「いやさ、私も結構悪いなーとは思ってたんだよ?」
「そうですね」
「ほら、ス魔ホが壊れてたんだからさ、仕方ないんだよ」
「そうですね」
「1週間も音信不通だったのは謝るからさー」
「はい」
「これはやめない?」
「決定事項なので」
「ごめんってばぁー!!」
さて、今俺が何をしているのかというとモデビルRAINとしての撮影の予定確認である。
マネちゃんは冥界に行っていた間の音信不通状態に何度か仕事の連絡をしていたそうでそのたびに父が別の用があるとかで対応してくれていたのだが、くろむからマネちゃんに連絡があったそうで、そこからズルズルと嘘がバレたらしい
夏は仕事の調整などがかなり大変らしく、その上俺が連絡がつかない状態+何かあったんじゃないかという不安による心労などなどが重なって地獄の毎日だったらしい
そんなわけで今マネちゃんはげきおこだ、その証拠が今日行う仕事に出ている
「ビキニは勘弁して! 流石にまずいって!」
水着撮影である、それも海に行っての撮影だ
実のところ俺はモデビルの仕事をする上で水着撮影とセミヌードの撮影は基本的に断っている
ファッションモデビルが1番の本業な俺であってグラビアは流石に恥ずかしさが勝つ
水着撮影……それもビキニを着てなんて普段なら取ってこない仕事だ、心配をかけて反省しているが勘弁してくれないだろうか
「はぁ……一応言いますが、別に私が怒ってRAINさんにこの仕事を持ってきたわけじゃないんですよ」
「え? そうなの?」
「今回の仕事元は"二半王"ゼブブラ・ベルゼビュート様です、リゾート地でのグラビア撮影を行うそうなのですが、今回は複数人で撮りたいとかで招集されたんですよ、ですので他のモデビルやアクドルの方もご一緒です」
「あぁ、そういう感じかぁ 金持ちの道楽なのかなぁ」
「趣味でしょうね、目立ちたがり屋らしいので」
ゼブブラの話はあまり聞いたことがない、虫系の家系ってことは聞いたことがあるがそれくらいだ
話はもう完全に決まっていることだし今からNGも無理か、仕方ないので腹を括ろう
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「よく来たわね、今日はよろしく!」
「「「よろしくお願いしまーす!」」」
時はたち、とある撮影用ビーチにてゼブブラと数人のモデビルとアクドルが揃って顔合わせをしている
「にしても良く来たね、暑いの大の苦手じゃなかった?……
呼び出されたアクドルの一人に私の友人の一人であるケロリことアクドルのくろむがいた、彼女の家系は氷の家系なのでこういう夏の海での撮影はNGだと思っていた。
「強制よ強制、上が断り切れなかったのよ……マルさんも謝ってたけどこういうのは無くならないものよね どうせそっちもそうでしょ?RAINってほぼ水着の写真ないじゃない、あっても全身隠すのばっかだし」
「その通りデース 私の場合は音信不通状態になった時に入れられてたらしくてまぁ手遅れという」
「あっ! あれなんだったのよ!心配したんだからね?」
「ちょっと家の事で言えないんだよね……今は各所に謝罪中、ご迷惑をおかけしました」
流石にまた死んで冥界にという事にはならないようにするが、別件で冥界に行くこともあるし、冥界にも一つ通話可能な魔具でも持って行っておこう
「全く……あ、そうだ今度女子会するらしいんだけどRAINも来る?」
「アクドルのやつ?」
「いや、学校のやつ」
「へぇ、折角だしいこうかな」
「はい、じゃあ後でグループ送るわね」
「了解」
ここで呼ばれたので一度着替えるために更衣室へと向かう、それぞれのモデビル・アクドルに合わせた水着が用意されているが、これも聞く話によるとゼブブラの提供らしいがどこにこれだけの水着を持っていたのだろうか。
「私のはこれか……」
紫を基調とした一般的なビキニである、ホルターネックビキニと呼ばれるそれは女性の体型をよく魅せるがその分その肉体に自信がないと変に隠してしまったりなどしてダサくなってしまう物でもある
俺自身体に自信がない訳じゃないが、実は初めて着るタイプの水着だ
普段は競泳用水着やワンピースタイプの物、精々着てもパレオである
「くろむちょっと背中結ぶの手伝ってくんない?」
「いいわよ……なんか腹立つくらい肌綺麗ね」
「モデビルだからねぇ、その辺は死ぬ気で気を使ってますから でないと商売あがったりよ」
「そこは素直に尊敬するわ……はい、出来た 今度スキンケアとか教えて」
「いいよ、そんなに変わったことはしてないけどね」
