悪魔で霊な元人間   作:P223

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5 閑話 バビルス内探検会

 

「一年間使うとはいえ結構教材が多いね」

 

「だね、でもその分色々学べるって思うとわくわくするかも」

 

「レイラは真面目だなー、入試前からずっと勉強してたんだっけ?」

 

「そうだよ、結構猛勉強と特訓したんだけど実技は3位で座学は4位だったんだよね」

 

「上には上がいるってことね、でも十分凄いわ頑張ったわねレイラ」

 

「勉強わからないところあったら教えてね!私も頑張るけど!」

 

さて、我々三人は今日は教材の配布日でバビルスに来たもののこの後の予定が全くないのである。

つまりは暇、とにかく暇なのだ。

ぺらっぺらなガールズトークで場をつなぐのも悪くはないが、折角の機会何かしてみたいのが真情だ

 

「というわけでこれから私たちは、バビルスの施設をかるーく探検していこうと思います。」

 

「わーい」

 

「いいのかな?でも面白そうだし、いいか」

 

エイコはちょっと不安があるようだけど我らは悪魔、悪魔の好奇心を止めることは誰にだって出来ない。

なので順番に回っていくことにした

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

講堂

 

「改めて入ってみたけど結構広いよね」

 

「だね、全学年入るのかもしれないね」

 

イルマくんが禁忌呪文を唱えた檀上へと上がってみる、まだマイクなどは撤去されていないようでそのままであった。

 

「どう?似合う?」

 

「わりとかな」

 

「そういえばレイラがもし代表挨拶だったら何言ってたの?」

 

俺が代表だったらか……

 

「本日はお日柄も良く~って感じかな」

 

「普通」

 

「つまんない」

 

「別に普通でいいでしょこんなの!アレ(いるま)と比べないでよ!無理だよ禁忌呪文なんて!」

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

中庭

 

「意外と狭いよねここ」

 

「イルマさん……」

 

「レイラ、エイコがトリップしてる」

 

「うそでしょ」

 

まだ一部焦げ跡が残っている。教師もある程度は対処しただろうにそれでも残るってことはアスモデウスの火炎はそれほど強力だったってことだろう。

一瞬とはいえ良く俺生きてたな。保護(グラン)を事前に勉強しててよかった…もっと練習しておこう、いずれ保護繭(グランココン)も使えるようになりたいものである。

 

「私たちもこの辺ちょっと荒らしちゃったし焦げてるとこだけちょっと手入れしていこうか」

 

「レイラって偶に悪魔らしくない優しさ発揮するよね、悪周期かなってくらいの悪辣さを発揮することもあるけど」

 

「良くも悪くも素直ってことで」

 

前世は結構抑圧されて生きてきた分、今世は自由に行きたいのだ我慢なんてあまりする気はない。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

食堂

 

「ひろーい」

 

「いいにおーい」

 

「おなかすいたー」

 

まずい、私たちのIQが溶けていってしまっている。そういえば食事もまだだった。

 

「ここって今も食べ物買えるのかな?何か食べていかない?」

 

「何食べれるんだろ」

 

三人で席についてメニューを確認する。

 

「何々?…位階(ランク)によって食べられるものが変わるんだってさ」

 

「へー、それじゃ今の私たちって位階(ランク)の判定前だから無理なのかな?」

 

「聞いてみる?すみませーん!!」

 

食堂にいる職員の人を呼ぶとキッチンの方で作業をしていた職員の悪魔がこちらへと来てくれた。

 

「どうかした?君たちは一年生かな」

 

「はい、そうです。私たちってまだ位階(ランク)判定前なんですけど、小腹がすいちゃって何か食べられるかなって思ってきたんですけどここって位階(ランク)別でメニューが変わるじゃないですか。なら私たちってまだ何も注文できないってことですか?」

 

「あーそっかわかりづらかったかな、ここに書いてあるフリーメニューなら大丈夫だよ、因みにお菓子とかはあっちの売店で買えるけど有料ね」

 

「なるほど!ありがとうございます!」

 

「うん、じゃあまたね」

 

職員の悪魔が手を振って職務に戻っていく、スマートな対応で助かる。

言われたとおりに俺たちは食事注文したのだった。

因みに魔界の料理は見た目はやばいが味は美味い、俺が好きなのはカレーであり紫色をしてたりするが美味いものは美味い。

 

