「起床!」
そんな声が聞こえた気がする朝
一時的とは言えせっかく風紀師団に入ったわけなので、朝の挨拶がてらいつもより1時間ほど早く登校してみた
「いつもとは違ってやっぱりヒト少ないなぁ」
そりゃもうガラガラである、悪魔はズボラなのが多いのでギリギリにくるのが多いためではあるが
名門校のバビルスでこれなのでそれこそ底辺校なら……察するばかりだ
「「「おはようございます!!」」」
「お、おはようございます」
まだ早いのに校門前で挨拶運動をしている集団がいた、突然大声で言うものだから驚いたが、聞き覚えがある声も混ざっていたような気がする
少し戻って見てみるとその集団の中にイルマがいるのを確認した、となるとあの集団は生徒会だろうか、確かイルマは生徒会に一時入団すると聞いた気がする
意外と根性がある彼だ、きっと生徒会でもやっていけるだろうが悪魔と比べてひ弱な人間である彼は怪我などもしやすそうなので気をつけてもらいたい
俺は俺で風紀師団の師団室に着いたので遠慮なく入ることにした
「おはようございまーす」
「おはようレイラ! 今日も一日楽しむロノウェ!」
朝から色んな意味でうるさい先輩だ
だが、そのうるささが元気をもらえるので一長一短だろう。クララと似たものを感じてくる
「生徒会が挨拶運動してましたけどウチって何かやるんですか?」
「やるよ! 我が風紀師団はいつも生徒会と争ってきた……とは言え!別に生徒会が憎いわけじゃないのさ! どちらも学園をより良くしたいと出来た師団、いわば同士!ライバル!そう言った関係ロノウェ」
「それがやることに何か意味があるんです?」
「ありもあり、大有りさ! 校門を生徒会が占拠しているのなら我々は中庭だ!行くぞミギ!ダリ!レイラ!」
「「了解ですロミィ様!」」
「えぇ……」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「で、来たわけですけど何するんです?」
「ではまずその前に君にとっての風紀とはなんだ?」
「私にとっての風紀…?」
前世で言う風紀委員は学校のルールを守らせたりして学校の雰囲気をよりよくする感じだっただろうか
とりあえずそういう事を伝えてみた
「おおむね正解だ 確かにこの風紀師団もトラブルの対処などの活動も行っている……だが学校の雰囲気をよくするのに必ずしもルールを守る必要はないッ!」
「あるだろ」
「え?」「いえ何も」
思わず本音が出てしまった、自分で志願したとはいえ大丈夫だろうかこの師団
メンバーもロミィ先輩以外はSDのミギとダリって悪魔だけだしで実質ロノウェファンクラブ状態だ
「では準備だッ!」
「「はいっロミィ様!」」
慣れた手つきでミギとダリが何かの土台のようなものを用意している
「これは……お立ち台?」
「そう! このロノウェ、面白い事は大好きだ! そしてそれはみんなそうだと思う!」
「それまぁ……そうですね」
「なので定期的にはなるが我々がこの中庭を(勝手に)借りてイベントを行っているのだッ!」
そういえば時々中庭が騒がしいことがあったがこの師団も原因の一つだったのだろう、他にもお騒がせ師団はあるがこの師団はその中でも高頻度かもしれない、他だとわたくし師団……?なんかそんな感じの名前の非公認師団が目立つイメージがある、勝手に場所使うあたり似たようなものだろう
「で、今日は何するんです?」
「それは……パーティだ!」
「パーティ?」
お立ち台以外はそこまで何があるって訳じゃないし普通になんでもない日である今日にパーティ……不思議の国のアリスに出てくる
「
いけなくないだろ、別に
確かに花火の話題なんかも聞かなくなっては来たが平和でいいと思う、いつも忙しいのもどうかと思うしこういうチルなタイミングが合ってもいいだろう
「そこで僕はあの熱狂をもう一度起こそうと思うんだッ! そこで小さめながらもう一度パーティを行う!」
