「撮影開始しまーす」
スタッフの声が聞こえる、これから
時間は午前10時、開園まで1時間の猶予がある、基本的な外での撮影はこの一時間で済ませる予定らしい。アトラクションやパレードなんかは後回しで開園後に客を含めて撮るそうだ。
「じゃあまずこれ持って」
「はい、なんですかこれ?」
渡されたのはアイスで、コーンの上に角付きの悪魔を模したグレープ味のアイスだった。
新商品らしく、取っておきたいとのことだったので持った状態で一枚、食べるところを一枚、食べさせるようなポーズで一枚撮った
「いいねぇ、ぼくもこういう風にデートしてみたくなるよ」
「奥さんいるじゃないですか、今度誘ったらどうです?」
「えー? それいいなぁ!」
プロデューサーの
こういう風な軽口をよくするが、本気ではなく被写体の気分を上げるためのテクの一つらしい
「じゃあ次ね、射的のゲームは外だから撮っちゃおうか」
「わかりました」
場所を移動する、案外こういう施設には射的は付き物で祭なんかで見るような屋台と比べてもクオリティや景品が良い傾向がある、ウォルターパークもそこは同じようで巨大なぬいぐるみなどがあり豪華で、客が楽しめるような特別なグッズなんかもここにあるとのことだ
「おっ、聞いてたモデビルの
「フッ……見た目は良いが、実力はどうかな? 一勝負、やっていきな」
迎えてくれたのは黒い帽子に白いシャツで特徴的なアイメイクのお兄さんとテンガロンハットにジャケットと全体的にウェスタンな感じの骸骨のお兄さんの二人だった
「ここのスタッフの方ですか? よろしくお願いします」
「お堅いねぇ もっと気楽~に行こうぜ?」
一応ちらとプロデューサーを見るが、特に気にした様子はないのでここはため口で行く事にした。
「じゃあここは軽めに、それでいいんだね?」
「ひゅう♪ じゃ、やろうぜ~♪ ほら、銃を持ちな」
射的用の銃を渡されたので構えてみる、カメラマンさんも準備が出来たようなのでカメラを意識しながら遊んでみることにした。
景品は色々あるが、まずは様子見で小さめのぬいぐるみを狙って撃つ!
タンッという音と共に弾は吸い込まれるように飛んでいく
「甘いぜ、やれマロ」
「よし来たっ セイッ!」
カシャアン!
弾が景品に当たる前に身を張った骸骨がその身を犠牲にしながらボディブロックをしかけた、骨が散らばってしまっているが大丈夫なのだろうか
それはそれとして……
「なるほど、そう来るんだね……ならば!マネちゃん!魔具箱出してッ!」
「はい!どうぞRAINさん!」
マネちゃんの能力で取り出した工具箱のようなものを受け取る、その中身は俺が作った小型魔具が大量に保存してあるのだ。
学校なんかでは持ち歩くのには大きいので無理だがマネちゃんがいればその能力で取り出してもらえるので良く持っていてもらっているのだ、撮影にも使える魔具なんかもあるが今回取り出すのは別だ
「さ、行くよ プチローン!」
手のひらサイズのクロローン、プチローンである。
容量の都合からクロローンの様に魔術の強化や盾を行わせることは難しいが編隊行動を利用した陣形配置や弱めの魔術なら使わせられる
射的用の弾くらいなら余裕だ
インカム魔具を使って命令を送信
「【
「お? なんか黒いのがめっちゃ出て来た?」
「じゃあ、これも防げるか試してみなよ 【ミラー】!」
プチローンがそれぞれ小さい円状の盾のようなものを出した、弱いものだが【
そこに追加でモノクル型魔具を使用
「弾道補正完了、目標指定……クリア さ、行くよ」
タァンッ!
同じように弾は目標に飛んでいく
「え? これだけやってそのまま? マル!」
「あいよっ!」
さっきと同じように骸骨が邪魔をする……しかし
「甘いね」
キィンッ!
プチローンが弾の前に躍り出てその盾で玉の軌道を変える、ブースト系の魔術も利用しているので反射と同時に微量の加速をする。
そしてその反射は一度ではない
キキキキキキィンッ!!