くろむはフレアビキニで良く似合っている、アクドルという歌や踊りにバラエティ、演技、モデル撮影と超マルチな活動をしていながらも相当なプロポーションを維持しているのはこちらとしても尊敬する
ただ、私は歌や踊りはそれなりだが撮影に関しては負ける気はないので今回は食わせてもらうつもりでいくけど
「わっるい顔してるわね、何考えてるかわかるけど 今回のメインはゼブブラ様よ?」
「そうだった、自分じゃなくて彼女を魅せないといけないんだよねー ま、そこは本業なんで任せてよ」
「はいはい 被写体技能に関しては素直に負けを認めてるし、色々と盗ませてもらうわよ」
準備も出来たので再集合して撮影開始となった
とはいえ今回は私達以外にもいろいろなモデビルがいるので撮影の順番が来るまではフリーな時間だ
私とくろむは
「にしてもあっついわねぇ、日焼け止め塗ってるけどちょっと怖いわね」
「くろむは大丈夫? 暑いの苦手だったでしょ」
「何で知って……って知ってるか、あの時いたもんね」
「そうそう、それであの後何があったか聞いたんだよね、寒かったから予想は付いてたけど」
「そう……まぁ大丈夫よ、一応対策はしてるし」
「そっか、ならこれは要らない?」
そう言って胸元に仕込んでいたネックレスを取り出して見せる、形は雪の結晶をイメージしてありキラキラとしている
「どこから出してんのよ、仕込むほど胸ないでしょ」
「Dあるわ……ってそうじゃなくて」
「で、それ何?」
「夏用の魔具だよ、氷結水晶っていう素材と【
「もらうわ、何なら買い取るわ」
「おお……食い気味 別に他にも作ってるしあげるけど」
夏用魔具や冬用魔具は量産している、いい小遣い稼ぎにもなるし[
幾つかの企業から商品化の打診は受けているものなのだがまだまだ話も進んでいない一品である、因みに名前はキープアイスとキープファイアだったりするが企業には不評だった
「いや、対価は払うわ 借りを作るのが一番怖いもの」
「そう?じゃあ貰おうかな、そのサイズなら大体100日使ったら効果が切れるけど大丈夫?」
「着けてなくても?」
「着けている間で100日」
「じゃあ必要なときだけ使って2~3年くらいかしら、良いわ 充分よ」
「んじゃあ、そうだなぁ まだ商品化もしてないのを考えて……3000
「わかったわ、それでいい 後で払うわね」
効果が切れたころには商品化もしてるだろうし丁度いいだろう
「泳ぐのはダメだよね」
「そりゃダメでしょ、一応待機なんだから」
「終わってからにするかぁ」
「あの」
「「ん?」」
くろむと話してると声をかけられた、スタッフかと思ったがどうやら他の参加者の子のようだ
「くろむちゃんとRAINさんですよね?」
「そうですよ、どうかしました?」
「何か用?君は確か……」
「ムーンプロ所属のネネットって言います」
アクドルもモデビルも数が多くて覚えきれないのが本音だが一応ネネットは聞いたことがある、くろむ程話題にはならないが彼女も結構人気なアクドルだったはずだ
「それでどうかしましたか?」
私相手ではため口を聞くくろむだが、基本的にはくろむの時もケロリの時も敬語だ
ただ私自身聞きなれないので少し違和感を感じてしまう
「今度同じ番組に出ますのでご挨拶を先にしようかなって……なんかここだけ光ってる気がしてきた」
「? 番組?なんかあったっけ」
「RAINが出るようなのってそんなにないですよね」
「近いうちに出るのだったら確か……めちゃくちゃ鑑定魔?」
「それです!」
前世のテレビでも似たようなのがある、掘り出し物の鑑定番組だ
個人的にも魔具の参考になったりするものがたまにあるので結構見てるので話が来た時に飛びついた
「へぇ、ネネットちゃんも出るんだ よろしくね」
「そういえばそういう話も聞いたような……よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします!」
クール系っぽいが緊張しているようで空回ってるな、今日の撮影ももう少しリラックスして頑張ってもらいたい
「レイラさん!くろむさん! 撮影をお願いしまーす!」
「「はーい!」」
撮影の順番が来たようなのだ
「それじゃ、また後でね」
「はい!」
なんかさっきからキラキラとした目で見られてるのが気になるが後で確認すればいいか
「それじゃ行こうかくろむ、ちゃちゃっと終わらせよう」
「誰に言ってるの? 完璧にやるわよ」
そうして私たちは撮影を完璧にこなし、その後思いっきり海を満喫したのだった
アクドルのネームドって結構少ないんですよねぇ、もっと色んな子と絡めたいんですけど名前が分からない……大運動会にいたチャイナっぽい子とか好きなんですけどね