悪魔で霊な元人間   作:P223

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87 NGWordTalkers

 

『カードオープン』

 

「ツーペアだ」

 

「スリーカードだね」

 

「フルハウス!よっし!」

 

『ウィナー、プレイヤー』

 

上から順に審判用魔具、ムームー、俺、シャックス

俺はメダル3枚、シャックスは1枚獲得となる

 

さて、突然のポーカーから失礼

 

何が起こったのかを説明しよう。

 

まず今の状況はこの魔神ムームーによる終わりの鉢の試練の途中である。

確認だが終わりの鉢の試練は2種類あり一つは100のゲームのクリア

そしてもう一つが力のメダルをチップとし、ギャンブルで200枚まで増やすことだ。

 

俺とシャックスはそのうちの後者を選択し、結果としては時間が短縮される代わりに0枚になると即収穫祭失格というリスクを負う中でゲームを開始することとなった。

 

そうするとルーレットが出現し回りだす、話を聞くにこれで100のギャンブルからランダムに選択するらしい

最初のゲームとしてポーカーが選択されて1ゲーム終わったところである

因みに審判用魔具は俺が作ったものではなくこの遺跡の備品らしい。

 

「とりあえずは2枚!一旦の保険はゲットした!」

 

「私は13枚、幸先がいいね」

 

「ギャンブルは時の運、これからどうなるかなど誰にもわからん」

 

「……にしても魔神族とか僕初めて見たよ、普段は姿現さないよね?」

 

「悪魔より上の存在だからね、私も初めてだ」

 

そう、()()ムームー

ゲーム開始時に彼が自分でそう名乗っていた。

魂視でも見たことない魂だったので気になっていたのだが、これが魔神の魂らしい。

 

さて、魔神族とはこの魔界における最高権力者の種族である、魔界のトップは魔王だが、魔神族は言うならば前世で言う皇室のような立ち位置の者たちといえばわかるだろうか。

とにかくよくわからないが偉いという感じである。

 

「にしてもどうしてその魔神がこの収穫祭に協力しているの?」

 

「……そうだな、昔の話にもなるが簡単に言うと魔王に借りがあるからだ」

 

「借り?」

 

「フン……」

 

どうやら言う気はないようだ。

今度文献でも調べてみることにしよう、魔王師団なら何かわかるかもしれない。

 

「とにかく次のゲームに進むぞ」

 

そう言ってルーレットが回りだした、次に止まったのはNGワードゲームだった

 

「……ギャンブル?」

 

「ギャンブルだ、因みにNGワードは完全にランダムで我にもわからない。」

 

「証拠は?」

 

「出せないが、信じてもらうほかないだろう 私がNGワードを言った時点で終了、残ったプレイヤーは掛け金が倍になる」

 

しょうがないのでそのまま開始することになった。

俺は5枚、シャックスは2枚フルベットだ

一瞬暗くなり場面が切り替わった、真円の机にそれぞれ等間隔で座っている形になる。

 

「とりあえず話題だよね」

 

シャックスがそう切り出した、NGワードゲームは話さないという必勝法もあるのだが、流石にそれは禁止されている、なのである程度方向性を絞れるのでNGワードを踏まないようにしやすい、最も相手のNGを踏ませるように誘導する事も出来るのでこの手のゲームの真の必勝法は会話の主導権を握ることだ

NGワードは額に付けており、俺から見えるNGはシャックスがハネ、ムームーがワナとなっている

 

「じゃあそうだね、趣味の話でもしようか 順番にしていく感じで、私からしよう」

 

という事で俺の話からだ

 

「私の趣味は魔具製作かな、こんなのあったらいいなっていう魔具を作り上げるのが好きだよ、使う時も好きだけどね」

 

「じゃあ次は僕!僕はゲームが好きだよ! 対戦ゲームとかの皆で遊ぶのも好きだけどソロのはソロの良さがあるんだよね、最近ハマってるのはファイナルデビクエスト!知ってる?」

 

「知ってるよ、色んな職業になってドラゴンとか倒す奴だよね」

 

「そうそう、結構やりこんでるんだけど面白いんだよねー、今度続編の666が出るから楽しみなんだ!」

 

「我もそのファイナルデビクエストは聞いたことがある、トートーのやつが話していたな」

 

「え!? 魔神族もやっぱり知ってるの!? っていうかトートーって何!?」

 

「トートーは始まりの種を管理している魔神だ、こちらも収穫祭にいる」

 

「入間君が取りに行ってるってやつだね」

 

「そうそう、歌詞の前半と後半で別れててさ、二手に分かれたんだよ 夫婦岩がどうのって感じの歌詞だったなぁ」

 

シャックスが思い出すように空を仰ぐ

 

「あぁ、あの歌の事か よくわかったな、魔獣たちしか知らないはずだろうに」

 

「魔獣しか?どういうこと?」

 

「え?そうなの? 確かに魔獣たちに歌ってもらったけどさ……」

 

「なんじゃそりゃ、カイム家しか無理なんじゃないの?それ」

 

あの家の家系魔術は【翻訳(なかよし)】というらしい、共同戦線の契約を結ぶときに教えてもらった。

あの家系なら魔獣の言葉も分かるので歌も分かるだろうが、普通の悪魔には無理では?

