「……見つけた!」
ココを見つけた俺は、彼の前に飛んで降りた。
「ココくん! 探したよ!」
「……レイラさんか よくここが分かったな」
「ちょっと友達に手伝ってもらってね、聞きたいことがあるんだ」
「聞きたい事?」
「なんで家系魔術を使ったの? 私にも、それに他の
「何故使ったか? ……勝つため以外に理由があるか?」
「だとしても、なんで……? ココくんは使いたくないって言ってなかった?」
「あぁ……だが、それでは上を目指せないと思ったんだ。 邪魔をするつもりならレイラさんあっても……」
違和感がある、ココは確かにすごい
しかし何処か変だ、何とも言えない違和感というべきだろうか……ん?
「もしかして、もう一人いる?」
思わず口からそう言葉になった。
他に何かがいるようには感じないし、俺の魂視でも見えない。
完全な直感と前にココくんを魂視で確認したときに何かが近くにいた気がしたのを思い出す。
「……」
「ココくん?」
その時ココの姿が曖昧になってまた俺の前世の親友の姿が見えてくる、無口頭で素早く【
「私は勝たなければならないんだ……!」
「ココくん、ちょっと失礼。
これはモモノキ先生に頼んで込めてもらった【
正直ズルなのでこれらを使うつもりは無かったが緊急性が高そうなので使用した。
「うっ……」
「ココくん、大丈夫?」
「……近づくなッ!」
そう言ってココは俺から飛びのいた
【
しかし、効果自体はあったようで何かをされているのは確定だろう。
「……オロバス様、大丈夫ですか? ご入用でしたらこのオチョめにお任せを」
「オチョ、出てくるな お前では無理だ、離れていろ」
「……誰だ、きみは」
オロバスの影から小さい悪魔が現れた、現れた途端その魂も認識できたが、今の今まで気が付かなかった。
これはソイ以上の認識阻害でなければ説明が付かない
「私は、ただのオロバス様付きの悪魔ですよ もちろんこの収穫祭の参加者でございます」
「オチョ? 聞いたことが無い
「D組でございます。 生徒証もほらこの通り」
そう言って生徒証を見せられる、一応受け取ってよく確認してみるがその内容は間違いないようにも感じられるし俺の生徒証とも違いは殆どない。
「確かにこれは間違いなさそうだ、返すね」
「いえいえ、失礼ながらガイスト様のポイントはいかほどでしょうか? 中間発表では30000Pを越えていたように存じます」
「今で大体45000P、中間が高いのはちょっと裏技じみた方法が使えたからだよ」
「それはすごい! オロバス様、ここは協力してはいかがでしょうか」
「む、しかしそれではレイラさんに勝てないのではないか?」
「そこは同得点に調整すればよろしいのですよ! 合計を同じ得点にすれば今年の若王はお二方になりますので!」
「なるほど、オチョがそういうのであれば私は構わないが……」
「ガイスト様もそれで構いませんよね?」
実際確かにそれで若王を目指すというのも悪い話ではない、問題児達もペアを組んで若王を目指しているようなのでそういう意味でもありとも言える
しかしやはりだめだ。
「まず私はきみを信用できない」
「な、何故……?」
「きみ、さっきから私に洗脳魔術をかけてるでしょ」
「ッ!!」
そう、これが理由の一つだ
洗脳魔術は精神系故にこの収穫祭で禁止はされていないのだが、こういう取引の場において行うのは論外と言える。
それにその精神魔術の強度も問題の一つだ
この男は俺にも少し影響がある程度には高位の精神魔術を無口頭で行使している、しかしそれは本来あり得ないもの
俺達バビルス生徒は確かに優秀な悪魔が揃っている。
だが俺達では、高位魔術は限定的状況下を除いて行使が絶対に出来ないのだ。
理由は単純に魔力量の不足、それを補うタイプの家系魔術があれば話は変わってくるが、無口頭で行えるようなものでもない。
それに……
「君のその手にあるブレスレット、それ魔具だよね? それもかなり精巧なものだ。 見せてもらえる?」
