最後は少し3人称です
今俺は、最大の壁にぶち当たっていた。
「忘れてた……! 正直夢中になっていてこの事を忘れてた!!」
そう、その問題とは。
「魔具を置くスペースが無さ過ぎる!!」
馬鹿である
元々、俺たち
それの対策として選ばれたのが場所を使わない花火だ。
なのに、なのにだ……
「つ、作りすぎて入らない……!」
そもそも花火大会で使用する花火の量はとんでもない個数あるのだ、同じ見た目のものであれは材料さえあれば【クワルツ・クワルツ】で量産は可能なのだ。
勿論0から手作業で作ったほうがいいものが出来上がるが、今回の場合は使い捨ての星*1なうえ、数が必要だったので仕方なく量産した。すまない、人間界の職人さん。
そうして出来た星の総量は何と3000発、人間界で個人で作成するには恐ろしく時間がかかる量をこの期間で作れたのが嘘みたいだ、魔術って怖い。
正直途中から馬鹿みたいに量産するのが楽しくなっていたことは否めないが、これでも二日間撃つには足りないくらいだと思う、考えなしに60分程度で打ち切るんじゃないだろうかとも思う。
ともかく、今の問題は二つある。
一つはこの作り過ぎた星を置くスペースがないこと、もう一つはイルマ達と作った砲台だけでは足りないという事だ。
メインの大花火と筒は他のメンバーに任せたのは良いが俺単体でも別途筒を作る必要があるだろう。
筒は設計図と模型は済ませているので大丈夫だろうが、スペースの事を考えると改良も必要になってくるはずだ。
省スペース化とそれに合わせた新たな筒……これを5日、いや、前夜祭から打ち上げるので4日以内に完成
「………で、できらぁ!! とは言えないよなぁ、他にも手を入れたのが間違いだったか…? いやでもなぁ」
「あれ、どうしたの? 悩んだ色をしてるようだけど」
「へ?」
振り返るとそこにはムルムル先生がいた、彼は俺のやや遠めの親戚でもあるのだが俺個人としてはあまり関係が無いので微妙な立ち位置の人だ。
とはいえ先生は先生。助けになってくれるかもしれない
「あのー、私
「どれどれー……せっま! え?他の所の5分の1くらいしかないんだけど!?」
「それで、出し物に使う魔具のスペースがちょっと……」
「なるほどねー、そうだな…… あっ!スペースは無理かもだけど魔具に関してなら彼なら力になってくれるかも!」
「彼?」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「それで僕のとこに来たわけですか?」
「じゃ、よろしくね
「あっ、ちょっと! もぉー」
それだけ言うとムルムル先生は仕事に戻っていった。
さて、今俺の前にいるのはマルバス・マーチ先生だ。
彼の専攻は拷問学でその一軒大人しそうな雰囲気とは裏腹に色んな生徒からも少し怖がられていたりもする。
そんな彼が魔具について力になれるというのだろうか?
とりあえず訳を話してみた。
「なるほど、魔具のねぇ……その星?はここにある?」
「一応一つだけ見本に持ってきてます、どうぞ」
「ありがとう、どれどれ?」
マルバス先生が何かをしているようで星を見ている。
無口頭【
「ありがとう、もう十分だよ 返すね」
「あ、はい 何かわかったんですか?」
「とりあえずこの星を小型化するのは出来なさそう、でもこういうのはどうかな?」
そう言いながら紙にさらさらっと何かを書いて渡してくれる。
「何ですかこれ…… っ!?!?」
そこに書いてあったのは筒の改善案だった、大きい星を打ち上げるのには使えなさそうだったが俺が量産した物であればこの魔界の技術を利用すれば可能かもしれない
俺には無かった発想だった、恐るべしバビルス教師……
これを利用することで格段に小型化が可能だろう、筒の方のスペースに関してはこれで解決したも同然だ。
まぁ強いて問題を上げるとするならば
「これ、かなり複雑で作るの時間かかりそうですね…?」
「
「ひえぇ」
とはいえ他に道は無い、残り実質三日しかないのでやれることは直ぐにでもやるべきだ。
覚悟を決めよう
「…頑張ります! では準備を急がなければならないので失礼します!」
「頑張ってね ……あっ、丁度いいのあった。 これも持って行ってよ」
「はい?これなんですか?」
渡されたのは何かのリストバンド……いや足に付けるやつだろうか
「徹夜に使える魔具だよ、良かったら使って!」
「なるほど、ありがとうございます!」
「足に付けてスイッチを入れたら自動で動くからね!
