「15枚、これで文句ないですよね?」
『いいだろう、認めようではないか お前の挑戦を』
「挑戦……」
力のメダルは案の定何かの挑戦権だという事だった、儀式に必要と言っていたのでこれを消費して何かを行うのだろう。
『では準備は良いな』
「あ、ちょっと待ってください」
『……なんだ』
「先に睡眠と食事をしたいので8時間くらい後でお願いします。」
『……』
溜息が聞こえた気がする。
仕方ないだろう、昨日は徹夜だったのだから。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
フワフワとしたところに浮いている、暖かいようなどこか冷たいような感じがする
『貴女はだぁれ?』
「私は……レイラ、きみは?」
『私はウィルよ』
ウィル、その名をどこかで聞いた気がした。
彼女の青くてキレイな髪が良く見える
『貴女は何しにここへ来たの?』
「そうだね、ただ休んでいるだけだ」
『や、休んで?』
なんか動揺している?
『ここそういう場所じゃないと思うのだけど……』
「似たような事を言われたな」
『えっと……起こしましょうか?』
「うん……うん?」
起こす?
「どういうこと?」
『ここに来るのはこの遺跡で意識を失った
「……あー」
思い出してきた、俺はとある石室を拠点としており、そこで"力のメダル"というものが10枚必要になったので集めて来た、そしてそれを10枚以上集めて戻ってきた後に何かをする前に休むので寝たんだった。
となるとここは夢の世界?
『ここは魂の世界、今貴女は魂だけの状態よ でも大丈夫、怖がらないで』
「あ、そっちなんですね、大丈夫です、慣れてるんで」
『な、慣れてるのね……?』
どうやら冥界と同じような場所らしい、ただ冥界でないのはわかる、あそこは独特な感覚がするのだ。
起きるってことは、多分夢を見ているのと同じような状態なんだろうが、言われてみれば確かに魂のみの状態になっているようだ、視覚が使えるので俺の能力というわけでもない
「えっと、ウィルさんはここで何を?」
『私はこの遺跡の補助係のようなものよ、ここは危険な試練が多いから学生が死なないようにするのが私の役割なの』
「補助係」
なんとなくわかったが、やはりこの人なんか見たことある気がする。
「あの、聞きたいことがあるんですけど」
『あ、そろそろ起きるわよ』
「えっ」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「……」
『起きて早々何なのだ、機嫌が悪いようだが』
「ちょっと女の人と話してた途中だったので……」
『あぁ、彼女か ……睡眠でも会えるのだな』
「あれ、貴方は会えないんですか?」
『普通に会えるが、睡眠や気絶等は私には適応されないのでな』
「へぇ」
『では起きたようだしさっそく儀式を』
「あ、ご飯食べるんでもうちょっと待ってください」
『……』
★★★★★★★★★★★★★
二つの月が眠る池
一匹蛙が睨む先
穴の中にはボタンが二つ
押さずに三回跳びました
道が開いた先には豪華なお城
そこにあるかな終わりの鉢
騙されるなお城はまぼろし
まぼろし見破れ、本当の道は傍にある
あぁ、まぼろし
「ま~ぼろ~し~って事だよね!」
第三ブロック地下エリア、終わりの鉢の遺跡前に若い悪魔が現れた
彼の名はシャックス・リード、この収穫祭において入間とチームになった悪魔である。
彼らは一日目終了時点での得点が驚異の0点だった。
その原因は二つある、一つは食材として食べてしまったから、もう一つは奪われてしまったからだ。
他の
そんな中彼らは諦めてはいなかった、そう、一発逆転の収穫物であるレジェンドリーフ、それ一点で勝負を仕掛けるつもりだった。
そして、その手掛かりを集めた結果とある歌を入手することになる。
その内容は前半が始まりの種、後半が終わりの鉢の場所を示すものだった。
この二つはレジェンドリーフの素材と思われる為、二人はそれぞれ分かれて取得することになる。
入間は始まりの種、リードは終わりの鉢の担当だ。
そしていまリードは終わりの鉢の遺跡前に来ていた。
「いやぁ、中々大変だったけど、僕にかかればばっちり解けちゃったね!」
そして調子に乗っていた。
「森の地下にこんなに大きなスペースがあったなんて知らなかったし、こんなに大きなお城があるのも知らなかったなぁ」
普通では見ないくらいのサイズの巨大な城がリードの目の前には鎮座している。
「で、これが偽物と」
豪華な城が目の前に有り、いかにも何かあるようにも思えるのだが歌詞にはこれは幻であり、本当の道は傍にあるとのことだった。
「じゃあとりあえず」
【
この能力は他者の五感の一部を奪うことが出来る能力なのだが、その用途は多岐にわたる、感覚を錯覚させてミスを誘ったり、一時的に機能停止することで行動を阻害したりなどだ。
そしてこの能力の一つの神髄とも言うべき使い方がある。
それが諜報能力だ、近くの人間やそれ以外の魔獣などの五感を奪うことでその場所の情報を得ることが出来る、それを利用することで多くの情報を集めたり虫の五感を奪うことで隠された道を把握したりすることが出来るのだ。
当然この能力は脳にかかる負担も大きいのですさまじい集中力が必要なのだが、リードは収穫祭の修行にてその集中力を手に入れることに成功していた。
「──見つけた。」
城の入り口から見て12歩右の壁、そこはただの壁に見えるがすり抜けて通ることが出来るようになっていた。
リードはその壁に確信をもってぶつかり、すり抜けた。
「よっし!僕最強!!」
思わずガッツポーズ。
嬉しいものは嬉しいのだ。
「さっき確認した感じだとこのダンジョンっぽい罠いっぱいあるんだよねー、松明持って来てよかった!【ラファイア】!」
ここの遺跡に来る途中、必要かもと思いその辺の木を利用して簡単に作った松明、早速それが役に立ったようだ。
「うわー、結構深そう 声が響くなぁ」
独り言が反響して返ってくる。
音を聞くだけでも結構遠くまで反響しているようだった。
カチッ
「わっ!!」
ガシャン!!
