第一話「包帯を通づる視線」
私は玲奈(れいな)。この高校に通う、普通の女子高生。
キーンコーン――
カーンコーン――
「はい、じゃあ授業終わりまーす」
そう先生が言い放つと同時に、私は「疲れた〜!」
そう一言吐露した。
「やっと休めるよ〜」
私に続いて言葉を漏らした彼女は三波(みなみ)、私の友達。
「ねぇ玲奈、一緒に昼食食べない?」
「うん、いいよ」
「やった〜!」
三波からの誘いを快く受けた私は、三波と売店に向かって歩いていたんだけど......
階段を降りる瞬間、黒く、長い髪の女の子が3階に続く階段の上から覗いている。
私は見た事ない異様な姿に思わず二度見したけど、その時にはもう見えなくなってしまって、私は気のせいかと思ってその時は無視したんだけど......
(誰だろう......あんな子、この学校に居たっけ?)
そう思って少し立ち止まっていると、
「どうしたの? 早く行こ!」
と三波が私を気にかける。
「あ...うん」
その日は、何事も無く1日が終わったんだけど......
次の日から、あの女の子は時折私を見てくるようになった。
異様な女の子の容姿。目に包帯を巻いていて、目線は分からないけど、何故か私が見られているってすぐに分かった。
服は制服を着ていたけど、ボロボロで......何より――
色が黒くて、赤い大きなリボンが目立つセーラー服だ。
あの制服、可愛いけど……今の時代ではもう見れないはず……
翌日――
「ねぇねぇ玲奈! 聞いた?」
朝から元気に、三波は私に話しかけてくる。
「え? 何、どうしたの?」
「最近の噂!」
三波はいっつも、どこからともなく噂話を持ってくる。
「三波ってそーゆーのホント好きだよね」
と私は少し呆れながらも答える。
「いやいや! 今回のはちゃんと信憑性のある情報だから...!」
いつもと違って、酷く自信に満ちている。
「そう? まぁ話は聞いてもいいけど」
私も、三波の噂話は嫌いではないから、聞くだけ聞いてみよう。
「最近この学校で行方不明者が続出してるとか......」
そんな物騒な噂、噂で収まるような話じゃなくない?と思って私は少し信じてないながらも、三波に聞く。
「何それ、本当だったらもっと大事になってない?」
「それが......先生も、クラスのみんなも気付いてないみたいなの」
そんな事、あり得るの?
「尚更作り話みたい」
「本当だよ! みんなは気付いてないけど、私は見たからね! 隣のクラスにポツンと空いてる席がある事!」
「それに、この学校の歴史を見ても......嘘とは言い切れないんじゃない?」
珍しく情報源がまともそうだ。
「学校の歴史?」
私はそう聞いた。
「知らないの!?」
と三波が驚く。
「図書館に本があるから、見てみなよ!」
三波が本を読むなんて珍しい。
「そんなに言うなら......」
普段より積極的な三波に流されて、私は放課後に図書館に向かった。