「ほ・う・か・ご だァー!!」
「うわっ、びっくりした 急に叫ばないでよレイラ」
「今日ずっと師団の事ばっかり言ってたもんね、色々爆発したんでしょ」
その通り、バビルスに入る前から魔具を作ったり魔具のイベントに行ったりしていたのだが、そこでも良くバビルスの
今は部員は少ないだろうが俺の目的はかつて作られた魔具の設計図や記録、なんなら幾つか実物も見つかる事だろう。
魔具好きとしてはたまらない宝の宝庫が魔具研究師団なのだ。
そこにお邪魔できると考えるともうテンションが上がると言うもの、正直授業は殆ど頭に入ってないくらいだ。板書はしたけど。
「じゃ、そういうわけで早速行ってきます!」
「いってらっしゃい……私も何か師団見に行こうかな、ガーコはどうする?」
「着いてくわよ、エイコ」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
というわけで、やってまいりました魔術研究師団。
入口の見た目は意外と普通の部室と言ったところ、と言っても結構な広さはあるようなので過去の遺産は割と残っているのかもしれない。
団員名は『アミィ・キリヲ』とだけ書かれているので聞いていた通り本当に一人だけらしい、良く生き残っててくれたと褒めるべきだろう。上から目線になりそうなので、実際は言わないけども
突っ立ってても仕方ないので早速ノックをしてみる。
「はーい」
中から声が聞こえたので少し待つと扉が開いた。
「おっ、君は内に来てくれるって言ってたガイストさん! ほら入って入って!」
「はい、失礼します!」
俺の顔を見ると嬉しそうに招き入れてくれる
それについて入るとそこにあったのは……
魔具!
魔具!!
「魔具だらけ!!」
「お眼鏡に叶ったかな?」
「もちろん!どれも見たことないような魔具ばっかりです!」
「僕らの先輩方が作ったもんばっかりやからなぁ、もちろん僕が作ったのもあるで」
「ほんとですか!」
早速先輩の作った魔具をいくつか教えてもらって確認していく。
魔具制作とはある種の芸術でもある。
元々人間界の機械でも作成した個人の特徴が出る物なのだが、魔術という神秘のある魔界で作られる魔具は機械と比べても個人の性格が強くあらわれるものなのだ。
俺も魔具を作成した際は結構性格が出ているらしく、モデビル仕事道具のメンテナンスに来てた魔具整備士の方に見てもらった時に色々指摘された。
アミィ先輩もその例にもれず、幾つかの魔具を見ると分かることがあった。
「制限が無い…?」
それが何を意味するのかは分からないのだが、どれも安全の為の制限機能の類が見当たらないのだ。
といっても、これが問題かというとそうでもない。
人間界なら問題もあるだろうが、ここは魔界なのでこれを使って怪我をしたとか魔具が壊れたとかは使った悪魔の責任になるだけなのだ、まぁその悪魔が制作者に報復するといった例もあるそうだが……こういうトラブルは魔界ではよくあることなので気にするだけ無駄だろう。
「これは何ですか?何かのパーツですか?」
「あぁ、それはやねこっちの部品と組み合わせて……」
ちょっと気になる物があったので聞いてみると教えてもくれる、たった一人の部員とはいえちゃんと理解も深いらしく勉強になる。
少し危なっかしいところもあるのは気になるが…って
「先輩その組み合わせはまずッ……!」
「え?」
ドォンッ!!
