カポーン。
第二ブロックの隠された洞窟内、暖かな水の中に俺達はいた。
「気に入っていただけたかしら?」
問題児女子に誘われて天然の温泉来ているのだ。
元とはいえ男だった俺が女子に囲まれて温泉なんて入っていいのかって思うかもしれないが、俺自身驚くほどドキドキしなくなってしまっているので問題は無い、そもそもエイコ達とはよく銭湯に行っているので今更だが。
「よくこんな場所見つけたよね」
「うちの魔獣が見つけてね、秘境中の秘境よ」
「にしてもその分け方凄いね、流石家系魔術というべきかな」
大きな温泉を二分するように氷の壁が生えている。
ケロリは温泉の温度には耐えられない家系なので【氷面】を利用して自分の側の温度を下げているのだそうだ。
一つの大きな温泉なのに温水と冷水が綺麗に別れているのは家系魔術ならではなのだろう、少なくとも俺には真似が出来そうにない。
「ところで貴女は呼んでないんだけど……」
「いやぁ、二人に誘われたんでね」
「ばけちゃんもいた方が楽しそうだったから!」
「どうせなら一緒の方がいいと思ったのよ」
「……まぁ問題ないです、レイラもいた方がいいし、それにしても……」
そこで少し言いよどんでいる、その視線の先はエリちゃんと俺の胸?
「やっぱり……その……大きいですね、色々と」
「あら、ありがと」
ケロリはエリちゃんにそう言ったが俺としてもそう思う。
俺の胸の方も突っ込もうとしたのも俺は気が付いたが、俺のプロポーションに言及したらモデビルバレに繋がるからやめてくれたのだろうか、感謝だ。
因みに俺が163cmで胸がDカップなのだが、エリちゃんはどちらも俺よりデカい気がする。
デカけりゃいいってものではないがその色気も含めたらかなり魅力が高いと言えるだろう、特訓の成果か前会った時よりも色気が増えている気もしている。
「えい」
「ひゃっ!」
「レイラちゃんも結構大きいわよね、何かしてるの?」
「一応それなりにはね……」
……突然胸を触られたので変な声が出てしまった。
実際胸に関しては大きくしたくてしたわけではないのだが、自然と大きくなっていた。
丁度そのあたりだっただろうか、俺が自分の事を"私"と言うのになれた時期は。
ガーコはそもそも爬虫類系悪魔なので胸は気にしていないが、エイコには嫉妬されたのを思い出す。
俺としてはかなり複雑だった、男としての意識がちゃんと残っており、今みたいに風呂どころか海やプールでも抵抗があったのだ、そんな時に自分が女だと自覚させられたようなものなので仕方ないと言えるだろう。
「ケロりん肌すべすべな!」
俺がエリちゃんに胸を触られている間に手持ち無沙汰になったクララはケロリの方に向かったようだ。
丁度いいので俺もケロリの方に逃げる事にした。
「レイラまで来てこんなに来たら暑いじゃない」
「たまにはいいでしょ、こういう感じに触れる機会なんて少ないんだから」
「もう……」
「前の女子会の時にも思ったけど、ケロちゃんとレイラちゃんって仲いいわよね、私達にはケロちゃんって敬語だけどレイラちゃん相手はそうじゃないじゃない?」
「えっとそれは……」
「私とケロリはバビルスに入る前からの知り合いなんだよ、幼馴染ってレベルじゃないけどそれなりに長い仲なんだよね」
「そ、そうです!」
「えー、そうなんだ その辺の話もしたいけど……そろそろ本題に入りましょうか」
その声と共に場の空気が変わった……クララ以外。
「わざわざ魔獣でお迎えして、この温泉まで教えてくれたってことは私たちと協力したいってことでいいのかしら?」
「ええ、温泉を教えた代わりに私の作戦に参加してほしいの……レイラもね」
元々俺を誘うつもりは無かったのだろうが、この場にいることで巻き込もうという魂胆なのだろう、まぁ面白そうだから話を聞いて行こう。
「万が一にも誰か覗かれていないか心配ね」
「まぁ! 覗くなんて、そんなエッチな方いらっしゃるのかしら?」
「いないとは言い切れないけど……精々魔獣ぐらいだね、後少し遠くに
「その能力相変わらず便利ね じゃあ、レイラがそういうなら問題なさそうですね、詳細は王国の方で話しましょうか」
