「それであのアメリ会長が助けてくれたってワケ!!」
「あーはいはい、何回目よそれ聞くの……エイコがアメリ会長の事を好きになったってのはもう十分分かったってば」
「そういえばガーコは大丈夫だった?」
「私は大丈夫、って言うかレイラの方が危ない事してたでしょ 見てたからね?」
「うへ あれはタイミングが悪かったと言うか本来はもっと楽に安全にやるつもりだったんだけどねぇ トラブルにトラブルが重なってああなっちゃった、他の人には内緒ね?」
「私は言わないけどどうせバレるから自分からいいなよ?」
「分かってるって、私も無茶した自覚はあるし 火傷がないのが奇跡なくらいだよ」
さて、今俺は魔具研究師団のスペースにいるのだが実は今他にこの場には魔具研究師団のメンバーは居なかったりする
何故か?という話になるのだがそれには数時間程は時間を戻す必要があるだろう
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「いやぁぐっすりだなぁイルマくん」
あの後先生方が来てアミィ先輩を捕縛した、俺も幾つか質疑応答をしたのだが事前に花火でやること自体として提出していた範囲から逸脱はしていなかったので軽い注意程度で解放されていた。
その後イルマを引き取ったのだが、ご覧の通り彼は出し切ったのかぐっすりと眠ってしまっている。
なので目覚めるまで待っているというわけだ
因みに花火はオートモードにして定期的に射出するようにしてあるので安心だったりする。
「あ、そうだ忘れるところだった。」
懐から一つのブレスレットのような魔具を取り出した。
師団《バトラ》
それをイルマの右腕に装着した。
「これでよし、と」
「それは何かな?」
!?!?
突然声をかけられた、全く気配を感じない上に背中に手の届く距離まで近づかれているとは思わなかった。
振り向くとそこにいたのは強大な悪魔であった。
「サ、サリバン様……!?」
「うん、そうだよー それで今入間君に付けたのって魔具だよね? 何を付けたの?」
軽い言い方ではあるが、威圧感がある。
ここで受け答えをミスしたら……まぁろくな事にはならないだろう。
「こ、これですか これは……えっと今ここで言うとちょっと問題がありましてですね……」
「そうなの? でも流石に入間君に付けた者の説明くらいはして貰わないと……」
そこで俺はジェスチャーではあるが目を指差しながらこう言った。
「申し遅れました、私は
「レイラさんね、うん、入間君から聞いてるよ なるほど、ガイストの子だったか……そういう事ねじゃあはい」
突然空間が切り取られたかのような感覚になる、何かはわからないがサリバン公が何かをしたのは確かだろう
「これは?」
「【
「な、なるほど……」
【
そもそもこの魔術の下位である個人版とも言える【
それを無口頭でとは、三傑とは恐ろしいものである。
ともかく、イルマの秘密にも関する事なので言えなかったがこれなら言っても大丈夫だろう。
それで俺は魔具の説明をサリバン公にした。
「 ──っていうのがこの魔具の効果です。」
「そっかー、それなら確かに必要だね 僕が用意するべきだったものだ」
「いえ、私が作りたかったので あ、これ設計図です。元々イルマ君に渡そうと思ってましたがサリバン様に渡す方が確実だと思うので」
「うん、受け取ったよ」
ニコッと笑顔で受け取ってくれた、その顔には先ほどまでの威圧感もなくただ孫を思いやる老人の顔がそこにあった。
「怖がらせてごめんね、それと僕の代わりに生徒たちを守ってくれてありがとう」
「い、いえ! 自分たちの事ですので当然です!」
正直この速度で来れるのであればあの火の粉とかもサリバン公なら何とかしてしまうのだろうと感じていた。
そしてそれはおそらく事実だろうが、俺の手柄にしてくれるようだった。
「花火の事は良いとして、イルマ君の為に作ってくれた魔具はお礼をしないとね 何かして欲しいことはあるかな?」
サリバン公に対しての貸しになるんだろうか、それとしてもかなり貴重な機会だろう。
でもそれなら俺が一度しておきたかったことが出来るかもしれない。
「それなら── 」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ただいまー」
「戻ったかガイスト、入間様は?」
「まだぐっすり、サリバン様が来たから預けてきたよ」
「そうか、それなら安心だな。」
魔具研究師団のスペースに戻ってきた俺は先に戻ってきていたアスモデウスとクララの二人と合流した。
エイコとガーコにも一応安否確認の連絡はしたがどちらも無事を確認出来たのでこちらを優先とした。
「ばけちゃんすごかったねー! ドカーンドバーン!!って!」
「花火ね、私が想像していた以上の特大花火でびっくりしたよ」
「クロローンも頑張ってた!」
「あ、見えてたんだ。 ってそりゃそうか、【
「そういえば、よくあれほどまでの魔具を用意出来たな」
アスモデウスはそういうが、元々クロローンは量産に優れた……というより量産前提の魔具なのだ。
その為設計時点で量産用に設計したし、一つ作れば【クワルツ・クワルツ】で複製が可能だし実際そうして量産した、必要なのは時間ではなく材料と魔力のみである
それを説明すると、アスモデウスは納得したのか頷いて
「なるほど、それなら可能か…… 入間様程ではないがお前も中々にやるな」
「そりゃどうも あ、そうだ二人共時間あるなら他の魔具出すの手伝ってよ」
