悪魔で霊な元人間   作:P223

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69 初めてのサバト 後編

 

「で、だれが好み?」

 

今俺はサバトという名の合コンに来ている、イルマがいたりして気を使う部分もあるが順調に楽しんでいた時だった

俺はいま女子だという事を改めて理解した、合コンと言えばそう……女子トイレ会議があるのだ

 

場所自体はトイレでないがやる事は同じ、合コンで狙いの男子が被らないようにけん制をする為の会議と言ってもいいだろう、ここで被ろうものなら……地獄よりも恐ろしい状況になるのが必至だ

 

正直あの中で気になるのはサブノックかアンドロだろうか、他のメンバーとは話したことがあるからって理由だからだが

 

「はい!私はサブローくん!強そうだし!」

 

「私はジャズくんかな……危険な感じで素敵」

 

……っぶね、下手に言えないな

コナツはサブノック狙いでアズキはアンドロ狙いか

 

「レイラちゃんは?」

 

「わ、私? そうだなぁ……」

 

ここで言わないというのはNGだろう、エイコやガーコとなら全然そういうのだが、まだ付き合いの薄い女子なので共感を示して仲良くなれなければここで終わりという可能性がある

 

予想だが、手を合わせていたしなんだかんだずっとイルマといたハルノはイルマ狙いだろう

問題はドサンコだ、ガープかシャックスかの二択になる

 

ここは周りから見た俺の印象から逆算して答えるしかない……か

 

「私は……ガープ君かなぁ、一番フレンドリーで話しやすかったし」

 

「ふれ……? ガープ君もいいよね! 私はイルマくん!かわいいもん! それに理事長の孫だし~」

 

意外と現実的なところが見えて怖い

 

「私は……」

 

ドサンコがついに口を開いた、さぁどっちだ?

 

「リード君ね!! さっきの【感覚強盗(コントローラー)】? 中々良かったわ」

 

「ッッシャッ」

 

「みんなバラバラでよかった~!」

 

「見事に別れたね~」

 

「被ったらどうしようかなって思ったよ……」

 

耐えた……!!

何とかトイレ会議を乗り越えたぞ……!

 

「じゃあそろそろ戻ろっか、お互いに頑張ろうねー」

 

「「「「おー!」」」」

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「ただいまー」

 

「さっ! 再開しよ~」

 

「シャックスくんなんかあった?」

 

戻ってくるとシャックスが倒れていた、なんか悶えているが何があったのか……盗聴したな?

 

とりあえず倒れているシャックス肩を叩いておく

 

「れ、レイラちゃん……」

 

「よかったじゃん、結構モテるよ彼女」

 

「マジ!?」

 

これは実際のところマジ、なぜかは知らないが人型以外の悪魔というのは一定の需要があるのだ

サキュ先生が魅力度を見た時は高いのか低いのかは知らないがなんか叫んでいた記憶がある、あれはなんだったんだろうか

 

ともかく今回のサバトの女子メンバーはドサンコを含めてレベルが高いという事だ

 

「よーしみんなグラス持ったね!再開しまーす!」

 

「「「かんぱーい!!」」」

 

ハルノの掛け声でみんなでグラスを打ちつけて再開となった

合コンらしく、ここからは席替えタイムだ

 

「席替えどうする?」

 

「今までは男女で分かれてだったし男女で交互にってのが良いよねー」

 

と、そんな話があったので男女に分かれていく、最初は女子が気になる男子との隣席に自然となり、俺の隣はガープとなった、逆隣はシャックスである

 

「ね、ね、折角サバトなんだし魔王様ゲームしない?」

 

そうシャックスが食い気味に言う

魔王様ゲームはその名の通り王様ゲームとそう変わらないものだ、違う部分は魔王様に選ばれた悪魔は他の人に崇められるフェーズがあるというところだろうか

 

「いいね! やろ〜!」

 

「中々いい案じゃない、私、そういうの好きよ?」

 

コナツとドサンコにも好評で魔王様ゲームをやる事になった

ちょうどいい魔具が鞄にあったので取り出して提案してみる事にした

 

「あー、じゃあこれとか使ってみる?」

 

俺が取り出したのは小さい箱型の魔具だ、ロボットの顔だけの部分ような感じになっており、口の部分と頭の部分に穴があるのが見えるものだ

 

「丁度これをこの後学校に持って行こうかなぁと思って入れてたんだけどね」

 

「もしかしてこれってレイラちゃんが作ったの?」

 

「そうだよ、印刷とかコピーが出来るプリンターみたいなものだけど色々機能を追加したらえらい事になったやつ」

 

この魔具の効果は紙に書いた内容を自動で判別して対応した情報を出力することが出来る多機能プリンターだ、他にも電卓機能とか簡単なコンピュータとか色々仕込んでみたら何がしたいのかわからなくなった失敗作でもある

今回使うのはその機能のうちの一つであるランダム出力機能だ

 

名前とお題を入れてシャッフルして出力なんかも出来るが今回は魔王様ゲームとのことなので魔王様の選出に使うくらいでいいだろう

サイズを入力する事で簡単な王冠だって作れちゃうので見た目的にも盛り上がる……と嬉しい

 

因みに今度の11月にある魔具コンテストに出すために作成していたものの一つでもある

 

「……って感じ、手動には手動の良さがあると思うし使うかは任せるけどね」

 

「んー、折角だし最初はそれを使ってみよっか! でもそういうの使うなら……他にも何か出せたりする?」

 

「食べ物は無理だけど小物くらいなら大きすぎなければ大丈夫だよ」

 

「ならこういうのはどう?」

 

