「負けた!!!完膚なきまでに! 傷心ロノウェ……」
「ですね、お疲れ様です」
場所は生徒会室、
メンバーとしては現生徒会、
解散選挙からも数日たち、会長も元通りの性格へと戻っていた
「皆、私が使い物にならない間、協力してくれて改めて感謝する」
「いえ、会長には返しても返しきれない恩があるのでこれぐらい」
「そうですよ会長!私達会長の為ならなんだって出来るんですから!」
生徒会メンバー同士の仲もかなり良いようで、お互いに尊敬しあっているのが良くわかる
彼らがどういう経緯で出会ったかは知らないがきっと色んなドラマがあったのだろう、そういう風に感じる
「あ、そうだ! ロノウェ!会長の性格を改変した魔術の件だ!良くも……」
「何の話だ…… このロノウェ、その様な派手でないことはしないぞ……」
「それは事実ですね、解散選挙が始まるまでは私も風紀師団で活動してましたけどロミィ先輩がそんなことをする暇はなかったはずです……それに」
改めて魂視を越えて魔力まで見るために数秒だけ霊体化をする。
その状態でアメリ会長の方を見るが、まだ魔力の残滓が残っていた、この魔力は魔術を使うよりは薬品の類を利用した場合の物に近い
「一応聞きますが、ロミィ先輩は薬学、もしくは魔化学に詳しいですか?」
「あまり派手じゃないから苦手ロノウェ~…」
「これですよ? ロミィ先輩には無理ですね、原因は特殊な薬品のはずですし」
「それは君の能力か? 数秒ほどだが半透明になっていたが」
「えぇ、私の家系能力です 詳細はあまりお伝え出来ませんが、魔術の痕跡なんかの確認にも役に立つ能力です それで見る限りは魔術ではなく薬品を使われた形跡を確認出来ました。」
ここでばらしてもいいのだが、イルマがいるので余り不安を与えたくないというのもある。
それにまだ人間であるイルマを見ていたい気持ちがあるので俺の能力で魂が見れることはまだ秘密だ。
この魔界にとって人間は劇薬すぎるのでそういう意味でも慎重になりたいところだ、下手すりゃ前世の記憶から部分的に人間の魂が混ざっているらしい俺までひどい目にあいそうなものだし
「となると犯人は一体──」
「あの……今電話で、犯人捕まえたって…」
イルマがそう言った、どうやらその犯人をこの生徒会室に連行してくるらしい。
聞く話から察するにアスモデウスとクララ……まぁ十中八九アスモデウスだろう
とにかく待つだけだ
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
待つこと10分程度、アスモデウスとクララの二人が簀巻きにした悪魔を連れてきた
「二年 エリゴス・シネル
「貴様ッどういうつもりだ!」
生徒会の眼鏡をかけた先輩が詰め寄るにどうやらアメリ会長の親衛隊であり、今回の騒動を起こしたのは会長の失脚を狙ったとかではなくただ単純におしとやかなアメリ会長が見たかったからだそうだった。
なんとはた迷惑なのかとも言いたいが悪魔とはなんだかんだ言ってこんなやつばかりなので油断した会長が悪い。
それはそれとして、罰は与えなければならないのだが
ふと気になったことがある、俺の体質的にいけるんじゃないだろうか
「その香水ってまだあるんです?」
「キミは……?」
「魔具研一年 ガイストです、で?あるんですか?ないんですか?」
「作っている時に捕まったのであるが…もしやキミも
「変態と一緒にしないでください では失礼……これですか」
勝手にまさぐると香水があったので恐らくこれだろう
「一応聞きますけど、これ毒とかないですよね?」
「もちろん!それは
「こいつ反省してないな ガイスト、お前それをどうするつもりだ」
「いや、ちょっと気になる事があって えーと眼鏡先輩」
「ザガンだ、それは証拠として没収する、渡せ」
「はーい、でもその前にっと」
自分に向けてワンプッシュ
甘いような感じの匂いがする様に俺自身に香水を使用した。
「お前何をッ!?」
「……うん、やっぱり」
精神に異常なし、いいタイミングだったので我がガイスト家の精神魔術耐性が薬品の類にも効果があるのかと思ったのだが、やはりなかった。
父に聞いた時は上級魔術すら効かなかったと言っていたがここまで全く意味がないとは思わなかった
もしかしたら俺の精神が男と女、人間と悪魔が混ざっているからなのかもしれないが、これすら効かないのならこの先色々と役に立ちそうだ。いい実験となった。
