「おはよー」
「おはようレイラ」
「エイコもガーコもおはよ あれ、エイコそれ何?」
入学式からあった怒涛のイベントも落ち着き平和で平凡な毎日が戻ってきた。
そんなある日エイコが学校にカメラを持ち込んできたようだった
「これ? 買ったんだぁ、お小遣いもほとんどなくなっちゃった」
「へぇ、良いね 新型じゃん」
「わかる!? 私が調べた限りでは買える中で一番いいやつなの!」
「それはそれで魔具だからね、わかるよ 私はあんまり使わないけど古いのだったら一応持ってるし、魔具の測定の記録用だけど」
「私にはさっぱり、ま、エイコが気に入ってるならそれでいいんじゃないとは思ってるけど」
「ガーコって魔具興味ないもんね」
「ん、生活に必要なものなら調べるけどね、そうでなければそんなもんよ」
それはそう
カメラとかも細かい部分まで気にならないのであればある程度のスペックさえあればいいし、一般の悪魔であればそこまでこだわる必要もない
こういうのは好きな人だけが知っているようなものだ。
「なぁ、謎のアクドルイルミちゃんって知ってるか」
「あれだろ? くろむちゃんのライブに突然現れた美少女って噂のやつ」
「それそれ!でさ─」
そんな話が聞こえてきた、それはエイコも気になったようで俺に聞いてくる
「イルミ? そういえば最近話聞くね、どんな子なの? レイラ知ってる?」
「知ってるし、そのライブ見に行ってたよ 仕事も兼ねてね」
「なるほど… で、どんな子?」
「私も気になるー」
そんなわけなので、記録用に関係者が見れる動画をこっそりと見せてあげる。
『KOAKUMA~♪』
「へぇこれが」
「イルミちゃんってことね 後ろのはお仲間と」
「なんかさ」
「エイコもそう思う?」
「うん……この子…」
「すっごい惹かれる!!」「なんかイルマくんに似てない?」
「え?ガーコなんて?」
「いや何でもない、いいよねこの子」
「いいよね~今後もチェックしよっ」
ガーコの対応力には恐れ入る、イルマとイルミの関係性に気づきかけてはいたし多少は察しているんだろうがエイコが全く気が付いていないのが分かったとたんにすぐに話の方向性を変えた。
今はイルミの事は謎のアイドルとして扱ったほうが楽しそうだろうと思ったのだろう、俺もそう思う
「この子の単独ライブとか聞いてないの? SNSとかやってるかな? 事務所はくろむちゃんと一緒のデビムス!?」
「おおう……思った以上にハマったね、多少予想はしてたけども」
「ほっとけば落ち着くでしょ、レイラもそっとしておきなよ」
「クールだなぁガーコは 因みに、SNSはやってないし無所属だと思うよその子 あれが初の顔見せだし、そんな話も無かった。 ま、あの会場はデビムス関係者だらけだし今頃スカウトされてんじゃないかな」
イルマが受ける気がしないけど、実際スカウトはマルさんがしてるのは見た。
個人的にはアスモデウスをウチのデビスターにスカウトしたいところだ、彼は声はともかく見た目はかなり女装も上手かったし、あのアムリリスの息子であるからかとんでもない美形だから男女どちらのモデビルも出来るだろう
今度してみようか?断られるのは予想できるがするだけはタダだ、イルマはアクドルを続けてもらうのでしない。
どうせあのくろむがアレだけの人材を逃すわけが無いし、また見るだろうし声明を出さないと話題が落ち着かないだろうしで
「デビムスかー、ファンクラブとか入っておこうかな チケット優遇があるとか聞くし」
「いいんじゃない? 実際FC専用チケットとかあるし、私は入ってるよ付き合いでだけど」
持ち歩いてはいないがファンクラブの会員証もある、ファンイベントなんかは変装して参加しているがあれはあれでいい勉強になるのだ、アクドルにはアクドルの魅せ方があるので俺のモデビル業の参考程度にはなるしで重宝ししている。
因みに参加しているのはデビムス公式にキラーチューン公式とそれぞれのトップであるくろむ、ギャリー、後はネネットを始めとする幾つかのアクドルのファンクラブもかけ持っているが、実際に運用しているのはデビムスとキラーチューンくらいだ、ライブまで行ったのは前回を覗くとキラーチューンのものくらいであるしライトと言えよう。
前世では考えられない程の富豪プレイングだが、金は家業とモデビル業で正直使いきれない程あるので別に何とでもなる。
本来はチラシとかも届くが、全部拒否してるので安心だ。決して無駄遣いではない。うん。
そういえばゼゼもファンクラブがあるが、これに関してはシングルナンバーの会員証を直接渡されたので会員証だけある。