歩いていると地面のボタンを踏んでしまったようで、突然床から針が出てくる。
普段から身長を誤魔化すために尻尾で立つことが多かったのが功を奏して、とっさに尻尾立ちで罠を回避することに成功した。
「……殺意高~~」
この収穫祭は何処も危険な生き物ばかり、レジェンドリーフの為のダンジョンともなれば危険度が上がるのもうなずけるものだ。
そんなこんなで罠を避けながら行くと、一つの小部屋にたどり着いた
「えっと何々? ここより進むは分かれ道、長い道と短い道好きな方を選べ?」
そう書いてあるが、左右には二つの扉が設置されていた。
どちらか片方しか開けられないのだろうとリードは思った。
「そりゃどうせなら短い道でしょ!」
そう軽くは言うが、その短い道がどちらかもわからない。
「どうしよう?」
【
「……こうなったら運否天賦に身を任せよう!」
男は度胸!とリードが片方の扉に手をかける、石の扉なのでゆっくりとだが、リードの力でも開くことが出来るようだ。
「開いたー……!」
開いた先は長く続く廊下だった、それを見てもリードはこれが長い道か短い道かわからない。
ふと試しにもう一つの扉に手をかけてみた……すると
「あれ?開くじゃん」
そう、両方の扉を開くことが出来るのだった、どちらも石の扉なので重いが、ちゃんと開いたのだった。
もう一つの扉の先は10mほど先に壁がある道だった。
「行き止まり?」
そう言ってリードは壁の方に近づいていく、すると腰のあたりに異変が起きたことに気が付いた
「あれ?さっき拾ったコインが光ってる……?」
リードはこの遺跡に来る途中、地面を調べていた時に一枚のコインを見つけていた。
見た目がよかったので後でエリザベッタにプレゼントしようかと持っていただけだったのだが、それが今光っている。
その光は一点を指しているようで、その一点の先にはくぼみがあった
「ここにはめるのかな?」
コインをそのまま窪みにはめてみると、少し経った後に変化があった。
ズズズズズズ……
そういう音を立てながら壁は沈んでいく、どうやらこれが短い道の仕掛けだったようだ。
コインを失うのは残念だが、ここで使うのであれば仕方ない。
「よし!ショートカット成功!」
そう喜びながらズズズズズと音を立てて沈んでいく壁を見ていた、そして沈み切った後だった
「ズズズ」
「ん?」
まだズズズという音が聞こえていた、しかしさっきとは少し違う音だった。
壁の先はまた小部屋になっているようで、そこに何かの影が見えた
「まさかモンスターだったり?」
そんな冗談を飛ばしながらも進んでいく、影はくっきり姿を現し、一つの人影となった
「ズズ……」
「誰かいるの?」
そう言って松明で先を照らしてみるとそこには──
「もぐもぐ、ズズズ…………ん?」
「えっと……」
「あ、シャックス君だ、こんにちは」
「こ、こんにちは……レイラちゃん……だよね?」
「うん、そうだよ もぐもぐ」
「何してんの……?」
「カップ魔ーメン食べてる……いる?」
「じゃあ……ってそうじゃなくて!!」
「え?」
「え?……じゃないよ!? 何でここにいんの!?」
「何でって、ここ私の拠点だし……ズズ」
「ちょっと食べるのやめて!? 僕の!情緒が!壊れる!」
「そんなこと言われてもなぁ」
リードは思った、他のどんな罠よりも今この状況が一番怖いと。
レジェンドリーフの歌詞後半がもし公開されてたらすみません