拠点で食事をとっていた俺は突然壁が開いて何故かその先に現れたシャックスと一緒に魔ーメンを食べながら雑談していた。
「それでここにいたんだ、便利な家系能力だねー もぐもぐ」
「もぐもぐ そっちの家系魔術も結構すごいよね、そんな広範囲の探知に使えるんだ」
「特訓の成果だよ!それでも姉さんには勝てないんだけどね」
シャックスにお姉さんがいるのは知らなかった、サバトの時も言ってなかった気がする
「へぇそうなんだ、リードくんのお姉さんってそんなにすごいの?」
「うん、僕じゃ足元にも及ばないレベルにね、全感覚を強奪する【
「あぁ、全感覚が無い状態って慣れないと何にも出来ないほど怖いよね」
「え?」
「私の能力ってデメリットがあってさ、使う量に応じて五感が機能停止するんだよね最大発動するとその全感覚強盗と同じ状態になるよ」
「何それ怖すぎる……!」
「最初は怖かったなぁ、その代わり霊感っていう感覚を得るんだけどさ」
そういえばサバトの時もやってなかった事だしせっかくの機会なので聞いてみよう
「その【感覚強盗】って私の霊感は奪えるのかな?」
「わかんないけど多分無理じゃないかな、うちの家系能力は使う部分が黒くなるんだけど霊感はぼくらにはないものだろうしね」
「そっか、じゃあ魂視はどうだろう?これは一部だけ発動するんだけど視覚的に魂を見る技なんだよね、今左目で発動してるしやってみてよ」
確認したいので右目は瞑っておこう
「いいよ!いくよ……!」
その時目の前が真っ暗になった、これが視界を奪われるということなのだろう
魂視は発動している感じもするしなんとなく感じはするが視覚的に見える要素はごっそり無くなっているようだ。
なるほど、中々に面白い
「何この視界……」
「ゆらゆらと光ってるようなものが見えてる?」
「うん、真っ暗な中にぽつぽつと火の玉と線っぽいのがある感じに見える……」
「それが魂視だよ、シャックスくんは今私の視界を通じて魂を見ている状態になるね」
「目の前にあるのが僕の魂? 結構小さいなぁ」
「魂の大小は体の大きさにも関係するからね、とはいえ同じ種族ではそうそう変わらないけど」
俺の父の魂や閻魔の魂はかなり大きかったりするのだが、あれは例外だ
因みに田中さんの魂は小さめだった
「解除するね……面白かったー!あれが普段レイラちゃんが見てる視界?」
「魂視を使っている時は片目だけね、普段は普通の視界だよ」
そう言って魂視を切った、食事中は嗅覚も味覚も消すと味がほぼしなくて悲しくなるのだ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
食事も終わり本題に入る事にした
「それで?シャックス君はどうしてここに?」
「……まぁここで黙ってても無理があるし、言っていいかな ここに終わりの鉢って収穫物があるらしいんだよね、それを探しに来たんだ」
「終わりの鉢?」
「うん、そういうのがあってね?結構ポイントが高いらしいんだよね、何かしら知らない?」
「何かねぇ……まぁ心当たりはある」
「え?ほんと!?」
「うん おーい!」
『……やっとやる気になったか』
「うおっ!? 何の声?」
「さぁ、ここの主?」
実際俺も姿をまだ見ていないので分からない、遠くにそれっぽい魂は見えたが確定も出来ない
『あながち間違いではない……では来るがいい』
ズズズズズ……と、シャックスが入ってきたのと逆の壁が道になった。
「この奥に来いってことだよね」
「だろうね、行こう」
シャックスもやる気のようだし折角なので一緒に行く事にした。
少し進むと、綺麗めの長机と数個の椅子が置いてある部屋に着いた
「ここが目的地? ここで泊まればよかったなぁ、ここの方が綺麗だし」
「そもそも泊まるようには出来ていない、宿泊施設ではないんだぞ」
今まで響くように聞こえていた声がすぐ近くで聞こえてきた
