それに、
「なぁーんてことは無いんだな!」
要望選挙の集計は既に完了済み、一応まだ明日一日投票時間はあるがその辺の変化にも対応できるように映像作成もした
それに
「私は学ぶ系悪魔なんでね、師団披露の二の舞にはならないさ」
完全完璧スーパーレイラちゃんだ、今日はぐっすりねて明日に備えることにしよう
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「で、寝坊したと」
「馬鹿じゃないの?」
「返す言葉もありません……」
一応学校に間に合ったものの時間がギリギリになったのでデバイスの確認が出来ていない、これから授業なので
デスマーチ再び……
「は流石に勘弁【オートシナリオ起動】」
音声認識で魔具のモードを切り替えた、オートモードでは自動集計してくれるので便利ではあるのだが余計な要望を弾くようには出来ていないので面倒な要望があった場合に問題が起きかねないのが怖い点なのだ。
とはいえ今日は最終日、昨日時点である程度の上位の要望は確認しているが、問題ないものばかりだったので大丈夫なはずだ。
……大丈夫なはずだよな?
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
時間は解散選挙終了1時間前となった
「ふぅ……よし、じゃあやるぞ」
放送室のボタンを入れてマイクをオンにする
『バビルス生徒の皆さん、いかがお過ごしでしょうか なーんて前置きはいらないでしょう、ではそろそろ解散選挙《タイマン》も大詰め 皆さん広場にお集まりください、最終演説が開始されます』
「おい、聞いたか?」「広場だってよ」「行こうぜ!」
生徒たちが一斉に広場へと集まっていく、その光景は師団披露の時を彷彿とさせるようでもあり何人かはそれを思い出したかのような反応も見せていた。
とはいえ全校生徒全員が集まることは無いし、全員入るほどに広い訳ではない
10分くらいすれば広場にはかなりの数の生徒が集まって来た
「よし、次」
『それでは皆さん、広場の両端をご覧ください』
──ゴゴゴゴゴ!!
「なんだなんだ!?」「おい見ろ!」「なんかせり上がってくる!?!?」
広場の両端の方のスペースから台がせり上がってくる、他にも空からドローンがモニターや旗と言った色んなものを持ってきて自動で配置していく。
それぞれ赤を基調とした舞台にアザゼル・アメリ、青を基調にしたステージにロノウェ・ロミエールの文言とイラスト、それにそれぞれのスローガンのようなものが記載されている。
「……良く許可出たよなぁこれ」
マイクを一時的にオフにしてぽそりとつぶやく、これもまた申請して行っているのだが、バビルスの地下の部分を改造したりする案は正直ダメだろうと思っていたのだがなんでか許可が出た、サリバン公の仕業だろうか
とはいえ俺としては好都合、持てる力と魔具を総動員して連日放課後に取り組んでいき何とかこれを実現できた、この準備だけで見ても師団披露の時の比ではない。とはいえやりきったのは誇らしく感じる。
「さ、仕上げだ」
無線でそれぞれの代表者であるアメリとロノウェに連絡をする、お互い準備はできていたようで舞台へと上がって貰った
『皆さんご存じの通り、現生徒会アザゼル・アメリ様と風紀師団ロノウェ・ロミエール様になります』
「よ、よろしくお願いします」
「このような舞台を整えてくれて感謝ロノウェ!」
『えー、ではこれからそれぞれの候補者様の最終演説を行います、ですがその前に!』
『
「バビルスに新しいルールが出来るってことだよな?」「イベントだろ」「なんも変わらなかったりして」
『思う事はありますでしょうが、早速三位の発表から──』
悪魔の名前と学年、そして要望を大々的に発表していく
三位は"授業を全て受けなくて良くする" 生徒得票率は16%、教師得票率は0%だ、これは二年の悪魔の要望である意味悪魔らしい要望とも言える、怠惰を良しとする悪魔たちからは指示を受けたが、それ以外の勤勉な悪魔や他者の優位に立つことが好きな悪魔たちからは逆に批判対象ともなっていた。
二位は"位階昇級試験の増量" 三年の悪魔による要望である、得票率は23%、教師得票率は20%のものこの要望を出した悪魔は三年であるが位階が
そして次が一位
『では、栄えある一位の要望の発表となります』
『第一位!生徒得票率42% 教師得票率50%! "学校合同行事の発足"です!』