「「さすがロミィ様!」」
「はぁ」
「ところでなのだが、レイラさんは魔具研究師団の一員だね?」
「そうですね、その師団が一時的に活動休止状態になっているので他の師団で結果を出して師団長の信任を得ないといけないんですよね」
「なるほど……ではやはり協力してもらおう!」
凄ーく嫌な予感
「……何させるつもりです?」
「
「…まぁそうですね」
確かにパレードの際なんかに花火を利用するのはメジャーではある、だがメジャーな理由は人間界でよく使われているからであり、もとはと言えば
「小さな花火、それを定期的に飛ばしていたね? それの余りはあるかな?」
「持ってきては無いですけどありますね、結構作ったんで」
物自体は火薬の集まりなので厳重に屋敷で管理している。
「持ってきてないのであればすぐには無理かな、後日使いたいので持ってきてくれるロノウェ?」
「安全管理がちゃんとしてるならいいですよ」
「よし、では後でプランを組もう! こういうのは突発的より計画的に目立った方が効果が良いからね!」
「……意外と考えてるんですね」
「当然ッ! このロノウェ、ウォルターパークを始めとした魔界の人気アミューズメント施設を作り上げたレジェンダディの息子としてもこういう華やかなイベントでは全力で取り組むロノウェ!」
その表情は誇らしくも自信に満ち溢れたもので、こういうことに努力し続けているのがこの悪魔なのだろう。
少し、ロノウェが人気な理由が分かった気がする、こういう部分を学ぶ意味は大いにあるだろう
その為ならば協力するのもやぶさかではない
「わかりました、なら他にも演出に使える魔具もあるので使っていきましょう」
「いいロノウェ?」
「いいロノウェです こういうのに全力で取り組むってのもエンターテイナーなんでしょう? この際私も全力でやりますよ」
「……そうか、感謝ロノウェ!」
とはいえすぐには無理なのでこれも後日だ
今日はロミィ先輩のやり方を学ばせてもらう事にした。
「ロミィ様、準備完了しました」
「ロミィ様、他の生徒も集まりだしたのでそろそろ良いかと」
「よし、じゃあはじめるよ!」
お立ち台の上にロノウェが立ってポーズを決めた
「じゃあみんな!! 【僕だよ】!」
グイッっと視線が勝手にロミィ先輩のほうへ吸い寄せられる。
一瞬ではあったがこの強制力、これが例の家系能力だろうか?
「これロノウェ家の家系能力【カリスマ】だよ、レイラちゃん」
「えっと……ミギ「ダリ」 ダリさん、やっぱりこれって家系能力ですか」
「うん、ロミィ様も御父上のローズベルト様もこの能力で周囲の生物の視線を引き寄せることが出来る能力でもあり、ロノウェ家がエンターテインメントに最も向いているとも言える理由の一つだね」
「なるほど……確かにこれがあれば話を聞いてもらうのにもかなり役立ちそうですね、それに行動を強制させると考えると結構強いかも」
「そうだね、実際戦争なんかでこの能力を使えば一気に有利にできるだろう。 でもそれをそういう暴力的な方面に使わず、他人を笑顔にするために使うのがロミィ様のいいところ、私達がロミィ様の従者をやってるのもこういうところに惹かれたからなんだよ」
「そうですか……問題だらけのようにも見えてましたが、良いところも沢山ありそうですね」
「あはは、生徒会に突っかかるのは遠慮してほしいけどね」
話ながらロミィ先輩の方を見るが、実際その周りは笑顔にあふれており暗い顔が見えない。
少し後悔もしかけたが、この師団に一時入団したのは間違いじゃなかった、ここなら俺がモデビルとしても、タレントとしても成長することが出来る、そんな風に思った
「こら!! ここで勝手に何をしているッ!! 申請も受けていないぞッ!!!」
……前言撤回しても良いだろうか
ロノウェの扱い難しすぎるので違和感あっても許してください…