アクドル大
観客たちは流石にグラウンドに上がれないが、客は客で移動売店などで飲み食いが許されているので皆で最後に楽しむだけというイベントだ
このイベントに関しても司会の仕事があったのだが、アクドルのライブに連れていかれたとはいえ参加した俺も今だけはアクドルたちと一緒に参加している、とはいえマスクは付けたままで他のアクドルの邪魔にならないようにはしているが
「わかるかRAIN」
「わかんないよギャリー」
「わかれよ!」
「何をだよ!!」
突然ギャリーが何か言いだしたのに対応しただけなのにこれだ
俺は読心術なんか使えないので分かるわけがないだろう
「確かに今回!
そう、結局チームとしては負けたのだ
いや、俺は無理矢理の追加だったし準備の時間も無かったので不完全燃焼だったので少し不満だがギャリーとしてはそれでも満足らしい
モストヴァリュアブルアクドル、通称MVAというアクドル
ほぼやってることがプロポーズだったのだがくろむもまんざらでもなさそうだったのでそこは良いが、普通に放送事故になるかと少しヒヤッとした、おかげで結局司会に戻れなかったし
「あれはもはや結婚だろ」
「何を言っているんだ?」
「仲人は任せるからな」
「本当に何を言っているの?」
確かに音楽で繋がってた気がするが、まさかそれで結婚と言っているようでもう結婚式までするつもりなようだった
と、そこで少し不機嫌そうな顔のくろむが合流して来た
「何言ってるのよギャリー、結婚はしないって言ってるじゃない」
「あ?……なんだよくろむ、アレだけ通じ合ったじゃないか あんなの結婚だろ」
「……お酒でも飲んでるの?」
「素面でコレっぽいんだよね」
「素面と言えば……あれ何!? RAINギャリーに何かしてたでしょ!?」
「ん? あぁあれ? 強制悪周期、他人に故意的にしたのは初めて」
「完全に精神高揚してたが、RAINお前そんな事出来たのか……あれってまだ出来んのか?」
「出来るけど頻繁にはダメ、悪周期不全になって体調崩すよ」
実際俺の悪周期もどきは強制悪周期でのパニックより、その後の体調不良が問題だったのを思い出す
今回のギャリーの悪周期は終わり次第すぐに元に戻したのだが、あのまま強制悪周期のままにしておくと魔力が暴走したりして今頃ベッドだっただろう
それもあって、普段する事もする意味も無いんだが、入間の悪周期もどきに対抗するにはあれくらいしたほうが良いと思ったのでやったし、ギャリーならああいうのを好むと思ったのでやった
と、そんなことを教えた、流石に俺が元祖返りなので正確には悪周期ではないとかは言っていないが
「なるほどね、あんたの悪周期ってやばいのね」
「体調がなぁ? それぐらい構わねぇけど」
「私の責任になるからダメだって、魔関所に捕まっちゃうよ」
「でしょうね、普通に傷害行為よこれ」
「あたし様は楽しかったがなぁ」
「はいはい、今回限りだよ イルミがやったからやっただけだしね」
「あ! そうだイルミだよ! あいつあんなだったか?」
「悪周期らしいわよ、前もあんな感じだったし」
前とは王の教室の時の事だ
そういえばだが、悪魔の悪周期は早かったり遅かったりするので期間でバレることはそう無いだろうが、あれ以外と今回以外に悪周期もどきはやってなかったと思うが、実はしていたのだろうか?