「この後どうする?」

 

師団(バトラ)の見学はまだ無理だったはずだし教室でも見に行く?」

 

「良いね、その前にあそこの売店で何が売ってるのか見ていこうよ」

 

「「賛成〜」」

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

売店

 

「いらっしゃい」

 

食事も終わったのでみんなで売店に見に来た、売店では店員のなんか小さくて黒い生き物がお出迎えしてくれた。心の中でちいくろと呼ぼうと思う

 

「色々あるね」

 

「そうだね、お菓子以外にもちょっとした備品とかもあるし何か足りなければ買い足せそう」

 

「あっ!これ見て!可愛いメガネ〜」

 

エイコが物の中から可愛らしいピンク色のメガネを発見した、見る限り度は入ってなさそうなので伊達メガネだろうか

 

「へぇ、エイコに似合うかもね。店員さん、これかけても良いかな?」

 

「それ商品 お買い上げないと使うな 万引きは刺す」

 

ジャキンと店員さんは竹槍をどこからともなく取り出した、悪魔相手だとこれくらいしないと盗まれるんだろうか。これでも盗まれるんだろうが

 

「試着出来ないのかー残念、ちょっとお高いしどうしようかな」

 

確かに一般的に購入するメガネとくらべると金額が少し高くなっている。

単純に売店だから割増されているのかとも思ったが他の商品はさほど変化がない。

 

「店員さん、これって何か仕掛けでもあるの?」

 

「それかけると認識阻害する 人気商品」

 

「認識阻害!それで高額なのか」

 

「認識阻害ってレイラも付けてなかった?」

 

「あぁ、この髪飾りがそうだね。効果が低いやつだけど」

 

そう、実は俺も認識阻害のアクセサリーを着用していたりする。

時々親からもらった俺の美貌を利用すべく時々モデビルの仕事をさせてもらっているのであまり目立つと変な人に絡まれる事があるためだ。

といってもアクドルのくろむちゃんみたいに超人気ってほどじゃないので、効果が低めのやつで丁度いいのだ。

 

「認識阻害かー、それなら結構良いかも?買おうかな」

 

「良いんじゃない?エイコに似合いそうだし」

 

「付けて遊ぶとかはしたらそうだよね、待ち合わせとか」

 

「大丈夫、私の家系能力を使えば認識阻害の効果薄くなるからさ」

 

「ほんと便利だよね、レイラの家系能力」

 

そういう事なら買ってくるとエイコはメガネを持ってレジに向かって行った。

認識阻害は強力だが、俺のように特殊な認識方法を持っている悪魔には通用しない事もある。強力な認識阻害ならそれも対応してたりするが、それこそ13冠や3英雄のような有名な悪魔でないと待っていないだろう。不要だし

 

「買ってきたよー」

 

「おかえり、そういえばガーコは?」

 

「これを買ってたのよ、ただいま」

 

いつのまにかいなくなっていたガーコが何枚かの紙をひらひらとさせながら戻ってきた

 

「それは?」

 

「使い魔召喚シール、折角召喚出来るんだから数揃えとこうかなって思ってね」

 

「そっか!確かにいるねそれ!私も買ってくる!」

 

「わっ 私も!」

 

「忙しないなぁ」

 

そうして俺とエイコも使い魔召喚シールを幾つか買いに行くのであった

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

一般教室

 

「ここが教室かー」

 

先程話した通りに教室の下見に来た、一般的な長机に黒板があり広さもそこそこ

 

「なんていうか普通だね」

 

「バビルスって言うくらいだからもっとド派手な感じだと思ってた」

 

「2人としては拍子抜けって感じ?」

 

俺とエイコはもう少し派手な教室をイメージしてたので思ったよりは普通の教室でガッカリと言う気持ちはなくもない。

 

「普通でいいの、普通で。こういうのはね」

 

「「「わあっ!!」」」

 

俺たちの後ろから急に声がした、油断してたとはいえかなりびっくりした

振り返ると赤褐色の髪を二つにまとめ、ツインテールのようになっている中世的な悪魔がいた

 

「三人とも、良い驚きの色だ。こんにちは」

 

「こ、こんにちは」

 

「えっと、あなたは?」

 