パパパパーン!と小さ目の花火が演出で飛び、どでかく"学校合同行事の発足"と書かれた映像が空に映し出される。
「あーみたみた、確か三年だかの師団のやつの要望だよな?」
「あれな白なんとかって師団のやつ、実力を発揮って訳じゃないが他の学校との交流できんのって楽しそうだよな」
「でも可能なのか?」
これに関しては事前に連絡で確認済みだ、口頭で教師の元締めであるダリ先生とバビルスの番犬とも言えるカルエゴ卿、そしてサリバン公の認可もちゃんと取れた。
意外なのはカルエゴ卿が乗り気だったことだ、ああ見えて彼も他の学校との共同行事やってみたかったのかもしれない、なんか嫌な予感もするが気のせいということにしておく。
『一位の特典としてこちらの要望の実現は教師の方々を始めとしてバビルス全体で動くとのことです。当然すぐにとはいきませんので、1~2年の間が開くとは思いますが、現在3年以下の皆さんはきっと参加が可能ですのでお楽しみに』
「二年もしたら俺らも忙しくなるよなー」「でも参加できないよりはいいんじゃね?」「それな」
『もっと早くなるかもしれませんし遅くなるかもしれませんが実現はするつもりらしいですし、きっとその時に卒業済みの方も……』
『あーあー、失礼、教師のナベリウス・カルエゴだこの件については我々が責任を持って進める、今回の主催の生徒に間違っても突撃などせぬように、質問があれば後日教師が受け付けるのでそのつもりで』
突然放送をジャックされたが、カルエゴ卿はかばってくれたのかもしれない。
今度感謝も込めて菓子折りでも職員室に持って行こう
『では邪魔をしたな、貴様が始めたんだしっかりと最後までやり遂げろよ?生徒A』
『はい、では要望選挙についてはここまで! 続いて解散選挙の演説となります、魔具人形が配布している紙にそれぞれの候補者様の情報などを記載していますので確認しつつご拝聴下さい、それでは先に風紀師団ロノウェ様よろしくお願いします』
「ああ! では諸君──【僕だよ】!」
その家系魔術【カリスマ】の視線誘導でしっかりつかみを行ったロノウェはこのまま演説へと入った。
アメリの性格改変に不安があるとは思うが、それ以上にロノウェ自体のカリスマ性もちゃんとある。これは能力のそれではなく、持ちうる人徳と言う物だろう、面白い事が好きな悪魔にとってロノウェ・ロミエールという悪魔は眩しく感じるものなのだ
だがしかし、俺は知っている、性格が変わろうがアメリはアメリだという事を
「……ロノウェってすげぇよな、面白いし俺たちに夢を見せてくれる」
「わかる、なんかでっかい事を見せてくれるような気がするんだよな」
「でもさ」「ああ──」
既に結果は出ているのだ、映像で見るアメリの表情は決していいものではないが、それでも生徒たちはちゃんと見ていた
とある要望
"楽して卒業したい"
ロノウェの回答→"わかるとも! 楽をするのは悪魔として正しい!もっと楽を出来る学園を目指そうじゃないか!"
アメリの回答→"楽をする、それを否定するつもりはありません、とても良い欲と言えるでしょう しかし、その欲をかなえるためにはまず──"
"位階が低いからと言って貶されるのを変えたい"
ロノウェの回答→"もっと自信を持て! 位階が低いなら別の部分で君のいいところを見せていけ!"
アメリの回答→"今の悪魔社会では位階が低いのは確かにそういう傾向にあります、であればこの件の対策として幾つかの方法が挙げられます──"
etc...
他にも多数の要望が挙げられているのだが、その全てに真摯に取り組んでいるのがアメリ会長なのだ、当然その要望を出した生徒にもその言葉は届いている。
ロノウェも応援という意味ではとても頼りになるのだが、それ以上にアメリ会長に付いて行きたい、アメリ会長に応援してほしいという悪魔たちは多い、そんな風に思えた
『では、続いて現生徒会アザゼル様の演説です、よろしくお願いします』
「はい、そ、それでは──」
結果は言わなくてもわかるだろう。
強いて言うなら、彼女はこの解散選挙で壁を一つ乗り越えた、そして自分の本心にたどり着いたという事だ
実は一話丸々レイラの要望選挙を書こうとしたけど前にFWDMやったのでやめました
にしても選挙って小説で書くと大変なんですね、新しい発見です
因みに演説の内容は魔入間本編でご覧ください、かなりいいですよ