「ただいまー」
「お帰りなさいませ、お嬢様」
「テラも留守番ありがとね、おとさまとおかさまは?」
「グレイブ様は職務にて外出中です、テレサ様はいらっしゃいますがお呼びしますか?」
「あぁ、いいよいいよ 気になっただけだから じゃあ私は地下室に行くから何かあったら呼びに来て」
「かしこまりました。」
飛行レースの成績は最高だったので問題は無い。
問題はもう1つの
地下室に到着した俺は
傍には魔力測定魔具を置いて視覚的に消費魔力量を確認できるようにしている
そして、手を上げて召喚を行う。
「この子……本当にどうしよう?」
ふよふよと浮いている魂、これが俺の使い魔であるウィスプだ。
前世の記憶からはウィルオウィスプという伝承(?)があったので多分それに準ずる何かだとは思う。
魔獣の言っていることを理解するのはそもそもとして難しい技術なのだが、この子に関しては何も話さないし動かない。
謎に謎が重なった存在であった。
そんなわけで、今日残った魔力の分だけでも使い魔との交流が出来ないかを色々と試そうというわけだ。
「こんにちは?」
「」 フィヨフィヨ
挨拶をしてみるが反応はない
ならば次は命令をしてみよう
「あのへんに移動してみてくれる?」
「」 フィヨーン
すーっと移動してくれた
逆らうつもりは無いようで素直に命令というかお願いを聞いてくれた
「えっとぉ……君には何が出来るのかな?教えてもらいたいんだけど…」
「」 フィヨフィヨ
これには反応なし
頼んだ事はしてくれるけど何が出来るかを教えるつもりは無いって事だろうか?
レースの時に完全霊体化までしたので休憩や食事で多少回復したといってもそう長くは無理だろう。
測定器を確認するが後召喚を継続できるのは30分程度、何もしないでそれなので魔術を撃たせたりなどしたらあっという間だろう
というわけで出来ることと行ったら極力俺の魔力を使用しない事……つまりはこれだ!
「じゃじゃーん! これは君と遊ぶために用意した魔具だよ! 事前に魔力を込めておくことで消費魔力実質無しで使える優れものなのだ!」
「」フィヨ…?
動きが、ちょっと変わった気がする。
気になるのか魔具の周りでほんのり
「」フィヨフィヨ
「それが気になるの? よし、じゃあそれで遊ぼうか」
ウィスプが一つの魔具の上で回る様に飛んでいたのでその魔具で遊ぶことにした。
ウィスプが選んだのは、魔力を使って様々な色に光るおもちゃである。
光った順にボタンを押していくことでスコアが計測できる一種の知育魔具とも言える。因みに俺作の一品だ。
「じゃあ起動するよ」
そう言ってボタンを押す。
カウントダウンの音声の後に赤青黄色と光が変わっていく。
そういえば透明な体ってことだけど物を触ったり出来るのだろうか
「」フィ フィ フィ
「意外と機敏…? というかなんか光ってない?」
魂視中は見えるのも増えるのもあるので必然的に視界を遮るものが増えるので実は視界が悪くなる。
そのせいでちょっと見づらいが明らかに光っていた。それも赤青黄色と色を変えてって……
「もしかしてこの魔具の色に合わせた?」
「」フィヨフィヨ… フィ
青く光った……
「正解ってことかな?」
「」フィ
また青く光ったので多分正解だろう。青は肯定って意味なのかな
にしても意思疎通は少し取れたので一歩前進だろう。
「」フィヨー…ポチ
ウィスプが自分で魔具のボタンを押して遊び始めた
透明なだけで実体はちゃんとあるらしい、ますます謎の生き物である
それはそれとして多分楽しいのかピカピカと様々な色で光っている。
使い魔とは相棒であり畏怖するべき存在ではあるが、それは同時にこの危険な魔界での戦闘時の補助でもある。
なので、何か戦闘に役立てそうな特技でも持っていて欲しいのだが
「」フィ フィ フィ ポチッ フィ フィ フィ
あの様子だと今それを知るのは無理だろう、完全に魔具の虜だ。
「そうだ、他の魔具もあるよ これとかはね一定の範囲内を爆速で……」
「」フィ フィ フィ ポチッ フィ フィ フィ
「おーい」
「」フィ フィ フィ ポチッ フィ フィ フィ
嘘だろ
ハマりすぎて完全に無視されている
悲しいが好きなものが出来たのはいい事なのでそのままとする、となると今回はこれ以上の成果は望めないので召喚限界までは俺も時間を潰す事にした
「さて……と よいしょっ!」
そうやって地下室の棚から取り出したのは工具一式と素材一式、これは俺が個人的な趣味である魔具作成に使用するものだ。
「えっと…確か保存してたあれがあったっけ…」
なんて言いながら、魔具を作成していく。
と言っても加工の為の魔力が使えないので模型だけなのだが
「アクセサリーがいいよね? デザインは後でマネちゃん経由で相談するとして……」
「」フィ フィ フィ
そうして俺たちはお互いの趣味に没頭するのだった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「よし、とりあえずはこんなもんかな。」
一旦の区切りがついたので、今日の所の作業を終えることにした。
「えっと……うわっ!」
「」フィーン?
