色々と落ち着いた今日、ケロリの頼みも数日後に控えているわけだがそれも特に長い準備も必要としていなかった。
そんな俺はとっても暇をしていた。
「……久しぶりに行くか?」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ということで、来てみたのはコチラ
[
名前だけ聞くと何が何だか分からないだろうが、その正体は様々な資材や型落ちのパーツなどが多く取引されている魔具の総合市場である。
この魔界、意外とこういう場所が多く、例えば食品を取り扱う
闇の市場とも言われるあちらとは違って比較的マイルドなのが
俺はこの市場には結構な頻度出来ており、一部の悪魔たちには顔も知られている。とはいえ
「さーって、今日はゆっくりと見て回るぞー!」
今日の目的は魔具の材料の買い足しと、新型魔具や特殊な魔具のチェック、後は気になったものを見て回るって感じだろうか
実に適当ではあるが今日は暇つぶしのようなものなのでこれでいいのだ
「何で私が……」
「元々一緒に行こうと思ってたマー君が急用とかで、偶々空いてるとかで呼び出されたんすよね……すんません」
「いいけどね、……くろむのライブ前の最後の休日が潰れただけだから」
「ゔっ……すんません……」
なんかどこかで聞いたことある声と聞いたことない声の会話が聞こえてくる、そちらを見てみるとそこにはクロムのマネージャーであるマルさんがいた。
隣には黒い帽子を被った少年がいる、マルさんがこういうところに来るイメージは無いし会話内容的にこの少年が元々ここに来る要因だろうか
折角会ったことだし話しかけてみることにした
「やっほーマルさん、こんなとこで会うなんて奇遇ですね」
「え? 貴女だれ…?」
「知り合いっすか?」
「知らない……」
結構顔を合わせた事も多いはずなのだが、覚えられていなかったのだろうか……いや違うか、認識阻害のせいだ
「ちょっと失礼、君で顔隠させてね」
「えっ」
そういって少年を壁にする形で隠れつつ、魔具の認識阻害を解除する。
「これでどうです?」
「? ……あっ、貴方
「そうそう、じゃあ認識阻害戻しまーす」
ちょちょいと魔具を起動して認識阻害を再起動した。
「え、なんスかその魔具 認識阻害っスよね? 眼鏡以外の認識阻害魔具ってレアっスよね?」
「お、やっぱわかるクチかきみ 後で話そう、それでマルさんは今日は少年の付き添い?」
「そうよ、魔具は家系的には多少はわかるけど詳しいのはこっち」
そう言いながらぺしぺしと少年の頭を叩いている、見る限り仲は良いようで何よりだ。
「なるほどね、折角なんで紹介してもらっても良い?」
「そうね、じゃあ紹介します こっちが
「ガイスト・レイラです、好きなように呼んでね」
「そんな名前だったのね貴女、でこっちが私の甥のマルバス・F・ヤバシ 紛らわしいからヤバシって呼んであげて」
「うっス、よろしくお願いします」
「よろしく、ヤバシ君」
握手しつつ、幾つか魔具の話をしていた
「ってことはレイラ先輩って魔具研なんスか? そのやべぇ魔具も自作ってマジっすか!?」
「マジマジ、ヤバシ君もバビルス入るんだ いいねぇ、魔具研来るの?」
「っス! 行こうと思ってます!」
「いやぁ嬉しいな、待ってるからね!」
「私帰っていいかしら」
俺たちは同じ趣味を持つ者同士すぐに仲良くなれた。
聞いてみるとヤバシも欲しいパーツがあるとかで折角なので一緒に回る事にした
因みにマルさんは荷物持ちと一人一個限定のものを買うための人員らしい、貴重な休日がつぶれてご愁傷様である。
「じゃあとりあえず先に必要なのかって行こうか」
「うす」
と言うわけで散策
まずは先に必要な物を買い集めてからだ
「いらっしゃい」
「マガルタ3つ下さい」
「はいよ、他は?」
「んじゃこれとこれ、後これで」
と、ヤバシが軽く幾つか買って行く。
マガルタってのが限定1人1個の物だ、物自体は小型の魔具の基幹に使われるものでそんなにレアって訳ではないがかなり安くなっているので限定って事なんだろう
「でも良かったんですか? 俺が全部貰っちゃって、レイラ先輩も欲しかったんじゃ」
「まぁね、でもマガルタはまだ結構ストック残ってるし有望な後輩のためならこれくらいはね」
「ありがとうございますッ……!」
なんかヤバシってかなりの後輩気質というか体育会系というかそんな感じがする、魔具研に来るって事ならイルマ達とも絡むだろうが大丈夫だろうか、アスモデウスは大丈夫だろうがイルマとクララは……未知数だ