ハルノが言うにはくじ引きがあるので、それはそれで使ってお題に対応した小物を出す感じに使うという案だ

俺としてはこの魔具を使いたかったのでそれで十分だ

使う事になったからにはこの魔具のすごいところをみせてやろう

 

「じゃあみんなこの紙に名前と身長を書いていってもらっても良いかな、それを読み込んどけば小物を出すのも楽だからさ」

 

「ん? んー、まぁいいか」

 

そう言って紙を差し出した、単純な名前を書く欄がついているだけの紙で既に俺の名前と身長は書いてある

ジャズが何か気になる事があったような感じを醸し出していたが一旦スルー、魔具の詳細とかは説明すると長くなるし

みんなにそこに名前を書いていってもらったものを魔具に差し込んだ、しばらくたつとスキャンも完了したようなので試運転だ

 

「何か出して欲しいものはある? 王冠は後で出すんで別の物とか」

 

「じゃあ宝石とかどうよ?」

 

「いいけど、見た目だけだから価値は無いよ」

 

「……そりゃそうか、んじゃー俺は何でもいいなー」

 

「じゃあバビルスの模型とかはどうかな?」

 

「ちょっと大きくなるけどデータはあるし……おっけー」

 

イルマの提案でバビルスの模型を出力していく、サイズは20cmくらいの小さ目の物だ

 

ウィー……ガコンッ

 

「あ、なんか出た」

 

「これが模型? 板みたいだけど」

 

「サイズがサイズだからね、パーツ分けさせて出したんだよ」

 

「プラモデルだ……」

 

まぁ似たようなものだ、人間界で言うなら3Dプリンターを使用したプラモデルと言ったところか。

組み立て自体は簡単だし、魔具制作をしている俺なら一瞬で出来るのでささっと作る

 

「はい、完成」

 

「「「おー!」」」

 

「結構細かいね!」

 

「B組はここだよねー」

 

王の教室(ロイヤル・ワン)ないじゃん」

 

「あそこは私知らないし、読み込もうにも立ち入り禁止だったからね 無理よ」

 

今度侵入するつもりなのは内緒だ

 

「とりあえずこれでいいね、魔王様ゲームやろうか」

 

「よーし、じゃあ皆この箱の中にあるくじを一斉に引いて魔王様って書いてある人が魔王様だからね!」

 

ハルノがどこからともなく棒が生えた箱を持って来た、もしかして用意して来たんだろうか、だとすると俺のは余計なおせっかいだったのかもしれない、後悔はしないが

皆がそれぞれ一つずつ棒を持って準備完了だ

 

「魔王様だ~れだ!」

 

「ぬ、(うぬ)か」

 

「はいどーぞ」

 

サブノックが魔王様になったので王冠をかぶせてあげる 

 

「じゃあ、魔王様ご命令をどうぞ!」

 

「そうか、なら(うぬ)を称えよ」

 

「「ははー!」」

 

「うむ、中々悪くないな!」

 

とりあえずノリでやってみたけど満足してもらえたみたいで良かった

 

「じゃあ次! 魔王様だ~れだ!」

 

「私だ!」

 

次の魔王はコナツのようだ

 

「じゃあサブノックくーん」

 

「ぬ?」

 

「お手!」

 

「なっ!!」

 

何でかシャックスが戦慄している、サブノックってそんなに切れるナイフみたいに危ないやつなんだろうか

 

「こうか?」

 

サブノック自身は気にしていないようでコナツの手にそのまま手を乗せた……閃いた

魔具を起動してとあるものを出す

 

「サブノックくん、これ付けてみてよ」

 

「レイラちゃん何出してきてんの!?」

 

「ぬ、これか……どうだ?」

 

「「「か……可愛い~~!!!」」」

 

「高評価!?」

 

シャックスはツッコミの才能があるんだろうか、ずっとうるさいが反応が新鮮で見ていて楽しい。

サブノックに渡したのは簡単な犬耳と尻尾だ、普段はライオンのような印象を受ける彼だがその二つを付けた今の彼は大型犬と言ったところだろう

女子たちからの評価も最高だ

 

「写真撮ろ、写真!」

 

コナツがス魔ホを持ってそう言うので俺がカメラマンを引き受けた

 

「撮りまーす、はいチーズ!」

 

「「「でび!」」」

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

色々あったサバトも終わりの時間となった、魔王様ゲームの後に魔具で衣装を出して皆でコスプレ会をしたり、イルマ君がチャレンジメニューをタイムの1割にも満たない時間でクリアしたり

暴走したドサンコがシャックスに猛アタックするのを傍目で見て笑ったりととても楽しいひと時であった

 

「すっごい楽しかった~」

 

「また遊ぼうね!」

 

デビックスの前で最後にちょこっと話して解散となった

男子は男子で集まって帰っていったので俺も最後に少し女子と会話してからバビルスの師団室に行く事にした

 

「今日はありがとね、いい経験になったよ」

 

「こちらこそ! あの魔具で色々やらせてもらったし楽しかった!」

 

「またやろうねー!」

 

「良かったら今度そっちからも遊びに誘ってくれると嬉しいな……!」

 

「また終末日も時間があったら遊びましょ」

 

そうして別れた後バビルスに向かいながら少し考える。

普段とは違う女子との絡みだったが案外楽しめた、ただちょっといつもと勝手が違うので大変な部分も多かった

向こうは向こうで親友同士の集まりだったのだろうしそこに混ざってなので少し距離感を探ったりなんかもあったので少し疲れたのはある、今日はバビルスに行ったら休むとしようか、明日は撮影もある

 

それに……まぁこれはもっと後の事か

 

「ラッキーラッキー♪」

 

いやぁ実りのあるいい一日だった。

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