設定が恐ろしいほどなくて扱いづらい子なのでフェードアウトしたら察して下さい
私、ガイスト・レイラ!
花も恥じらうバビルス一年生!
今日はシンユーのエイコちゃん、ガーコちゃんと一緒の入学式の日!
これから友達いっぱい作って学園生活を楽しむぞー☆
「ってな感じに出来たら良かったんだけどしょっぱなから躓きましたよもう」
「あはは…レイラちゃん目立ちまくってたもんね」
「ほんとにねー、おとさまも何を考えてるんだか」
「グレイブさんだってレイラの事が可愛いんだよ」
「それはわかってるけどさー、もー」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
時は入学式の朝まで遡る。
「レイラちゃん、バビルスの制服が良く似合ってるわよ!」
「ありがと、おかさま。…ところでおとさまは?」
「あの人は、乗り物を用意してるわよ。最初くらいは送りたいんですって」
俺は今日から悪魔たちの学校である、バビルスに通うことになっていた。
バビルスは名門中の名門だが、かつて人間の学校を通っていた俺は覚えることも多少少ないため問題なく入学することが出来た。
成績も上位で3席と言われたので我がガイスト家としても十分誇れるだろう。
「レイラ、準備は出来たか?」
「あ、おとさま。いつでもいけるよ」
家の入口の方から今の俺の父親であるガイスト・グレイブが入って来る。
彼はモデビルも出来るほどのイケメンであり、因みに母も美人であるためかその美貌はしっかりと俺にも受け継がれている。
「よし、じゃあ行こうか。留守を頼むぞ、テラ」
「かしこまりました。行ってらっしゃいませ、旦那様。」
テラという男は我が家のSD(セキュリティ・デビル)である。彼の他にもアクアというSDがいて二人揃って色々あるのだが、割愛。
そして俺たちは父に促され馬車に乗せられた。
少しすると、父が真剣な顔で話しかけてきた。
「さて、これからレイラはあのバビルスに通う事になるが。注意していたことは覚えているな?」
「うん、大丈夫だよ。色んな悪魔がいるから付き合う相手はちゃんと考えるし、遊びにかまけて成績は落とさない!」
「そうだな、では一番重要な事はなんだ?」
「…私の前世が人間だったことがばれちゃいけないこと」
俺の前世が人間の男ということは産まれたその日のうちにばれている。
その理由には我が家の能力が関係しているのだ。
ガイスト家の能力、家系能力や家系魔術と言われるそれは
その能力の付属品とというか能力の一部分としてあるのが魂を視る力。
と言っても分かるのは性別や種族などの簡単なもの、遠い親戚にはこれに特化した結果、様々な事を把握できるようになった家系魔術の家もあるらしい
俺が産まれた際に様子がおかしかったので父が強く魂視を使った結果、前世が人間であり、今も一部人間の魂が混ざり合っている状態だということが分かったそう。
ガイスト家にはこれまでも人間の魂が混ざった悪魔が産まれたこともあるらしいが、それがばれた者は秘密裏に消されるなどろくな目には合ってないらしい。
父はその事を伝えながらも前世が何であろうと俺を自分の娘として大切に育てると誓ってくれ、今に至る。というわけだ。
それに応えるためにも俺も出来る限りちゃんとした女の子として暮らしているつもりだ、趣味嗜好が男性よりなのはご愛敬。
俺が他の悪魔に前世が人間であり今も人間の魂が混ざっていることがばれてしまうわけにはいかない。
このことを知っているのは俺と両親、他には我が家のSDであるテラとアクアだけだ。親友のエイコやガーコにすら知られていない重大な秘密なのだ。
「よし、よくわかっているようで何よりだ。では到着だ、楽しんで来なさい!」
「私たちの娘ですからね、きっと人気者になれるわよ。」
「うん、行ってきます!」
そうして馬車から出ようとしたその時だった
「アクア!レッドカーペットを敷け!私たちの娘の盛大な門出にするぞ!」
「かしこまりました。」
「え?おとさま?」
馬車の出口から赤い布が伸びていく、父はそこに降りて俺の方へを手を差し伸べる
「ほら、レイラ。手を」
「冗談でしょ?」
「あなたったらもう……レイラ、悪いけど付き合ってあげて。こうなったらどうしようもないわ。」
「冗談でしょ?」
目立ちたくない訳じゃないが、これは悪目立ちの類だろう。正直勘弁してほしい
「おい、あれ見ろよ。」
「うわー、ド派手な登場」
「面白いやつだな」
「あれ!オペラ!!あれ!!」
「なるほど」
凄い目立ってるよ、悪魔の感性ってホントなれないなぁもう
こういうのは恥ずかしがると余計悪目立ちするので胸を張って歩くことにした、もはやランウェイだなこれ
「何か目立ってる人がいると思ったら、レイラじゃない」
「派手な登場だね」