イルミの方を見て見るが、まだ悪周期もどきのようであれがいまだにどういう状態なのかが分からない
魂視で見たいが前に入間が悪周期だった時に見た時は、あの指輪からやばい気配がしたので確認が出来ない、今度直接聞いてみようか
「ちょっと私行ってくるわ、イルミと話したいことがあるし」
「じゃああたし様も……」
「ギャリーはちょっと後にしよう、二人で話す時間ってのもいるもんだよ」
「……じゃあちょっと先に飯食ってくる」
「おっ、意外と素直」
「うるせぇ」
そう言ってギャリーは食べ物を取りに行った
どうせなので俺一緒に食べ物の方に向かって行く
と、ここで俺も声が聞こえた
「あの、RAINさん!」
「ん? あ、ネネットじゃん」
3位タイのチームムーンプロのネネットだ、彼女とは夏に水着撮影の時に最初話しかけられたのを思いだす
あの時はまだ青い部分も見えていたが、その時と比べてもアクドルとしても成長した
その結果くろむやギャリーに次ぐアクドルとまでなったのだからこの一年間で最も成長したアクドルは彼女なのかもしれない
「でも、結局ライブしなくて良かったの?」
「はい、あそこまでのライブに参加するのはまだ無理だと思ったし、あの後にするほどの勇気も実力は今は無かったので」
「
「……はい!」
「そっか、応援してるよ」
この子もきっともっといいアクドルになるだろう
これはくろむやギャリーもうかうかしてられないんじゃないだろうか
「だーかーらー! 僕はそういうのは良いって言ってるじゃん!」
「えー、照れなくてもいいじゃん」
「おいやめろ、嫌がってるだろ」
「……ふぅん、珍しいじゃん お前が俺をそうやって止めるとか」
なんか向こうの方でリンディを中心に少女漫画が始まっている気がする。
相手はビーバ達チームヘルスカイの面々、彼らも3位タイで上位では唯一の男性アクドルなので相当な実力者ではある
なぜか尻尾引きの種目でリンディの相手は彼らチームがまとめて相手になってたのだが、その時何かあったのかめちゃくちゃ気に入られたらしい
俺が見ていることに気が付いたリンディがこちらに助けを求める視線を送ってきたので笑って手を振っておいた、面白いのでそのままでいて欲しい
「あの子も大変ですね、ビーバたちって女性人気かなり高いのでアンチ増えなきゃいいけど」
「大丈夫だよ、だってリンディは……まぁデビムスの子だしね」
「確かにデビムスはそういうのの対応凄いですからね、まぁ何かあったらこっちからも助け舟出そうかな、折角の期待の後輩アクドルだし」
「喜ぶと思うしやってあげて、モデビルの私じゃやる事にも限界があるしね」
結構優しさと周りを見る力が強い子だ、自分さえよければそれでいい魔界では結構珍しいタイプかも知れない
いや、他人に優しさを与えられるという意味では人間界含めてもかなりレアか。
是非ともこのままで居続けていて欲しい、前はあまり気にしなかったが今後はたまにはネネットの事もチェックするとしよう
「あっ! そうだ、聞きたいことあったんですけど! RAINさんってイルミ様とご知り合いなんですか!?」
「え? あー……まぁ、うん くろむ繋がりでね」
「確かにくろむさんとRAINさんが仲いいってのは有名ですもんね…‥‥でもそっか、いいなぁ 私もイルミ様と仲良くなりたい……!」
「今のイルミは悪周期みたいなものだけどいいの?」
「いいんです! 普段の魅力に悪周期の魅力のギャップが重なってもう……!」
「そっか、そりゃあ良かった 後で話して来たら?」
「いえ!挨拶はもうしたのでこれ以上はちょっと近づけないです!」
「そ、そう」
謎のきまりが生まれているようだ、さて、そろそろ俺もイルミと話したいのだが、いけるだろうか
イルミの方を見ると丁度ギャリーとくろむの二人に絡まれて痴話喧嘩みたいになっているところだった……ふむ
「ちょっと、私行ってくるね また今度ご飯でも行こうね」
「あっはい! よろしくお願いします!」
ネネットに別れを告げ、イルミの方へと合流した
丁度メリーや逃げて来たリンディも来たようでデビムスメンバーが揃った
「お疲れイルミ」
「おう、RAINか お疲れ」
「それほんと何がどうなってそうなってのか気になるけど……その前に 司会ながらも今回結構楽しめたよ、優勝おめでとう」
「本気を出せないお前相手に勝ってもなってのはあるけど……ありがとな」
悪周期イルミへの質問は今度にするとしてもっとレアなアクドルたちとの話もしたかったのだ、
「いやぁ、にしても改めてみるけどメリーいいなぁ 本格的にアクドルやらない?」
「や、やらん! いや、確かに貴重でいい経験ではあったがそれとこれとは話が別だ!」
「えー、じゃあリンディは?」
「えっ……やらないよ?」
「モテるのに?」
「いや、絶対それ僕の望んでいる方と違うじゃん!」
まぁ実際男性モテなのでそうだが、それはそれで自己肯定感が上がって楽しいのだがな
男性の意識を持って芸能人をしていた先輩としても本気でおすすめしたいのだが、強要は出来ないか
『皆さーん! カウントダウンが始まりますよ!』
マチャラの声が響き渡った
丁度月越しの時間のようで、年越しのようにカウントダウン生放送が行われるのだ
俺も最初は司会側でのカウントダウンの様だったのだが、どうやらそれ自体もアクドル側とさせるように変更されたようだった
『花が舞い……美しく輝いた大
巨大モニターに月越しカウントダウンが表示された
丁度10秒を切っており、数字が一つまた一つと減っていく
そして会場の全員が声を合わせた
『月越しまで! 5!』
「4」
「3」
「2」
「1!!」
「「「ハッピーーー!! サーティーン!!」」」