そう言いながら笛を吹く、この笛も魔具ではあるが効果はインカムの簡易版で呼び出すだけである。
少し待つとその効果で新たなバルーンが現れた、その中にはこれから使うものが入っている
「これなーに?」
「ぶっちゃけクロローンの制作より時間をかけたのがこれ! エンニチクリエイターだよ!」
見た目はごちゃごちゃとした機能付きの正方形の箱である、その表面には幾つかの絵と文字が記載されておりタッチパネルとなっていた
上部には何かの投入口があり、下部には取り出し口がある
「イルマ君から聞きました、花火って祭りでやる事が多いって それには色んな屋台……まぁ師団披露にもあるけどそれがいるんだってね」
「うむ、確かに言っていたな」
「それでイルマ君に聞いたうちの小物類だけでも用意できたらって考えてなかったのがこのエンニチクリエイターだよ! 名前はこういうのを
このエンニチクリエイターの能力だが、やっていることはほとんど【クワルツ・クワルツ】による量産と変わらない
投入口に材料を入れてタッチパネルを押すと対応した商品がその場で作られて出て来るものだ、自動販売機とは違ってこの場で作るのがミソだったりもする
「これで、わたあめとか作って売っていこう! 後は簡単な花火グッズに魔具研究師団の名前でも入れて売ればいい宣伝よ」
「おー!!」
そうして、俺たちの師団披露本祭は始まった
金魚すくいや射的みたいな大きなものが必要なのは出来ないが簡単な物販くらいなら可能だ、他にも花火によるパフォーマンスも途中でイルマが帰って来たあたりから本格再開して順調である
と言うか射的とかはなんか他の師団がやっていた
縁日に関しては入間も「縁日ィ!?!?」って感じに驚いていたので作ったかいがあった
そんな時に彼らがやって来た
「「「仲良しマンタン! ウァラク一家見参!」」」
クララの家族であるウァラク家が大集結していた、長男のウララと父のダディ(?)は不在らしいがクララが集団になった様で楽しそうだが疲れそうだ
他にも
「アリスちゃーん♡」
「アリス?」
「アズ君!?」
汗だらっだらのアスモデウスというレアな光景を見た、相手はアスモデウスの母であるアスモデウス・アムリリスだろう
13冠の1人で
「あ、かわいー! あなたもアリスちゃんのオトモダチ?」
「あ、同じ師団のガイスト・レイラって言います」
「ガイスト? あぁ、テレサちゃんの娘ちゃんね!よろしく!」
母とも知り合いの様で握手を求められたので返した
「ぱっくん♡」
突然抱きしめられる、なんか色々柔らかくて人をダメにする感触だった。
モゴモゴとしているとこっそりとこう話しかけて来た
「貴女、モデビルの
「あっ……内緒でお願いします」
「わかったわ♡ 今度お仕事お願いしてもいいかしら?」
「アムリリス様のですか!? だ、大丈夫ですが私みたいな木端モデビルでいいんですか?」
「過ぎる謙遜は失礼よ? 人気モデビルとしての自覚を持ちなさいな、とりあえず許諾という事ね 後で事務所の方にも連絡しておくわね♡」
それだけ言うと解放された、もう少しでダメになるところだったので危なかった、恐ろしや13冠
「それじゃアリスちゃん借りて行くわね またねー♡」
「クララ出動!」「うぉー!!!」
こうしてクララとアスモデウスは家族と共に去っていった、残ったのは俺とイルマだったのだが
イルマの後ろにサリバンがいる、横にいるのはSDの方だろうか中性的な方もいた。
俺が気付いているのは分かっている様で指を立てて内緒にして来る様にジェスチャーで言われたのでその様にした
「いっちゃったね」
「そうだね」
「あの、ガイストさん さっきはありがとう 僕だけじゃ解決出来なかったから」
「アレは師団全体の問題だからね、おやすい御用さ」
「……ガイストさんも両親、来るの?」
「うん、来るよ おとさまもおかさまも遅れるけど来るって連絡あったから」
「そっか ──いいなあ」
無意識に漏れた、そんな印象を受けた。
イルマ自身その事を言った自覚も無いのだろう、それだけだった
その発言は人間界の両親の事なのか、それとも──
「どのお菓子がいいの?」
そこでサリバンがイルマを持ち上げてそう言った、イルマは驚きながらも嬉しそうにしていた
「なあんだ、杞憂じゃん」
イルマの顔を見ればわかる、何も問題はない
イルマの家族はそこに居た
「行っておいで、スペースは私が見てるから」
「え、でも」
「大丈夫、私の家族はもうちょっと後だし友達呼べるからさ」
「………うん!行って来ます!」
そうしてみんな家族と師団披露を楽しむため去って行ったのだった
「あ、もしもし? みんないなくなっちゃってさ、手伝いに来れない?」
『えー、私師団披露回りたいんだけどー』
「ここにいれば多分帰って来たイルマくんと話せるよ?」
『行きます』
同じようにガーコにも声をかけて冒頭に戻ると言うわけだ
「わたあめ一つ、後手持ち花火1セット下さい」
「はーい、どうぞ! ……結構落ち着いて来たねー」
「そうだねー、前夜祭の時はどうなるんだーって思ったけど終わってみれば何とかなるもんだね」
「そういえばレイラそろそろじゃない?」
「そろそろって?」
「そろそろは」
「そろそろよ! お待たせレイラちゃん!」
この声は振り向かなくてもわかる、この世界に降り立ってから一番聞いた声であり俺が一番信頼している声である
「おとさま!おかさま!」
この先は家族の時間、悪魔にだって大切な時間だ
それは俺とっても例外ではないのだ
不可侵領域や盗聴防止って使ってること分かりやすくてすごく好きです
あとは表彰式だけやって師団披露編終了です