「というわけで」「お泊まり!」
「やかましいッ!」
意外とクララとは気が合うようで話しているうちに結構仲良くなっていた、そのせいで一緒に盛り上がってアスモデウスに怒られることもあったのだがご愛敬ってことで
──ドォンッ
突然の爆発音、思わず俺たち一年生はその方向を見た
「いやぁ~また失敗してもうたわ~~」
「キリヲ先輩!大丈夫ですか!?」
「大丈夫大丈夫、ケガしてへんから ほらな」
そう言って身体を見せてくるが実際無傷であった
「先輩って【
「ああ、【
素直に俺とイルマは前に手を出した、そこには透明の壁のようなものがあった。
「これは?」
「僕の家系能力【
【
家系能力という事は口頭による詠唱が必要ない……となると
「私の【
はずかしいはずかしいはずかしい!!!!
無口頭【
本当にダサすぎる、そりゃ考えてみれば事故対策くらいはするだろう。
「あーもう顔あっつい」
「ええやんか、君の【
「そうですか…? そうならいいんですけどぉ」
「そやで、今回みたいに花火の反動と驚きで吐血するのも減ったからな」
そういう風に慰めてくれるので、この事は一旦気にしないようにした。
先輩が役に立っているって言ってるのであればこれからも遠慮なく使っていこう
「しっかし、見たこともないもん作るってのは難しなあ」
「僕だけしか実物知りませんし、何か見本でもあれば……あっ!ちょっとぼく出てきます、すぐ戻りますんで!!」
入間が何か思い出したかのようにしてぴゃっと外に出ていった
「何か思い浮かんだんやろうなあ、僕らは他にやれることでもやってよか」
「ですね、あ、私試したいことあるんでいいですか?」
「ええよ、好きな事やってみ」
許可が出たので俺は俺の準備も始めた、俺のやりたいことには材料も大量に必要になってくるのでいつも通り模型からだ
入間が帰ってくるまで暇なのかアスモデウスも手伝ってくれるそうなので一部を任せる事にした、この前一緒に魔具製作をした際に分かった事なのだがアスモデウスは決められた物事をやる事に長けているようで指示した作業を行う事においては相当な実力を発揮できるようだった
「じゃあ次はこっちのパーツの組み立てをお願い、設計図はこれね」
「承知した にしてもガイスト、お前はいつからこういう作業をやってきたのだ? 学生にしてはあまりにも慣れているというか、効率的に感じる」
「ん? んーそうだなぁ」
機械いじりという意味であれば前世の中学の頃からだったか、大学生になって二輪の免許を取ってからはそれがエスカレートしていったのでそれからとも言えるかもしれない
しかし今世からという意味なら
「まぁ物心ついたころからずっとやってるかなぁ」
正確には自分の力で立ち上がれるようになったあたりで父に魔具の存在を聞いてからではあるが、そんなに変わらないだろう
「それだけ昔からやっているなら納得だな、将来は魔具技師にでもなるつもりか? ……いや、確かガイスト家は」
「そうだね、家を継ぐよ 私の他に兄弟とかいないしね」
これは既に決めたことであり俺がしたいことでもある、ガイストの家業はかなり特殊な職業でもあるので他の家にはできないのだ
ならばもっと兄弟を作れと言われるかもしれないが、ガイストの体質的にそれは不要でずっと我が家は人数が少ないのである
「まぁ、あの職なら忙しくない時期は副業も出来るからそんなに苦でもないよ」
「そうか」
「なーに話してんの!私も混ぜてー!!」
アスモデウスの背中にクララが覆い被さるようにぶつかって来た、それでアスモデウスの持っていたパーツが落ちたのでキャッチしておく。
「おまっ! 落ち着けと言ってあるだろうがッ!! 魔具のパーツは精密なのだぞ!壊れたらどうする!」
「だってー、いるまちが帰ってくるまで暇なんだもん」
「じゃあクララもやる?」
「やる! ばけちゃんは何作ってるの?」
「それはねイルマ君の教えてくれた花火から発想が出て来て───っていうのを作ろうと思ってるんだよ、あとは後で入間くんに相談して──ってのも作れたらいいなって」
「おおーっ! それいいね!!いるまちも絶対喜ぶ!」
「でしょ? そういえばなんだけど、そのばけちゃんってのは?」
最近クララが俺のことをばけちゃんと呼ぶようになったのだ、最初はレイラかレイレイとかだったっけな、と言ってもよく話すようになったのは最近なのでその呼ばれ方をしたのも少ないのだが
「ばけちゃんってお化けなんでしょ? だからお化けのばけちゃん!」