 

く……クソゲー!!

 

「何というか……狙わなくて良かった~~!」

 

「偶然に偶然が重なったという事だな、奇跡だろうな 実際ここまで来たのはお前たちが初めてだしな」

 

「やっぱり? 僕たちすごくね?」

 

「素直にすごいわこりゃ、因みに私は偶然ここに飛ばされたからね、テレポート魔具で」

 

「あっぶな!? いしのなかにいる……とかなったらどうすんの!?」

 

「大丈夫大丈夫。そうならないのは確認してたしなったとしても私の家系魔術でどうにでもなるからさ」

 

「幽霊になれるんだっけ、あれチートだよねー」

 

「確かに便利だけどそうでもないよ、あれの魔力消費酷いし、特に完全霊体化中に魔力が切れると色々な意味でやばいからねぇ」

 

具体的には冥界にランダムワープする、言わないし言えないけどな

 

「結局のところ大体みんな家系魔術ってチートなんだよねー、()()ごとで変わるって言っても殆ど超能力の部類よ、魔力消費だけならわかるけどむしろ魔力回復とかあるしね」

 

「わかる、クラりんのやつとか万能すぎるもんね、あれどうやってるのかわかんないし」

 

『ガイスト・レイラ NGワード・アクマを検出、脱落です』

 

「えっ」

 

自分の紙を剥がしてみてみる、そこにはしっかりと『アクマ』と書かれていた

 

「……うわー、まじかー」

 

「話に夢中になって油断したな」

 

「誘導したつもりは無かったけどドンマイ!」

 

まぁここからはNG無しで話せるしシャックスの手伝いでもすることにしようか

 

「5枚賭けたのに持ってかれたなぁ」

 

「僕なんてフルベットだからね、やられたら一発アウトだもん、怖いなー」

 

「わざとらしいな、何か企んでるんじゃなかろうな?」

 

「え?僕がそんなことするように見える? 見て?この純粋な目!」

 

「「見える」」

 

「レイラちゃんも!?」

 

だって大体謀してやられてるイメージあるし……サバトとか

 

「ひどいなぁ、僕だって企まずに純粋にお話する時だってあるよ?結構ね」

 

「今は?」

 

「企んでる」

 

「企んでるじゃん!」

 

ははは、と笑って場が和みながらもまた続きとなった。

 

「では再開だ」

 

「じゃあ次は小さい頃の思い出とかどう!?」

 

シャックスがそう提案するが悪くない、俺も魔神族の小さい頃とか知りたいし

 

「いいだろう、では今度は我からだ。 我の小さい頃……子供の頃は随分と大人しいタイプだったのだ、家で読書をするような感じだな」

 

魔神も読書するんだ……と思ったが、そりゃするか、知性がある生き物だし

 

「それである時幼馴染のトートーと魔界の遊び場、今でいうゲームセンターのような場所だな、そこに行ったのだ。」

 

「魔神族二人で? それはまた驚かれたでしょ」

 

「あぁ、驚かれたし 変に気を遣わせたんだろうな、今ならわかる。」

 

「それで? ゲームをやったんでしょ?何やったの?」

 

「色々だ、格闘ゲームやシューティング、他にも魔雀とかもな……そこにあったメダルゲームが今私たちがしているこの試練の元ネタだ」

 

「へぇ、そうだったんだ 楽しいもんね、メダルゲーム」

 

「レイラちゃんもやるタイプ? 今度皆誘って行かない?」

 

「いいね、行こうか」

 

「こんなものでいいだろう、では次はお前だ、黄色いの」

 

というわけでシャックスの思い出のターンとなる。

 

「僕の小さい頃かー、あれかな身体が小さいのが……えっと何だったっけ?」

 

「そんな()に引っかかるか阿呆が」

 

『魔神ムームー NGワード・ワナを検出、脱落です』

 

「なっ!」

 

「よーっし!僕の勝ち!」

 

あえてわかりやすいひっかけを出して誘導したわけね、古典的だけど悪くない。

これでシャックスは4枚で俺は8枚となった。

勝負はまだまだこれからだ。

 

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