悪魔で霊な元人間   作:P223

52 / 72
52 エイコとガーコと水族館!

 

俺達はエイコが終末テストで5位を獲って位階が1(アレフ)から2(ベト)に上がったことを祝うために水族館(アクアケース)に来ていた。

 

「にしてもほんとにアクアケースで良かったの?遊ぶにしても遊園地(ウォルターパーク)とかあるのに」

 

「いいの! それに今度レイラはウォルターパークで撮影なんでしょ? なら二回行くのも可愛そうじゃん」

 

「エイコ……!私のために?」

 

「イルマくんの為でしょ、今度に誘いたいって言ってたしその下見でしょ?」

 

「えっ? そんなこーとなーいよ!」

 

「エイコ……嘘下手くそすぎ、別にエイコがそれでいいならいいけどさ」

 

ちょっと感動したのは返して欲しい。

実際俺が今度モデビルの仕事で雑誌でのウォルターパークの特集の撮影に呼ばれている、それを覚えていてくれたのは素直にうれしいが言い訳に使われるとは思わなかった

とはいえそこまで怒っていない、今回はエイコが主役なので好きな事をしてもらうのが一番だ

 

「じゃあ入ろっか」

 

館員に金を払って三人でアクアケースに入った

このアクアケースは名前こそ水族館だがその実、水に関した総合アミューズメントパークだったりもする。

他にも似た施設もある中この三傑の一人レディ・レヴィが作ったアクアケースに関してはその中でも最高峰の規模の施設となっている

全体を通して巨大なプールにもなっているので魚と一緒に泳いだりする体験なんかも出来るので夏に来るにはぴったりと言えるかもしれない

 

さっそく俺達は更衣室に向かい、水着になった

 

「おい」「すげぇな……」「レベル高くね?」

 

そんな声が聞こえてくる、大半は俺を見ているのだがエイコもレベルが高いし、ガーコは爬虫類系の悪魔からかなりモテるのだ

そんな俺たちが水着になったのだから当然目立つ、だが近づいて来たり話しかけて来たりの邪魔をしてくるような奴はいないはずだ

 

「お、きみ達かわいー! 俺達と一緒に遊ばね?」

 

「俺達も丁度三人だし、いいだろ?」

 

前言撤回、バカは何処にでも湧くようだ。

 

「レイラどうしよ……」

 

「任せて ……私達今日は三人だけで遊ぶ約束なんだよね、男子禁制ってやつ わかる?」

 

「えー? いいじゃんよ、女だけじゃなくて男もいたほうが絶対楽しいって!」

 

「そうかもね、でもそれは今じゃないの 今日は女子だけなんだからついてきたいなら女になってから出直して」

 

俺みたいにな、なんて

 

「そんなこと言うなって、ほら ──うわっ」

 

腕を掴もうとされたので腕だけ霊体化して避ける、そしてそのまま相手の胸の中に手を突っ込んだ

 

「なんだこッ……!?!?!? ヒィッ!?」

 

今俺はこいつの身体の中にある魂を直に掴んでいる、腕を霊体化した際に使える魂への干渉の一つだ。

生き物である限り魂というのは必ず持っている弱点である、そんな弱点は普通では他者が鑑賞できないものなのだが、もしそれを干渉することが出来るなら何が起こるか、今魂を掴まれている彼が感じているのは本能的恐怖だ。

何をされているのかもわからないだろうが今彼はただただ単純に死を連想するほどの圧倒的な恐怖心に支配されているだろう

 

「邪魔しないで ……わかった?」

 

「わかった!! わかったからやめてくれぇ!!」

 

「よろしい」

 

腕を引き抜いて解除、あまりこういう脅しはしたくないが今は俺も遊びを邪魔されてイラっとしていたのでやってしまった、反省だ

彼はそのまま残りの二人を連れて逃げるように去っていったが、今日はもう楽しむ余裕はないだろう。自業自得だが、トラウマにならないようにだけ願っておく。

 

「じゃ、行こうか」

 

「久々に見たわレイラのそれ、見た目グロいのよねー」

 

「見てるだけでもうぇってなるしね」

 

「言わないでよ自覚あるんだから、正直あんまりしたくないしね、ほら行こ」

 

入口で無駄な時間を使ったので早速中へと入っていった。

 

「うわぁ!見て見て! 水の中を歩いてる!」

 

「見てるって、結構ぶよぶよするなぁ、どうなってんだろ」

 

「あたしここ結構好きかも、涼しいしいい感じの湿気だし」

 