いつの間にかウィスプが遊ぶのをやめてこちらの作業を見ていたようだった。
「どうしたの?飽きちゃった?」
「」フィヨフィヨ……フィ
橙色…何だろう、肯定は青だったから違うようだけど橙は何だ?
わからないが色といえば確かムルムル先生が感情を色で判別出来ると言ってた。今度詳しく聞いてみる事にしよう、この子への理解がより進むかもしれない
「」フィーン…フィォ
「あっ、まってまって触っちゃダメだよ」
今俺が作ってた魔具をツンツンとするように動いている。
そういう操作で誤作動を起こすような魔具では無いが、そもそもまだ模型なので耐久面が無く壊れてしまうため手で制止を求めた
「」フィヨ
「よかった、止まってくれたんだね」
「」フィ
橙、さっきと同じだ。
そういえば最初の知育魔具を使うときも橙だったっけ?
あぁつまりは
「もしかしてコレが気になるってこと?」
「」フィ
青、ということは橙は疑問や好奇心といったところだろうか。
この子が気になるというなら説明をしてあげようか
「これはねちょっと特殊な認識阻害魔具だよ、私の髪飾りの効果の一つにも似たような認識阻害があるんだけどそれと同じやつだね」
「」フィヨ
白、なんだろう。
説明を続ける
「形は今は指輪にしてるんだけどどうするか迷ってはいるんだよ」
「」フィヨ
白、相槌かもしれない
「そうだ、どうせだから君が形決めてみる?」
「」フィ!!
強い青、多分肯定でいいんだよね。
「じゃあちょっと待ってね」
そう言って俺は紙に各種アクセサリーのイラストを描いた。
「これらの中でどれがいいかな?」
そういえばウィスプは発光するようだが、イラストの中から一つを選ぶような精密動作は出来るのだろうか。
「」フィヨ………ポワァッ
ウィスプから小さな光の玉がふよふよと飛んでいき、ネックレスの部分に付着した。
「驚いた、そういうのも出来るんだね とにかくネックレスね、オッケー。作ってみよう。」
「」フィ
黄、また別の色だ。
わからないがふぃよふぃよ飛び回ってるので多分喜んでいるのだろうと思っておく。
ちらと計測器を見てみると残り2~3分程度、もう時間も終わりだろう
「もう今日はお別れのようだね、コレからもちょくちょく呼んで一緒に遊びたいんだけど……いいかな?」
「」フィ
青、問題ないとは思っていたが意思を示してくれたことで一安心。
「じゃあ最後に、これからよろしくということで君にプレゼントがあります。と言っても物じゃないけどね」
「」フィ?
「じゃーん!こちらです!」
そう言って取り出したのは一枚の紙。
その中には一言だけ単語*1で「スピカ」と書かれていた。
「」フィ?
「スピカ、それが君の名前だよ。最初に会った時からずっと考えていたんだけど綺麗に光るから決めたんだ 私の大好きな星の名前を君に捧げます」
「」フィ!
黄は喜びの色、だと嬉しい。
「まだ君の事はちゃんと理解できてないけど、もっと仲良くなろうねスピカ」
「」フィ!
キラリと強く光ってスピカは元居た場所に戻っていった。
そういえば聞く話によると魔獣と言う物は召喚した悪魔に影響された姿で現れるらしい。
透明な体を持つスピカの本来の姿は変化はあるのだろうか。いつの日か見てみたいものである
見えるかわからないけど
ちゃんとしたネームドのオリキャラは家族くらいです、家系能力がありますからね、仕方ない