「ガーコ、エイコ」
「おや、君たちか」
ガーコとエイコは俺の家族との面識もちゃんとあり、何度かお泊り会もしている中なので父と母からの覚えもいいのだ。
「じゃあレイラは君たちに預けようか、入学式しっかりするんだぞ」
「わかってるよ、おとさま」
「さ、お嬢様はこちらへ。エスコートしますよ」
「からかわないでよガーコ」
「あはは、じゃあいこっか」
それで今に至るって訳だ。
俺たちは駄弁りながらも入学式が行われる会場に向かった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「「「我らは悪魔~♪」」」
イカれた(イカした?)校歌も歌ったり、先生とかの諸注意なんかも聞いたりしていて案外普通の学校と同じなのかもしれない。
そんな風に思っていた時だった。
「続いて、理事長挨拶~」
「理事長だって、レイラ」
「バビルスの理事長と言えば三傑のサリバン様だよね、初めて見るかも」
「ねー、来た来た。」
そこに現れたのはやや高め(悪魔としては普通くらい?)の老人であった。
「結構普通な…」
「
「前言撤回、普通じゃないわ。めっちゃ公私混同してるわこの
「イルマくんってだれかしら」
「実は孫が入学しましてね、これがもうかわいくてかわいくて」
「孫だってさ」
「孫煩悩ってやつね」
孫のいるまくんとやらは災難かもしれない、祖父の七光りとか言われたりするかもだし
と言ってもほとぼりがさめるまでひっそりと暮らせばいいだろう。
「そんな孫と撮った一枚がこれです」
おーっと流れ変わったぞ!
いるまくんの姿が公開されたなぁ!
後で配布されるらしいし、よく顔を覚えるようにしよう!!
「ちょっとこれは面白いことになって来たかもしれない。後でいるまくん探そうよ」
「レイラって結構野次馬気質だよね」
「趣味もミーハーだしね」
「別にいいでしょ」
サリバン様は言いたいことは言ったのでおわりなどと言ってはけていった。
今、この場は件のいるまという少年の話題でもちきりだ
「では続きまして、新入生代表挨拶」
俺がもっと成績が良かったらこの挨拶は俺がしたのだろうが残念なことに俺は3位、次席ですらないのだ。
ガタッという音をたてて、立ち上がる生徒がいた。
彼が首席なのだろう。高身長でイケメン、立ち振る舞いもきっちりしているし王子様みたいな悪魔だ。
「彼が首席か」
「レイラのタイプだったりする?」
「いんや?ガーコ、私が好きなのはイケメンよりイケコンだから。イケてる魂って書いてイケ
「ガイストの
父も母も外見より中身を見るタイプなのは間違いない、外見もいいから世の中の理不尽さが伺えるけど。
「新入生代表、アスモデウス君」
ふぅん、アスモデウスか。13冠にも確かいたっけ
「に代わりまして、特待生入間くん 登壇してください」
「うはっ!!そうはならんやろ!!」
いるまくん、面白すぎる。存在がネタでしょこの子!
「レイラうるさい」
ごめんて、でもしょうがないじゃん。
こんなの漫才かなんかでしょ
「本物だ…」
「ひょろいな」
「理事長の孫だぞ強いに決まってんだろ、見ろ。この観衆を前にして微動だにしないぜ」
ビビってるか、頭の中が真っ白かのどっちかでしょ。
少し待っていると何か紙を取り出したようだった
それを読んだ後に意を決したかのようにいるまくんは口を開いた
「あべるはぅけ」
は?
「たるとぅだり」 「いうさべべ」
彼は自分がどれだけやばいことをしようとしているのかわかっているのだろうか。
彼が使っているのは
成功すれば魔力を使わず魔術が発動できるが、失敗すれば死ぬ超絶ハイリスク呪文である。
彼の事を想うなら止めてやりたいが、今から止めることは彼を殺すことにもつながるので見守るしかない。
「りすとぅる」 「あぶるぜ」
今、この場を支配しているのは間違いなく彼だ。
自由な悪魔たちがいるこの場で誰も発言が出来ていないのがその証拠だろう
「すとぅまぬ」 「あべるげ」
首席のアスモデウスですらこの状況を止めることは出来ない。
「うる」
鼓動が早まる、嘗て人間だったとしても今世は悪魔に産まれたせいかこの命知らずの行く先を見届けたい気持ちがあふれ出す。
「まほらば」
遂に禁忌呪文の詠唱が完了した。
彼が死んでいないことから呪文が発動したことが分かる。
ワァアアアア!!!
歓声が上がる、思えば当然だったのかもしれない。
あの3傑の孫が普通の悪魔と同じなわけがないのだ。
その証明を彼はこの場で行った。
それも、「たった一日転ばないだけ」の為に命を賭けてだ。
気が付くと俺も成し遂げた彼への賛美の声を惜しみなくかけていたのだった。
【スキ魔】
魂視はスピリットレイが正式名称ですがレイラはめんどくさいので割と"こんし"と言ってたりします。