ガーコはワニっぽいせいかこういう水辺がお気に入りになりがちだったりする、考えてみればアクアケースをガーコが気に入るのは当然かもしれない

 

「あ、あれ見て! 魔鰐(バウ)スライダーだって!乗っていこうよ!」

 

「いいね、三人乗りとか出来るかな?」

 

魔鰐(バウ)と呼ばれるワニの魔物に乗るタイプのウォータースライダーだ、これに乗らずともこの先には行けるが乗ったほうが楽しく進めるだろう

聞いてみると三人乗りようの魔鰐(バウ)もいるらしいので三人で乗った、先頭はガーコだ

 

「かわいいわね、あたしの使い魔も同じ魔鰐(バウ)だけど嫉妬しちゃうかな?」

 

「大丈夫ですよ、魔鰐(バウ)はかしこいですからね、でもちゃんと愛してあげてくださいね! では行きますよー!」

 

合図と同時に魔鰐(バウ)がロケットスタートを決めた、かなりの速度で水を滑るのは何処か爽快感があった

 

パッシャーン!!

 

「きゃはははっ! はっや! 一瞬だったねー!」

 

魔鰐(バウ)ってこんなに早かったのね、うちの子にもこれくらい出せるのかしら」

 

「そんなに速かった?」

 

「このスピード狂め……」

 

だって俺の方が速いし……

丁度たどり着いた先は大きめのプールになっているようで結構遊べそうだった、丁度小腹もすいたし売店へと向かう

 

「お、色々あるよ ほらたこ焼き」

 

「さっきそこで蛸見たばっかなんだけど……」

 

「いいじゃない ほいひいはよ(おいしいわよ)

 

「ガーコもいつの間にかったのよ」

 

「いる?」

 

「いる」

 

この程度でうろたえるエイコではないのでたこ焼きは美味しくいただかれた。

俺は別でフランクフルトがあったので購入、こういう場所で食べるフランクフルトって何故かうまいと思う。

他にメニューにデラックスパフェなんかもあったが、なんか嫌な予感がしたしこれから遊ぶって時に食べ過ぎるのも良くないのでよしておいた

 

「よし、泳ごう!」

 

「あたしの泳ぎに勝てるかしら?」

 

「出たね、水中最速のガーコ こっちには地上最速のエイコがいるんだ、やってやりなさいエイコ」

 

「何馬鹿な事言ってんの普通に遊ぼうよ、ほらボール借りて来たよ」

 

「いつの間に、まぁいいか 遊ぼっか」

 

三人でボールをバレーの様にして遊んでみる、こういう青春的なイベントって意味がないのにすごく楽しい。

男子だったらここで悪ふざけでバトルが始まるところだが女子は平和なものだ、男が絡まなければだが。

 

「あっ!」

 

エイコがバレーボールを取り損ねて飛んで行ってしまった、そのままボールはてんってんっと飛んでいき、とある悪魔の元まで行ってしまった

 

「ちょっと取って来るよ、待ってて」

 

アクアケースでは珍しく、水着ではなく白い服を来た悪魔がボールを持って立っていた

 

「すみませーん!そのボール私たちのです、怪我ありませんでしたか?」

 

「そうか気をつけろ、ほら」

 

「ありがとうございます! それでは!」

 

「お前、名前は?」

 

「……私ですか? ガイスト・レイラって言います」

 

「そうか」

 

それだけ言うと白服の彼は他の方向に目を向けた

 

「ん、それを貸せ ……フッ!!」

 

ビシュッ!!という音を出しながらボールが飛んでいき、男悪魔の頭に命中した

 

「えぇ……」

 

「そこでマナーがなっていないのがいた、そしてそこにボールがあったので使ったまでだ」

 

「まぁいいですけど……取りに行こ」

 

ボールがまた飛んで行ってしまったのでまた取りに行く

意外とボールは遠くには飛んで行って内容だったのですぐに見つかった

 

「よかった、じゃあ戻って……」

 

「おい、お前か?」

 

「はい?」

 

振り返るとブチぎれた顔で頭にデカいたんこぶを作った男性悪魔がいた、多分さっきの白服が投げたのが当たった悪魔だろう

 

「多分誤解でして……」

 

「どう考えてもお前だろうが! そのボールが頭にぶつかってんだよッ! 見ろこの頭!」

 

「ハゲてら」

 

「こんっの(アマ)ァ!!」

 

だってボールがぶつかってた部分がハゲてたから……

ちょっと挑発してしまったが、さっきの悪魔(ひと)が言うに悪いのはこいつなので遠慮なく対処をする事にした

 