あの魔獣の集まりの事を王国と呼んでいるのだろうか、確かにケロリが女王とか言われてたような気がする。
話もいったん区切りがついたので俺も少し聞きたかった事を聞いてみることにした
「ちょっと今私が調べてることがあってさ、皆は収穫祭中に嫌な物を見たとか幻覚を見たなんてことはあった?」
「無いわね、収穫祭中が汚れやすいって意味なら」
「私も特には無いわね……クララちゃんは?」
「私もないよ、嫌な物ってどんなの?」
「トラウマになるような感じのやつ、そうだなぁ、クララなら入間君に嫌われる幻覚を見るとかかも」
「いるまちは私を嫌ったりしない!」
「うんそうだね、だからもしそういう事があったら気をつけてね、幻覚を見ている可能性が高い。」
「それってどういう事?」
ケロリがそう聞いて来た、当然気になるだろう。
俺としても信じたくない事なのだが、状況証拠が彼の所業を物語っている。
「私のクラスメイトのオロバス君だ、彼の家系魔術の【
「なるほど、それはかなり危険な能力ね、この収穫祭で幻覚を見せられるという事は攻撃させて脱落させるような使い方も出来るしね」
「うん、もしかしたらすでに被害者もいるかもしれない……でもさ、オロバス君がそんなことをするとは信じたくないんだよね、彼は自分の家系魔術を嫌ってて使いたがらないからさ」
「それなのに使っていると、気が変わったって可能性は?」
「無くはないけど、終末日にオロバス君と話したときはそんな様子は全くなかったんだ、それにオロバス君の近くに何かが居た気がするんだ……もしかしたら、何かに巻き込まれたのかも」
「そのオロバス君が心配なのね」
「うん、心配なんだ。 だからケロリ達に協力するのは良いけどもう少しだけオロバス君の事を調べてからにしたいんだよ」
少なくともオロバスがどういうつもりであの能力を使っているのかだけでも知りたい。
情報は何もないのでケロリにも協力してもらえれば魔獣たちの力を借りて彼を見つけ出す事だって出来そうだ。
「ならそれも含めての
ケロリがそう提案してくれた、俺が時々契約という形でケロリに頼みごとをするのだが、気を使ってそういう形にしてくれたのだろう。
「願っても無い事だ、ありがとね」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
風呂も上がって移動することになった、洞窟を出たら丁度カイムが俺達を見て露骨にがっかりしていた。
「戦況は?」
ケロリがカムイにそう言うと、準備していたのか気を取り直して話し始めた。
4人はケロリの使い魔や魔獣に乗って移動、俺はバイクを使用しての移動だ。
「こちらが優勢ですがあちらも中々粘っておりまして」
「戦況って?」
エリちゃんがそう聞く、実の所俺は先程から少し察していた。
少し遠くに明らかに異常な数の魔獣の集まりと、悪魔の集まりがあるのだ。
恐らくだが、他の悪魔たちのチームを丸ごと掻っ攫おうという事なのだろう
これはルールの抜け道だ、直接の攻撃では即時失格になるのだが、使い魔でもない魔獣にやらせたのであればその限りではない、魔獣を使って他の悪魔にけしかけて、ため込んでいる収穫物を奪うのは悪い選択ではないと思う。
「高ポイント収穫の為にあなた達二人には敵を魅惑してほしいの」
エリちゃんとクララにはそういった。
なるほど、精神攻撃であればこれも失格にならない、相手の戦力を削りつつ魔獣でも攻撃をするとは……余程厄介な敵と見た。
「着いたわ、見えるでしょ?」
少し高い場所で止まったので言われた方向を見た
……悪魔の集まりは認識していたが、これは予想外だ。
自然環境であるこの森には不釣り合いの建物、そこには城があった。
「あの城、貰っちゃいましょう」
いい顔をする、俺はケロリのこういう高慢なところが結構好きなんだ。
「ところで私は?何するの?」
「そうね、貴女には──」
最近本編が荒れまくっててどうすんだこれ……に毎日なってます
とりあえず本作では
悪魔<魔神=13冠<3傑<=上位魔神<<<魔王
くらいのイメージで書いています