悪魔で霊な元人間   作:P223

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42 ゴミ捨て問題、教室問題

ピッ ピッ ピッ ピッ

 

廊下を歩きながらスキャンする

今俺はクラスメイトに頼まれてクロローンのルート登録を行っていた

話は少し遡る

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「なぁガイストー」

 

「ん? どうかした?」

 

授業終わりに突然話しかけられた、相手はクラスメイトの男子の1人である一つ角の子である

 

「お前って魔具作れるんだよな?」

 

「まぁ作れるね」

 

「だったらさ、ゴミ捨てを自動でしてくれる魔具とか作れねーかな?」

 

「ゴミ捨て? 普通に捨てに行きゃあいいじゃん」

 

「お前それゴミ捨て場知ってて言ってるのか?」

 

「言ってるよ」

 

「そこんとこ頼むよガイストぉー!」

 

「えぇ……」

 

面倒なのは面倒である

確かにゴミ捨て場は一年の教室からまぁまぁ遠い、長い廊下を渡って階段を降り、そのまま問題児(アブノーマル)クラスの前を通って更に少し歩いた先なのだ

確かに魔具を使えば自動でゴミ捨て場まで運ぶくらいは簡単に出来るが、そうやって楽をする事は必ずしもいい事とは言えないのだ

それに……

 

「仕方ない、これをやる!クラスの男子で買った物だ!」

 

「賄賂なんて渡されても……これは!?」

 

渡されたのは超有名魔具メーカーの高性能腕時計の限定モデルだ、ゼパル家のデザイナーによるデザインもさることながら時間以外にも様々な機能があるので人気があるのだがモデビルの仕事などもあって買えなかった逸品である

 

「これをどこで……まさか転売!?」

 

「ちげーわ! 前にガイストが欲しいけどバイトで無理って喚いてるのを他のやつが聞いてたんだよ、それで男子で金出し合って並んで買って来たんだよ」

 

「まじか……まじかぁ……!」

 

つまりは正規品、最高の品だ

これを渡してまでしてゴミ捨てをさぼりたいとは恐れ入るが、そこまでされたなら仕方ないだろう。

 

「わかったよ、魔具飛ばすなら先生の許可いるだろうけどそれくらいそっちで取ってよね」

 

「おう! 任せとけ!」

 

満面の笑みでのサムズアップ、なぜここまでベストを尽くしたのかわからないが、俺もやるだけの事はやってみよう

まずは、クロローンの一機を運搬特化に改造するところからかな

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

とまぁそんな感じである

それで今俺は朝のホームルームの前にクロローンのスキャンを行って自動でゴミ捨てを行うルートを作っているところなのだ

 

「今日何食べようかな」

 

そんな事を言っていると、進行方向の問題児(アブノーマル)クラスの方から熱気が吹いて来た

 

「なんか臭いし……なにこれ」

 

「やっぱ、教室無理だよなーぼろいし」「それな」

 

すれ違った生徒がいたが、特に気にした様子はない

気のせいってことは無いだろうが、気にするほどの事でもないのだろうか

 

更に少し経つと問題児(アブノーマル)クラスが見えて来た……のだが

 

「なんか燃えてない?」

 

熱気の正体はこれのようで階段を下りた先が炎上していた

その前には10人程の人だかりになっているようで、その先頭には見覚えのある人物がいた

 

「何やってんの?」

 

「ん? あぁガイストか今丁度入間様がゴミの焼却処分を行ったところだ」

 

人だかりにいたアスモデウスに聞いてみるが、どうやらこれを行ったのはイルマらしい。

目立つのは苦手とかいつか言っていたイルマだが、意外とこういう派手な行動もするのだよな。

とはいえ、ここまで危なそうなことはするイメージが無かったのでそこは意外だ

 

「お前は何しに来たんだ?」

 

「ごみ捨ての準備? 魔具のルート登録だね」

 

そう言ってクロローンを見せると納得したようだ

 

「おっ、アズアズの知り合い? 俺シャックス・リードって言うんだ、よろしくー」

 

「よろしくね、ガイスト・レイラです それで、これ何燃えてるの?なんか臭いんだけど」

 

「あーこれゴミだよ 他の一年がここに置いていくからさ」

 

「燃やしたと」

 

「普段はそこまでしないけどね、入間君が悪周期(あくしゅうき)らしくって、やっちゃったんだよね やばいよね」

 

「そりゃまぁえらいことで」

 

悪周期か、それならまぁ仕方ないのかもしれない。

悪魔の悪周期とは悪魔が本来の性格である悪辣さが多く出る時期である。

定期的に起こることで、体調が崩れるようなものでもあるので酷い悪魔は学校や仕事を休むこともままあるそうだ。

悪周期の特徴として、普段よりも大胆な行動や己の欲のままによる行動が増える事の他に魔力が向上して普段よりも強力な魔術を使用できたり身体能力が上がったりすることもあるのだ

 

それを考えるとイルマがこれくらいの事をするのもおかしくないと思える……?

 

「いやおかしくない!?!?」

 

「びっくりしたぁ!? どしたの?」

 

「え、いやこっちの話で……」

 

イルマが悪周期?人間の?イルマが????

