【アーデンティア帝国編 「第二章 風の精霊シルフィード VS 水の精霊ウンディーネ」更新中!】剣を捨てて殴ったら人生が変わった!   作:初雪空

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追放されたジンは、 歴代勇者の痕跡をたどる!
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第24話 失恋したマリカちゃんを慰める女子会

 ララ・リーメルトは、ようやく笑顔になった。

 

 自分の拠点で、マリカ・フォン・ミシャールと会えたからだ。

 

「いやー! マリカちゃん、大きくなったねえ? マジックソード学院で、気になる男子はいるの?」

 

 お茶会のテーブルを囲み、定番の恋バナを始めたが――

 

「そいつは、行きずりのデカパイ女子を拾って、私から逃げたので」

「ブホッ!」

 

 ティーカップを持っているララが、噴いた。

 

 そして、優雅にティーカップを持つマリカは、静かに飲む。

 

「その前に、あいつの故郷への旅で一緒の部屋に泊まっていたんですけど。手を出してもらえなくて……」

 

「ああ、そお!」

 

 ダラダラと汗をかいたララは、話の続きに困った。

 

 息を吐いた聖女、リナ・ディ・ケームが、フォローする。

 

「その連れ去られたシャーロットは、私の親友です……。彼は瀕死の彼女をかばい、離脱してくれました」

 

 沈鬱な声に、ララはさらに困る。

 

 視線だけで、隣に座っている副隊長のナスターシャ・フィルスを見るも、首を横に振られた。

 

 肩を上下させたマリカが、リナを見る。

 

「ティルに、緊急用の回復薬を持たせていたから……。あいつが出し惜しみや、失っていなければ、助かっているわよ? たぶんね?」

 

 明るい顔になったリナが、声を上げる。

 

「本当ですか!? ありがとうございます!」

「……私は、あのデカパイでティルの全身をしごかれていると思い、全然ありがたくないけど」

 

 辛辣な言い返しに、リナの顔が引きつった。

 

 ため息をついたマリカは、本音を言う。

 

「あなたを苦しめても、意味はないから……。ティルがそのシャーロットにしゃぶりついていても、男のサガ! 気に食わないけど、恋人だったわけでも、婚約者だったわけでもない。……予想通り、王都にいるから、そのうち会える。あいつ、何を言い出すかしら?」

 

 胸元のペンダントを開けて、ジッと見ているマリカ。

 

 全員の注目を集めたまま、ぱちんと閉じた。

 

(((今、何を見ていたの?)))

 

 気になるが、怖くて聞けない。

 

 気を取り直したララは、質問する。

 

「マリカちゃん、聖女の護衛になったんだよね? この後は、どうするの?」

 

「アーデンティア帝国との戦争で聖女リナがティエリー王子と前線へ出るそうなので、その護衛に! 今から同性で探すのは、面倒なのでしょう」

 

 まだ学生が最前線へ行くと聞いて、ララは顔をしかめた。

 

「そっか……。今回は、帝国の意図が分からず、あまりオススメしないけど」

 

「なぜ?」

 

 リナのほうを見たララは、端的に教える。

 

「帝国の戦力が、少なすぎる! 新兵器を持ってきても……」

 

 片手を振ったララは、話題を変える。

 

「エレメンタル騎士団が役に立てば、いいんだけどね? あいつら、貴族の名誉職になっているから……。聖女の立場では、どう思う?」

 

「精霊が目覚めた時には、現代文明が滅びるでしょう……。大地、水、火、風の四元素は、この世界の守護者! 人類による破壊や消費が増えすぎれば、淘汰するために驚異的な存在を生み出します」

 

 リナの発言に、さっきとは違う意味で沈黙が訪れた。

 

 ララは、慎重に答える。

 

「んん-! 君の考えは分かったけど、他所では言わないほうがいいよ? ムダに貴族を敵に回すから! 参考までに、どうなるの? でっかいモンスターが出てくるとか?」

 

 首を横に振ったリナが、説明する。

 

「いえ……。選ばれた人間に、超常的な力が宿ります。風であれば、空を自由に飛び回るシルフとして」

 

「ちょっと、想像できないな! それだけなら、可愛いものじゃない?」

 

 ララの指摘に、リナも首をかしげる。

 

「そう言われると……。私も、実際に見たわけではありません」

 

 ナスターシャが、突っ込む。

 

「世界を滅ぼす存在を見ていたら、そもそも矛盾しますからね? でも、生まれ育った国には愛着があるのでは?」

 

 悩んだリナは、おずおずと答える。

 

「これは予測ですが……。その選ばれし者は、超常的な力に見合った思考になると思います」

 

 ナスターシャが、それに応じる。

 

「なるほど! この世界を守るために、私情で動かない兵士になると……。出現したのなら、どれだけ取り込めるか? でパワーバランスが変わりますね?」

 

 呆れたマリカは、本来の話題へ。

 

「お話の途中ですが……。聖女リナは、あまり出歩けない身です! 王都の美味しいお店とか、楽しい話題でお願いしたく」

 

 ララとナスターシャは、慌てて気遣う。

 

「ご、ごめん!」

「王都は騒がしくなりましたけど……。どこかで食事ぐらい、しましょうか?」

 

 その後には、女子会らしい雰囲気に。

 

 アーデンティア帝国との戦争で、彼女たちは全員が前線へ行く。

 

 次に誰も欠けていない保証は、どこにもないのだ……。

 

 ララは、マリカに尋ねる。

 

「そう言えば、気になる男子って?」

「……同じ学院にいて除籍になった、ティルです。魔法剣が使えないけど、身体強化の白兵戦なら教官の中でも上」

 

 それに引っかかったナスターシャが、眉をひそめた。

 

「巨乳の女と、打撃が得意な男……。そのティルという男は、同年代ですか?」

 

「はい! 同じ学年でした」

 

 マリカの答えに、首をひねったナスターシャ。

 

 しかし、夜で酒の席だったこともあり、うろ覚え。

 

 ティルと手合わせした可能性は、口に出さなかった。




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