「なんか不穏なんですが……とりあえず感謝します!」
とにかく今は貰った案をもとに筒の改良をするべきだろう、それにこれを上手く使えばスペース問題も解決できるはずだ。
急いで作業に戻る事にした。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
魔具研究師団室はイルマ達が使っているので俺は自宅の地下室にいた、完成品を運ぶのはバビルスの前まではアクアかテラに手伝ってもらう予定だ。
「これで、こうして……出来たか…?」
試しに起動してみる
ウィィィン……ブブブブブ ゴ、ゴガッ!?
ぷしゅう、と音を立てて壊れてしまった……
難しい、難しすぎるこの技術。
確かにこれを取り入れることが出来れば全て解決するのだが、あまりにも難題だ。
「この部分はエアロメタルじゃダメとか…? 別に使える金属は…っと、ウィグル合金でも使ってみようか。」
「えーっと、この羽部分はハイウイング方式で作っておいて……ああだめだ、これじゃこの駆動部が動かなくなる、ハイエスタ方式に変えよう。」
「射出部には潤滑性の高いオラブオイルを塗っておいて……大丈夫かぁ?」
「あぁ違う」
「あーもう」
「……」
「…」
「」
・
・
・
★★★★★★★★★★★★★
「結局あれからガイストさんから連絡来なかったね」
「彼女も色々動いていたようですが……」
「ばけちゃん心配だね」
入間達は魔具研究師団のスペースにて最終確認を行っていた。
「今回の作戦名は即撃必勝です、狙うは学校中央広場の注目 みんなが集まり前夜祭終了と同時に鳴る本祭開始の鐘 これが鳴り終わった瞬間に花火を打ち上げる」
「ここでは大玉と呼びますが、我々が作成したこの大花火を最初に打ち上げることでスタートダッシュを出し抜きます」
「そして、そのまま連続して幾つかの花火を打ち続けて皆の関心を惹き続ける。 本祭の昼は小さ目の花火を定期的に撃ってアピールは続けますが、これは本祭夜の集計直前為への布石です。」
「本祭の投票直前には花火の量を増やしてもう一度大きな花火を上げてフィナーレ……という流れなのですが」
「その小さい花火はガイストさんが作ってくるって話だったよね……」
「はい……」
「……いや、信じて待とう! ガイストさんはちゃんと間に合わせるはず!」
「……はい!」
そうして入間達は最終確認に移っていった
「筒の組み立ては万全、発射も点火5秒で打ちあがるようになっています。」
「点火は私が火種を渡すので入間様が導火線に火を……」「こう?」
「そうそう、そうやって」
「ついた!」
アスモデウスが説明のために付けた火にクララが筒の導火線に火がつけてしまう、このままでは後5秒花火が打ちあがってしまうだろう
「馬鹿モノ!早く消せ!」「水、水ッ!!」
「打ちあがるぅぅ!!」
5
4
3
2
1
──「【
しゅぅぅぅ……
何処からか【
入間達は周りを見るが、見当たらない。
念の為に大玉に異常が無いかも確認してみるが
ふとそこで影がかかる。
「なんだ?」「なんか暗くね?」「おい!上を見ろ!」
「上?」
入間達が上を見るとそこには巨大な気球のようなものが飛んでいた
その気球はゆっくりと魔具研究師団のスペースまでくると動きを止めた。
「なんだろあれ?」
「おっきい!」
二人はそんな感想にもならないような感想を口に出すが、そこで声がかかった。
「なーにやってんの皆、はじめる前に終わらせる気?」
その声と共に気球から一つの影が飛び降りてきた、その影はゆっくりと降り立ち入間達の前へと姿を現した
「ごめんね、かなりギリギリになっちゃった お待たせ」
「あっ!」
その影は魔具研究師団の一年最後の一人。
「レイラさん!」
ガイスト・レイラその人であった。
「さっ、
因みに何とか方式とかなんとか合金とかは適当に雰囲気で作りました、調べてもなんも出ないです