そちらの方を向くとそこには巨大な石像……もとい生物がいた
「「でっか……」」
「ふん、やっと始められる ではこれから終わりの鉢の試練を始める、力のメダルを出せ」
やっとここで使うようで力のメダルを合計15枚全て出した、これを提出すれば1500Pになるのでどうするつもりなのか少し気になる。
「それって、僕がさっきの部屋に入った時に持って行かれたやつ!」
「あぁ、そうであったな お前にも返却しよう」
そう言ってシャックスの前に一枚だけメダルが置かれた。
「準備が出来たらその椅子に座れ」
「僕も?」
「そうだ、一枚でも参加権はある」
「オッケー!じゃあ座る!」
俺もそのまま遠慮なく席に着いた
「準備は良いな?ではこれから、私とお前たちでギャンブルを行う。」
「……ギャンブル?」
「そうだ、その力のメダルの価値は知っているか?」
「一枚で100P?」
「そうだ」
「そうなんだ」
そうなんです、シャックスは提出しようとはしてなかっただろうから知らないのも当然か、そもそも収穫物なのに無機物だし
「これから、その持っているメダルをチップとして賭けてもらう、それで合計200枚、つまりは2万Pに達した場合に終わりの鉢との交換だ、終わりの鉢自体2万Pで提出できるからな、等倍での交換となる」
「それに何の意味が……」
「あっ」
「知らないのか?終わりの鉢はレジェンドリーフを咲かせるために使うものだ」
「あぁぁ~~っ!」
シャックスがなんか唸っているが、なるほど、それなら納得した。
元々この遺跡はレジェンドリーフの為にあったものだったのだ。
シャックスはその事を知ってやってきたが、俺に知られるとまずいので黙っていた、という事だろう
「別にとったりはしないから安心していいよ」
「え? なんで!?」
「だって咲かせるためってことは他にも種とかいるんでしょ? 私は種の場所とか知らないし」
「そ、そっか」
「まぁ十中八九入間くんが種を取りに行ってるんだろうし、お手上げ」
「よくわかったね?でもなんでお手上げ?」
「だって、入間君ってそういう星の元に産まれたのかってくらいにこういう事成し遂げるし、大体どこにいるか予想もつかないタイプだから」
「あー、それわかるかも……」
「そろそろいいか?」
「「あ」」
また話しが逸れかけていた、ともかく俺は終わりの鉢は要らないがポイントを手っ取り早く増やす手段が目の前に有るんだから受けるのは賛成だ。
「僕もやるよ、一枚でも賭けられるんだよね?」
「あぁ、ゲームは幾つかの種類を行っていく、この場で行うようなテーブルゲームから体全体使うものまで様々だ。……お前の方は知らないだろうがシャックス・リード、お前は長い道と短い道の記載を見たな?」
「あぁ、見たね 両方確認したけど、こっちが短そうだなっておもってこっちにした」
「そうだな、長い道の方ではこのギャンブルを100種全て行い、クリアすることが条件で終わりの鉢を与える、失敗してもデメリットは無く、入口に帰されるだけだ。しかし──この短い道の方のギャンブルで、メダルが0になった場合は即時失格処理となる、これはバビルス側も認識していることだ。」
なるほどローリスクだが、高難度かつ長い時間をかけて手に入れるか、ハイリスクだが短い時間で比較的低い難易度で手に入れるかの違いというわけか
「その上でもう一度聞こう、お前たちはこのギャンブルを受けるか?」
「「当然」」
「……ほう」
思わずシャックスの方を見てしまった、彼のメダルはたった1枚、即敗北すらありうる数だ。
それを即答するとは──
「意外?」
「……正直ね」
「考えないわけでもないよ、メダル一枚じゃ碌に賭ける事もなく終わる可能性が高いもんね、でもね?これくらいのリスクを負えなきゃ皆に勝てないからさ」
そうか彼も
「それにね?」
加えてもう一つ、彼は言った。
「僕はギャンブラーだ、ハイリスクハイリターン上等さ!」