『それが資格だ、名を"力のメダル"という。本来はそれをここの入り口でかざす事でこの部屋に入ることが出来るのだ』
「えぇ……その辺に落ちてたらしいですけど」
『可能性は限りなく低いがそういう事もある』
「あるんだ……」
ピンッ親指で弾く、他の収穫物と違いこれは"食べられないもの"だった。
一つ目は気まぐれにアンドロ達に渡したが、二つ目となると誰かに渡す気も提出する気もなかった。
1時間ほど探したが近くにボスクラスはおらず、通常の収穫物をマルバス先生に提出する際に聞いてみたがはぐらかされるだけだった
仕方ないので一度拠点に戻ってくるとこれだ、最初からこうすれば良かったと少し後悔。
「で?これ何に使うんです?入場だけって事はないでしょ」
『あぁ、しかし足りん。 もっと持ってくるといい』
「何枚ほど?」
『最低10枚だな、儀式を一度始めると取り消せない以上それくらいは欲しい』
多いのか少ないのか微妙なラインだ、総数が何枚かもわからないので余計に何とも言えない
「どこにある感じですか?」
『言うわけがないだろう』
「ですよね」
とはいえなんとなく想像は付いている、名前や拾った状況から察するに頭級が関係しているので間違いないだろう。
落ちていたという今持っている方のコインもといメダルもグレートキノコブタが通った道だとしたら納得がいく。
当面のやるべきことは決まった、採取しながらボス巡りだ
「じゃあ行ってきますね!」
『あ、ああ』
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
帽子からいくつかの素材を取り出す、主に金属類にゴムを少々、それに加えて魔蓄石と呼ばれるバッテリー。
それらを一まとめにして【クワルツ・クワルツ】!
──DRRRRRRRR!!!!!
重低音が鳴り響く、鉄のボディにゴムの車輪、エネルギーを消費し高速移動を可能にする乗り物。
──バイクの完成である
早速またがってみると、その振動や熱、椅子やハンドルの感触などが流れ込んでくる
ガソリンの臭いだけは無いが、魔力で動くので仕方ない。
「あぁ懐かしい」
そもそも俺が魔具制作が好きなのの原因がバイクなのだ。
自分の愛車を弄って乗り回し、いろんな場所に遊びに行くのを趣味としていた。
飛行した方が手っ取り早いしいいのだが、今回は魔力の温存もあるので作成してみた。
今までこれをしなかったのはバイクは魔界にもあるが俺の想像する人間界の乗り物をそのまま作った場合に何が起こるかわからなかったからだ。
しかし今は入間がいる、あいつがアレだけ派手にやらかしているのに俺ばっかり我慢できない。
そんなわけで作った次第である、では早速
「飛ばすぜ!」
悪路の為少々手間取るが、噛み合ったとたん走り出し──
キュルルルル……ガッ!! ブォォォォン!!!
「はっははははは!!!!」
草をかき分け風を切り、目的地に着くまでひとっとび。
「うわっ」「キャッ」「あぶねぇ!?」
「ごめんなさーい!!」
他の悪魔たちに当たりそうなのを前世で培った運転スキルで避けていく、誰かに一発当たれば即失格だがこのスリルが最高だ。
走る事数分、1番ブロックに到着した。
3番ブロックとは対角線上の場所ではあるが、頭級が最も配置されるという情報があるのがここだった。
止まらずそのまま頭級を探していく、どれも強いのである程度近くにいけば大きさで分かるのだ。
「あっちだね」
ハンドルを切り替えて頭級の方にいく、誰かが戦っているようだが今回の目的は力のメダルだ。
「到着」
バイクを入口に止めて中に入っていく、ここも洞窟のようで大きな広間のような場所があった。
ドゴォォォォォン!!!!
