『炎』
「【
「聞こえたわよ、猶予時間を減らして感覚を全体的に狭くしましょうか」
「……はい」
口は禍の元、下手な事は言わないほうがいい
さて、鍛錬してからまた鍛錬という感じに基本魔術に変重して練習しながらの生活にも少し慣れて来た。
あれから1週間は経ったが結構慣れるもので、早くもこの魔術鍛錬は日常に組み込まれてきている、最もモモノキ先生を始めとするバビルス教師陣のサポートがあっての事なので個人的にするのは無理そうなので今だけだが、その分実力は上がってきている気がする。
「さて、今日の特別授業を行いますまずは──」
俺の修行は日常に加えて突然指定された魔術を唱えるというものではあるが、これは飽くまで常時行うタイプの修行である、それとは別に面と向かってする修業もある……まぁ座学だ。
魔術を有効に使うのには知識が必要である、その為の知識や普段授業ではしないような専門的な授業を特別にしてもらっている。
モモノキ先生は魔術だけでなく各分野をまんべんなく修めているそうでマンツーマンで教えてもらえる勉強はいつも以上に為になる、それに……
「お疲れ様です、モモノキ先生」
「お疲れ様です、マルバス先生」
「じゃあここからは魔具についての勉強にしましょう、私は職員室に戻りますのでよろしくお願いします」
「はい、じゃあやろうか」
と、このように魔具について詳しいマルバス先生にも教えてもらっているのだ
彼の家は魔具への造詣が深く、俺だけでは思いつかないような魔具の運用法や、知らない魔具の知識を教えてもらえるので助かっている
『破裂』「【
汎用的な知識と魔術はモモノキ先生、魔具の専門的な知識はマルバス先生の二人体制での修行、正直死ぬほどつらいがこれ以上ないほどに有効な修行だろう。
「ガイストさんは魔具に詳しいんだけれど、それは飽くまで独学の範囲だからね、まずはまんべんなく教えようか」
「はい、よろしくお願いします」
「じゃあまず拷問で使われる魔具について──」
「まんべんなく?」
拷問学が好きでやっている先生なのでそっち方面に多少は偏るが、俺は全ての分野の中で一番拷問学が苦手なので丁度いいのかもしれない。
苦手で知ろうとしていなかった部分から新たな魔具のアイデアが出てくるかもしれない
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「じゃあ今日はここまで、後は自習とします」
「はい、ありがとうございました」
特別授業が終わり、もう夜となっている。
──RRR! RRR! RRR!
「ん?」
丁度帰るタイミングで電話が来た、相手は入間のようだ
「もしもし?」
『もしもし、レイラさん?』
「そうだよ、どうかした?」
『前に連絡がくれていたみたいで、今丁度連絡できるようになったから』
「え? ……あー、あれね」
前に
「私も特別授業を受けることになったんだよ、自発的にだけどね」
『えっ!? そうなの?』
「だーってアブノマだけずるいじゃん、私だって成績は良いし位階も"
『それで自分でって……すごいね』
「まぁ普通の悪魔ならわざわざ自分からめんどくさい特別授業を受けないし先生たちの時間が空いてたんだよね」
『……そっか、普通はそうなるんだよね』
「悪魔だからねぇ」
こういう感じにめんどくさい事を自分からやる事は比較的人間的な考え方で、それが魔界で出来るのは俺か入間だけだろう。
『でもそっか、レイラさんも頑張ってるんだね』
「多かれ少なかれ皆頑張ってるよ、きっとね」
『……そうだね!』
なんだか、迷いが晴れたような声だ。
入間は何か不安があったのだろうか、とはいえ解決したんだろうし気にする必要はないだろう
「収穫祭、私も負ける気は無いよ 一番警戒してるのは入間君なんだからね」
『ぼ、ぼく? ……うん、ぼくも負けないよ!』
『雷』
「【
『えっ!?何事!?』
「ウチの修行、気になるならまた落ち着いた時にゆっくり話すよ」
『うん、じゃあそろそろ電話切るね、修行頑張って!』
「うん、そっちもね お互い頑張ろう」
プツッ──
お互いの修行についてはまた今度という事で通話も終了した、明日も頑張ろう
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
さて、更に翌日、今は昼で授業も無い時間である
こんな時にしか出来ないことがあるのだ、収穫祭の話が出た時に真っ先に思い浮かんだことを実行しに来た
「というわけでロミィ先輩! 収穫祭の情報を下さい!」
「ロロロ…… 急にきてとんでもない事をいうロノウェ!?」
「えー、だってこれが確実だし」
まぁぶっちゃけて言うとカンニングである。
収穫祭は毎年行われている一年の行事であるが、その会場は幾つかある中から選ばれる。
しかし、毎回行われているのは同じような森らしく、共通する事も多いと聞いたことがある。
前年度一年だったロミィ先輩なら収穫祭の記憶も新しいだろうし、その情報を聞ければよりうまく立ち回れるだろう
「それでどうなんです? 去年はどんな感じでした?」
「……聞きたいロノウェ?」
「はい、ロミィ先輩の事を教えてください」
「仕方ないロノウェ~!」
うーんちょろい
この先輩なら少しおだてればいけるかとは思ったが、思った以上に楽だった、もう少し色々準備していたのだがまぁいいか
『風雲』
「【
「!? いきなり魔術を使うなんて何をするロノウェ!?」
「あ、すみません 無意識でした、これ一応私の特別授業なんですよ」
「特別授業って
「まぁそうなんですけど、私もやりたかったんで先生に頼み込んだんですよね『拘束』【
「変な語尾ロノウェ」
貴方にだけは言われたくない……とは流石に言えない
俺の特別授業の内容は先生方には共有されているらしいが生徒はその限りではない、なので友達と話している時も突然来る的に対応してビビらせたことは一度や二度なんてものではない。
「じゃあ早速ロノウェの武勇伝を教えてあげようじゃないか!」
長々とした上に脚色がすごいので抜粋。
曰く、前年度の優勝はアメリさんとのこと
曰く、大きく分けて4つのエリアがあること
曰く、特に危険でありながら得点がかなり高いボーナス収穫物があるとのこと
そして曰く、レジェンドリーフたる未だに誰も手に入れられなかった収穫物があるとのことだ。
「レジェンドリーフ……」
「このロノウェも探したけど全く見つからなかったロノウェ……」
「見つければ10万ポイントとかで、勝ちってなるとそうなりますよね……」
10万ポイントと言ってもどれくらいすごいのかはわからないかもしれないが、前年度のアメリさんですら5万9000ポイントと言えばわかるだろうか
オールオアナッシングの超雑リスクの賭けではあるが、探す価値はあるだろう
「ちなみにそのレジェンドリーフのヒントなんかは……」
「さぁ?アザゼル嬢なら知ってるかもしれないロノウェ、彼女も探していたらしいロノウェ〜」
「アメリさんですか」
正直あの会長が教えてくれるとは思えない、それもあってロミィ先輩に聴きにきたのもあるのだが、知らないからには仕方ない
他の先輩に聞いてもいいが、前年度2位のロミィ先輩が知らないのなら知らないだろう
少し生徒会室に向かいながら考える
まずはなんで言えば良いだろうか……入間の趣味とかで釣ればいけるか?
最近恋愛脳が加速してそうなアメリさんならいけるはず……よし!
生徒会室に到着、乗り込もう
コンコンッ
「入れ」
「失礼しま『炎』【
「生徒会室にカチコミとはいい度胸だな? ガイスト」
「れ、レイラって呼んでくださいよー……はは」
畜生!! この修行は嫌いだ!!
その後誤解はといたが普通に教えてくれませんでしたとさ