを奪い合う
デビムスの方は攻撃性能の高いメリーに、回避性能の高いイルミがいる、更には……
「ッ! 何してんだ!しっかり地面を踏みしめろ!」
「すみませんッ! 変に踏みづらい場所ばっかり誘導されて……!」
と、相手の騎羽の子が行動しづらい場所へと的確に誘導するように二人に支持している悪魔が居た
それがリンディだ、彼女は収穫祭やそのほかのイベントの経験から成長していたようで、家系魔術無しでも相手に対する観察眼がかなり高くなっていたらしい。
それを利用することで盤面を支配とまでは行かずとも有利な方向へと誘導することに成功していた、このまま進めばくろむ達が勝つと思った時だった
「くろむちゃんガンバレー!!」
思わず関係者席から飛び出してきてしまったのかチマちゃんが、会場に上がり込んでしまった
そして運の悪い事に滑りかけたキラーチューンの騎羽に巻き込まれるところだった
「チマッ!!」
『っ!!』
ドオッ!!!
とにかく怪我を軽減させられるようにチマちゃんの前に【
衝撃によって起きた砂煙でよく見えないが、魂視で確認すると安心できた
『こ、これは……!』
『流石……というべきでしょうか』
煙が晴れると改めてよくわかった
イルミ達、デビムスの騎羽が三人がかりで相手の騎羽からチマちゃんを守ったらしく怪我もないようだった。
だが、その騒動のタイミングで動いていた悪魔もいた
『時間終了ー!!! チームギャリー大量得点だぁ~~!!』
ギャリーがくろむのリボンを奪取して、ここで一位となった。
同時にリンディがギャリーのリボンを取ろうとしていたのは見えていたのだが、それよりも救助を優先したのだろう。
甘いが嫌いではない、個人的にはその選択は尊重してあげたいと思っている。
何とか騒動もまとまったが、最後の種目であるライブは得点が一位のチームがジャンルの選択が出来る。
ロックアクドルであるギャリーは当然ロックを選ぶ
くろむたちはそれに対してどうにかしなければならないのだろうが、イルミがいるのなら問題ないだろう、彼女ならこういう時にどうにかして見せるのが常なのだから
『それでは最後の種目まで休憩時間となります! お客様方は再開までの間にお手洗いや……ってぐえっ!』
アナウンスで休憩の宣言中に首根っこを掴まれて裏へと連れてかれた
「げほっ! 後残ったらどうするのさ!
「……正直くろむ以外のデビムスメンバーには気にしてなかった、だが、あたし様でも万の一つでもしてやられる可能性があるってわかった、何処から連れて来たのか知らないが、あの三人はどれもちょっとはマシみたいだしな だからだ、あたし様に協力しろRAIN」
「……は?」
この章かなりライブ感強くて二次創作で挟める部分が少ないですが、次回クライマックスです