「とにかく、そんなわけで色々融通利くからチケット取りたいんだったら私も協力するからね」
「レイラありがとー! よーし私もデビムスのファンクラブ入ろっと! ガーコも入る?」
「え、やめとく バイトするのめんどくさいし」
「ウチきなよ二人共、二人なら結構やれると思うよ?」
「「やだ」」
これまでも何度か誘ってみてはいるがこれだ
エイコもガーコも魅力度はそこそこだが、見た目に特化すればかなりのものがあるのだ
それもそのはず、美容関連は俺が使っているものを始めとして各種そろえているし二人に合ったものもツテをたどって調べたので二人共元々魅力的な容姿だったのにさらに磨きがかかっている、モデビルだって簡単にやってのけられるレベルにまでなっているのだ
それなのに、二人共やってくれないのでモデビル中の俺は寂しいことになってしまっていたりする。
二人が言うには俺がいつも大変そうとか趣味に使う時間が無くなるとかそんなところ、まぁ二人共容姿に自信はあるようなのでその辺で遠慮されていないだけいいのだろうけども残念だ
それはそれとして、ファンクラブのページを見てると気になった記事があったので
「あ、声明出てるよ ほら」
「どれどれ? 『イルミとゆかいな仲間たちについて』…?」
内容は簡単に言うとこうだ
・基本的に前回限定的に出演したアクドルであり今後定期的に出演するわけではない
・イルミの個人イベントやファンクラブの予定は現在ない
・イルミ、及びクラりん、アリスに関する質問には答えられない
といった感じだ
「つまり謎のアクドルは謎のままってことよね?」
「そうだね」
「謎ね」
「何者なんだイルミちゃん……!」
「「ふふっ」」
思わずくすりとしてしまうが、こういう純真なところがエイコのいいところでもある。
まぁ直観的にイルマもとい、イルミに惹かれているのでいつか気付く日が来るかもしれないし別に悪いことがあるわけでもしいいだろう
「それで、そういえばエイコはなんでカメラ買ったの?」
「え?イルマさんを撮るためだけど?」
「え?」
「イルマさんを取るためだけど?」
「「……」」
純真…?これが……?
誰だよこの子を純真なんて言ったやつ、どう考えても盗撮しようとしてるじゃないかこの子
「一応聞いておくけど、許可は取るんだよね?」
「え?」
「えぇ……」
どうしよう、盗撮が確定してしまったかもしれない。
ここは友達として止めるべきか、うん
「あのね、勝手に写真ってとったりしたら多分怒られるよ?」
「レイラだって撮られてるじゃん」
「あれは仕事で許可出してるから」
「そうなの!?」
「そうだよ」
どうすればいいんだこの子、俺には対処しきれないかもしれない
「最悪イルマくんに嫌われたりするかもしれないんだから気を付けなよ?」
「うぅー! じゃあイルマさんの雄姿を保存することが出来ないの!?」
「……はぁ、じゃあ許可取ろう」
「え?」
「忘れた? 私、そのイルマくんと同じ
というわけで取り出したるはス魔ホを取り出しトタチツテっと
「盗撮していいですか?」
『ダメだよ!?!?』
「ダメだった」
「順当」
「やっぱダメじゃん!!」
そりゃね、当然こうなる
こういうプライバシーに疎い悪魔と違ってイルマは人間なので盗撮を始めとする犯罪行為は容認できないだろう。なのでやり方を変える。
「冗談冗談、今私の友達がカメラ買ったらしくてね、それの被写体にお願いできないかなって どうせならイルマくんのオトモダチも一緒でもいいからさ」
『あ、そういう事だったんだ……びっくりした、それならいいよ!』
「ありがとー、じゃあまた行けそうな日時を連絡するね そのあと予定をすり合わせよう」
『わかった! ……アズ君とクララもそれでいい? うん、良いって』
「はーい、それじゃまた今度ね ……許可取ったよ、写真ってのはこういう感じに撮るのが一番いいんだよ、勝手に撮るよりね」
「ありがとレイラ!!」
「よかったわね」
折角かったカメラがお蔵入りになるなんて俺としても可愛そうだしこれでいいのだ、ガーコもほっとした表情をしている辺り心配だったのだろう、友達が魔関署に連れてかれて投獄なんて事にはならないとは思うが、もしなったら大事だ
ところでエイコは気が付いているのだろうか
「イルマくんとプライベートで直接話せるいい機会なんだからちゃんと準備しときなよ? カメラだけじゃなくて服装とかも」
「!?!?!?!?!?!?!?」
どうやらわかっていなかったようで、何というか先が思いやられる、ライバルは多いぞ頑張れエイコ