「あー、私の家系魔術の……」
「家系魔術? そういやガイストさんの家系能力ってなんなん?」
そこで作業がひと段落ついたのかアミィ先輩が戻って来た、アスモデウスは……なんとも言えない顔をしている、気になるけど言えないみたいなモニョッとした感じである
とりあえず隠すことでもないので返答
「私の家系魔術は【霊体化】です、体の一部か全部をゴーストに変換できる能力ですよ、もちろんゴーストの力も使えます」
「へぇ、随分便利そうやなぁ、完全に霊体化したら無敵なん?」
「いやぁ、そうでもないんですよね。色々耐性はありますし物理的には無敵ですけど、魔力には触れるので攻撃魔術とかは普通に喰らいますので なんならいつもよりよく効きますね」
すり抜けや魂視と言った強い力を持つ反面、燃費の悪さと攻撃魔術弱点という欠点を持ったのがウチの家系魔術なのだ、某モンスターゲームで言うと物理無効特殊4倍弱点と言ったところか
因みに霊体化すると状態異常系は家系魔術以外は無効化する利点もありはする。燃費が悪すぎていつ使うんだって利点ではあるが
「そううまい話は無いってことか、でも便利ではあるなぁ 羨ましいわ」
「私からしたら先輩の【
「隣の…? まぁそれもそうやな」
「戻りました!」
そこでちょうど入間が戻って来たようだった、その手には何かの小さめの冊子があるようでそれを取りに行っていた事がわかる。
「入間君それは?」
「参考資料です!ほら、この部分見てください!」
そう言ってイルマが冊子を広げてとあるページを見せてくれる
そこには俺の記憶にもある花火が描かれていた
「「「おぉ〜!!」」」
「これが花火かぁー」
「このような書物初めて見ます!いったいどこから!?」
「ひ、秘密」
イルマは秘密などと言うが、他の
これは
この魔界には少女漫画なんて存在していない、そもそも漫画すら見た事がない。
なのにここに存在すると言うことはイルマは人間界への行き方を知っている……?
いや、それよりは攫われた*1際になんとか持ち込んだものの一つだった方が現実的か
にしても、思いっきり日本語が書いてある書物を見せるなんて隠す気はあるのだろうか、流石に元同郷の相手が死ぬような所は見たくないので気をつけて欲しいものだ
それはそれとしてせっかくなので色々手札を増やしておくことにした
「イルマくん、これは?」
「それは……綿菓子です!」
「何に使うものなの?」
「お菓子だよ、砂糖を……(砂糖って魔界にあったっけ?) あ、甘いものをふわふわにしたやつです!」
「へぇ、花火を見るときに持ってるってことは多分花火を楽しむ為のものだよね、これとかも作れるかな?」
「えーっと……甘い結晶とかがあれば大丈夫…かな? それを糸状にして絡めたお菓子だからそういう魔具があればいけるかも?」
よし十分だ、これで綿菓子を作る事ができる
「いいね、他には───」
その調子で祭りのアイテムや花火関連のアイテムのアイデアをイルマから引き出していった。
これで俺がやりたい事が可能になるだろう
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「点火!」
ヒュルルル───パァン!!
「出来たー!!」
「えらい小さいけどな」
「でも凄く近いですよ!!後はこれを大きくすれば!」
「それだけでやるつもり?」
「えっ?」
舐めるなよイルマ君、君の前にいるのは今世の半分を魔具に捧げた女だ
「やろうよ、花火大会 小さい花火を定期的に打つって話だったけど元々花火ってのはもっと大量に打ち上げるもの…でしょ?」
「え、でも流石に間に合うか…」
「舐めないでよね、一度作った魔具なら複製なんて簡単だし みんなで0から作ったんだ。間に合わせてみせるよ」
「間に合わせるって言ったって……?」
(なんかニュアンスが変なような?)
「
「……出来るの?」
「任せて、こういうのは得意分野だ。 それにやるからには一番になるんでしょ?」
「無理は「しないよ、する必要がない」……………わかった!お願いします!」
「ぼくらもやれる事あったら手伝うからなあ」
「入間様にそれだけ言ったのだ、必ず作り上げろよ」
「最高のお祭りにしよーー!!! ……ふわぁ」
「ふふっ、勿論!」
とは言えクララも眠そうだし、これ以上の準備は明日に回った。
桜の時は入間に見せつけられたが今度は俺が見せつける番だ
原作より準備が前倒しになってたりします
なので例の電話とかも無いのです