収穫祭開始後3時間くらいは経った、初日はすぐに夜が来るためそろそろ拠点の準備が必要になってくる頃だった
「……何あれ?」
少し開けたスペースに机があり、その上に箱が置いてあるのを確認した
周りに何かが潜んでいるという様子も無いので近づいてみてみることにする。
「これは魔具? 誰かが持ち込んだのかな?」
触ってみると分かったのだがレンガブロックのようなみための魔具であり、上の部分にボタンが付いていた。
「多分空間移動用の魔具かな? 私は危ないしあまり作らないけど……へぇぇ」
【
俺が普段よく使う方式とはまた違うが中々に良く出来ている
「いやぁ
この魔具を作った
「え、やば……ここにクイックアップ方式詰め込んでんの?よく動いてるなぁ」
この魔具の範囲は大体このブロック一つ分くらいのようだ、効果はランダムに転送するようだ、作った本人ですら転送先が分からないようになっている。
面白さを追求するあまり事故を抑制する処理が無いようだ、俺ならこの辺にセーフティーをかけて万が一自分が押したとしても誤作動を起こさないようにするだろう
「これだから魔具は面白いんだ」
魔具には
「にしてもこの魔具、石の中に飛ぶ可能性もあるのかな? 多分大丈夫だとは思うんだけど気になるな」
俺だって悪魔である、好奇心には──勝てない
ぽちっ!
「さぁどこに出るかな」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ここは……なんだ?」
周りは全体的に石の壁に囲まれた小部屋のようだった、魂視で見る限りは地下のようで、更に完全霊体化で確認したところ全体的に魔力が張り巡らされており、罠が多い場所になっているようだった。
「はて?」
ランダムワープの都合上第三ブロックだろうが、何のために作られたのか分からない
『侵入者のようだが資格がない、出直すか別の道を行け』
「別の道?」
『ここは抜け道、資格あるものが通る道である。小娘には資格がない、去れ』
そうは言うが、周りを見ても窓も扉もない、まるで冥界にあるガイストの屋敷の地下室のようだ。
「出口無いんですけど……」
『……』
なんか言えや。
『……そもそもこの場には資格あるものしか入れぬはずだ……えぇ……』
「いや、困惑したいのはこっちなんですけど」
『そもそもどうやってここに来た、我は小娘が急に現れたように思えたのだが』
「落ちた魔具があって、どこかへ転送するだけで危険性がないってわかったので好奇心からぽちっと」
『阿呆か』
「いやぁ面目ない」
好奇心には勝てないんだ、安全確認はしたからあまり責めないで欲しい。
「ところでここってどこなんですか?後あなた誰ですか?」
『資格を持ってきたら教えてやろう』
「資格とは?」
『……』
何なんだ
これ以上の問答は不可能そうだ、それに閉じ込められた状況なので……ふむ
「ここって滞在制限とかあります?」
『無いぞ』
「そうですか、因みに資格を持ってここに来ない限りは入れないんですよね?」
『そうだな』
「へぇ……」
帽子から色々と取り出していく
元々泊まりになるのが分かっていたため、寝具や簡易テーブル、簡易キッチンに携帯食料。
『……何をしている?』
「安全そうなので、私ここに住みますね 3日ほど」
『は?』
「いやぁこの収穫祭、夜が一番怖いですから……安全に寝れる場所は魔具で作ろうと思ってたけど儲けものですね」
『あの、そういうところじゃないんだけど……』
「いやぁ、嬉しいなぁ ありがとうございます!」
『いいけどさ……』
勢いで何とか押し切った、この場所、最高のセキュリティだ。
俺みたいにテレポート以外で入るのにはかなり面倒そうな手間がかかる上、魂視で位置を逆算するに、ここは地下だ、見つかること自体少ないだろう。
ほぼ完ぺきなセーフティーエリア、使わない手はない。
此処が本来どういう用途で作られたかなどは後で考えればいいのだ。
『だがどうやってここから出るつもりだ、入口は閉まっているぞ』
「あ、お構いなく 私、"幽霊"なので」
この部屋は魔力が張り巡らされているとはいえ、アミィ先輩の【
これなら完全霊体化で抜けるのも難しくなく、魔力が張り巡らされているおかげて完全霊体化中でも建物の構造が良くわかる。俺にとってはこれ以上ないほどの拠点と言えるだろう。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ふぅ……」
まだ収穫祭1日目は時間がある、今日中にもう一体
この辺には確かグレートキノコブタ 3500Pが徘徊していると聞いた、5000Pではないが複数体でいるらしく、まとめて収穫できれば高得点が期待できるだろう。
「えっと、魂の強さ的にあっちのがそうかな? やけに魔獣が集まってる気がするけど……」
その方向には数人の悪魔が集まっているようで戦闘中に感じられる
「これは無理かなぁ」
邪魔をするわけにはいかないし、したところで山分けなどになったら効率が悪い、別の場所に行く事にしよう
「ん?」
なんだか熱気が漂ってくる、何か焦げ臭い感じだ。
「速く鎮火しろ!」「うるせぇ!」「やってんだろが!!」
あれは確かB組の男子だったはずだ、どうやらテントが燃えているようでパニックと言ったところらしい
「おーい、大丈夫?」
「あ? 今大丈夫じゃないってみりゃわかんだ──ガイスト!?」
「何でここに」「俺らの食材を取りに来たのか!?」
「なんか色々好きかって言ってるけど別にそういうわけじゃないっての。」
そもそも、ここで食材を奪えたとしても後の恨みが怖い、アンドロたちじゃあるまいしそういうのは無しだ。
とりあえず水流魔術で消化だけしておく。
「そんなパニック起こさないで魔術使いなよ、出来るでしょ? 習ったんだし」
「いやまぁそうだけど……すまん助かった。」
「で? 何があったの?」
「聞いてくれよヨレヨレ師団がさ──」
どうやらかき回してテントを燃やして去っていったやつがいたらしい、聞く限りはあえて挑発していたようなのでそういう能力持ちだろうか、今回なら留年しているドロドロ兄弟がそういう能力だった気がするし、それかもしれないな
ここで合ったのも何かの縁なのでテントの修復を手伝ってやった、時間かかるようだが魔具を使えば案外そうでもないのだ、燃えたカバーの替えを持っているやつが居たっていうのもあるけど
「じゃあ私はこれで──」
「あ、ちょっと待てよ」
「何? 私まだ収穫するつもりが」
「違うって、ほらこれ」
小さな袋が向けられている、これは何だろうか
「俺達の収穫物だよ、持って行け」
「悪いよ、これって君たちが集めたやつでしょ?」
「いいって、手伝ってくれた礼だよ、なぁ皆」
「おう」「持って行けよ」「遠慮すんなー!」
「……ありがとう、なら遠慮なく貰っていくね」
軽いものだったが恩返しをされるとは思わなかった、こういうっていいな。
「じゃあ改めてもう行くね」
「おう! 頑張れよー!」
そうしてB組男子と別れる事にした、離れたところで袋の中を確認する。
無いとは思いたいが罠という可能性はあるので仕方ない──?
「またコイン?」
ちいさなコインがまた一枚、これは一体何に使う物なんだろうか。
まさかこれが資格だったりして……そんなわけないか