反射に反射を重ねて設定した最高速度に到達
「撃ち抜け!……ってね」
カコンッ……ぽとり
目標命中、狙ったぬいぐるみは無事地面へと落ちたとさ
「どう? 私の本気、結構やるでしょ?」
「……」
ぽかんとした顔でぬいぐるみを見ているお兄さん、ちょっとやり過ぎただろうか
「すっっっげぇな! これ全部魔具かよ!見た事ねぇ~~!」
「フッ……ただのお嬢さんというわけにはいかなそうだ」
心から楽しんでいるような表情で喜んでくれた、こっちまで嬉しくなる
「じゃあ、次行くよー」
タァンッ……ぱしっ!
撃ち込んだ弾が何か糸のようなもので止められた
「ここからは俺達も本気でいくぜぇ~~?」
「は……ははっ!」
どうやらここからが本番だったらしい……予定時間いっぱいまで全力で楽しむことにしよう
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「楽しかった! 次は個人的に来るね」
「おーう、俺達がスタッフってことは秘密だからな~」
「また会おう、ではな」
「ありがとうございました! ん? あぁ、最後に……どうしてここまでしてくれるの?」
「「俺達はいつでもどこでも皆の遊び相手ウォルタースタッフだからな!」」
なるほど、これは良い
プロデューサーに指示されて言ったがお決まりのセリフなんだろう、私は開園前にいるからスタッフだとわかるが普段は客に紛れているんだろう彼らは客から見たら普通の客だ、一人の客や遊び相手を欲しがっている相手に対して同じ目線で楽しませることが出来るもまたこの園のいいところなのだろう。
また、エイコ達を連れてきた時は言わずに楽しんでもらうことにしよう
「じゃあ次はこっちだよ、RAINちゃんついて来て」
「はい」
次に案内されたのはショッピングモールだった
遊園地ながらも色んな店もあり、その中のファッションショップ"キャスリン"が目的の店らしい、他にも店はあるものの私がモデビルということもあり客を着飾らさせるこの店が選ばれたらしい
「いらっしゃいませ!」
「よろしくお願いします」
二人の店員さんが出迎えてくれた、一人は俺と同じくらいでショートヘアの店員、もう一人は小柄な店員だ
ここで控室であった二人に合うと思ったのだが見当たらない、思い違いだったのだろうか
「あの、先ほど控室でスタッフの方と合ったのですがこちらの店のスタッフではないのですか?てっきり服装の担当と言っていたのでここの担当かと思ったのですが別の場所なんですかね?」
「スタッフですか? 誰だろう……名前とか言ってましたか?」
「たしかヒューとミィって言ってました」
「あぁ!ヒューダリンさんとミキィさんですね! 二人共突如別件が入ったそうで今は席を外していますね、午後には戻るのですが撮影内だと難しいそうです」
「そうですか、わかりました」
ままならないものだ、マネちゃんに改めて紹介したかったのだが残念である
気持ちを切り替えてこの店での撮影を行う、採寸は事前にしてあるので店側で用意してもらった服に着替える、さっきまでが遊園地で遊ぶ用のおしゃれだとしたら今はより正装に近い服装、カジュアルドレスと言う物だ。
全体的に薄紫を基調としたそのドレスは俺をより大人らしく魅せ、俺の美しさを際立てている。
「お似合いですよRAINさん!」
「マネちゃんもこういうの着たらいいのに」
「いやですよ、似合いませんし」
「似合うよ、ねぇ店員さん」
「はい!絶対似合います!良ければ仕立てましょうか?」
「はいはいそれは後でね、そろそろ開園だから、撮っちゃうよ この後アトラクションも行かないといけないからドレスも今だけだよー」
話が盛り上がりかけたところでプロデューサーからストップがかかった、仕方ないのでこのままこの場所で店員さんと一緒に写真を撮る。
他の服装も幾つか着替えて撮ったところでこの場所は終わりとなった。
「じゃあ次はまたプライベートで、マネちゃんも連れてきまーす」
「お待ちしています!」
「不安だなぁ……私別に可愛くないのに」
なんか言っているがきりがないので一旦スルー、この後の予定はアトラクションの撮影だ
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にしても確認はしてるのですが意外と誤字って無くならないものですね、後設定ミスもあったりで戦慄してる時もあります