「こ、これは貰いものでして 魔具とは知りませんでした」
「レイラさん、オチョの事を疑うのはやめてくれ 彼は私の事を手伝ってくれているだけだ」
「【
俺が入間に作って渡したものと似たようなものだ、気が付かないものには気付かれないようにする認識阻害と気付かれても違和感を感じさせないようにする特殊な認識阻害が混ざり合ったものだろう。
俺やケロリが使っている認識阻害魔具とも近い。
俺の魂視すらも誤魔化せるというのであれば相当なものと言える
ただの悪魔が手に入れられるような代物ではない、バックに誰かが付いているか相当な貴族くらいのものだ。
「そして、そもそも大前提として私は君の事を知らない……もう一度聞くよ、きみは何者?」
「オチョはD組の……「違うよね?」」
そもそも、D組というのがおかしい
「私さ、実は最近必要なことがあって1年生全員の名前を覚える機会があったんだよね、だから知ってるんだ。
「っ……! オロバス様!」
「わかった!」
【
「【ラファイア】!!」
「おっと!」
【
もう誤魔化す気も無いようだ、そして完全に確定した
「きみの正体はわかった、ココくんこいつは……!? いつの間に!」
オチョに気がいっているうちにココが遠くに移動してしまっていた、その方角は魂視で追えるがオチョを逃すわけにもいかない、どうするべきか
「どうします? 今オロバス様は貴女のご友人の元に向かっております、その友人の名はウァラク・クララ 今から追えば間に合いますよ?」
「クララをなめないでよね、あの子はアレでかなり出来る子だよ」
「そうでしょうね、しかしオロバス様の【
「今更だから言わないつもりだったけど、やっぱり色々していたようだね 何をしたのかな?」
「言うと思います? ……それに貴女、私の事を舐めすぎですよッ!」
それと同時に地面に亀裂が走る。
こんな魔術は知らないのだがオリジナル魔術か……?
効果が分からないが、飛んで回避する
「【
「ぐっ! 解除!」
高位の重力魔術である【
生徒でない相手にこのまま傷つけないようにして、攻撃をためらう必要はもうない。
こいつの正体から考えると暫くすると先生方が来るだろうが、その前に俺の手でこいつを対処したい。
「もう限界だ」
俺は今怒っている。
『私は収穫祭で一番になる。苦手な家系魔術に頼らずとも誰よりも凄い最高の一番になってみせよう』
ココはそう言った、それに彼の努力は俺はクラスメイトとしても良く知っている。
彼がこの日の為にどれだけ頑張ってきたか、どれだけ準備して来たか、どれだけ賭けていたかを知っている。
その上で俺は彼と競い合うつもりでここまでやってきたのだ。
彼が自分の意志で家系魔術を使う道を考えたのであれば、俺は文句はなかった。
彼が自分のトラウマを克服して成長したのであれば祝福すらするつもりだった。
しかし、これは違うだろう
これだけは許してはいけない
彼の意思を捻じ曲げて、使いたくもない能力を使わせて、利用する。
こいつがどんな理由があってこういう事をしたのかは知らないが……こいつは俺の手で倒さないと気が済まない。
「我慢の限界だ、お前はやってはいけない事をした それに生徒でもないお前に配慮する必要はもうないし逃げられるとも思うなよ」
ソウルリーパーを呼び出して、構える。
それと同時に使い切りの魔具を発動する。
箱型魔具だが、これはアミィ先輩の能力を参考に作った魔具だ。
コスト的方面も考えて一つしか作れなかったが使うのはここだろう
箱型魔具から角の部分が飛んでいき、俺達を含めた10m四方に疑似【
効果時間は10分程度、デスマッチ場の完成だ。
クララの方も心配だが、あちらはあちらで見えたものがあった。
あっちは彼に任せよう
「この
「は? 2番? 何を言ってるんだ?」
「お前なんかにはわかるかッ!他のやつらが来る前にお前を殺してやる!」
「……はぁ、どうでもいいけどさ ──死ぬのはお前の方だ