「名残惜しいでござるが、拙者はこれにて失礼します」
「うん、また来てね」
「じゃあね、ガープ君 今度
「是非! 待ってるでござるぅー!」
手を振りながらガープは帰っていった、もう少し話したかったのだがこの三日間は忙しそうだったので今日は見送りだ
「ちゃっかりしてるね?」
「え?何がです?」
「
「…ばれました? 私だって見てみたいですからね、王の教室の中ってどんな感じなのかって気になりますし」
人当たりのいい彼を利用する形にはなるが、もしダメならイルマとかクララ辺りを頼れば入れる気もしている。
実際ガープとはまた話したいので嘘だけという事もないのでセーフにしておきたい
「よし、じゃあ私もそろそろ行きますね」
「そう? …わかった、また来てね」
「はい、バラム先生の話はわかりやすいですし楽しいですからね」
それだけ言って俺もその場を離れた、今日はもう予定はないが仕事もないので魔具研によって魔具製作か、エイコ達をさそってショッピングかどちらかにするつもりだ
しかし、小腹が空いたのでその前に軽く食堂でなにか摘むことにした
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「さて、今日は何があるかな」
バビルスの食堂は
俺は
しかし、当然手に入る食材の関係性もあって日によっては存在しないメニューもあるので必ず頼めるというわけではないのだ
「あ、唐揚げ」
そんな声が漏れる。
イルマくんと一緒に料理をすることになったきっかけの料理だ、せっかくなのでこれにすることにした
唐揚げ一皿3個入り、小腹を満たすには充分過ぎるほどである
──RRR! RRR! RRR!
電話が鳴ったので取るが、口の中に唐揚げがまだ残っている……仕方ないとして強行
「
『ガイストか、少し用があるのだが今大丈夫か?』
「
『すまない食事中だったようだな 終わってからでいいから生徒会室に来てくれないか? 知らせたいことがある』
「はい大丈夫ですよ、すぐ向かいますね」
『ゆっくりでも構わない、では待っている』
プツッ……
何の用だろうか、今は特に何も予定は無かったはずだし俺はこれでかなりの優等生の自覚がある。
事を起こすときはちゃんと許可を取るし、勉強も学年4位だ。
話の感じからもお叱りを受けるということは無さそうではあるが一体……からあげおいしい
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
生徒会室の前まで来たわけなのだが……
なんかイルマ君が座っている、今日はよく会う日だな
……悪食の指輪からの視線などはなさそうなので一安心だが何をしているのだろうか
「何やってんの?」
「ん? ああレイラか、よく会うな」
「ほんとにね、それで?」
「あぁ、生徒会長の推薦状を貰えないかと思ってな、これがあるとないとでは教師からの心証が段違いだろうからな」
「へぇ?」
上手い事を考える、確かにバビルスで高い信用を持っている生徒会長の推薦があれば首を縦に振る先生も増えるだろう
「もうそろそろ時間だろうけどそれで足りそうな感じ?」
「あぁ許可を受けづらいであろう先生は皆が頑張ってもらっている、その分を含めればカルエゴ先生を抜いた教師36名全員の許可が得られるはずだ」
「そう、何か手伝おうか? 資料を整理する魔具とかもあるよ」
「いや、いい これは俺達の問題だ」
「そ」
そういうの嫌いじゃないぜイルマくん、どうせなら自分たちだけでやり遂げたいよな
だがやっぱりと言うべきか、教員は揃いそうだが職員は頭に入っていないようだ。
これを成し遂げるのは難しそうだし俺の予定も少し変更するべきだろうか
「そっちは? なんでこんなとこにいるんだ?」
「私? 私は会長に呼ばれてきたんだよ、なんか伝えることがあるとかでさ」
「そうか、なら俺はそろそろ行くよ 急がないといけないしな」
「それじゃあまたね」
「ああ」
そうしてイルマと別れた、順調に物事が進んで明るい顔ではあったがこれは相手が悪いとしか言えないだろう
それでもやっている事自体はすごいことなのだ、後で慰めついでに遊びにでも誘うことにしよう
では気を取り直してノック
「誰だ」
「ガイストです」
「入れ」
「失礼します」
短いやり取りで入室する、今はアメリ会長しかいないようで少し生徒会室が寂しく見える。
アメリ会長は少し顔が赤いようだが熱でもあるのだろうか
「そういえばそこでイルマくんに会いましたよ、またなんかやってるみたいで楽しそうですよね」
「いるっ!? マ、まぁそうだな たまには落ち着いてほしいものではあるが、あの姿勢には好感が持てることも確かだ」
「それで、今日は何で呼ばれたんです?」
「
「え? この時期にですか?」
普通は
時として例外的に団員が増減することもあるのだが、中々珍しいことである
「で……だな、その団員というのがだな」
「急に歯切れ悪くなるじゃないですか、別に魔具研を破壊したいって
「その……エリゴス・シネルでもいいか?」
エリゴス・シネル………彼かぁ……
うん、まぁ……大丈夫……だよな?
「分かりました、私は大丈夫です……でも、良いんですか?彼にひどい目にあわされたのって会長ですよね、もう罰終わったんですか?」
「罰は一通り受けさせたのだが、まだ危険だろうし私の目の届く範囲の信頼できる
「あぁ……」
理由はわかった、後は実力だろうか
「彼って魔具には詳しいんですかね、ある程度は出来そうですけど」
「それに関しては問題ないだろう、あの性格改変魔具も独学で作ったらしい」
あれ独学なのかよ、つまりは変態か……好きな分野ではかなりやれるタイプの
「実力もありそうですね、分かりました でも一度顔合わせしましょう、彼とは私殆ど話してないので
「いいだろう、ただ余程合わなさそうでもなければ決定事項ではあるがな 悪いな」
「これは仕方ないですしいいですよ、じゃあ日時はまた教えてください 用件はこれだけですか?」
「そうだな……ところで、これはプライベートの話なのだが」
「はい」
空気が変わった、何と言うか甘い香りがする……ぶっちゃけ女子歴の方が長くなった俺ならわかる、これは恋バナだ!
「その、お前は入間とよく話すのでいいんだよな?」
「そうですね、あの二人にはさすがに勝てませんけど」
「なら……その、入間が好きなものとかそういうのは聞いたことが無いだろうか……」
「好きなもの?」
「あぁ、実はプライベートではあるが入間には世話になってるのでな、そのお返しでもと……」
顔真っ赤だ、かなり勇気を出しているのだろうな
もしやこれは完全に自分の恋心を自覚したのだろうか、そうであれば俺は嬉しい、凄く楽しい
生徒会にも他にアスタロト・スモークという女性がいるのだが彼女にもコンタクトを取れないだろうか、女子の情報網は恋愛においてはかなり広いから繋がれれば色々と聞き出せそうだ。
一旦それらは置いておいて今はアメリ会長の相談に乗ることにしよう
「そうですね、イルマくんは食べるのが好きなので──」
にしてもイルマの周りは本当に暇しないな、これからももっと俺に娯楽を提供していってもらいたいものである