「はい、お茶どうぞ」
「どうも」
実の所、前に行った後も何度かこの場所に来て生物学の勉強なんかに付き合ってもらっているのだ
バラム先生は中々に優しく分かりやすく教えてくれるので、勉強がかなり身に入るし植物にも詳しいからかお茶が美味い
今日も勉強ついでにおしゃべりをしようという事である。
「そういえばなんですけど先生、先生って
「ん? あぁ聞いてるよ、僕の元にはまだ誰も来てくれてないんだけどね」
「へぇ、因みに先生は許可出すんです?」
「そうだなぁ……」
少し考えこむような様子を見せた後に迷いなく口を開いた
「許可するね、うん」
「意外ですね? カルエゴ先生とセットで
正確には
そういう親友同士が同じ職場で同じような立ち位置の職にまで上り詰めている事を考えると、類は友を呼ぶとは言うが出来過ぎなほどである。
それとも当時の教師などの先導者がよほど優秀だったのだろうか
「そうだね、カルエゴくんはそう簡単に頷かないだろうけど今回の条件はそのカルエゴくんが出したものだからね ぼくとしてはそれで十分、それに個人的には見てみたい気持ちもあるからね、王の教室が開く瞬間をさ」
「なるほど」
そこにあるのは信頼だろう、それもオペラさんがサリバン公に対するそれとはまた違い、もっと純粋な友情からの信頼に見える
それだけカルエゴ卿の判断に間違いがないと確信しているのだろう
「それに、カルエゴくんは全ての教職員の許可と言ったんだよね?」
「そうですね、それでいま彼らは教師から許可を貰うために奔走してるみたいですよ」
「教師からか……
「足りない? 誰か外に主張でもしてましたっけ?」
バラム先生もそうだが何人かの先生は時々別の学校などに出張する事がある、その理由までは知らないがそのせいで常に学校にいるとは限らないのだ
とはいえ、今はそう言った話は聞いていないので全教員がいるはずだ
……ん?教員?
「あの……もしかして教職員って事務員さんとか売店の人とかそういうのも含んでます?」
「わかるんだ、すごいね そうだよ、カルエゴくんは最初からそのつもりで言ったんだろうね」
「それはまた……」
なんというか意地が悪いと思わなくもないのだが、気持ちもわからんでもない
「それだけ王の教室ってのは重要な場所なんだよ そう簡単に使わせる訳にはいかないからね、これくらいは見破った上でこなせって事だね」
「それを見破らない程度の実力では王の教室は夢のまた夢って事ですか……当然ではありますが、イルマくん達ではちょっと厳しそうですね」
「そうかな? ぼくはそのイルマくんって子の事はまだよく知らないけれど、同じ一年のガイストさんが気がつけたんだから大丈夫じゃないかと思うけどなあ」
「イルマくんはこういう所抜けてるからどうでしょうね、座学一位のアロケルは……こういう方面を見破れるかわかりませんが他に主席のアスモデウスは気付けそうです、しかしイルマくんに盲信してるので進言するまで行くかどうか……といった感じですね」
アスモデウスと一対一で話した事は魔具研で何度かあるが、彼は本当に優秀である
俺以外に一年で無口頭魔術が使えるのはおそらく彼だけだろうし、何をやらせてもそつなくこなすので努力家で天才と言えるだろう
しかし一方イルマ関連の事になると一気に暴走する。
イルマの事を大切にしすぎるあまり、本来のスペックを発揮出来なくなるのだ
それが悪いとは言わないが、イルマと一緒に行動する上では克服すべき事象だと俺は思っている、イルマを魔王にしたいならば……ではあるが
それでその影響があった上でアスモデウスがもしこの件に気が付いたとしても今度はあのアスモデウスの事だ、イルマに間違いを指摘する事が出来るかは未知数ではあるが、俺としては今のアスモデウスでは無理だと思っている
「あとは意外性のクララ……ウァラクですが、彼女は予想出来ないですね 意外とあっさりわかってそうですし、わからないかもです あの子はちょっと本当に謎だらけなので」
「へぇ、よく見ているんだね ガイストさんはA組でしょ?
「イルマくん達3人だけですよ、同じ師団なので 後は女子とは仲が良いので偶に魔インで情報を聞くくらいです」
モデビルをやっていることは伝えてないがケロリ、クララ、エリザベッタの三人との魔イングループなんかもある
モデビルをやっている時の知識でおすすめの化粧品なんかの情報交換からテストの勉強会まで色々な話をしている
今度女子会をしようなんて言っているが、いつになるんだろうか
「それでもだ、それでちゃんと把握して記憶しているのは偉いことだよ」
「それは……どうも」
なんか照れ臭いが、称賛は素直に受け入れておくことにする。
さて、話を戻そう
「それでなんですが、他のメンバーも話を聞く限りではこれに気付ける程とは思えないってのが私の考えですね」
「そっか それならそうなのかもね、でも意外とそれでも何とかしちゃうのかもしれないよ?」
「ふふっ そうですね、イルマくんってなんかそういう星の元産まれて来たんじゃないかってくらい運命を引き寄せる感じありますし」
飛行レースしかり師団披露しかりとピンチの時に何かが助けてくれることが多いってのは実際あるのだ
前者はともかく後者は俺だが、イルマだけじゃこなせない程の試練を乗り越えるための助っ人に恵まれている感じがする
今回だって、案外意外なところから攻略してしまうのかもしれない
「そういえばこの前だってイルマ君が……」
──コンコンッ
「ん?来客かな? 待っててね」
「あ、はい」
一応魂視で確認……予想通り
人間に近い見た目が多い悪魔たちの中でも一際人間からかけ離れている顔をした侍っぽい子だ
「此方はバラム先生のお部屋でよろしいでござるか?」
「うん、あってるよ ぼくがそのバラム・シチロウだよ」
「よかったでござる! では早速でござるが、この認可証にサインをいただきたく参上したでござるからして、いただけるでござりますか?」
「まぁまぁ、とりあえず一旦入っておいで 話はその後聞こうか」
「わかりました!」
なんかうっきうきで入って来た
話した事はないがエリザベッタの情報からは人懐っこくて誠実な人との事だが、それに間違いはなさそうである
「あれ?先客でござるか?」
「うん、でも気にしないで良いよ 私はガイスト・レイラ、君と同じ一年生のA組だよ」
「これは失礼、拙者はガープ・ゴエモンと言うでござる! 良ければ仲良くして欲しいござる!」
「うん、仲良くしよう」
そう言って握手をすると、表情が分かりづらいのに明らかに嬉しそうな雰囲気を出してぶんぶんと握手を返された
触ってみて分かったが、かなり鍛えているようで腰につけた刀は飾りでは無さそうだ
「A組にもお仲間が増えるなんて 今日はとてもいい日でござる!」
「大袈裟だなぁ、それより用を済ませたほうが良いんじゃないの?」
「あぁ!! そうでござった! バラム先生よろしくお願いするでござる!」
「うん」
二人が話し出したのを横目に見ながら勉強を再開。
……にしても、ここまで来ると他の問題児達とも話してみたくなって来た
一度こちらからクラスまで行って誰かにコンタクトを取ってみるのも良いかもしれないな
ガープくんのエミュが恐ろしく難しかったので違和感があったらすみません!
それはそれとして!
魔入間の外伝新連載「僕同盟のゲーム道」がチャンピオンBUZZで来るぞー!
とはいえ自分は買う余裕がないので単行本でゲットします。楽しみ!
西先生監修でしょうし本作に使えそうな設定が生えて来たら利用するつもりです