「待て」

 

「あぁ!? ……うぐッ!?」

 

「顔の部分に水が……これは貴方の魔術ですか?」

 

「ああ、このアクアケースは私のものだ、ここで問題を起こすような者は排除するべきだ、そうは思わないか?」

 

「え?そうですね? という事はあなたってもしかしてレディ・レヴィ様の関係者ですか?」

 

「名前を言っていなかったか、レヴィアタン・レイヂという 次期魔王の名だ、覚えておくように」

 

「あ、はい」

 

とんでもない悪魔(ひと)に会っていたようだった、次期魔王という事はこの人も魔王を目指しているようだ、同じ三傑の孫なのでイルマの強大なライバルになりそうだ、覚えておこう

 

「「レイラ!!」」

 

「あ、二人共」

 

「大丈夫? なんか変な人に絡まれてたから来たんだけど」

 

「大丈夫大丈夫、ほらこの悪魔(ひと)が助けてくれたんだ」

 

「この悪魔(ひと)って?」

 

「え?」

 

振り返るともうそこにはレイヂはいなくなっていた、良くも悪くもとことん自由な悪魔だ。

礼もいえなかったがまた会う気がするのでその時にでも礼はするとしよう

 

気を取り直して再開とするが時間も結構経ってしまったので遊びは切り上げてお土産を買うために売店へと向かうことになった

 

「色々あるねー」

 

「だね、ほら見て でべでべ帽子だって」

 

「何それ」

 

「マスコットじゃない?」

 

アンコウみたいなキモカワ系のキャラだ、さっきのレイヂはこういうのにも関わっているのだろうか、だとしたらちょっとかわいい

他にもクッキーとかも売っているので無難に購入していく、両親用とアクアとテラ用の他に魔具研用とA組女子会用と買うと嵩張るったので届けてもらうように配達サービスを利用した

 

「お土産も買ったしそろそろ帰る?」

 

「あ、じゃあ最後にこれだけ!」

 

"大魔鰐(バウアウ)「まこちゃん」の触覚占い"

 

「いいね、最後に見ていこうか」

 

「占いとかあたし久々かも」

 

そんな話をしながら場所へと向かうと丁度イベントの開始タイミングだったようでさっくり始まった

 

大魔鰐(バウアウ)まこちゃんの触覚占いへようこそ! まこちゃんの触覚を触ってもらって変わった色で色んな運勢が分かるイベントでーす! 我こそは占って欲しいって方はいらっしゃいますか? 大丈夫、まこちゃんは食いしん坊ですが悪魔は食べませんし今は満腹です!」

 

「お、丁度いいんじゃない? エイコ行ってきなよ」

 

「えー、私はいいよぉ」

 

「行きなって、占って欲しいから来たんでしょ」

 

「ちょっと二人共……しょうがないなぁ! っっはぁーい!!」

 

言葉だけは嫌がっているがやりたいのがまるわかりだ、世話の焼ける親友だこと

 

「そこの元気いっぱいのお嬢さん! 壇上へどうぞ!」 

 

「はい! じゃあ行ってきます!」

 

意気揚々とエイコが壇上へと上がった、まこちゃんはかなり大きいワニだが意外と怖さはない

恐る恐るエイコが触覚に触れると、触覚に付いている星がハートに代わって光り始めた

 

「おぉっ! これは恋愛運ですね!今お嬢さんは恋愛運が最高の状態!意中の方にアタックすればたちまち付き合えちゃうかも」

 

「えぇ!? やったー!」

 

おべっかだろうがエイコが喜んでいるようなのでよし、エイコの恋は俺としても実って欲しいので恋愛運を俺達が最高にしてやるのである意味当たっているとも言えるだろう

イベントはそのまま卒なく過ぎていき、終幕となった。

 

「いやぁ楽しかったね!」

 

「よかった、イルマくんともこれそう?」

 

「うーん、どうだろ 今回はレイラがいたから大丈夫だったけど今日みたいなことがあったらちょっと怖いかも」

 

「大丈夫だって、イルマくんなら守ってくれるよ」

 

「イルマさんに守られる……はぅ!」

 

ぼふんっと頭から煙が出るようだ、顔が真っ赤になってしまったエイコだがちゃんとアクアケースにイルマを誘えるといいな

今日の所はもう終わりだが終末日は始まったばかり、この調子で思い出をいっぱい作っていけると嬉しいと思う

 

 

因みに、お土産は皆大喜びであった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。