「レイラさん大丈夫!?」
「ん? あぁイルマ君大丈夫だよ、私こういうの効かないんだよね、それに仮に聞いてもこの香水を解析すれば元に戻す薬くらいなら私でも作れるからさ」
「よ、よかった~」
「高い精神耐性か……あまり驚かせるな」
「すみません会長、安全に精神系の攻撃を受けれる機会だったので……自分の体質を理解するのに役立ちそうだったので、あ、これ香水です」
「確かに ……さて、エリゴス・シネル、貴様には当然罰を受けてもらう まずは生徒会鍛錬業務50倍からだ!連れていけ!」
「「イエッサ!!」」「びゃああぁぁ」
エリゴスがどこかへ連れていかれた、生徒会業務を受けていた相当に厳しい業務なのだろう、イルマもよく震えている
「さて、次にロノウェの処遇だが……生徒会へ入らないか?」
少し驚きであった、ロミィ先輩の性格的にアメリ会長と合わないので生徒会にスカウトするとは思っていなかった。
とはいえ、これも会長なのだろうもしかしたら生徒会役員は皆このようにぶつかって集めたのかもしれない。
ある意味納得である、ロノウェの反応も目立てるならという事で快諾していたので解散選挙も一件落着だ
イルマも(生徒会に)残るか?と聞かれていたが断っていた、アミィ先輩の事を考えているのが簡単に想像できるようだ。
それに、アスモデウスとクララも一緒に居られる魔具研から離れる理由はないだろう
そこに俺がいるのは……俺の勝手だな、俺は魔具が好きだ、それ以上も以下もない。それだけの事だ。
「いやぁ、良かった良かった ……そういえば魔具研の件ってどうなったんだろ?」
「それぞれの師団長からの推薦は既に受け取っている、後は上級生の件だが、それも少し待ってもらえればこちらで解決しよう」
「ほんとですか! これでやっと戻れる……」
「まてガイスト、お前はダメだ」
「えっ」
俺はダメ? 何故だろうか
それぞれの師団長からの推薦は受けたと言っていたのだが……風紀師団なくなったじゃん
「と、止めるべきだった?」
「解散した師団からの推薦は流石にな」
「や、やってしまった……この数週間が無意味に…?」
ということはまたこれから数週間の間別の師団で活動しないといけないという事なのか……?
魔具研……ホームシックならぬバトラシックになりそうだ…
「お、おぉ…っ」
「レ、レイラさん……」
やばい、俺が悪いとはいえ上げて落とされたような気分だ、ちょっと涙も出て来た
イルマが慰めてくれるが、ちょっとすぐには切り替えられないかもしれない……とはいえ、魔具研自体は守れたのだ、取り繕うことくらいはするべきだろう
「っっっふぅー……だ、だいじょ……っ」
無理だ辛い
あれだ、宝物を目の前で取り上げられた時の子供の気持ちだ。
分かってはいるのだが、辛いものは辛い 俺は思った以上に魔具研の事が好きだったみたいだ
「……冗談だ、そこまで
「……へぇ?」
今なんといったのだろうか?
ジョーダン?誰だ?
「確かに師団長の推薦は受けられない、だが、お前には選択肢があるのだ」
「選択肢?」
ここで言うということは俺が魔具研に帰るための条件だろうか
「今回の
「個人であれだけのイベントを提案し、先生方から受けた課題を完遂した そのことは評価に値することだ」
「でもあれは私がしたかったことなので……」
「それでもだ、お前が行ったことは評価しないわけにはいかない」
「…わかりました」
「それで、それに対する報酬なのだが、選択肢が挙げられている それをお前に選んでもらう」
これが選択肢か、悪いものでないとは思うがなんだろうか
「一つは魔具研究師団での再活動許可及び師団活動での申請の優遇」
「──もう一つは、1
「魔具研でお願いします」
「何ッ!?」
アスモデウスが驚いている、こんなの一択だろう
「貴様ッ!
「そんなの後でいいでしょ、魔具研最優先よ」
涙の後が気になるが、そんな事より魔具研復帰だ
「即答か、聞くだけ無駄だったな それに、お前ならすぐに別件で
「え、そうなんですか?」
「師団を選んだ場合のみ伝えろと言われていたのだがな ──いい欲だ」
そうして俺たちの魔具研を取り戻すための数週間は終わった。
色々とあったが、ハッピーエンドと言えよう
──ふと安心したら眠くなってきた、今日はゆっくり寝ることにしよう
これで解散選挙編 完結です