「? どうかしました?」
「あ、いや 他の魔具研メンバーとヤバシくんが会った時どうなるかなって思ったんだよね」
「他の先輩方ッスか」
「そうそう、私以外は魔具研で初めて魔具をいじったりする人ばっかりなんだけど発想は並外れてるのだったり全体的に器用だったりするのばっかりなんだよね」
「へぇ」
「これ、今年の魔具研の発表ね」
そう言って花火の写真を見せてみた
「!?!? なんスかこれ!? 初めて見た……これ魔具の効果ですか?」
「何見てるの……!? 綺麗ね、アクドルのライブ演出にもかなりいいかも 後でやり方教えてくれない!?」
「順番にね そう、魔具の効果っていうか見た目だけなんだけどね 花火って言うらしいよ、さっき言った他のメンバーが発案 すごいよね」
「マジすげぇ……俺にはこんな発想なかったんで尊敬します」
「それ、バビルスに来たら直接言ってあげてね イルマって先輩だから」
「うす」
まぁ、素直な子だし大丈夫だろう
マルさんもウズウズしてるので、そちらの話にも移る
「で、アクドルライブだっけ? 良いとは思うけど、ヤバシくんにも言った通りに他の人の発案なんでその人に聞いてからならいいと思いますよ」
「そう? なら聞いておいて頂戴、出来れば早めに」
「了解でーす」
だそうなので、軽くぽちぽちとイルマへと確認。
既読は付かないので後での確認となるだろう
「ちょっと時間かかりそうですね じゃあ、次私が行きたいとこ行ってもいい?」
「いいですよ」
と言う訳で俺の欲しい物の番だ
俺が欲しいのはクロローンにも使ったエアロメタルとウィグル合金の補充、後は安いのや珍しいのがあれば買おうかなといったところだ
「エアロメタルなんて何に使うんスか? あれ軽いけど脆くて使いづらいって有名じゃないですか」
「エアロメタルは確かに脆いけどエントラ式の部品のボディに使うには最適なんだよ、あれ別に耐久性要らないしね」
「あー、エントラ式スか 盲点でした!確かにあれならやれますね!」
「全然何言ってるかわかんないんだけど……」
「まぁ専門用語ってそんなもんですよね、私も最初はさっぱりだったし」
「俺もそうスね、魔具いじりが好きでやっていってやっとわかった感じっス、後は家系能力で見えたもんに対する好奇心っスね」
家系能力?
あんまり人の家系魔術って聞くもんでもないと思うけど魔具関連の能力なのだろうか
「あ、言ってなかったですよね 俺の家系能力は【
「え、羨ましい」
素直な感想がでた、実際物の構造把握は
その点、家系能力での構造把握という事はある程度簡単かつ燃費良く、確実に把握できるはず、ある種の透視能力と言っても過言ではないだろう
人によっては生き物に使う事で弱点を簡単に把握する事だって出来る強能力と言えるだろう
俺の【
「これに関しては親に感謝っすね、まぁとにかくそれで魔具の中身なんかも見る事が多くてそれで調べるうちに好きになったって感じっス」
「へぇ、私はそういうのなくて気がついたら好きで触ってたからなぁ 何かキッカケでもあったのかも知れないけど覚えてないや」
これは嘘である、とはいえ前世で機械いじりが好きだったからなんて言えないのでこういうしかないのだが
「そういえば、家系能力で気になったんだけど2人って家族でいいんだよね?」
「違うわよ? 親戚関係って感じね、私の兄とこの子が仲良くてその関係でって感じ」
「兄? そういえばマルバスってどこかで聞いた事が……」
「マルバス・マーチ、バビルスの教師やってるから知り合いかもね」
「……そういうことってあるんだ、すごくお世話になりました」
「変な趣味してるけどね、まぁ悪いやつではない……はずだから」
何というかだな、魔界も案外狭いなと感じた
「マー君って良いやつだし優しいスけどね」
そんな声が聞こえた気がするが聞かなかったことにした
その後も買い物やアクドルの話なんかをしつつ時間を潰していき、帰りの時間となった
「それじゃ、私はここらで帰りますね」
「うす、今日は楽しかったです またいろいろ聞かせて下さい」
「またね……あぁ、そうだ せっかくだからこれ、はい」
何かを渡される
紙のようだが……ライブチケット?
「これって……」
「来週のくろむのライブ、貴女も
アクドルのライブは行った事がない訳ではないが、くろむのは無かったりする
以前行ったギャリーのライブは酷い目にあったがくろむなら大丈夫だろう、ありがたく頂くことにした
「ありがとうございます」
さて、そろそろ休みも終わりだ
来週はモデビル