「か、間一髪……!」
「あれ?衝撃が……ってこれ君が?」
「あ、はい 練習したんです、【
爆発が予測できたので対応した
入学式の事故があってから時間がある時に
持つべきものは瞬間的に発動できる防御魔術だ
「すごいなぁ……ほんまに うらやましいわぁ」
「今何か言いました?」
「いや、何でもないよ」
と、そこで扉がバンッ!と開かれた。
「大丈夫ですか!? ちょっと外で爆発音がして……」
「あぁ、ちょっと失敗しちゃってなぁ、ガイストさんが守ってくれたから大丈夫やで えっと、君は確か…」
「あ、一年アブノーマルクラスの入間です!」
イルマくんも入る気になったのか見学しようとしたのかはわからないが少しなりとも魔具に興味があるのだろう。
ある意味同士とも言えるが物珍しさに来てみたって可能性の方が高いかもしれない。
現に今きょろきょろしてるし
「こういう魔具を詳しく見るのは初めて?」
「え? あ!ガイストさんもいたんだね、初めてって程でもないけど色んなのがあるなって思ってね」
「なるほどなぁ、まぁ魔具を見たことないって人は殆どおらんやろうけど詳しく見る機会ってのもそんなにあらへんかもなぁ じゃあ気になるやつを説明しよか」
「ぜひっ! お願いします!」
「ガイストさんはどうする?」
「私はちょっとここの機材を使わせてもらえないかなって思ってまして…」
「おぉ、ええよええよ 機材はそこにまとめておいてあるから好きに使ってな。 それじゃ、イルマくんにはうちの誇る魔具を紹介していこうか」
「よろしくお願いします!!」
というわけで、一旦それぞれやる事で分かれることになった
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
にしてもここの設備はうちの屋敷と比べても遜色ないほどにしっかりしている。
工具も使い古されてはいるもののきちんと手入れされてるし使い心地もいい。まぁ流石に自分の工具が最高なのは変わりないのだがそれはそれだ
「にしてもこれまでどれだけの悪魔がこの師団にいたんだろう」
ふとそんな言葉が漏れるが二人は話すのに夢中で反応は無い。
バビルスに入る前からちらほらと噂で聞いてた事もあるので歴史は長いはず、一度調べてみるのもいいかもしれない。
「ん?これは何だろう……」
簡単に工具の確認と簡単な練習用魔具を作成してみたりとしていたのだが、機材の中に何かのパーツのようなものがあった。
パズルのピースのようなそれは見る限りではそこまで複雑な作りではないものの見たことないような素材も使われているようで仕組みが分からない。
ちらりと二人の方を見るがまだ説明を続けているようで邪魔するのも悪いように感じた。
あまり他人の製作物を解析するのも悪いのだが、好奇心には代えられないので怒られたら後で謝ることにしてとある魔術を行使した。
「【
この魔術は使われることがそこまで多いものではないのだが、物の仕組みを知ることが出来る魔術だ。
色んな魔具を見る時に使って来たゆえに俺はこの魔術が得意と言える。
その域は使われた素材の情報を理解する事すら可能となったのだ。
因みに一番得意なのは
その魔具の効果なのだが、増幅器のようなものであり小さい魔力から大きな力を生み出すような魔具であることがわかる。
そして、その製作者も同時に分かったその男は
「──ああそこにあったんか」
「ッ!?」
いつの間にか後ろにアミィ先輩が立っていた。
彼は俺が持っていたパーツを探していたようで渡すように言われた。
特に断る理由も無かったのでそのまま渡したのだが何とも言えない悪寒が走る。
イルマくんが魔具を完成させたようで試運転を行っている二人の後ろ姿をみるのだが不安があった。
何の不安かも分からないのだが俺は咄嗟に魂視を使っていたがその時同時に魔具が起動した。
パアァァァァア
「僕は弱い悪魔でも
眩い光に呑まれながらも目は逸らさない。
魂視は視覚を利用しない都合上暗くとも
「この上下が無くなったら、ええなぁって思うねん」
そう言った先輩の魂もはっきりと見えた。
その魂はイルマ君とは違いちゃんと悪魔の魂であった。
しかし、その魂は今まで見てきたどの悪魔とも比べても綺麗な魂である。
普通の悪魔は本人は気が付かないものだが前世などから何かしらの不純物が混じっているが故に多少は澱みが存在する、それは人間のイルマも同じだ
対してアミィ先輩の魂は極限にまで純粋で悪魔らしい魂で不純物が一切存在しない。
そんな悪魔と同じ状態を俺は知っている。
悪周期、悪魔が定期的に起こる状態なのだが、それは悪魔の魂が純粋な状態に近づいた結果起きる生理現象なのだ。
そんな悪周期が常時起きている悪魔を表す言葉が存在する。
──
初めて見たが彼はそうなのだ、直観的にわかる。あの魂の揺らぎは
悪周期が正常な悪魔なんて元祖返りしか存在しない。
無害そうに見える彼ではあるが、その心は破壊的、悪魔的衝動が渦巻いているのだろう。
その事に恐怖も覚えるが実害が出ていない以上俺がどうこうすることは出来ない。
今はただただ観察するの見にしておくがそれにしても本当に思う事がある。
あの魂は、あの本当に純粋な魂は何処までも──
「