「俺?俺の名前はムルムル・ツムル バビルスの教師だよ、精神医学を教えてるんだ よろしくね」

 

ムルムル先生か、精神医学なら俺の家系とも関係あるし世話になりそうだな。

 

「よろしくお願いします、私の名前は……」

 

「レイラさん、でそっちはエイコさんとガーコさんだろ?にしてもガイストのとこの娘とは奇遇だなぁ。お、能力値も中々あるね 将来有望だ」

 

まだ何も言ってないのになんだこの悪魔は、俺の事が全て理解されているような目をして…

 

「ちょっと恐怖の色が混じったかな?新入生の女の子に怖がられるのも嫌だし、ネタ晴らしをしてあげよう」

 

「俺の家系能力は鑑定色(ジュエル)。この目で見た相手の様々な情報が分かる能力だよ、それで君たちの名前とかが分かったんだ」

 

鑑定色(ジュエル)…どこかで聞いたことがあるような?」

 

「俺の家系もガイストの親戚関係にあるからね、君に直接会ったことは無いと思うけどグレイブさんの方ならあったことあるよ。その関係かもね」

 

なるほど、確かに昔父にそういう能力を持っている親戚がいると聞いたことがある。それがこの目の前のムルムル先生だったのか。

 

「レイラの親戚のおじさんってことね」

 

「なるほど、おじさん」

 

「よろしくおじさん」

 

「やめてくんない? まだおじさんって歳じゃないんだけど…叔父でもないし」

 

そういえば俺って言ってたから男と思ってたけど、見た目的にはちょっと判断つかないし魂視(スピリット・レイ)を使ってみようか。

 

「お、それがガイストの目かー」

 

「あ、わかるんですか?」

 

「まぁね、魂が見えるんでしょ?俺のと一緒で感情とかわかるの?」

 

「感情は微妙ですね、魂の震えで興奮してるかとかならギリギリ。後は悪周期の悪魔は特徴的だからわかりますよ。他に分かるのは種族とか性別とかそういうアバウトなものばかりですねー、後は個人毎で形が違うので変装とかには強いです」

 

「へー、結構わかるんだ。今度詳しく教えてよ、感情の見分け方教えてあげるからさ」

 

「いいですよ、ムルムル先生の家系能力って私の能力と関係性ありそうですし。」

 

「ちょっと先生、うちのレイラをナンパしないでくださいよ」

 

「レイラは私たちのシンユーなんですからね!」

 

「シンユーってなに?」

 

ガーコとエイコが会話に割って入ってきた、まぁ暇だったのだろう。

二人もムルムル先生との相性は良さそうだしいい関係を紡げそうで何よりだ

 

その後他愛のない話をしてムルムル先生と別れることになった。

 

「それじゃ、俺はまだ仕事があるから これから頑張ってね。」

 

「はい」

 

「先生さようなら」

 

ムルムル先生とも別れたところで結構いい時間となっていた。

 

「結構話し込んじゃったね」

 

「面白い先生だったねー」

 

「ムルムルって家系のことおとさまにもっと聞いておこうかな」

 

「じゃあ、今日はそろそろ帰ろっか」

 

「「うん」」

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

エイコの提案を素直に受け入れて我々は帰宅することにした。

荷物も多少なりともあるのでそれを準備して校門まで。

 

過ぎ去るとふと思うところがあり、振り返る。

 

「来たんだよなぁ、バビルス」

 

()の野望は「後悔の無いような最高の思い出を作る事」

野望ではないだろうと思うかもしれないが、

はてさて、このバビルスでその野望を達成することは出来るのだろうか

 

いや、きっとできる。エイコやガーコだけじゃない、色んな悪魔が通うこの学び舎には最高の可能性が眠っているのだから

 

「そうだ、入学式では悪魔(ヒト)が多かったけど、今は少ないし3人で写真撮らない?」

 

「「撮ろー!」」

 

軽い提案、二人も軽く了承してくれる。

その辺にいた、ニット帽をかぶった悪魔の少年に頼んで写真を撮ってもらう、最初の思い出としては上出来だ

 

「えっと、じゃあ撮るで はいでびー」

 

 

「「「でび~~!!」」」

 

 




この三人娘、口調が似すぎててキャラ分けがしづらいですね。

魔主役は扱いが難しいのでこれくらいのふんわりさで出すつもりで本筋には関係しません
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