 

当然ではあるが人間には悪周期なんてものは存在しない。

俺も、悪周期になる事はあるのだが他の悪魔と比べればかなり少ない頻度である。

まさか、人間でも魔界に長くいれば悪周期を発症するとかなのだろうか…?

 

とりあえず、まずは魂視だ。原因を探る。

 

 

うん、魂に異常はなし、さらに深く調べるために霊体化……わかった

何か精神系の魔術をかけられているようだ、前のアメリ会長と同じように性格を改変する類の物だろう。

しかし…これは相当強力なようで、かけた本人でも解除は不可能なんじゃないだろうか?

幸い時間で解除されるようなのでまだいいが、サリバン公に報告するべきだろうか

 

「うーん?」

 

「おう、レイラか 何してんだ?」

 

「ん?」

 

考えこもうとしたときに別の人から声をかけられた、顔を上げるとイルマ……なのだが、なんか強そうなイルマだった

 

「イルマくん……でいいんだよね」

 

「他に誰がいるんだ お前と同じ師団の入間だっての」

 

「えーっと、なんて言うか……えぇー」

 

これはまた凄まじい違和感である。

しかし、悪周期(仮)イルマは口調や行動は大胆かつより男らしくなっているが悪辣さは特に感じない。

なんだか乙女ゲーに出てくる俺様系っぽい感じもするのでいつも以上にモテそうだ

 

「にしても派手にやったねぇ」

 

「あぁ、完全に舐められてるな ……よし、お前ら!」

 

何か思い浮かんだようでニヤリとした顔でイルマは問題児達の方へ向き直した

 

「ここから、城へ移るぞ」

 

そう言ったイルマは問題児達を引き連れて何処かへと歩いていった、問題児じゃなく優等生な俺はクリーンにゴミ捨ての為の作業に戻ろうとしたが、その前に……

 

「君は行かないの? 確か──そう、プルソンくんだ」

 

たんだ」

 

最初からずっと認識阻害で隠れ続けている悪魔がいた

彼の名はプルソン・ソイ

問題児(アブノーマル)クラスの一人でもあり、【認識阻害】の家系魔術を扱う悪魔だ

 

「私、そういうのの天敵だからね、見えちゃうんだよ」

 

「なんで─」

 

「家系能力、五感以外の知覚があると認識阻害ってすり抜けちゃうんだよね、それに()()()()()()()()()()()

 

「それって「あ!ごめん、これ内緒なんだった! 聞かなかったことにして!!」」

 

まずいまずい、彼との契約で彼の事は誰にも言わないって約束だった

プルソン・プルトン、彼との邂逅はかなり昔になるのだが、それはまた別の話だ

 

「いやぁごめんね! 久しぶりにプルソンのとこの悪魔に会えたからちょっとテンション上がっちゃった、確か目立たない事が大事なんだよね、イルマくん達には黙っとくから!それじゃ!」

 

このままこの場にいたらまた口が滑りそうなので引き止めといて悪いがさっさと去ることにしよう、ホームルームまでまだ時間はあるとは言え善は急げだ

 

「いや─」

 

ふと後ろでソイの声が聞こえる、悪いので立ち止まろうとしたのだが

 

「いやおかしくない?なんか突然声をかけられたからなんだろなーって出て来たはいいけどぼくの家の事知ってるとか言ったと思ったらすぐに訂正するわで歩いて行くしでって別にそれがダメとか悪いとかそう言うのじゃないんだけどぼくも普段は認識阻害で隠れてるから人の事言えない訳ではあるけど流石にちょっと気にすると言うか傷つくというかぼくが何か悪い事したのかなとか思ったりするわけでいやでも久しぶりに女子と話せたのは嬉しいんだけどそれとこれとは話が別でいやでもここでグイグイいったりしたら悪いかなって思うんだけどまだ見えてるし言ってもいいのかな?だめかな?もしかしたら兄さんの居場所とか聞き出せるかもしれないしそれとは別で仲良くなれるかもしれないしで行くのはありかもしれない、いやちょっとまって?あの子なんかモデビルの子に似てない?もしぼくの予想が正しいのであればあの子と仲良くなれば他のモデビルとも仲良くなれてゆくゆくはサバトにも……ってもうだいぶ遠くなってきた、今追えば追いつくだろうけどみんなの方にも行きたいしどうしよう!」

 

あれはこちらに話してるのだろうか、それとも独り言だろうか

口を滑らせた俺が悪いとは言えちょっと怖い、怖いが、まぁいいだろう

 

「はぁ……ほら、プルソンくん……君の家族と知り合いなんでソイくんって呼ぶね、暇なら少し話そうか、こっちおいで」

 

「え、あ、うん そんなつもりで近寄った訳じゃなくてぼくからも話しかけようかなって思ってはいたんだけどとりあえずは近寄ってからかなって思ったわけで別にストーカーじゃないよ?綺麗な女子だなとは思うけどそんな変態的行為は我が家の評判にも関わるから絶対しないし寧ろ女性は大切にする紳士的なのを心がけてるからで──」

 

どうしよう、俺こんな子と話した事ない、誰か助けて

 




悪周期って設定天才ですよね、何食べたらああいうの思い浮かぶんだろう
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