突然の轟音、音源は頭級と戦っている悪魔のようだった
その悪魔は四人、二人はドロドロ兄弟と呼ばれる去年留年したやつらだ、たいして残りは問題児のサブノックと……
「アスモデウスくん……?」
アスモデウス、だとは思うのだが様子がおかしい、あれではまるで悪周期ではないか
「
なんだか全員戸惑っているように思えるがやはり緊急事態なんだろうか
しかし、それが何であれ、今俺に注目が行かないのであれば先にやる事をしよう
「クロローン、スキャン開始、対象は"力のメダル"」
『スキャンカイシシマス』
これで良し、数分後には見つかるはずだ、見つからなければここにはない。
では、あっちの対処をしようか
「──
……頭級を振り回してるなぁ、フラフラミンゴがハンマー投げみたいにされている。
とりあえずサブノックに話を聞いてみようか
空を飛んでサブノックの方まで近づいていく
「サブノックくん、これどういう状況?」
「あぁ、お前はガイストだったか 入間と同じ師団の」
「そうだよ、サバトで一緒だったガイストだよ で、これ何?」
「あの阿呆が悪周期を開放したのだ、入間を馬鹿にされたとかでな」
「忠誠心凄いもんね、それでどうやって止めるつもり?」
「トリガーがある、それを伝えればいいだけだ」
「なるほどね、じゃあ手伝おう」
「何?」
疑うような視線を感じる、まぁ収穫祭では敵同士だものな
理由としてはメダルの捜索までの時間稼ぎとアスモデウスにここで脱落してほしくないからだ。
メダルは言えないしアスモデウスを助けたいのだけでは弱いので別の理由を作るとしよう
「この収穫祭って結構色んな
「……そういう事か、ならば良し あの馬鹿者を止めるぞ」
「そうこなくっちゃ」
とりあえず、アスモデウスの対処を始めよう、今日最初に見た感じ問題児に悪周期はいなかったはずなのだが今悪周期になっているというのは何かを行ったのだろうか
観察するが、完全に呑まれていることだけは確かだ、入間の悪周期よりタチが悪い。
ドォンッ!!
「
アスモデウスがドロドロ兄弟に攻撃しだした、回避したようだが当たったらアスモデウスが失格になる、急がないと
「オイオイ、こんな時にもう一人増えやがった! どうする?」
「あいつらの味方ってわけでもないっぽいし、上手く使えるかもね」
「どういうことだよ」
「こういう事だよ兄ちゃん、そこのブス!」
は?
「聞こえてんのかブス!!」
「なるほどな、かかって来いよブス!」
「何? 急に喧嘩売って来て」
キンキンと腹立つ声だ、アスモデウスの対処をするっていうのに邪魔をする気だろうか
「文句あるならこっち来いやブス!!」
「はぁ……」
「おい、あいつらの挑発に乗るな」
「死にたいの?」
大鎌を取り出し、タン、タン、タン、と進んでいく、揺らめく魂をその眼に刻む。
「──マジか」
「お前も悪周期かよっ!?」
「失礼な──悪霊だよ」
バチィ!!
「──はっ!」
大鎌に仕込んでいた感電機能が発動し、理性が引き戻された。
今無理矢理怒らされた?こいつらの能力だろうか
「
理性が飛んでいるうちにアスモデウスを抜かしていたようで、背後から火炎が来る。
「当たるのはまずいかも」
【
「おまっ!離せ!」
「兄ちゃん、多分おとなしくしといたほうがいいやつだ」
「そういうこと、弟君はわかってんじゃん」
【
「クロローン、【ブースト】」
「……
更にクロローンの魔術向上用機能の【ブースト】で頑丈さを上げる、数秒程度なら大丈夫だろう
「これが攻撃にならなきゃいいんだけど」
大鎌を構える、【魂狩】と対をなすように作ったもう一つの大技──
「まて、十分だ」
そこでサブノックに止められた、彼の大きな背中でアスモデウスが隠れてしまった、これでは使えない。
「すぅ──入間!!」
ビリビリと響くような超大声量だった、突然入間君の名前を言って何をしたのかと思い横から覗くと、そこには片膝を立てたアスモデウスの姿があった、魂視で確認する限りはもう悪周期ではないようだった。
「トリガー?」
「そうだ、これが我たちの成果だ。 ヌシの野望は!!」
「無論!!入間様の矛となる事!」
「よし!」
何と言うか変わった信頼関係だ、ライバルとはこういう物もあるのだな
「「なんなんだあいつら……」」
「あれが
それだけ言うと、俺は邪魔をせず、こちらに注意が来る前に洞窟を去った。
「おつかれクロローン」
『ニンムカンリョウ』
メダルも無事獲得完了、残りは8枚だ
残り6100分
ガイスト・レイラ現在取得ポイント数…5050P、メダル2枚。